
散布することで雑草を枯らせる効果のある除草剤のなかには、塩化カルシウムを主成分とするものがあります。雑草などの植物が塩化物に触れると水分が吸収できなくなり、枯れてしまうのです。
この性質を利用したのが、塩化カルシウムを使った除草剤です。他の除草剤に比べて人体への影響が少なく、安全に使用できるという特徴があります。
しかし、土地に塩化カルシウムをまくことには、さまざまなリスクがともなうことも覚えておきましょう。
思わぬトラブルを防ぐために、今回は塩化カルシウムでの除草のリスクや除草方法をご説明します。他の除草方法も併せてご紹介しますので、ご自身に合った方法を取り入れてください。
目次
塩化カルシウムで除草すると何が起きる?4つのリスク
塩化カルシウムをまいて雑草が枯れてくれれば除草が楽になり、とても助かりますね。
しかし、塩化カルシウムを使用すると土地に悪影響があったり、隣人トラブルに発展したりするおそれがあります。後悔しないよう、使用前に具体的な4つのリスクを確認しておきましょう。
リスク1.住宅基礎や配管へダメージを与える
塩化カルシウムに含まれる塩化物イオンが住宅の基礎部分におよんでしまうと、鉄筋コンクリートが腐食して傷むおそれがあります。腐食がすすむとコンクリートがはがれてしまうなど、住宅基礎がボロボロになり支えられなくなるかもしれません。
また、地中にある下水管や電線なども同様に被害がおよぶおそれがあるのです。そうなると電気や水道が使えなくなる場合があります。
リスク2.植物が生えてこなくなる
塩化カルシウムをはじめとした塩化物は、地中では分解されません。塩化カルシウムは雑草だけでなくすべての植物に影響を与えますので、除草をした場所で植物を植えようとしても、育たなくなるのです。それだけでなく、塩化カルシウムは分解されずにそのまま蓄積していきますので、数十年にわたって植物が育たない状態が続きます。
そのため、塩化カルシウムを主成分とした除草剤は、非農耕地用であることが多いです。非農耕地用の除草剤は、人が意図して育てている作物がある土地では使えません。農耕地用の農薬として登録されていない除草剤を農耕地で使うと違法になりますので、あらかじめ除草剤の用途と分類を確認しておきましょう。
リスク3.近隣に塩が流れてしまう
塩化カルシウムで除草をした場所に雨が降ると、塩分が流れて広がってしまうことがあります。こうしてご自宅の敷地外に流れ出てしまうと、ご近所の土地、河川に悪影響を与えることがあるのです。
ご近所に畑があれば、農作物が十分に育たないというリスクがあるでしょう。河川にも塩分が流れ出ると、川の水を利用しているほかの土地で塩分濃度が高くなるかもしれません。
リスク4.家や土地の評価が下がる
塩化カルシウムで除草をおこなうと、成分が蓄積されていきますので、土地の塩分濃度の数値を測ると高くなるかもしれません。この数値が高すぎれば、土地の資産価値が低いと判断されてしまうおそれがあります。場合によっては、子孫の代にわたって塩分濃度が濃いままになってしまうでしょう。
塩化カルシウムでおこなう除草方法
「リスクがあるものの、塩を使うと手軽に除草ができそう」と思う方もいらっしゃるでしょう。どうしても塩化カルシウムでの除草をおこないたいという人のために、塩化カルシウムを使った除草方法をご紹介します。必ず「塩化カルシウムで除草すると何が起きる?4つのリスク」の章でご説明したリスクをふまえておこなってみてください。
作業手順
塩化カルシウムは、通販やホームセンターなどで手軽に購入できます。除草剤として販売されているものもありますが、融雪剤との兼用として販売されていることもあります。
除草剤として使うときは、雑草の生えている土地にそのまま散布しましょう。粉末状のものはお湯などで溶かすとより浸透しやすく、均一にまくことができます。製品に記載されている用法・用量を必ず守ってください。
塩化カルシウムや除草剤以外にも方法はある!
「やはりリスクがあるのであれば、塩化カルシウムで除草をするのは控えたい」と思った方もいらっしゃるでしょう。この章では重曹や熱湯など、塩化カルシウムよりは安全な除草方法についてご紹介してまいります。
【除草方法1】重曹を使う
重曹は植物に浸透すると、老化を促進させるはたらきがあります。この重曹の作用で除草させることができるでしょう。重曹を水に溶かしたものをジョウロに入れて、除草をしたい場所にまいてください。
しかし重曹の成分は植物への浸透力が弱いため、ご家庭でまんべんなく雑草に重曹をかけることはむずかしいかもしれません。高圧噴霧器があれば作業がおこないやすいのですが、一般のご家庭で持っている方は少ないと思われます。
この場合は、小型の噴霧器があると雑草にまんべんなくまけるでしょう。噴霧器はホームセンターなどで1,000円前後にて購入ができます。
【除草方法2】熱湯を使う
熱湯を雑草にかけると、高温状態になり次第に枯れていきます。お湯を沸かすだけで用意ができますし、除草剤のように化学成分が含まれていないので安全に除草ができるでしょう。
しかし重曹と同じように、まんべんなく雑草に熱湯をかけることはむずかしいかもしれません。一度に熱湯を持ち運ぶ量はかぎられていますので、何度も往復して熱湯をかけつづけるという方法は効率が悪く感じるかもしれません。また、熱湯を落としてしまうとケガをする危険性もあります。
少ない回数で熱湯を運ぶためには、大型のバケツやジョウロを使用するとよいでしょう。手を滑らせて落とさないように、両手にハンドルがついたバケツや力を入れやすい太さのハンドルのジョウロを使うことをおすすめします。
【除草方法3】草刈りをする
自分の手で草刈りをおこなえば、細かい作業ができます。また、枯らしたくない植物を避けながら、雑草だけを草刈りできます。
しかし、草刈りは屈んだままの姿勢で作業をおこないますので、体に負担がかかるのが悩みという方もいらっしゃるでしょう。ホームセンターなどで、立ったままで草刈りができる便利なグッズが販売されていますので、取り入れてみてください。
除草後は雑草を生やさないための対策が大切
これまでご紹介した方法で除草したら、ふたたび雑草に悩まされないためにも今後の雑草対策をしましょう。ここでは、雑草が繁殖しにくくなる環境をつくれるウッドチップや防草シートについてご紹介します。
【対策方法1】ウッドチップを敷く
ウッドチップは木材を細かく砕いたものです。ホームセンターやインターネット通販で購入ができます。敷くと地面に日光を当たりにくくなり、雑草が育ちにくくなるでしょう。設置は除草をした場所にチップを敷くだけで施工が完了します。
塩は長年にわたり土地に影響するおそれがありますが、ウッドチップは分解され土に戻ります。安全に除草ができる方法といえるでしょう。
しかしウッドチップは細かく粉砕してありますので、ペットを飼っているご家庭では誤飲の心配があるかもしれません。この場合は、ウッドチップと同じ効果がある、樹皮を大きく砕いたバークチップを敷くとよいでしょう。
【対策方法2】防草シートを敷く
防草シートは地面に注ぐ日光を遮断して植物の成長を防ぐものです。ホームセンターやインターネット通販で市販品が販売されています。
平らにならして整地した場所に、防草シートをはります。石や雑草の固い根はスコップで取り除いておかないと、きれいに防草シートをはれないので丁寧におこなうことが大切です。
デメリットとしては、きれいに防草シートをはることがむずかしい点です。もし正しくはれていないと、はがれてしまい防草効果がなくなってしまいます。DIYでの設置に自信がないときは、業者にまかせると正しく設置してくれるでしょう。
まとめ
塩化カルシウムをまくと今後植物を育てられなくなり、土地や建物に悪影響をおよぼすことがあります。ご近所に被害がおよび、トラブルに発展するおそれもあるのです。塩化カルシウムを使って除草する場合は、これらのリスクをふまえておこないましょう。
塩化カルシウムよりも安全に除草をおこないたいときは、重曹や熱湯を使う方法があります。
「体力がないので広い庭に対応できない」というときや、「思ったような効果が得られなかった」とお困りでしたら、業者に除草をまかせることも検討してみてはいかがでしょうか。
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