
アニメのキャラクターにもなったアライグマは、今や日本の農作物を食い荒らす悪者としてテレビで報道されてしまうこともあります。
そもそも野生のアライグマは北米原産の動物で、日本の生き物ではないのになぜ住み着いてしまったのでしょうか。
それは身勝手な人間の行動が原因だったのです……。
今回は、アライグマが野生化した原因と、もし野生のアライグマを見つけた場合の対処などについて紹介します。
どうして北米原産のアライグマが日本に?
1970年代、アライグマは人気アニメの主人公が飼っているペットがアライグマだったこともあり数多く輸入されました。
アライグマは可愛らしく、幼少期はなつくことから犬のように外にリードをつなぎドッグフードを与えられて育つアライグマもいたといいます。
しかし、そのようになついてくれるのは幼少期だけで、成熟したアライグマは一転して凶暴になったり、手先が器用なために逃亡するアライグマもいました。
そのようになったアライグマを、アニメの主人公が物語の最後に森に放つのを真似て山などに捨てる人もいたということです。
そのように山に放たれたアライグマや民家から逃げ出したアライグマが野生化し、日本に生息するようになりました。
野生のアライグマは増え続けている?
被害状況の推移
1980年代から徐々に生息域を拡大し続けた野生のアライグマは、1990年代には日本各地で発見されるようになり、2000年代に入るとアライグマによる農作物被害は非常に深刻なものになりました。
特に近畿地方における被害総額は高く、平成20年度には1億2,000万円を上回るほどでした。
アライグマは畑に出没すると、収穫時期のスイカやトウモロコシを食べてしまいます。
手先が器用なためスイカやカボチャに穴を空け、手を入れて中身を食べたり、ブドウの棚に登りブドウの房を引き上げて食べるなど、アライグマによる仕業だとわかる被害が多いです。
捕獲数の推移
被害額が上がるのと同様に、捕獲数も年を増すごとに上がっています。
アライグマの捕獲数は平成18年度に約6,500頭となっています。
つまり、日本にはそれ以上のアライグマが今生息しているということになるのです。
地域別では北海道・神奈川・兵庫が特に突出して捕獲数が多く、特に兵庫は被害額も多いです。
もしも野生のアライグマを見つけたら…
1970年代にはペットとして飼われていたアライグマも、野生化した今では特定外来生物に指定されたため、個人で飼うことは禁止されています。
また、野生化したアライグマは以下のような病気や寄生虫を感染させる恐れがあります。
・狂犬病
致死率100パーセントと言われる恐ろしい病気です、噛み傷などから唾液を通じて感染する恐れがあります。
・アライグマ回虫
脳に達して脳神経障害を起こす恐れがあるほか死亡例もある寄生虫です。
・レプトスピラ症
重症になると死亡することもある病気です、悪寒・発熱・倦怠感・頭痛などが症状として現れます。
もしも野生のアライグマを見つけた場合はむやみに触ったり餌付けをしてはいけません。
各自治体の指示に従いましょう。
アライグマに住み着かれてしまったら…
野生のアライグマは空き家などを住処にしてそこで繁殖をしてしまうことがあるほか、人の住んでいる家の屋根裏でも繁殖することがあります。
アライグマに住み着かれた住居には以下のような被害が起こるおそれがあります。
・糞害
アライグマが屋根裏に住み着くと、糞尿を屋根裏で排泄し悪臭を起こすようになります。
また、糞尿によって天井の木材が腐り、落ちてきてしまうなどということになると莫大なリフォーム費用がかかることになります。
・断熱材を巣材に使う
アライグマが屋根裏に住み着くと、屋根裏の断熱材を巣材に使用するために食いちぎってしまい断熱材がボロボロになるなどの被害が想定されます。
・騒音
アライグマが天井裏を徘徊することにより騒音の被害が出ます、繁殖したことにより子どもが産まれると、さらに騒音が増していくことになります。
対策
・餌付けはしない
かわいいからといって餌付けをしてしまうと、アライグマは住居を餌場と勘違いしてペットフードや生ごみを食い荒らすようになります。
餌付けしないのはもちろん、勝手に食い荒らされないように食べ物を片付けておくことも大切です。
・侵入を防ぐ
アライグマが侵入しないように天井裏の隙間などは金網やパテを使って塞ぐようにしましょう。
アライグマは力が強く器用なので、中途半端な侵入対策ではこじ開けられるおそれもあります。
・感染症を防ぐ
感染症の予防のためにアライグマを発見した場合や糞尿を見つけた場合は手を洗いましょう。
なるべく肌の露出を防ぎ、使い捨ての道具でお掃除しなければいけません。
・業者に相談する
害獣駆除のプロはアライグマが民家に侵入した際の防除のアドバイスをしてくれるため、害獣駆除のプロに一度相談してみましょう。
まとめ
人間がより住みよい環境を求めるように、アライグマもより良い環境があればそこに住み着いてしまいます。
それを人間の害になるからといって野生のアライグマを悪者扱いするのは大変自分勝手ですが、人間が招いた種は人間がけじめをつけなくてはならないのかもしれません。
先述したようにアライグマはかわいいだけではなく、凶暴性も強いためもし見かけた場合は害獣駆除のプロに相談をしましょう。
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