ネズミ駆除に超音波が効果を発揮する秘密は可聴域!撃退ポイント解説
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ネズミ駆除は、超音波を利用すれば一定以上の効果を得られるといわれています。ただ、ネズミ駆除には、超音波は効果が続かないおそれがあります。ネズミに超音波を聞かせ続けると、ネズミが超音波に慣れてしまうことがあるからです。
この記事では、ネズミ駆除の超音波の効果について詳しくご紹介します。ほかにも、超音波のメリットやおすすめ商品、効果を高めるポイントなど、超音波でネズミを駆除するうえで知っておきたいことをご紹介するので、参考にしてみてください。
目次
ネズミ駆除に超音波を使う効果
個体差はあるものの、超音波の利用はネズミ駆除に一定の効果があるといわれています。超音波とは、20kHz以上の周波数のことです。
超音波が有効な理由は、ネズミの可聴域(聞こえる周波数の範囲)と関係しています。ネズミは人間より可聴域が広く、人間が約20Hz~20kHzの周波数を聞くことができるのに対し、ネズミは約500Hz~64kHzの範囲を聞きとることが可能です。なお、1Hzが0.001kHzになります。
つまり、超音波は人間には聞こえないものの、ネズミには聞こえています。ネズミはこの超音波のことを嫌うため、超音波を流し続けることでネズミを追い払える可能性があるのです。
また、この性質を利用したのが、”超音波器”です。超音波器は、ネズミが嫌う超音波(20kHz~50kHz程度)の音を大音量で流しています。この騒音をネズミに浴びせかけ続けることで、ストレスを感じさせて追い出す効果があるのです。
ちなみに、ネズミ駆除に使われる超音波器には、周波数が自動的に変化するものや断続的に発するものなど、さまざまな種類があります。コンセントから電源を取るタイプや電池式といった違いもあるため、設置予定の環境に適したものを選ぶのがよいでしょう。超音波の選び方については、後ほど詳しくご紹介します。
超音波使用のメリット・デメリット
ここからは、超音波を使ったネズミ駆除のメリット・デメリットについてご紹介します。「ネズミ駆除に超音波器を使おうか迷っている」という方は、判断材料のひとつにしてみてください。
超音波のメリット
・複数のネズミに対して効果が見込める
・小さなお子さんやペットが誤飲する心配がない
・死骸処理の心配がない
ネズミ駆除の多くは、一匹ごとに捕獲器を設置したり駆除スプレーをかけたりするなどの必要があります。しかし、超音波によるネズミ駆除では広範囲に効果が見込めます。一匹単位で駆除を考える必要がないことは超音波器の強みといえるでしょう。
また、殺鼠剤といった毒の含まれた駆除剤を使わないため、小さなお子さまのいるご家庭でも誤飲のリスクを避けることができるというメリットもあります。お子さまがいるなどの理由で「安全で安心できるグッズを使用したい」という方に向いているでしょう。
ほかにも、超音波を使ったネズミの駆除方法では、ネズミを殺すのではなく追い出すことになるため、後処理をする必要がない点も大きなメリットといえます。このことから、超音波を使った方法は、もっともご自身の負担が少ないネズミ駆除の方法であるといえるでしょう。
超音波のデメリット
超音波器の効果とメリットを知ると万能な駆除方法のように思ってしまいがちですが、もちろんデメリットがあることも忘れてはなりません。むしろ超音波を使ってネズミ駆除する場合は、デメリットについても知っておく必要があるのです。
超音波を使った最大のデメリットは、効果が一時的になるおそれがあることです。たとえば、一度超音波による追い出しが成功して3日間は撃退できても、4日目にはまた戻ってきてしまうというケースもあります。
効果が持続しない理由は、ネズミの学習能力や慣れによることが大きいといえるでしょう。はじめて超音波を聞いたときは、警戒したり不快感を覚えたりすることで一時的に追い出すことができます。
しかし、安全だとわかればまた戻ってきてしまい、超音波が鳴っていても平気でいることが多いといわれています。そのため、効果的にネズミ駆除に超音波を取り入れようとお考えなら、音に慣れさせないといったひと工夫して活用することが大切です。
音に慣れさせないひと工夫については、このあとの「ネズミ駆除で超音波をより効果的に使う方法」で詳しく解説しています。こちらを参考に超音波を効果的に使って、ネズミをしっかりと撃退していきましょう。
超音波の使用によるペットへの影響は?
ペットを飼っている方は、「超音波器を使うことでペットへの影響はないの?」と思うかもしれません。結論から申し上げると、超音波器はペットに影響をもたらすおそれがあります。動物の中には、超音波を聞き取れる種類もいるからです。動物ごとの可聴域を、以下にまとめました。
可聴域(聞こえる周波数の範囲) | |
一般的な超音波器 | 360Hz~42kHz |
人間 | 20Hz~20kHz |
ねずみ | 500Hz~64kHz |
犬 | 15Hz~50kHz |
猫 | 60Hz~65kHz |
馬 | 55Hz~33kHz |
魚 | 50Hz~5kHz ※イルカは150Hz~150kHz |
コウモリ | 1kHz~120kHz |
ウサギ | 360Hz~42kHz |
チンチラ | 90Hz~22kHz |
モンゴルアレチネズミ | 100Hz~60kHz |
※参考: カロッツェリア 音の雑学大辞典
※参考:NII SAC「音声から情報を得る-大量の音声データから見えてくるものは?-」
※参考:ナショナル補聴器センター「可聴域」
上の表からもわかるように、超音波が聞こえる動物は少なくありません。ペットによって個体差はあるものの、超音波が聞こえることでペットがストレスを感じてしまうおそれはあるでしょう。
ハムスターなどのげっ歯類・ウサギや昆虫はとくに注意!
げっ歯類やウサギ、昆虫などを飼っている場合は、とくに注意が必要です。ねずみと構造が似ているハムスターやモルモットなどのげっ歯類やウサギは、繊細な動物だといわれています。超音波が聞こえることで、大きなストレスを感じて体調を崩してしまうおそれがあるのです。
また、昆虫の可聴域は数百Hz~数十kHzのものが多いですが、数百kHzまで聞こえる種類もいます。つまり、人間や犬・猫などのペットに比べて耳がよいため、超音波の音をとくに不快に感じてしまうおそれがあるのです。
こうした理由から、ペットを飼っている方、とくにげっ歯類やウサギ、昆虫を飼っている方は、使用を控えてほかの手段でねずみを退治することをおすすめします(魚は超音波が聞こえないため使用しても問題でしょう)。
もしどうしても超音波器を使用したい場合は、きちんと説明文を読んだうえで、超音波の設置場所の近くに飼っているペットのケージを置くことを避けたほうがよいでしょう。また、超音波を使用し始めて、ペットに落ち着きがなくなったり、行動がおかしくなったり、体調を崩したりする場合は、使用をしばらく控えるようにしてください。
ネズミ駆除で超音波をより効果的に使う方法
超音波でネズミを駆除するのに、少し工夫をすることによって一時的な駆除のみならず、効果的な撃退につなげることが可能です。ネズミ駆除を、超音波で効果的に進めるために、おさえておくとよい2つのポイントを確認してみましょう。
設置場所を工夫する
超音波は、障害物があると吸収されてしまったり、うまく届かなかったりします。そのため、なるべくネズミに直接当てられる場所を意識して設置するのが望ましいでしょう。
ただ、ねずみのいる場所に超音波を適切に当てようとしても、電源がうまく取れないかもしれません。屋根裏や倉庫など電源の確保ができない場所に置くときなどは、扱いやすい電池式タイプがおすすめです。なお、超音波器の選び方について詳しくは、次の章でご紹介します。
クマネズミなら屋根裏、ドブネズミなら水回り、ハツカネズミならキッチンまわりといったように、ネズミの種類によって、超音波器の適した設置場所が異なります。
クマネズミ、ドブネズミ、ハツカネズミといったネズミの種類ごとの特徴や発生場所、侵入経路を理解して、効果的な場所に設置しましょう。
ほかの駆除方法も併用する
ネズミ駆除に超音波を利用するときには、ほかの駆除方法も併用するとより効果的です。ネズミの駆除方法は、忌避剤などの臭いを利用して駆除する方法や、ネズミの通り道に粘着シートなどの捕獲器(罠)を仕掛ける方法など、さまざまな種類の方法があります。駆除方法の一例として、忌避剤と捕獲器の特徴について以下にまとめました。
忌避剤とは、ハーブや辛味成分など商品によって含まれているものは違いますが、動物や昆虫などが嫌い、寄り付かなくなる薬剤をいいます。とくにスプレータイプの忌避剤は使い勝手もよく、狭い隙間や天井裏などに噴射しやすいためおすすめです。
忌避剤は長くて1か月ほど効果がありますが、短いものだと1日以内に効果がきれるため、こまめに噴射する必要があります。ネズミが出入りしそうな場所や通り道などに使うのがよいでしょう。
捕獲器は、ケースの中にネズミの好きなエサを設置しておき、それを食べることでネズミを捕獲する罠です。ただし、捕獲したネズミをご自身で処分する必要がある点は覚えておきましょう。
捕獲タイプの中でも粘着シートは値段が安く、置くだけで捕獲器と同様にノミなどの害虫まで駆除することもできます。しかし、粘着力が低いものもあるため、値段だけを重視するのもあまりよくはありません。粘着シートは複数枚購入して隙間がなくなるように敷かなければ効果を発揮することができないため敷き方に工夫が必要です。
このように、超音波でネズミにストレスを与えて、別の駆除方法も併用できれば撃退の確率は大きく上がるでしょう。なお、ネズミの駆除方法について詳しくはこちらで解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
超音波器の選び方・おすすめ商品5選
超音波器は、ホームセンターや通販サイトで購入することが可能です。ただ、超音波器といってもさまざまな商品があるため、どれを選んだらよいかわからない方もいらっしゃるでしょう。そこで、ここからは超音波器の選び方やおすすめ商品をご紹介します。以下の内容を、超音波器選びにお役立てください。
超音波器の選び方
超音波器の選び方について、以下にまとめました。
1.電池式かコンセント式かを選ぶ
超音波器には、電池を入れるタイプと、コンセントに挿して動くタイプの2種類があります。電池式は場所を選ばす使用できることが最大のメリットでしょう。先ほども申し上げたとおり、電池式なら、ネズミが屋根裏や倉庫など電源の確保ができない場所に現れた場合でも設置することが可能です。
ただし、電池式は定期的に電池を交換する必要があるため、面倒に感じる方もいらっしゃるかもしれません。コンセント式なら、コンセントにプラグをさしてスイッチを入れるだけでずっと稼働させておくことができるので、電池交換が面倒な方はコンセント式を選ぶとよいでしょう。
2.有効範囲を選ぶ
有効範囲とは、超音波が届く範囲のことです。基本的に、有効範囲は、家の広さに応じて選びます。超音波器の多くは、有効範囲が150~200㎡(約90~120畳)のものが多いです。家の広さにもよりますが、そういったものを選べば数台設置すれば家全体をカバーできるでしょう。
3.機能を選ぶ
超音波器の中には、周波数が変化するものもあります。そういったものであれば、ネズミが超音波に慣れづらくなるので、効果が持続する可能性が高いです。ほかにも、ネズミだけではなく、ハエやゴキブリなどほかの害虫にも効果を現す商品もあります。「ほかの害虫もあわせて駆除したい」という方は、こうした商品を選ぶとよいかもしれません。
おすすめの超音波器5選
ここからは、おすすめの超音波器を5つ紹介します。「どれを使えばよいのか迷ってしまう」という方のために、おすすめの超音波器を5つに絞ってご紹介していきますので、商品選びの参考にしてください。
NEARPOW ネズミ 駆除 超音波
電磁波と4種類の超音波を発生させることのできる超音波器です。25~100kHzの周波数が150平方メートルの範囲まで届きます。コンセントタイプになりますが、周波数に届く有効範囲が広くなっているので、これ1個でも十分な効果に期待できることでしょう。
OPBIN ネズミ 駆除 超音波
超低周波電磁波と4種類の超音波を、360度方向についたスピーカーから同時に断続的に発することができる超音波器です。これ1台で全方向をカバーできるため、ほかの超音波器5台分の効果があるとされています。有効範囲は、25~100kHzの周波数で300平方メートルになるようです。
verey 超音波ネズミ撃退器
電磁波と6種類の超音波を発する超音波器になります。22~120kHzの周波数で400平方メートルもの範囲をカバーできるようです。アメリカの可変性超音波・テクノロジーを採用しており、50秒間隔に8段階の音波をふたつのスピーカーから発し、効果的にネズミを撃退できます。
LECDDL 害虫駆除器 ネズミ撃退器 超音波式
ネズミはもちろん、ゴキブリ・蚊・トカゲ・ノミ・ハエ・クモ・ダニにまで駆除効果を発揮する超音波器です。無毒無臭で静音になるため、小さなお子さんやペットのいるご家庭や飲食店でも、安心して使用できます。
Tewesen ネズミ駆除 超音波 ネズミ撃退器
ハイパワーの電磁波と6種類のTBS超音波、圧力波によって、ネズミだけでなくゴキブリ・蚊・ハエ・クモ・ダニ・アリ・ノミまで撃退できる超音波器です。有効範囲も200平方メートルあるため、これ1個で満足の撃退効果を感じることができるでしょう。
超音波アプリもおすすめ!
ネズミ駆除をしたいなら、超音波アプリもおすすめです。超音波アプリは、インストールして起動すれば超音波を再生することができるツールです。アプリによっては無料でインストールできるものもあるので、「まずは費用がかからない方法を試してみたい」という方は、ぜひ利用してみてはいかがでしょうか。
駆除できない場合はプロに相談を
ここまで超音波器を使ったネズミ駆除についてご説明してきましたが、自力ですべてのネズミを駆除するというのは簡単なことではありません。そのため、どれだけ工夫をしたとしても、自力では駆除できないということも十分に考えられます。
さまざまな対処をほどこしてネズミ駆除しようとしても思うように効果が得られない場合には、一度ネズミ駆除業者に相談してみるのもよいでしょう。プロに依頼すればあっという間に解決してくれるかもしれません。
業者に頼むメリット
業者は、さまざまな状況でネズミ駆除の実例を知っているため、最適な方法で対処してくれることが期待できます。専門的な視点から、ネズミが発生して困っている状況を確認してより適切な判断をしてもらえる強みがあるでしょう。具体的には以下のようなことに該当する場合は、ネズミ駆除業者に相談することをおすすめします。
・超音波機をどこに設置したらよいのかわからない
・超音波機を一度試してみたけど効果がなかった
・やっぱりペットへの影響が心配
・一時的にいなくなったけど再びネズミ被害にあっている
また、業者に頼むことで駆除後の死骸処理といった不快で面倒な作業をしてもらえるといったメリットもあります。ネズミの巣やフンの処理もお願いすることができるので、不快で面倒な作業をしたくないという方は、とくに業者の利用がおすすめです。
ネズミ駆除費用の相場
ネズミ駆除業者5社の費用平均を調べたところ、37,300円でした。費用の内訳は業者によって異なるものの、駆除をおこなう場所の広さ、坪数に応じて駆除作業にかかる期間と頻度で割り出されています。
また、業者によっては、マンションか一戸建てかで費用が異なります。マンションの駆除費用は、一戸建てに比べると安い費用でおこなってもらえることが多いようです。
なお、業者を選ぶ際には、少なくとも2~3社から見積りをもらうとよいでしょう。また、見積りを取る際は料金の安さも大事ですが、見積りの内訳が詳細に書かれているか、相場と比べて大きく違いがないかなども確認するようにしてください。
これらを確認することで、少しでも安い業者を見つけることができて、満足のゆく駆除サービスを受けることができるでしょう。もし自分での業者探しが面倒だと思う方は、生活110番をご利用ください。
生活110番のもつ全国の加盟店の中から、ご希望に沿った業者をご紹介させていただきます。24時間365日【無料】で受け付け対応していますので、いつでもお気軽にご相談ください。
退治した後が肝心!ネズミの侵入を防ぐ対策
一度ネズミを追い出すことに成功した場合は、なるべくネズミが戻ってきにくい環境に整えてしまうのがおすすめです。ネズミの駆除を超音波による効果でおこなった場合は、とくに戻ってくるおそれがあるため、しっかりと侵入対策まで考えておくとよいでしょう。
ネズミの侵入口をふさぐ
ネズミが戻ってきにくい環境をつくるために、まずはネズミの侵入口となる場所をふさいでしまう方法があります。おもなネズミの侵入経路には、屋根にある通気口や建物の隙間、ひさし下などのちょっとした隙間が多いでしょう。なるべく侵入口となる隙間は完全にふさいでおくのが理想的です。
隙間をふさぐには、ホームセンターなどでも売られているスチールタワシなど、柔軟に形を変えられて、丈夫な金属素材がよいでしょう。それらに工具用のパテを使用して、塗り固めてふさいでしまうのがおすすめです。
ネズミが住み着きづらい環境にする
ネズミは食べ物がすぐに手に入る環境や、巣となる材料になるものが置かれている環境を好みます。そのため食べ物を外に出しておかずに、巣づくりの材料になる新聞紙や布きれが散らばっているような乱雑な環境にしておかないことが大切です。
ほかにも押入れやタンス類の収納場所は、中にネズミが入らないようにするためにきちんとフタをしておくのがよいでしょう。ゴミ類も生ゴミが外に出ているような状況は避けたいところです。ネズミが住み着きづらい環境にするためにも、家の中は整理整頓してきれいにしておくことが大切です。
まとめ
ネズミ駆除は超音波の効果によってもおこなうことができます。ただし超音波のみの場合では、一時的に駆除をおこなえても、また戻ってきてしまうおそれがあるでしょう。ネズミも賢いため、一度は駆除が成功しても危険がないとわかれば、超音波を耳にしても慣れて平気になってしまうのです。
そのため、家の環境をネズミの住みにくい環境に整えて、侵入口となるような場所もふさいでしまうことが好ましいといえます。ほかにも、超音波による駆除と併用して、ほかの駆除グッズも合わせて駆除を進めるのがおすすめです。よりネズミの撃退が効果的におこなえるでしょう。
ネズミの駆除が思うようにいかず、また戻ってきてしまうなど、駆除がスムーズにおこなえない場合には、ネズミ駆除業者に相談してみるのも有効です。ネズミ駆除業者は、ネズミ被害のさまざまな状況での実例を知っているため、より適切な判断で駆除を進めてくれるでしょう。ネズミ駆除に困ったときこそプロに相談するのがおすすめです。
(この記事は2020年8月6日に加筆・修正しています)
※対応エリアや加盟店によって変わります