ハエは危険が迫っている場合は瞬時に反応して高速で方向転換できるため、なかなか直接駆除するのは難しいことがあるかもしれません。
そんなときに効果的な駆除方法はどのようなものがあるのか、気になりますよね。
また「なぜかハエが自分のところに寄ってくる……」という方はハエが寄ってきやすい原因を知っておくと、不快な思いをせずに済むでしょう。
今回はハエの特徴や被害、またハエが寄ってきやすい人の特徴やハエの駆除方法についてご紹介します。
目次
代表的なハエの種類と生態
そもそもハエにはどのような種類がいるのでしょうか。ハエは「コバエ」と「大型のハエ」に分類することができます。日本にはコバエや大型のハエを含めて約300種類ほど生息しているといわれており、全国的に山などの自然環境や家庭内など、あらゆる場所で見られます。
大型のハエはイエバエ科、クロバエ科、ニクバエ科、ヒメイエバエ科に分類されます。ここでは大型のハエで代表的なものをご紹介します。
▼イエバエ
イエバエはイエバエ科に属するハエで、世界中に広く分布しています。体は黒や灰色をしており、背中には4本の縞模様があり、雌は雄と比べて目の間が幅広くなっています。
イエバエは基本的に山や川などの自然環境には生息しないハエで、人の家などで生息することがほとんどです。台所やトイレ、ゴミ捨て場などでよく見かけます。
大きさは6~8mmで、寿命は1か月ほどとなっています。畜舎などから大量発生することがあり、様々な病原菌を媒体することが特徴です。
成虫の間に50~150個の卵を産み、春から秋にかけて繁殖します。
▼センチニクバエ
センチニクバエは動物の死体や糞に発生する衛生害虫です。大きさは9~11mmとイエバエと比べて大きく、体は灰色や青藍色で3本の黒い縞模様があるのが特徴です。
「センチ」というのは「便所」という意味で、また肉も好むことからこのような名前になったとされています。トイレの水洗化が進んでからはこの種の発生が減ったともいわれていますが、現在でもまだ発生することがあります。
日本では全国的に発生しており、また世界では日本から東南アジア、南太平洋地域に広く分布しています。
センチニクバエはトイレ臭や魚、肉のニオイに釣られて寄ってくることが多く、日本では暖かな地域で見られることが多くなっています。北海道などの冷たい地域では夏の間に見られることが多くなっています。
▼オオクロバエ
オオクロバエの大きさは雄が9~13mm、雌が7~14mmとなっています。成虫は全体的に青藍色をしており、お腹部分や背中は褐色がかっています。トイレ臭や魚、肉のニオイにひかれて集まるという習性があり、糞などを食べるという特徴があります。
日本では全国的に見られ、極端な暑さに弱いことから暖かな地域では夏の間見られなくなりますが、寒い地域では夏の間でも見られます。
発生時期は地域によって異なりますが、春から秋にかけて発生することが多くなっています。また成虫は越冬するため、冬の間も見かけることがあります。
このようにハエは種類によって、大きさや見た目が異なります。しかし生息場所や生態は共通しているものがあります。ハエの卵から成虫になるまでの期間などもその1つです。次の章では、そんなハエの生態サイクルについてご紹介します。
ハエの一生
ハエは卵から産まれて、幼虫になり、サナギになったあとに成虫になります。ハエは長くても卵から成虫になるまでの期間が24日前後となっており、その期間は非常に短いものになっています。その内訳を詳しく見てみましょう。
卵(2~3日)
ハエの卵は種類によって異なりますが、多くの場合は乳白色で、大きさは1mm前後となっています。1匹の雌が産む卵は1回につき50~150個となっており、一生のうちに産卵する数は3~4回となっています。そのため、最大で合計500個ほどの卵を産むとされています。
ハエが卵を産む場所は、腐敗した食品や動物の糞、排水口、生ごみなどを入れるゴミ捨て場や三角コーナー、観葉植物、トイレやお風呂などが多くなっています。
卵は気温が25度前後に保たれている場合に発生しやすくなっており、気温が高すぎる夏や気温が低くなっている冬の間は卵が発生しにくくなります。
幼虫(4~10日)
ハエの幼虫は別名で「ウジ虫」といわれています。腐敗した動植物に寄生して微生物などを養分にして成長します。一部の種類は生きている生物に寄生して捕食し養分にするものもいます。
脱皮を2回行い、大きくなっていきます。通常は成虫になってから生殖活動をほとんどですが、タマバエなどは幼虫のうちに生殖活動を行う場合もあります。
幼虫は成熟すると、乾いた場所に移動してサナギになります。
サナギ(4~11日)
サナギの期間は幼虫になっている期間とだいたい同じで4~11日となっています。サナギは幼虫の体が圧縮してコメのような形になります。殻は幼虫の外皮がそのまま固くなることで作られます。
成虫
サナギで羽などが十分に形成されると孵化し、成虫になります。成虫になって、早くて5日後くらいには産卵するため繁殖力は脅威です。
不潔なハエがもたらす被害
ここまでハエの種類やハエの一生についてお話しましたが、その習性から被害をもたらすことがあります。
▼病原菌の媒体
ハエは生息する場所などから病原菌を媒介します。媒介するものには大腸菌や黄色ブドウ球菌、サルモネラ菌、赤痢菌、腸炎菌、ポリオウイルス、赤痢アメーバや様々な寄生虫などが含まれるおそれがあります。
▼ハエの大量発生
ハエは短期間で繁殖可能な害虫です。1匹が家の中に侵入しただけでも、その1匹から大量にハエが発生することがあります。
家庭での発生源は排水口などの場所で、掃除をしっかりと行うと発生を防ぐことができます。
▼益虫としての一面も
害虫指定されている種類もいるハエですが、益虫としての一面もあるようです。
・ショウジョウバエは動物実験で重宝されている
・ハエの幼虫は動植物の分解をするため生態系において役割を果たしている
・マゴットセラピー(ハエの幼虫が壊死した組織や傷口の菌を食べることを利用した傷療法)として活用できる
このような益虫としても面もありますが、基本的には害虫として扱われることがほとんどです。更なる被害を増やさないためにも、基本的にハエが発生したときには駆除を行いましょう。
ハエが寄り付きやすい人の特徴とは?
ハエがどのような場所を好み、どのような生態があるのかということは理解いただけたと思います。その点を踏まえて、ハエが集まりやすい人の特徴をご紹介します。この特徴に注意して「あの人にハエが集まっている!」という視線を浴びないように気をつけたいものです。
ここで1つ知っておきたいことは、「ハエが集まりやすい人=不潔な人」ではない場合もあるということです。どういうことなのか確認していきましょう。
▼黒い色に寄り付く
ハエは本来樹液をえさにする昆虫です。その本能から樹液と同じ黒色を好むという習性があります。また腐敗した食品も黒く変色することから、黒いものに寄り付きやすいということもあるようです。
▼ニオイに寄ってくる
ハエはニオイに寄り付くという側面もあります。ハエが寄り付きやすいのは家庭ごみのニオイや、畜舎、またトイレ臭や腐敗した食品や樹液となっています。これらのニオイに近いものに寄り付くという特性があるため、ニオイには気をつけましょう。
人は汗をかきますが、汗にはアンモニアが含まれており、その成分に反応して寄ってくるということもあります。「生ごみのニオイはしないはず……という方は汗のニオイを抑えるために制汗剤などを活用するとよいでしょう。
▼高いところには寄ってきやすい
人の頭や顔に寄ってきやすいという特徴があります。とくに頭は髪の毛で覆われており、溜まった汗によってニオイも溜まりやすくなっています。頭皮のニオイに寄ってくるということもあるので、夏はとくに注意しましょう。
目の前のハエを駆除する方法
発生してしまったハエは大量発生を防ぐためにも早めに対処したいものです。しかしハエ叩きを使用しても、なかなか難しいという場合があるのではないでしょうか。ここではその理由と様々なハエ駆除方法についてご紹介します。
▼ハエを叩くのが難しい理由
ハエが思うように叩けないということにはちゃんと理由があります。
反応が早い
ハエは1、2回の羽ばたきの間に瞬間的に方向を変えることが可能です。この方向転換は100分の1秒にも満たない時間で起こり、まばたきをする間にいなくなっているということも多いです。
ハエは左右の羽ばたきのバランスを少し変えることによって方向を変えています。このバランスは正確に取らないと正しく飛ぶことができないといわれており、その正確さは高度となっています。
ハエは高速で反応できるという特徴がありますが、それは「目が特殊な構造をしている」などの理由が挙げられます。一説によれば、ハエは人間よりも映像を認識する力に優れており、世界がゆっくりに見えると言われています。
飛ぶ速度
ハエは時速8kmで飛行するともいわれています。蚊は叩くことができる場合が多いと思いますが、蚊は時速2kmで飛行するといわれており、ハエよりも飛行速度は遅いため叩くことも比較的簡単です。
ハチやトンボと比較すれば、ハエの飛ぶ速度は決して速くはありません。しかし、先述の通り方向転換に優れるため姿を捉えるのは簡単ではありません。
▼ハエを駆除する方法
叩く場合は光を利用する
ハエは叩くのが難しいという面がありますが、上手く駆除できない場合は光を利用するといいかもしれません。ハエは明るい場所に集まるという習性があります。実際に太陽光が射す窓や電灯に止まることが多いようです。
そのような場所に止まったところでタイミングを見計らって叩くと駆除しやすくなります。
殺虫剤を使用する
スプレータイプの殺虫剤を使用すると、直接ハエを撃退することが可能です。ハエは直接叩くのが難しいため、少しでも薬剤をハエに付着させて弱らせましょう。弱らせたあとに叩いて駆除してもよいでしょう。
また、殺虫剤には薬剤を部屋に充満させて駆除するタイプもあります。すでに大量発生している場合は、このタイプの殺虫剤を使用してもよいでしょう。
気になる場所に粘着テープを吊るしてハエを捕まえる方法もあります。「この場所にハエを近づけたくない」というときは、このようなタイプの駆除グッズも効果的です。
トラップを仕掛ける
ペットボトルとめんつゆを使ってコバエを捕獲するトラップを作ることができます。通称「めんつゆトラップ」といい、溺死させて駆除させることができます。
ペットボトルにめんつゆと水を3:7の割合で入れ、合成洗剤を4~5滴加えて部屋におくだけです。肉や魚の肉片などを入れておくと、ニオイに釣られて集まりやすくなります。詳しい作り方については「コバエ対策にはコバエトラップ!その仕組みと作り方をご紹介!」をあわせてご覧ください。
ハエの侵入を防ぐ方法
ハエの侵入を防ぐ方法として、以下のようなものが挙げられます。
▼ニオイを防ぐ
何度もご紹介しているとおり、ハエはニオイに釣られて発生します。その発生源であるニオイを防ぐことによってハエの発生を防ぐことができます。
生ごみなどは袋に入れて密封するようにしましょう。さらにゴミ箱は蓋がついているものが効果的です。三角コーナーなどは定期的に漂白剤で消毒するようにしましょう。
▼網戸を閉める
窓のすき間などからハエが侵入することがあります。換気などで窓を開けるときには網戸を閉めて、侵入を防ぎましょう。基本的に網戸の網目からはハエは侵入することはできません。
▼排水口も
排水口からハエが侵入してくるということもあります。排水口のぬめりは除去して、できるだけ清潔に保つようにしましょう。
▼外で駆除・捕獲する
屋外に生息しているハエを駆除して屋内への侵入を防ぐことができます。お庭などにハエが発生している場合は、屋内に侵入しやすくなります。あらかじめ屋外で駆除しておくといいかもしれません。市販の殺虫剤やトラップを吊り下げ、庭でハーブを育てるといった方法があります。
まとめ
ハエは様々な種類がおり、見た目などに特徴があるほか病原菌を媒介するという点などの共通点もあります。ハエは早くて1週間程度で卵から成虫になるということもあり、短期間で繁殖するという特徴もあります。
ハエが体に寄り付きやすい場合、それは黒いものやニオイが原因となっていることがほとんどです。汗のニオイもハエが寄ってくる原因となっていることがあるので、できるだけそのようなニオイは抑えるようにしましょう。
ハエは直接叩いて駆除するのが難しい虫です。駆除方法としては市販の殺虫剤やトラップを仕掛けるなどの方法がありますが、駆除でお困りの場合は業者に相談しましょう。
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