地域によって屋根が違うのはなぜ?それぞれの違いと目的をご紹介

2021.4.30

地域によって屋根が違うのはなぜ?それぞれの違いと目的をご紹介

家を大切に守ってくれている一つとして考えられるのが屋根ではないでしょうか?屋根はデザインも種類も豊富で迷ってしまいがちです。しかし、自分好みの屋根にすると劣化がはやかったり、ほかの人に被害がでてしまったりと取り返しがつかなくなってしまうかもしれません。最近はそれぞれの地域性によって、屋根に違いがあります。ここでは地域によってなぜ屋根が違うのかをご紹介していきます。

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地域によって屋根の形状に違いがあるって知っていますか?

縦に長い日本列島であるゆえに地域によって気候は違います。たとえば、東北や北海道などと九州や沖縄では気候はもちろん風土も違います。そのため住宅のデザインはもちろん、屋根の形状にも違いがあらわれます。

それぞれの地域によって屋根は地域独自の発展をし、様々な対策が取られています。もちろん伝統技術も使われていますが、それだけでなく最新技術などを用いて自然災害などの対策も行われています。全国共通の防犯対策として地震への対策を備えたうえで、地域独自の対策をおこなっています。

沖縄や九州地方によくみられる屋根の形状と目的

沖縄や九州では台風の進路になったりと台風が通過することが多く、梅雨前線が停滞することも多い地域です。そのため、屋根に風水害対策をとっている家が多くみられます。家屋の多くは瓦と瓦の間を漆喰で塗り固めるなどの伝統的な補強を行っています。この作業を行うと台風などの暴風により瓦が吹き飛ばされることを防いでくれます。また勾配が強めであることによって、雨が流れ落ちやすいようにしています。

暴風や雨の影響を受けない屋根の形状や素材を選ぶことが重要です。またこのような地域では屋根の形状が複雑でない切妻屋根や方形屋根がよいとされています。屋根材は雨が染み込むことが少なく、建材が飛んでいく心配がない、ガルバリウム鋼板や、アスファルトシングルなどを使用していることも多いようです。ほかにも九州や沖縄では台風の暴風にも耐える強度な屋根の板金に取り換えるケースも多いようです。

九州には阿蘇山や桜島、霧島など活発な活動火山が点在しています。最近では火山灰対策として屋根にたまった灰を雨で流れやすくする克灰住宅というものが注目されています。そのほかに、灰シューターという屋根から落ちる灰が自動的にたまってゆく仕組みを設置するものもあります。火山活動が活発な地域では灰の除去作業を容易にする工夫が行われています。
また屋根の勾配も違ってきます。勾配について詳しくは過去コラム「屋根の勾配は何寸がいいの?それぞれのメリット・デメリット 」に記載してあります。合わせてご覧ください。
      沖縄や九州地方によくみられる屋根の形状と目的

北海道や東北地方によくみられる屋根の形状と目的

東北や北海道のような雪国では、勾配が浅く雪が積もりやすいような屋根が多く使用されています。雪が積もりやすいと雪下ろしが大変になるのではないかと思われるかたもいるかもしれませんが、これは屋根の積雪が家の前を通行する人に落下しないようにするための配慮なのです。それゆえ札幌市では屋根に雪止めを設置することが義務付けられています。

東北のような雪国では瓦よりもトタン屋根が多いという特徴があります。東北の雪は雨とは違いすぐに流れ落ちたりしないため、瓦の裏に徐々に浸透していきます。そのため、瓦屋根だと雨漏りになってしまったり、雪下ろしのために上ったときに瓦だと破損しやすくなります。また、積雪時の屋根の重さを少しでも軽減するためにも瓦を使わない理由となっています。

雪が降る地域では屋根はシンプルな形状の三角屋根である切妻屋根や片流れ屋根で大きく勾配(傾斜)をつけた形状がよいとされています。他にも屋根材はすべりのよい金属製のガルバリウム鋼板などのものが望ましいと考えられています。しかし、市街地の住宅ならば、隣家や道路などに雪が滑り落ちない屋根材や雪止めネット設置などが必要となってきます。一見平らな屋根に見える無落雪屋根とも呼ばれる屋根の住宅も増えています。

ほかにも東北や北海道では太陽高熱などを利用し、屋根に暖房を取り付け、積雪を最小限にとどめる住宅も多くみられているようです。
      北海道や東北地方によくみられる屋根の形状と目的

海岸に近い地域によくみられる屋根の形状と目的

海の近くに住むと、必ず潮風とともに塩が飛来します。塩分は目に見えないものです。いつのまにか建物が被害を受けています。この塩による被害を塩害といい海の近くに住んでいると必ず起こります。塩は建物が錆びる原因となります。中でも金属系の屋根材や外壁材を使用されていると、とくに錆びによる被害を受けやすくなります。錆びが進行すれば建材が腐食し、建物が腐っていきます。一度発生するとほかの場所にまで錆びが浸食するもらい錆という現象がおこり、取り返しのつかないことになる可能性があるので注意しましょう。

また、海岸に近い場所はときに強風が吹きます。日常的にも強い風が吹くほかに、台風などが直撃した場合は暴風に襲われます。そのため風の抵抗を最小限にとどめられる、シンプルな形状の屋根である切妻屋根や片流れ屋根で勾配の緩い形状が望ましいとされています。また、常に風に乗って塩が飛んでくるので、錆びが発生しやすい金属系の屋根材は避け、日本瓦やスレート屋根をおすすめします。気づいたら屋根が傷んでいることもあるので、定期的なメンテナンスが欠かせません。
      海岸に近い地域によくみられる屋根の形状と目的

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まとめ

屋根といっても種類は沢山あり、地域によって選ぶ必要があります。屋根選びを失敗すると、大切な家が危険にさらされやすくなります。また、雨漏りなどによって二次被害などが出る可能性もあります。もし、今の屋根が地域性にあっていなかったら、一度プロに相談してみてもいいかもしれません。台風などの自然災害はいつ起こるかわからないので、早めの行動をおすすめします。

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依頼できる業者や料金について、詳しくは「生活110番」の「屋根工事」をご覧ください。



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