解体する際に発生する産業廃棄物『コンクリートのガラ』について知る

建物を建て替えるとき、古いものは壊しますよね。コンクリート製の建物が増えてきて、建物を解体したときにコンクリートの「がれきの山」ができているのを見ると思います。このコンクリートの「がれき」を『コンクリートガラ』と呼んでいるのです。

専門用語なので聞きなれないかもしれません。山のように積みあがったコンクリートガラは業者によって処分されます。ではどうやって処分されていくのでしょうか。建物が解体されてからどうなっていくのか、今回は、コンクリートガラができてからどのように処理されていくのかをご紹介したいと思います。

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『コンクリートガラ』とはどんな廃棄物か

『コンクリートガラ』は産業廃棄物の一種で、建物の新築や改築・解体に伴って生じたもののことをいいます。いわゆる「がれき類」の1種で、コンクリート破片やアスファルト破片が含まれます。

実はコンクリートから生じるものには、『コンクリートガラ』のほかに『コンクリートくず』があるのをご存知でしょうか。言葉だけを見ると似たようなもののように思えますが、実際にこの2つには違いがあります。

『コンクリートくず』との違い

工作物の新築、改築又は解体に伴って生じたものを除くとされているのが『コンクリートくず』と呼ばれているものです。コンクリート製品の製造工程などで生じるブロックくずなどを指しています。

「ガラ」は解体によってできるもの、「くず」は製造途中でできるものと覚えておくとよいでしょう。

『ガラ混じり残土』とは

コンクリートくずのほかにも似ているものがコンクリートガラにはあります。『ガラ混じり残土』と呼ばれるもので、産業廃棄物の「がれき類」に該当する『ガラ』と『残土』が混ざった状態のものをいいます。

『ガラ』と『残土』を分別してから処分したほうがよいといわれていますが、様々な理由で混ざったままになって分別が難しいことがあるのです。その場合は、『ガラ混じり残土』という産業廃棄物として処分することになります。

リサイクルされるコンクリートのガラ

建設工事で発生した『コンクリートガラ』は、いろいろな方法でリサイクルされていきます。まずは『コンクリートガラ』を細かく砕いて、再生できる状態にしていきます。

以上のような方法でコンクリートガラを細かく砕いてしまいます。破砕処理されたコンクリートガラは再生砕石や再生路盤材、再生骨材、再生アスファルト合材などに加工されて再利用されるのです。

環境省の発表によると、平成29年度の「がれき類」の排出量約 6,421万トンに対し、再生利用率は96％に達しています。産業廃棄物の中でも、がれき類の再生利用率は非常に高いです。がれき類は排出元が建設工事などに限られているため、画一的な取り扱いができるために再生率が高いといわれています。

『コンクリートガラ』はこのようにほとんどが再生されて、もう1度利用することができるのです。

コンクリートガラの処理費用の相場

コンクリートガラはリサイクルされる前に粉砕処理がされます。この粉砕処理にはどれくらいの金額がかかるのでしょうか。

コンクリートガラの処理費用は、中にどれだけ不純物が混ざっているかで金額が変わります。コンクリートガラのみの場合、10tダンプを処分するのに費用が約5,000円かかります。これが鉄筋混じりになってくると、倍の約10,000円になるのです。残土やごみが混じっているとさらに作業が難しくなるため、費用は格段に跳ね上がって約85,000円になってしまうのです。

RC造であればコンクリートガラが出るのは避けられないため、その処分費用についても見積もってもらいましょう。

まとめ

今回は建物の解体作業で出るコンクリートガラについておはなしさせていただきました。

似たものに『コンクリートくず』がありますが、生成過程が違うのでコンクリートガラは同じ扱いはされません。「がれき類」として再生率が高く、リサイクルされてもう1度別の製品に生まれ変わることができます。不純物の混ざり具合によって処理費用に差が出ますが、これは選別作業が難しくなるためです。

コンクリートガラは処分やリサイクル方法まで専門的な作業が必要になります。コンクリートガラが出たときには運搬から処分まで、処分を業者に依頼することをおすすめします。

解体工事を依頼できる業者や料金

依頼できる業者や料金について、詳しくは「生活110番」の「解体工事」をご覧ください。