海外のコンセントでは日本の電化製品が使えない!?何を注意すれば?

2021.4.30

海外のコンセントでは日本の電化製品が使えない!?何を注意すれば?

海外旅行が身近になり、携帯電話もキャリアの海外利用サービスや旅行用SIMカード購入などで気軽に使えるようになりました。それに伴って、日本から持ち込んだ電化製品を使いたいという需要も高まっています。

しかし、日本の電化製品は海外のコンセントにつなげない場合が少なくありません。これはさまざまな事情が絡んでくるからで、そのためには専用の機器を別に導入する必要があります。

今回は海外のコンセントで日本の電化製品が使えない理由について、形状や電圧の観点から見ていきます。

日本の電化製品が海外で使えない理由

日本の電化製品を海外でコンセントに差して使おうとしても、使えないことは少なくありません。それは国によって送電されている電圧の規格が違うからです。日本の規格と、海外の事情について、個別に確かめてみましょう。

コンセントの形状

  
日本の100Vコンセントやプラグの形状は「Aタイプ」と呼ばれる形状で、南北アメリカなどでも使われています。

しかしコンセントの形状はほかにもさまざまなタイプがあり、国によって採用されているものも違います。そのため、海外のコンセントに日本の電化製品のプラグが差し込めない例は少なくありません。
          日本の電化製品が海外で使えない理由

電圧

  
日本で部屋のコンセントに配電される電圧は一部200Vが採用されていますが、100Vのコンセントがほとんどです。それに合わせ、電化製品も100Vの電圧に対応するよう製造されています。しかし、この100Vという電圧は、海外の国々からすると低いようです。

南北アメリカは120V前後のことが多いですが、その他ヨーロッパなど多くの地域では200V以上の電圧がコンセントの配電に使われています。最近では海外旅行の際でも気軽に使えるよう、スマートフォンやカメラの充電器などでは複数の電圧に対応したものも増えています。しかしそれ以外の機器の場合、対応した電圧以外での使用は機器故障につながります。

交流周波数

  
日本の商用交流電源は東日本で50Hz、西日本で60Hzの周波数を保つようにコントロールされています。国内で周波数が異なる例は珍しく、50Hz/60Hz両対応の電化製品が日本で多く開発・製造されてきました。

一方、海外では国内で周波数が統一されているものの、50Hzと60Hzのどちらを採用するかは国によってさまざまです。しかし両対応の製品を使う分には、とくに意識する必要はないといえるでしょう。

このように、日本の電化製品を海外のコンセントで使うためには「コンセントの形状」「電圧」といった違いに気をつける必要があります。

日本では一部の家庭で利用されている200Vのコンセントについては「200vコンセントは3つ穴?100vと200vで何が変わる?」で解説しています。そちらもぜひご覧ください。

プラグ・コンセントの形状

海外のプラグやコンセントの形状について、もう少し詳しく見ていきましょう。

日本の100Vコンセントは2つ縦穴が並行するタイプ、もしくはアース用に穴が付いているタイプに統一されています。一方、海外のコンセントは種類がさまざまで、国内で統一されていない場合も多くあります。それに合わせてプラグの形状も変わってくるため、使いたい地域の形状をあらかじめ確かめておく必要があるでしょう。
             プラグ・コンセントの形状

Aタイプ

  
日本のコンセントと似たタイプで、プラグ自体はそのまま使えることが多いでしょう。ハワイやグアムを含めた南北アメリカや台湾など、比較的低い電圧の地域でよく使われています。

Bタイプおよびその派生型

  
2つの丸い穴が並んだタイプで、インドや中国などで使われています。またピンが1本増えたB-3型や、穴が1本縦に、その下に2本横並びで並んだBFタイプなどもあり、BFタイプはイギリスを中心に使われています。

Cタイプ

  
Bタイプと似ていますが、ピンがBタイプよりも細いため、穴の形状もそれに合わせて小さくなっています。ヨーロッパで使われることの多い形状で、ほかにSEタイプという種類も使われます。

Oタイプおよびその派生型

  
ハの字状にコンセントの穴が開いたタイプで、オーストラリアなどオセアニア地域で使われることの多い形式です。それに加え、ハの下側にピンが加えられた3穴のO-2タイプという派生型も使われています。

国によって異なる電圧

コンセントの形状だけでなく、電圧も国ごとに違います。基本的にヨーロッパや、その影響を受けた地域は200V以上のことが多いようです。こちらも国内で統一されていない場合があり、海外のコンセントを使う場合は注意する必要があるでしょう。

100Vの地域

  
日本以外には北朝鮮が採用しているといわれています。世界的に見れば、もっとも低いコンセントの電圧だといわれています。

110Vの地域

  アメリカ合衆国、カナダ、台湾や、南アメリカの大部分で採用されています。

220V・230Vの地域

  
ヨーロッパの多くの国々がこの電圧を使用しており、中国やアフリカ大陸などでも使われています。

それ以外の電圧の地域

  
ブラジル・サウジアラビアの一部など、127Vの電圧を採用する地域があります。また、240Vや250Vを採用する地域もあるようです。

海外で電化製品を使うために必要なもの

このように、海外ではコンセントの形や電圧がさまざまです。そのため海外旅行や滞在で持ち込んだ電化製品を使いたい場合、電源変換プラグや変圧器を通すことが多いでしょう。

電源変換プラグ

  
国によって異なるコンセントの形に合うよう、プラグとコンセントの間に差し込むものです。特定のコンセントの形に合わせたもののほかに、各種コンセントの形に合うよう組み替えることのできるタイプもあります。

基本的には特定のコンセントの形に合うものを持っていけば安く済みますが、海外出張や旅行が多くさまざまな地域を訪れる場合、コンセント形状が複数ある場合は組み替えることのできるタイプが荷物の節約になり、便利に使えるでしょう。

変圧器

  
電源変換プラグだけでは電圧を変えることができないため、対応していない電圧の電化製品を使うと故障の原因になります。そのため、電圧を変換して使うための機器として変圧器が使われます。

ただ、変圧器を使う際には「ワット数」にも注意する必要があります。このワット数は本体の定格表示シールに書いてあるため、電化製品の対応する電圧とともに確認しておくとよいでしょう。ワット数が書いていない場合も、電流の値である定格容量と電圧をかけ算することで求められます。

まとめ

近年はスマートフォンやカメラなどの充電器を中心に、海外の電圧に対応した機器も増えてきました。しかし、海外のコンセントの形状はさまざまです。そのため、必要に応じた電源変換プラグが必要になります。

また、一般の電化製品は日本の100V専用に製造された製品も少なくありません。その場合は変圧器も持っていく必要がある一方、使える電気容量には限りがあります。ドライヤーなど、使う電気量の多いものは、現地のものを使うことも考慮に入れたほうがいいかもしれません。

逆に、海外で購入した電化製品を日本で利用したい場合も同様の問題が出てくるでしょう。旅行先で安く買えたと思った家電が、変圧器なども揃えたら結果的に高くついた、ということにならないよう、電圧やコンセント形状について意識を向けてみてはいかがでしょうか。

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