コウモリと聞くと、多くの方は「吸血」というイメージを持たれるのではないでしょうか。実際海外では、コウモリが吸血鬼のモチーフとされていますし、家畜などに噛みついて吸血行動をとる種類も存在します。
日本に生息している野生のコウモリは小さな昆虫を主食としているため、他の動物から血を吸うことはありません。したがって家畜や人間を襲うこともまずありませんから、コウモリに噛まれる心配もほとんどないといえるでしょう。
とはいえ、不用意に触れれば身を守るために攻撃されることがあるのはどの野生動物も同じです。コウモリを捕まえようとして、噛みつかれてしまったということがあるかもしれません。
そこで本コラムでは、コウモリに噛まれたら一体何が起こりうるのか、コウモリの危険性と対処についてまとめました。
目次
日本のコウモリは血を吸わない?コウモリの危険性について
コウモリというと、海外での吸血鬼のイメージから血を吸う生き物というイメージがあります。しかし、実際に吸血行動をとるコウモリは、数あるコウモリの仲間のなかでも「チスイコウモリ」と呼ばれる1種のみです。
チスイコウモリは南米を中心とした一部地域にしか生息していないので、日本でコウモリに血を吸われる危険はまずないと考えてよいでしょう。
チスイコウモリ以外のコウモリは、小さな昆虫や果物などを主食としています。日本でもっとも多くみられる「アブラコウモリ」が食べるのは、蚊などの小さな羽虫です。
コウモリに噛まれたら感染症などを引き起こす可能性があります
日本に住むアブラコウモリを含むほとんどのコウモリの身体や糞は病原菌や寄生虫の温床です。
アブラコウモリは基本的におとなしい性格をしているため人を襲うことは少ないです。しかし、コウモリに噛まれたら患部からコウモリが保有している菌が人の体内に入り込み、感染症などを引き起こす可能性があります。こちらから積極的にコウモリ触りにいくようなことは絶対に避けるべきでしょう。
海外では死者も!病原菌を運ぶコウモリの脅威
触るだけでも感染リスクのあるコウモリですが、コウモリに噛まれたら危険な感染症にかかる可能性はさらに増大します。
コウモリの媒介する病原体にはときに命に関わるものも多く、海外では実際にコウモリに噛まれたことが原因で命を落としてしまった事例があります。以下に、コウモリがもたらす可能性のある病気をまとめておきました。
コウモリの媒介する病原体
狂犬病
コウモリなど哺乳類全般が中間宿主となる代表的な伝染病です。コウモリのほかに犬から媒介されるケースが多く、感染した犬が狂ったように暴れることから狂犬病と呼ばれるようになりました。狂犬病ウイルスは脳に到達すると全身が麻痺し、呼吸が出来なくなって死に至ります。
先に触れた海外での死亡事例では、2016年に南米ペルーでチスイコウモリに噛まれた子供12人が狂犬病を発症し、命を落としています。日本国内での感染は1957年以降(人間に限れば1956年以降)確認されていませんが、海外から持ち込まれる可能性があり十分な注意が必要です。
日本脳炎
日本をはじめとしたアジア地域に分布する日本脳炎ウイルスによって引き起こされる脳炎です。日本脳炎を媒介するのは主に蚊(コガタアカイエカ)ですが、コウモリも日本脳炎ウイルスを保有していることが研究の結果明らかになっています。
ハンタウイルス感染症
日本でも2名が死亡した感染事例のある、腎不全を引き起こす感染症です。コウモリの体内に住んでいる寄生虫やダニによって媒介されます。
ヒストプラズマ症
コウモリの糞に発生したカビを人間が吸い込むことで発症するとされる感染症です。肺炎の原因にもなり、重症化すれば命にも関わります。
上で挙げたほかにも、コウモリは多種多様な病原体を媒介します。日本ではワクチンの普及やそもそも人を襲うコウモリがいないために大きな問題とはなっていませんが、コウモリが家に住み着いている場合は注意しておくのが無難かもしれません。
触るな危険!コウモリが人間に噛みつくときとは
日本のコウモリの主食は小さな羽虫なので、人間がコウモリに噛まれる心配はほとんどないといっていいでしょう。アブラコウモリは非常に大人しい性格をしていて、人が近づくだけで逃げていきます。
ではコウモリに噛まれるケースとは、一体どんなときなのか。直接的なコウモリの危険性についてまとめました。
コウモリに噛まれてしまう原因
日本でもっとも生息数の多いアブラコウモリに関していうなら、そもそもコウモリと直接触れ合うような機会はごくわずかです。アブラコウモリは民家の天井裏や軒先など、人間の立ち入らない場所に住み着いているため、見かけるのは空を飛ぶ姿だけでしょう。
逆にいえば、掃除の際などに天井裏にのぼったら、そこでアブラコウモリの群れと遭遇してしまうことはあり得ます。その場合もこちらから危害を加えなければ、コウモリ側が積極的に攻撃してくることはまずありません。
ただし、おとなしいといってもコウモリは群れをつくる動物です。自分の子供や仲間が危害を加えられた場合、身を守るために反撃してくる可能性は十分に考えられます。したがって、アブラコウモリに噛まれるケースがあるとすれば、それはこちらから攻撃を仕掛けた場合です。
コウモリに噛まれたらすぐに病院へ!
もしもコウモリに噛まれたら、止血と消毒を済ませてなるべく早く病院で診察を受けるようにしましょう。
ワクチンの普及や衛生環境の改善によって、現在はコウモリの媒介する主な病原体への感染リスクは低いとされています。
しかし、コウモリの持つすべての病原体に対して万全の防御が可能とは言い切れませんし、体質によっては重度のアレルギーを引き起こす可能性があります。感染してしまってからでは遅いので、迷わず安全策をとりましょう。
コウモリに噛まれないようにするためには
コウモリに噛まれないようにするには、まずコウモリに近づかないのが一番です。外を飛び回っているコウモリは、直接触ったりしなければ噛みついてくる危険性はまずありません。
家の中に住み着いてしまっている場合も同様に、無理に駆除しようと近づけば反撃を受けてしまう可能性があります。コウモリと直接対面することは避け、間接的に追い出す方法を考えましょう。
コウモリの駆除は難しい?トラブル回避のためにできること
コウモリは危険な伝染病を媒介する害獣ですが、住み着いてしまったものを駆除することはなかなかできません。というのも、日本では「鳥獣保護法」という法律によって、ネズミ以外の野生動物に危害を加えることを禁止されているためです。
コウモリに対しても法規制は適用されていて、直接殺傷することはおろか、棒などを振り回して追い立てることすら罰則の対象となることがあります。
コウモリを家から追い出すには、コウモリを傷付けないように、なるべく穏便に出て行くよう仕向けるほかありません。臭いや音を使ってコウモリを威嚇し、近寄りにくくする忌避剤(きひざい)やコウモリ対策グッズを活用しましょう。
個人での対処が難しいようであれば、コウモリ駆除の専門業者に相談することも一つの手段です。コウモリの生態と法規制に精通したプロの手腕で、安全確実に家の平和を取り戻しましょう。
コウモリは繁殖能力が高く、一度住み着けば短期間で爆発的に数を増やしてしまいます。家の周りを飛び交っているのを見かけたら、早め早めの対処が必要です。
コウモリ駆除にかかる費用は決して安いものとは言えませんが、コウモリに噛まれたら健康も失ってしまうこととなるでしょう。いざというときの転ばぬ先の杖として、相談できる業者をつくっておくといいですね。
まとめ
一口にコウモリといっても種類は幅広く、それぞれ食べるものや危険性は異なります。積極的に動物を襲って吸血するコウモリは「チスイコウモリ」と呼ばれ、南米をはじめとする一部地域にしか生息していません。
日本に多く生息しているのは昆虫を主食とする「アブラコウモリ」で、人間が噛みつかれることはまずあり得ないといわれています。しかし、群れに危害を加えれば反撃を受ける可能性があるのはコウモリも例外ではないため、なるべく近づかないようにするのが無難です。
人を襲うことはないといっても、コウモリは様々な伝染病や寄生虫を媒介する宿主でもあります。もしもコウモリに噛まれたら、迷わず病院で診察を受けましょう。
コウモリ駆除を依頼できる業者や料金
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