突然ですが、「コンセントの口数が足りない!そんな時こそタップの出番!」と延長コードを足し続けた結果……部屋中がコードだらけになっていませんか?
使いたい家電の数に対して、コンセントの数があまりにも少ないようなら、タップで補うより、「コンセントの増設」をおすすめします!
タップに頼ってコンセントの口数を増やすと、火災の原因になってしまうことがありますし、何よりごちゃごちゃしてせっかくのお部屋がすっきりしませんが、増設ならメリットたくさんです。
しかし、気になるのはやはり増設にかかる費用ですね。
確かに、タップを買い足すのと比べれば、増設工事にお金がかかることは否定できません。ですが、「コンセントの増設」ってリフォームとは言っても、けっこう簡単な工事なので1時間もすれば施工完了。しかも「思ったより全然安い!」と思われる方が多いんですよ。
「どんなふうにコンセントを増やしたいか」によって、微妙にコンセントの増設方法が変わります。工事の料金も、コンセントの増設方法によって変わるので工事の種類を知っておきたいところです。
そこで今回は、知っているようで知らない「コンセントの増設方法の種類」と「コンセント増設に伴う費用」についてご紹介していきます。
それでは、ご覧ください!
コンセント増設工事はDIYできないから、プロがいます
コンセントの増設を検討されている方から、よくこんな質問が寄せられます。
「工事を考えてはいるのですが、できれば自分でコンセントって増やせませんか?」
率直に申し上げますと、ご自身でコンセントの増設をすることはできません。
なぜかというと、電気工事をするためには「資格」が必要と国によって定められているためです。もし、この資格(電気工事士の資格)がないのに工事をしてしまうと、たとえ自宅であっても法律違反になってしまいます。
たしかに現在は、インターネットでDIYの方法を簡単に調べることができますが、通電しなかったり、火災や感電といった、非常に危険な事故の原因になる恐れがあります。しかも最悪の場合、ご自身だけでなく、ご家族や近隣の方を巻き込んでしまう大きな事故となってしまうかもしれません。
こういった事故の危険を回避するためには、電気の知識やしっかりとし技術をもったプロの方に依頼するべきでしょう。
電気の配線知識に興味のある方は、過去コラム「電気配線工事は自分でやっていい?知っておくべき電気工事の基礎知識」をご覧ください。
コンセントの増設の方法【5つ】と【費用】教えます
「コンセントの口数を増やすだけ」とはいっても、増やし方には種類があります。コンセントの増設は、お家の小さなリフォームなんです。
ですから、ご自宅にあった増設方法を選んで、家電を使いやすいお部屋に仕立てましょう!
ここから、5つあるコンセントの増設方法をご紹介していきますので、費用の参考にしてみてくださいね。
【1】コンセント差込口だけを増設する方法
こちらの方法は、「部屋にあるコンセントの位置は気に入っているけど、使いたい家電が多くて困っている」方向け。
たこ足配線の改善に持ってこいといえます。
今あるところの差し込み口を増やすだけなので、短時間で作業が済むことが多いですし、コンセントの増設費用も比較的安く、5,000円程度から施工してくれるところもあります。
どういうことかというと、家庭にあるコンセントの差し込み口は、2つが多いですが、この差し込み口だけを3つだったものを4つや6つ……と増やすだけの工事です。コンセントの位置を変えずに、たくさんのコードを挿せるようできます。
【2】いまあるコンセントを分岐させる
こちらは「コンセントのある場所がしっくりこない!」方向けの方法です。
まさに、スマートフォンや携帯ゲーム機の充電器など、消費電力の少ない機器をたくさん使いたい場所に向いています。「ベッドで寝っ転がりながらスマホをいじりたいのに、コンセントが遠すぎて充電しながら触れない……」なんていうイライラを解消できるはすです。
すでにあるコンセントから、新しいコンセントへ、壁の中を通してケーブルを伸ばす方法なので、お部屋の配置を思い通りにできるのがうれしいですね。
こちらも、コンセントの増設費用は安めで、10,000円強ぐらいを見積もれば施工することができます。
【3】新たな場所にコンセントを設置する
こちらは「部屋のコンセントの位置が使いづらすぎる!」とお困りの方向けです。
コンセントの配置って、家の間取りに大きく影響するんですよね。「こっちの門に机を置きたいのに、コンセントが遠すぎてパソコンつなげない……」なんて困ることもしばしば。タップで距離を延ばすと、壁を沿わせてもコードってけっこう目立ちます。
このような場合は、本当に欲しい位置に新しくコンセントを増設してしまいましょう。
ただし、今までなかった場所にコンセントを設置するので、その分費用が高くなります。
相場の値段は16,000円くらいです。状況よっては、追加の工事が必要となるためさらに費用が追加されてしまうこともあるので注意しましょう。
また、賃貸やマンションによっては、貸主の許可なく勝手に工事できないので、事前に管理会社に聞く必要があります。
増設したコンセントが設置できても、コンセントによっては内装工事が必要になる場合もありますので、下調べは念入りに、そして事前の打ち合わせなども必要になってくる工事方法です。
【4】専用回路の増設
「エアコンを初めて設置する」場合や、「ガスコンロをやめて、IHクッキングヒーターに交換したいな」という場合の“コンセントを増設する方法”がこちらです。
少しだけ詳しく工事の内容を説明すると「分電盤にブレーカーを新しく設置したあと、壁の中から配線を通してコンセントを増設」する流れです。
つまり、新しくブレーカーを設置してしかも配線を引き直すため、コンセントの増設工事費用が2万円弱かかるなど、少し高くなります。
このような増設が必要な理由としては、エアコンやIHクッキングヒーターなどは消費電力が高いためです。今まで使っている分電盤だと、消費電力の高さに耐えられず、ブレーカーが落ちてしまいやすくなります。ですから、ブレーカーを落とすことなく、快適に家電を使用するためには、専用線を増設する必要があるのです。
【5】ボルト(電圧)数の変更
コンセントの増設とは少し毛色が異なりますが、「古いエアコンから最新のエアコンに取り換える」場合に行われる工事もご紹介しておきます。
最新の分電盤だとボルトの変更は簡単に行うことができますが、古い分電盤の場合だと、分電盤の工事が必要となる場合が稀にあります。
ボルト数の変更自体は、費用がそこまで高くないですが、もし分電盤の工事が必要なら、20万円以上かかってしまう場合があるので、事前に確認することが必要です。
コンセント増設 | |
項目 | 料金 |
差し込み口増設 | 5,000~8,000円 |
分電盤からの配線増設 | 8,000~15,000円 |
電圧変更 | 16,000円~ |
コンセントの増設工事ってどんなことをするの?
コンセントの増設工事を依頼するのが初めてだと、作業のためとはいえ業者の人間を家の中に入れなければいけませんから、どんなことを家の中でされるのか気になりますね。
そこで、工事でよく行われる作業をざっとご紹介したいと思います。
多くの場合、コンセントは壁の石膏ボードなどに穴を開け、内部に電線を通して設置されますが、穴を開けられない場合は、ボードアンカーなどで固定する場合もあります。
コンクリートの壁の場合は、コンセントボックスや電線をアンカーで固定し、露出して取付ける場合もあります。
どんな場所や位置にコンセントを増設するの?
コンセントを取り付ける位置は、床に近い場所から天井に近い場所まで様々です。
照明を効果的に配置するために、天井にコンセントを設ける場合もあります。床は掃除用具や、普段使わない器具用のコンセントとしてよく用いられています。
また、小さなお子様やペットの居るご家庭では、子供やペットがコンセントにイタズラをしないように、少し高い位置に取付けるなど、コンセントの設置場所は本当に自由です。
使い方に応じた、効率の良い配置をシュミレーションして依頼するといいでしょう。ある程度、自分の要望をはっきりさせてから電気工事業者に相談して最終的な決定をされると満足いく工事ができますよ。
コンセントを増設したほうがいいケース
コンセントの増設にはお金が掛かります。しかし、それでもコンセントを増設したほうがよいケースというのは存在しています。具体的な例を見ていきましょう。
【ケース1】延長コード・変換プラグが多用されている
便利な家電やパソコン機器などの増加により、コンセントが足りなくなったからといって延長コードを使用していませんか?
しかし延長コードばかりに頼りにしすぎると、思わぬ火災を引き起こす原因になるかもしれません。
遠いコンセントから電源を無理に引っ張ってこようとしたりすると、コード自体が傷ついたり、コードにつまずくなんてことも起こりえます。また延長コードに差しすぎて、たこ足配線になっていませんか?たこ足配線は、火災の危険はもちろん、ブレーカーが落ちる原因にもなります。
また、パソコンや電子機器に多いのが、変換プラグを使って取り付けている場合です。通常の電源プラグは2本の平たい端子が付いています。しかし、アース用の3本めのピンが付いているプラグを使用する機器では、そのままだと日本のコンセントには刺せないことが多いです。
そこで、変換プラグが使われていますが、プラグ部分が長く見た目が悪くなりますし、ケーブルの取り回しも面倒です。何より、接続部が増えた分、トラッキング現象の危険性が上昇します。
専用コンセントの増設を行い、安全に使用するのがおすすめです。
事故やトラブルを回避するためにも、コンセントの増設をおすすめします。
【ケース2】お部屋の使用方法が変わった
それまで納戸として使用されていた空き部屋を、子供部屋にしたり書斎代わりに使い始めると、急に家電を使う機会が増えてきます。
設計当初はその部屋で家電を使う機会はあまりないと思っていると、コンセントの数も少なめにされていることも多いでしょう。
<>h3<【ケース3】築年数が経っている
築年数が古い=設計が古いお家では、家電をそれほど使わない時代に建てられたお家も多いです。昔はテレビと電話と空調家電程度だったかもしれませんが、DVD・Blu-rayレコーダーや据え置きのゲーム機が複数台、更には空気清浄機、各種の充電器、パソコンと1部屋内で使う家電は増え続けています。
新しい時代の生活に対応できるように増設するのも重要な事ですし、古いコンセントは、内部の配線や端子が劣化している場合もあります。
コンセント火災の原因になる場合もあるので、増設とともに交換も行うのが安全です。
【ケース4】電気を大量に使う機器が増えた
ガス機器からIHクッキングヒーターへの交換、電子レンジ、エアコンや冷蔵庫の増設など、比較的大量に電気を使う機器が増えたら、コンセントの増設を検討しましょう。
IHクッキングヒーターと電子レンジを同じコンセントから電源供給していると、同時使用するとブレーカーが落ちてしまいます。これはコンセントにはその系統から取れる電力量に限りがあるためです。
一般的には1500ワットになっていますので、それ以上の機器を使うなら、別々の系統から電力供給を受ける必要があります。
こんなコンセントもおすすめです
せっかくコンセントを増設するのであれば、使い勝手も向上させたいところです。
そこで、最近発売されているコンセントについてご紹介します。取付けを依頼する業者に、予め相談しておきましょう。
スイッチ付きコンセント
電源プラグをコンセントに差し込んでおくと、その家電を使っていなくても少しずつ電気を使っています。これを待機電力と言いますが、節電を心がけるならあまり好ましくないものです。
かといって、一々使わない家電のプラグを抜いたり差したりするのは面倒。
そんな方におすすめなのがスイッチ付きのコンセントです。電源プラグを差したままでも、コンセントへの電気をカットできます。
安全カバー付きコンセント
小さい子供がコンセントの中にヘアピンや食べ物を入れてしまい、感電や故障など事故に発展することがあります。
後付のカバーもありますが、最初からカバー付きのコンセントにしておくと、見た目もスッキリします。
USB端子付きコンセント
最近の電子機器はUSBケーブルを使って充電するものも増えていますが、コンセント端子から充電アダプター、ケーブルと見た目も統一感が無い上、貴重なコンセントを潰してしまうものです。
そこで、最初からコンセントにUSB端子が取り付けられているものを選べば、コンセントの見た目もすっきりします。
満足のいくコンセントの増設工事をするために
DIYは法律に違反していますが、資格を持っていれば自分でも可能な工事ではあります。ご自身で「どうしてもやりたい!」と思われているのであれば、まず電気工事士の資格を取ってから工事をするようにしてください。
そうでない方は、施工経験が豊富な電気のプロに相談しつつ、設置場所や設置方法を決めれば、満足のいく増設となるはずです。
まとめ
コンセントの増設工事は、意外と気軽にできます。時間も増設方法によっては、1時間かからないこともあります。部屋の雰囲気を変えるとときに、コンセントの増設を考えてみるなんてこともできます。増設の時は、自分の目的や使用方法にあったコンセントを選ぶことが大事でしょう。
電気工事を依頼できる業者や料金
依頼できる業者や料金について、詳しくは「生活110番」の「電気工事」をご覧ください。
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