アンテナの指向性ってなに？使い方によって指向性が必要かは変わる！

無線LANやテレビ受信用のアンテナを設置しようと思ったとき、アンテナの「指向性」という言葉を目にしたことはありませんか。

アンテナには指向性のあるものとないものがあります。用途によってどちらのアンテナを使用するかを決めると、効率的に通信をおこなうことができ、消費電力も少なくすみます。今回は、指向性アンテナの説明や設置工事についてご紹介します。

電波状況を左右する！「指向性」ってなに？

電波状況を左右するアンテナの指向性について、ご紹介します。

指向性とは、電波や音などの強さが方向によって異なることをいいます。また指向性の方向は水平だけでなく、垂直にも向きます。

指向性を持つ機器には、マイクやマイクロフォンなどがあります。指向性を持つマイクは、一定方向から音声を集音できるようになっています。テレビ収録などで使用されているマイクがこれにあたりますね。

アンテナにもこの指向性が備わっているものがあり、方向によって受信装置の感度が異なります。これが一般的に指向性アンテナといわれるものです。

指向性の有無で性能が変わる！「無指向性アンテナ」と「指向性アンテナ」とは？

アンテナには指向性が備わっていないものと備わっているものがあります。それぞれ無指向性アンテナ、指向性アンテナといいます。

無指向性アンテナとは、指向性がないアンテナのため、どの方向からも同じ受信強度を持ちます。無線LANやWi-Fiのアンテナなどは無指向性アンテナにあたります。

これに対し、指向性アンテナはアンテナの向きによって受信強度が異なります。0度と180度の両方向に強い指向性が向いているものや0度方向にのみ強い強度の指向性が向いているものなどがあります。テレビ受信用に使用されるアンテナなどが指向性アンテナにあたります。

無指向性と指向性、それぞれのメリットデメリット

無指向性アンテナと指向性アンテナにはそれぞれメリットデメリットがあります。

無指向性アンテナ

・メリット
無指向性アンテナは、水平方向または垂直方向360度に平均的な受信強度を持ちます。そのため、受信側の位置や角度が頻繁に変わるような場合には無指向性アンテナのほうが便利といえます。

また室内であれば天井などに設置することができ、取り付けが簡単な上、場所を取らないため部屋の見た目も悪くなりません。

・デメリット
無指向性アンテナの設計上、アンテナを天井に設置した場合、水平方向への受信範囲が広くなり垂直方向へのカバー範囲が狭くなってしまいます。そのため、天井などに設置した場合、アンテナの直下では受信しにくい死角となるおそれがあります。リビングなど自宅の中心に設置してしまうと、そこだけ使用できず不便に感じるかもしれません。

指向性アンテナ

・メリット
指向性アンテナの場合、アンテナの指向性により一定方向からの受信強度が強くなるため、特定の方向で遠くから受信したい場合に有効です。また方向を限定しており消費電力も小さく、他からの妨害も受けにくいため効率の良い方法になります。方向さえ間違っていなければ、安定的に受信できるといえます。

・デメリット
指向性が強いため、受信する方向を向いているアンテナが少しすれただけで、通信ができなくなってしまいます。アンテナを屋外に設置していると、台風などの悪天候の後はアンテナがずれてしまい通信ができなくなってしまうこともあります。また自分で設置しようとしても方向がうまく合わせられず、受信できない可能性もあります。

また無指向性アンテナに比べて、配線の設置などが細かく設置が難しいです。アンテナ自体も家の屋根の上に設置する場合が多いため、設置上の安全性も問題となります。

アンテナの工事費用の相場は？複数業者の比較がカギ！

「アンテナを設置したいけど、自分でつけるのは……」と思った場合には業者への依頼を考えてみてはいかがでしょうか。ここでは、相場や業者を選ぶ上での注意点をご紹介します。

Wi-Fiのようなアンテナに指向性のないアンテナ場合

設置工事の相場は屋外配線がある場合とない場合とで異なります。屋内配線を新たに設置する必要がある場合には1万5,000～2万円程度、設置する必要がない場合には5,000～1万円程度のようです。ご自宅の場合はいずれにあたるかをご確認ください。またWi-Fiを設置する場合、これとは別途Wi-Fiルーターの費用が掛かるため、相場としては3,000～2万円程度です。

テレビ受信用アンテナのような指向性アンテナの場合

設置工事の相場は3万5,000～4万円のようです。BS・CSアンテナを一緒に設置すると相場は5万～6万円になります。また業者が提示してきた費用が、工事費用を含めているかも確認が必要です。業者によってはアンテナ本体の価格のみを提示しており、工事費用を載せていないという場合もあり、予想以上の高額になるおそれもあります。提示された価格が工事費用まで含むのか、業者に確認しましょう。

注意点！

いずれのアンテナも、業者によって設置工事費用に差があります。そのため、複数の業者に見積もりをもらうなど、比較をする必要があります。他社との比較を載せている場合でも、他社からの見積もりをもらってから業者を決めるほうがよいかもしれません。

まとめ

今回は指向性アンテナと無指向性アンテナの違いや、アンテナ工事の設置費用などについてご紹介してきました。

アンテナに指向性が必要かは、アンテナをなにに使用するかによって変わってきます。またアンテナの価格にも開きがあり、価格によって性能も違います。用途や価格帯、指向性アンテナのメリットデメリットなども意識しながら、お選びいただいたらいいと思います。

ただ、せっかくアンテナを買っても、アンテナ設置は個人でおこなうのは難しく、設置してもうまく作動しない可能性もあります。そのような事態にならないよう、アンテナを設置は業者に依頼することをおすすめします。

アンテナ工事を依頼できる業者や料金

依頼できる業者や料金について、詳しくは「生活110番」の「アンテナ工事」をご覧ください。