大きな体を持ち、ゴキブリやネズミを捕食するアシダカグモは、その大きな体と見た目のせいで危険な虫だと勘違いされることが多々ありました。しかし、アシダカグモはゴキブリを捕食することや特に人間に害をもたらすことをしないということが知られ始め、益虫として扱われることが多くなってきました。
益虫として扱われるアシダカグモのことを知ることで苦手意識がなくなるかもしれません。
このアシダカグモは糸を出して巣を作ることはあるのでしょうか?普段はどこにひそんでいるのでしょうか?今回はアシダカグモについてご紹介します。
目次
今や益虫としてもてはやされるアシダカグモを紹介
アシダカグモは暖かいところでよく見られる、全長がCDほどの大きさになるクモの仲間です。このアシダカグモは積極的に人間に近寄り、噛みつくといったことはしません。無理に素手で捕まえる、といったことをしなければ見た目が苦手な人以外には無害です。それどころか多くの人が嫌いであろうある虫の天敵として有名になりつつあります。
そのある虫とは一体どのような虫なのでしょうか?その答えは「ゴキブリ」です。
アシダカグモが益虫と呼ばれる理由
アシダカグモは太く長い足を持っており、素早く動くことが可能です。ゴキブリを見つけると、素早く飛び掛かり押さえつけて捕食します。捕食するときに用いられる消化液は病原菌を殺菌します。また、捕食したエサはすべて食べつくしてしまうため食べ残しなどもなく、捕食後に体を綺麗に掃除するため常に清潔に保たれています。
このことから人間にとって害がほとんどなく、害虫であるゴキブリを食べるためアシダカグモは益虫と呼ばれるようになりました。
ところで、クモといえば「糸を出して巣を作る」というイメージを持っている方がいらっしゃると思います。アシダカグモは糸を出すのでしょうか?それについては次の項目でご紹介します。
アシダカグモは糸を使って狩りをする?
クモは動くときに「しおり糸」と呼ばれる命綱を出しながら行動します。アシダカグモもしおり糸を出しながら動いていますが、体が大きすぎるためか糸を伝って登るということはできないようです。高いところから落ちるときはしおり糸を使って速度を落としつつ着地をするそうです。
アシダカグモが糸を狩りに使うことはなく、卵を糸で包んで卵のうにするときや子供のときに風に飛ばされて遠くへ行くために糸を出すようです。
では、アシダカグモは自分の巣をどのようにして作るのでしょうか?次の項目ではアシダカグモの住居についてご紹介します。
アシダカグモはどうやって巣を作るの?
結論から言ってしまえば、アシダカグモは巣を作りません。なぜなら、アシダカグモは巣を作らない「徘徊性」のクモだからです。クモの種類には巣を作り獲物を待つ「造網性」と、獲物を自らの足で捕まえる「徘徊性」の2種類に分けることができます。
アシダカグモは徘徊性のクモのため、巣を作ることが無く獲物を探して捕食します。そのため、クモの巣を作ることがなく掃除をする必要が無いことも前述の益虫として扱われるポイントのひとつになっています。アシダカグモは糸を巣作りに使わずにどこかへ隠れることで暮らしています。
アシダカグモはいつもどこに隠れているの?
アシダカグモは夜行性の虫であり、日中は暗いところに潜んでいます。また、臆病な性格をしているため人間を見かけると素早く物陰へ隠れようとすることが多いです。主な隠れ場所としては、雨戸の戸袋や天井裏、家具の隙間や押し入れの中に隠れているそうです。隠れ場所でもアシダカグモは糸を出すことはしないため、そっとしておくといいでしょう。
アシダカグモが一戸建ての住宅に2~3匹いると、半年後にはゴキブリがいなくなるといわれています。そしてゴキブリが居なくなった住宅からはアシダカグモは出ていくといわれています。そのため、アシダカグモの外見を我慢できるのであれば一緒に暮らすことをおすすめします。しかし、どうしても怖いという方もいらっしゃるでしょう。
でもどうしても怖い…アシダカグモにいなくなってもらうには
中には、「アシダカグモよりゴキブリの方がマシだ」という声もあります。そのような場合は、前述のとおりアシダカグモは食べるものが無くなれば出ていきます。アシダカグモの食べるもの、すなわちゴキブリなどが発生しないようにしましょう。そのためには常日頃から掃除をして換気を行うといった行動が大事になってくるでしょう。
ただし、アシダカグモが糸の塊のようなものを持っていた場合はすぐに追い出したほうがいいでしょう。その糸の塊は、卵を糸で包んだ「卵のう」と呼ばれるものです。卵のうを持っているアシダカグモは食事をとることがありません。子供たちが産まれるまで卵のうを大事に抱えます。
アシダカグモを駆除する場合は、ハエなどに使用する殺虫剤をかけることで駆除をすることができます。
もしアシダカグモだけを追い出したとしても、食料となるゴキブリなどがいる限り新しいアシダカグモが来るかもしれません。ゴキブリを完全に駆除することが個人の力では難しいと判断したのなら、プロにゴキブリの駆除を依頼することをおすすめします。ゴキブリ駆除のご依頼は「ゴキブリ駆除」をご覧ください。
まとめ
アシダカグモはめったに人を襲うことはなく、ゴキブリなどの害虫を捕食するため益虫と呼ばれることが多くなっています。アシダカグモは糸を巣作りに使用することは無く、殺菌作用がある消化液を用いて常に体を綺麗に掃除しています。このことも益虫と呼ばれる所以となります。
アシダカグモは夜行性のため昼間は押し入れの中などの暗いところに潜みます。巣を作らない徘徊性のクモのため潜んでいるところがクモの糸だらけになるといったこともありません。そのため、アシダカグモはできるだけ一緒に暮らすことをおすすめしますが、外見がどうしてもダメという方もいるでしょう。
その場合はアシダカグモを駆除するか、アシダカグモの食料を自宅からなくすことを考えるといいでしょう。アシダカグモは食料がなくなれば、その場所から移動するといった行動をとるためです。アシダカグモにとっての食料をなくすことが個人の力では困難だと感じた場合は、衛生害虫駆除のプロの力を借りることを考慮してみてください。
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