「シロアリ対策は無駄」は大きな誤解!点検・予防・駆除方法を解説

2022.6.7

「シロアリ対策は無駄」は大きな誤解!点検・予防・駆除方法を解説

シロアリ対策をするには安くない費用がかかってしまうため「今まで被害に遭っていないし、シロアリ対策をやめて節約したい」と思っている方もいらっしゃるでしょう。できるだけ出費を減らしたい気持ちはわかりますが、決してシロアリ対策を怠らないようにしてください

なぜなら、シロアリは小さな隙間さえあれば入れてしまうほど器用で、一度侵入を許すと駆除に大きな手間がかかるからです。被害の程度によってはシロアリ対策を続けていたほうが安く済んだと後悔するかもしれません。

この記事では、シロアリ対策における3つの勘違いしやすい点、具体的な対策方法を「点検・予防・駆除」の3つに分けてご紹介します。

シロアリ対策でよくある「3つの誤解」

シロアリは土や木の中で暮らす昆虫のため、普段の生活のなかで見かけることはほとんどありません。それゆえに「このくらいは大丈夫そう」と油断してしまいがちです。そこで、シロアリ対策において勘違いしてしまいやすい「誤解」を3つご紹介します。シロアリ対策の必要性をしっかりと認識しましょう。

1.新築なら対策しなくても平気

「新築の新しい木材であれば、まだシロアリ対策しなくても平気」というのは大きな誤解。シロアリといえばジメジメして腐った木材を食害するイメージを持たれやすいです。しかし、シロアリには新築のきれいな木材でも平気で食害する種類もいるため油断できません。

例えば、日本での被害件数が多い「イエシロアリ」という種類。水分を運ぶ能力を持っているため、多少乾燥した環境でも巣を作ることができます。さらに、外来種である「アメリカカンザイシロアリ」は乾いた木材(乾材)を好んで食害します。このように、新築の木材を平気で食害するシロアリもいるため、新築でもシロアリ対策は必要です。

2.鉄筋コンクリート造りならシロアリは来ない

シロアリは木材を好んで食害するため、鉄筋コンクリートで作られた家なら一見大丈夫そうに思えます。しかし、鉄筋コンクリートで作られた家とはいっても、柱や梁などの一部分に木材が使われている場合があり、侵入されて被害に遭う可能性は十分にあります。

また、シロアリはコンクリートや断熱材といった障害物を食い破って中に入ることもできます。特にコンクリートは築年数が経つにつれて収縮するようになり、ひび割れが発生しやすくなるのです。シロアリはその隙間を狙ってくるので、築年数が経っている家ほど気を付けましょう。

3.今まで被害が出てないから大丈夫

今までシロアリ被害が出ていないからといって、これからもシロアリ被害が出ないとは限りません。なぜなら、築年数が経つにつれて建築材が劣化してしまい、シロアリが侵入しやすくなるからです。

木材やコンクリートといった建築材は消耗品であり、取り替えない限りは劣化しいく一方です。まだ大丈夫だろうとシロアリ対策を何もしなかった場合、建築材の劣化と腐敗が進んでしまうでしょう。腐敗が進むと、腐った木材が好物なシロアリが寄ってきやすくなります。

シロアリ被害を点検で見つけよう

シロアリ対策にはシロアリの侵入を防ぐ「予防」と、すでにいるシロアリを退治する「駆除」があります。ご自身が今現在、どちらのシロアリ対策をすればいいかを確かめるために、まずは家にシロアリがいないか点検してみましょう。

点検前に覚えておくこと

【シロアリ被害に遭いやすい場所】

  • 床下
  • お風呂場、トイレ、台所などの水回り
  • 玄関回り
  • 畳や木製の家具
  • 庭の植木や切り株

シロアリ被害が表れやすい場所を知っておけば、効率的にシロアリ点検が可能です。特に上記の場所はシロアリにとって最適な環境であるため、巣を作られやすいので注意してください。

点検1.床が浮く、へこむか

床下の木材が食べられていると、その位置の床が緩くなって浮いたりへこんだりといった症状が出ます。家中の床をしっかりと踏んで見て、おかしな感触はないか確かめてみてください。雑に踏んでしまうと床が抜ける可能性があるので、点検する際は丁寧におこないましょう。

点検2.壁や柱を叩いたときの音が違うか

柱をたたくと空洞音がする

シロアリ被害は壁に発生することもあるため、調べるのを忘れないようにしてください。壁や柱を叩くときは、ドアをノックするときの要領で「コン、コン」と軽く叩きます。そのとき、「ポコ、ポコ」といった他とは全然違う空洞音が鳴っている場合は、シロアリ被害が進んでいる可能性があります。

点検3.蟻のトンネル(蟻道)があるか

シロアリの蟻道

シロアリは薄い皮膚を持っているため、日光に数分間当たると脱水症状で死んでしまうほど乾燥に弱い昆虫です。そのため、シロアリは泥やフンなどを寄せて作った蟻土(ぎど)を使って蟻道(ぎどう)というトンネルを作り、皮膚の乾燥を防ぎます。上記イラストのような形で、上へと蟻道を伸ばして侵入してくるのです。

蟻道は床下以外に、外壁のすき間に入り込むように作られることがあります。蟻道がないか点検するときは、家の外周を回るように確認してみましょう。壁にくっつくように出来た土の塊があれば、それは蟻道である可能性があります。

点検4.不自然に空いた小さな穴があるか

シロアリはコロニーとよばれる巣を作り、群れで生活しています。一生を巣や蟻道で暮らすため基本的に外へ出る機会がありません。ただし、群れの一部には羽が生えて空を飛ぶ「ニンフ(羽アリ)」と呼ばれるシロアリがいて、「群飛孔(ぐんひこう)」とよばれる穴を開け、新しい巣を求めて飛び立つのです。

群飛孔には決まった形はなく円形のものや楕円のようなもの、蟻土で覆われているものまでいろんなパターンがあります。また、群飛孔がある場合は近くに羽アリがいる可能性もあるので見つけ次第駆除しましょう。羽アリの駆除方法を知りたい方は羽アリを見かけたときの対策をご覧ください。

点検5.木くずのようなフンがあるか

アメリカカンザイシロアリのフン(文字なし)

木材の輸入などの要因で日本に持ち込まれ、住宅に危害を加える「アメリカカンザイシロアリ」という種類のシロアリがいます。アメリカカンザイシロアリは日本のシロアリのように蟻土や蟻道を作ることをせず、木材に穴を開けて木くずとフンを外にまき散らします。砂粒のような木くずが大量に落ちていたら、アメリカカンザイシロアリがいるかもしれません。

予防によるシロアリ対策方法

マイホームを長持ちさせるためには、日頃のシロアリ予防が重要です。ここでご紹介する予防方法を実践してシロアリが侵入しにくい環境を作ってみましょう。

エサとなる木材を放置しない

シロアリが侵入しにくい環境を作るうえで大切なのは、シロアリの好物を極力置かないようにすること。例えば、庭やベランダに放置しっぱなしの木材やダンボール。ダンボールは元々木から作られているためシロアリの好物です。雨水によりふやけた木材やダンボールは特に被害に遭いやすいので、片付けておきましょう。

基礎コンクリートを補修する

シロアリは木材のためならコンクリートのすき間さえ通り抜けて侵入してきます。築年数が多くなってヒビ(クラック)が入ってきた基礎コンクリートには補修をしておきましょう。基礎コンクリート補修をする手順は以下になります。

【基礎コンクリート補修の流れ】

  1. ひび割れ周りを掃除しておく
  2. 補修剤の指示にしたがい準備する
  3. 補修剤をひび割れに埋めていく
  4. ヘラを使ってなじませる
  5. 補修剤を乾燥させる

また、基礎コンクリート補修で使う市販の補修剤には粉末状のものもあるため、ゴーグルやマスクなどの身を守る道具も必要です。ゴーグルなどがなければ、チューブ型の補修剤を使用するのもよいでしょう。

床下の湿度を調節する

床下は基本的に風通しが悪く、シロアリにとって理想的な環境です。床下にある木材が湿気の影響を受けて劣化すると、シロアリ被害に遭いやすくなります。床下の湿度を調節するためには、風通しの悪さを改善する「床下換気扇」の設置や、湿気を吸い取ってくれる「調湿剤」を使うのがおすすめです。

また、床下換気扇や調湿剤の設置は床下に潜って作業する必要があるため、床下工事が可能な業者にお任せするほうが安全でしょう。

床下に薬剤処理をおこなう

床下の環境を改善したり、侵入経路を塞いだりすればシロアリの侵入を防ぐことができます。ただし、シロアリの侵入を完全に対策することは難しく、思いがけない所から侵入されることもあるかもしれません。そのような状況を想定して、床下にシロアリ駆除成分のある薬剤を散布しておけばさらなる予防効果が見込めます

床下の薬剤処理をしておくことで、運よく侵入できたシロアリを木材に到達する前に駆除が可能です。なお、薬剤散布は一応個人でも可能ですが、「危険な薬品の使用・準備の手間」という点を考えると、DIYよりもプロの業者にお任せした方が無難です。

駆除によるシロアリ対策方法

すでにシロアリに侵入されている場合は、大切な建築材が食べられてしまう前に駆除へ取りかかることが大切です。ここでは、シロアリ駆除の有効な方法を解説します。

ベイト工法

ベイト剤固定する

ベイト工法とは、毒の入ったエサをシロアリに食べさせることで駆除する方法です。上記のとおりシロアリがいる蟻道に設置すると、寄ってきたシロアリが毒の入ったベイト剤を食べてくれます。

シロアリは「獲得したエサを巣に持ち運ぶ」といった習性があるので、ベイト剤にいるシロアリだけでなく巣にいるシロアリにまで駆除が可能。ただし、シロアリが食べてくれるまで待たなければいけないため、効果があらわれるまで時間がかかりやすいのが気になるところです。

なお、ベイト剤に入っている毒は「脱皮を妨害する成分」であるため、脱皮が必要なシロアリに効きますが、人間にとって毒になりません。そのため、個人でも安心して取り扱いできるのがベイト工法の強みです。

バリア工法

バリア工法の流れ

バリア工法とはシロアリのいる場所に薬剤を散布し、駆除する方法のことをいいます。バリア工法でシロアリ駆除をする場合は、穿孔(せんこう)注入という方法が用いられ、上記のように木材に穴を開けて中に薬剤を浸透させていくやり方です。そうすることで、木材の中に薬剤が行き渡るので、効果的にシロアリを駆除できます。

そのため、ベイト工法と比較して速効性が高いのが大きなメリットでしょう。また、バリア工法で使用する薬剤は有毒なものであり、さらに床下の作業途中でケガをするリスクもあります。この点を考えると、バリア工法でシロアリ駆除をするなら業者に依頼したほうが安全性が高いです。

羽アリを見かけたときの対策

春~夏は外で羽アリを見かける季節であり、家にシロアリがいる場合は家の木材に群飛孔という穴を開けて多くの羽アリが飛び出します。そのような場面に出くわしたら、すぐに羽アリを駆除しましょう。羽アリを駆除するには、掃除機を使用するのが効果的です。以下の手順を参考にし、羽アリを逃がさず駆除してください。

【掃除機での羽アリ駆除手順】

  1. 掃除機のノズルを外して吸い込みやすくする
  2. 掃除機の電源を入れ、羽アリを吸い込む
  3. 吸い込んだ羽アリをゴミ袋に入れて処分
  4. 近くに群飛孔があればテープなどで塞いでおく

また、羽アリを駆除する際はメモや写真などで羽アリの姿を記録しておくとよいです。記録した羽アリの情報を伝えることで、シロアリの種類が特定しやすくなります。

シロアリ対策は業者依頼が無難!検討すべき要素3つ

シロアリ対策のなかには個人でできるものもありますが、「床下の薬剤処理」による予防、「バリア工法」による駆除は業者依頼にしたほうが無難です。これらの方法は作業時にケガなどのリスクがあり、中途半端におこなっても思うような効果が得られません。そのため、プロの業者による丁寧な施工をしてもらう方が合理的といえます。

ただ、シロアリ対策を依頼する業者を検討する際は、その業者が優良業者であるかをしっかりとチェックしてください。最低限知っておきたい「施工実績・価格相場・サービス内容」の3つのポイントをご紹介します。

1.施工実績

シロアリ予防・駆除を効果的におこないたいなら、検討する業者の施工実績ついて調べておくことが大切。あまりシロアリに詳しくない業者に依頼してしまうと、施工が不十分となりシロアリ被害が根本的に解決しない場合があるからです。

施工実績を調べるのであれば、その業者が運営しているホームページを見るのがよいでしょう。どのような工事をおこなうのか、シロアリ駆除をどれだけ施工してきたのかがわかれば、納得のうえで依頼ができます。

また、その企業が日本しろあり対策協会の会員になっているかも見ておきたいポイント。日本しろあり対策協会はシロアリの被害防止のため結成された公益社団法人で、入会するためにはしろあり防除施工士の資格や保険の加入、器材保管場所の広さなど条件が定められています。

そのため、日本しろあり対策協会の会員であればシロアリ予防・駆除に関する知識と設備が整った業者であるといえるため、信頼できる業者を選ぶときの指標となります。

2.価格相場

施工実績とあわせて、業者から提示された「施工料金が相場と大きく離れていないか」も考慮すべきポイントです。気になる価格相場ですが、「一般財団法人 経済調査会」による以下のデータが参考になります。適正料金であるかを調べるときの参考にしてみてください。

【シロアリ駆除の料金相場】

1平米あたり:2,000~2,200円
1坪あたり:6,600~7,260円

また、シロアリ駆除の料金は施工場所の広さで料金が異なり、シロアリ被害の程度によって料金がかかる点に注意が必要です。例えば、シロアリ被害がかなり進んだ住宅の場合、ボロボロになった建築材の修復も必要となるので、大きな費用がかかります。

3.サービス内容

シロアリ駆除をおこなっている業者の多くは、再発防止保証が設けられていることが多いため、「保証年数と内容」もチェックしておきましょう。どんなに腕のいい業者でも、一度の施工でシロアリを完全に駆除するのは難しいです。そのため、しっかりとした保証があればいざシロアリが再発しても安心できます。

床下の薬剤処理で使う薬剤の寿命は5年間といわれているので、最低でも5年以上の保証期間が設けられている業者を選べば安心です。また、業者によって保証期間中の工事に料金が必要だったり、保証可能な範囲が異なったりする場合があります。その点も考慮してサービス内容を見ておきましょう。

まとめ

シロアリは新築の家でも発生することがありますし、思いがけない場所から床下へ侵入してくることのある害虫です。たかがシロアリと考えず、ここでご紹介した点検・予防・駆除方法を参考にして対策を徹底するようにしてください。

また、万が一シロアリが家に侵入してきたときのことを考えて、薬剤処理による予防を5年に1回のペースでおこないましょう。薬剤処理はケガの危険性がある作業のため、業者に依頼したほうが安心かつDIYでおこなうよりも仕上がりよくシロアリ予防をしてくれます。

また、シロアリ対策で依頼する業者探しにお困りであれば、ぜひ弊社のサービスをご利用ください。弊社なら全国にある加盟店様のなかから、お客様のご希望に合った業者をご紹介することが可能です。シロアリ駆除後の品質保証も5年間あるため、シロアリが再発しても安心できます。

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