灯油ストーブは換気して使わないと危険!?理由と換気方法教えます

2021.4.30

灯油ストーブは換気して使わないと危険!?理由と換気方法教えます

季節が冬に入って寒さが厳しくなってくると、暖房器具を使わずにはいられません。近年ではエアコンを活用することも多いでしょうが、現在も石油ストーブでお部屋を暖めているご家庭もまだまだ多いのではないでしょうか。

ですが、石油ストーブを使用する際には注意しなければならないことがあります。もし定期的な換気をせずにストーブを使い続けていると、最悪の場合死に至る事故が起きるかもしれないのです。

今回のコラムでは、なぜ石油ストーブに換気が必須なのかについて解説していきます。どうすればすばやく換気ができるかも紹介しているので、換気をする際に参考にしてくださると幸いです。

暖房器具といえば石油ストーブ

石油ストーブは、灯油を燃料にして部屋を暖めてくれる暖房器具です。電気を必要としないので設置場所が制限されないほか、上に水を入れたやかんを置いておけば、お湯を沸かせるだけでなく加湿効果も発生して一石二鳥です。

石油ファンヒーターとなにが違う?

勘違いされやすいですが、石油ストーブと石油ファンヒーターは異なるものです。灯油を燃料とする点は同じですが、仕組みが少々違います。

石油ストーブは、灯油を気化させることで発生する気化ガスを燃焼し、そのエネルギーを利用して部屋を暖める仕組みです。そして石油ファンヒーターは、灯油を燃焼することで得た熱を送風ファンで送り出すことでお部屋を暖める造りとなっています。

石油ファンヒーターはすばやく部屋を暖めることができる一方、空気が乾燥しやすい、電気代が少しかかるといったデメリットがあります。一方の石油ストーブは電気代が必要ないなどのメリットがありますが、部屋が暖まるまで少し時間がかかるのが欠点だといえるでしょう。

ただし石油ストーブも石油ファンヒーターも、定期的な換気をおこなわないと一酸化炭素中毒のリスクが発生するという点は同じです。次の項目では石油ストーブの換気をしないと起こる一酸化炭素中毒について解説していきます。

灯油ストーブ使用時換気をしない危険性

もっとも身近な猛毒ガス!一酸化炭素中毒について

石油ストーブで換気をしないと一酸化炭素が発生することがあり、これを少しでも吸い込んでしまうと一酸化炭素中毒を起こすおそれがあります。では、一酸化炭素中毒とはどんな症状なのでしょうか。

身近にある一酸化炭素の恐怖

一酸化炭素とは、木炭や燃料用のガスが不完全燃焼を起こすことで発生する気体です。物体が燃焼するには十分な酸素が必要なのですが、酸素が不足している状態で燃焼が起きると不完全燃焼になってしまい、一酸化炭素が発生するのです。

石油ストーブの場合、灯油を燃やして気化ガスを作るときに酸素が必要となります。当然ながら室内の酸素は減っていくのですが、換気によって室外の空気を取り込まないと酸素が不足してしまい、不完全燃焼が起きてしまうのです。

一酸化炭素は無色かつ無臭の気体なのですが、大変毒性が強いという厄介な性質をもっています。発生しているかわかりにくいにも関わらず、ほんの少しでも吸い込むと健康に害を受けるどころか、中毒症状により死に至るおそれさえある危険なガスなのです。

一酸化炭素中毒を起こす理由

一酸化炭素は、赤血球の成分のひとつである「ヘモグロビン」と非常に結合しやすいという特徴があります。ヘモグロビンは肺で結合した酸素を体中の細胞へ運ぶ役割があり、人間が生きる上でなくてはならない重要な存在です。

ですが一酸化炭素がヘモグロビンと結合してしまうと、誰も肺に取り込んだ酸素を運べなくなってしまいます。その結果細胞に酸素を行き渡らせることができなくなり、一酸化炭素中毒が起こる原因となるのです。

空気中の一酸化炭素濃度と中毒症状

では、室内にどれだけの一酸化炭素が溜まると危険なのでしょうか。一酸化炭素濃度によって出る症状を以下にまとめました。

一酸化炭素濃度 症状
約0.02% 2~3時間以内に軽い頭痛がします。
約0.04% 1~2時間で前頭痛、2.5~3.5時間で後頭痛の症状が出ます。
約0.08% 45分で頭痛、めまいや吐き気の症状が出て、2時間で失神します。
約0.16% 20分で頭痛、めまいや吐き気の症状が出て、2時間で失神します。
約0.32% 5~10分で頭痛やめまいの症状が出て、30分で死亡します。
約0.64% 1~2分で頭痛やめまいの症状が出て、10~15分で死亡します。
約1.28% 1~3分で死亡します。

(作業環境測定便覧より)

このように、わずか約0.3%の濃度でも死に至る危険性があるのです。もしも灯油ストーブを稼働させている最中に軽い頭痛を感じたり、意識がボーッとしたりする場合は、ただちにストーブの電源を切るようにしてください。

一酸化炭素中毒について

石油ストーブ以外に一酸化炭素中毒が起こるケース

一酸化炭素中毒が発生するのは、なにも石油ストーブに限った話ではありません。先ほども触れたように、一酸化炭素とは不完全燃焼によって発生する有毒ガスです。なので燃焼によって機能する器具には一酸化炭素中毒のリスクが存在します。

湯沸かし器

不完全燃焼防止装置のない湯沸かし器が経年劣化によって故障すると、一酸化炭素を発生させることがあります。なかでも、燃焼ガスを室内に放出する室内開放型の湯沸かし器だと、一酸化炭素中毒を起こす危険性さえあるでしょう。

現在では不完全燃焼防止装置の取り付けが義務付けられるようになっていますが、古い年代の器具だとそれが取り付けられていないこともあります。ですので業者に点検してもらい、ご家庭の湯沸かし器に問題がないかを確認しておくようにしてください。

ガスコンロ

ガスの力で着火するガスコンロを使用する場合も、一酸化炭素発生のリスクがあります。老朽化している機材は不完全燃焼の危険性も高まっているため、定期的に業者に点検を依頼するようにするべきでしょう。

ガスコンロの炎は普段青色なのですが、不完全燃焼を起こしているときは赤色オレンジ色になっています。もし調理中に炎の色が変わっているのに気づいたら、すぐに炎を消して換気を心がけるようにしてください。

石油ストーブの換気も大切ですが、湯沸かし器やガスコンロも換気は必須です。調理や湯を沸かす際にガスを使用するときは、必ず換気扇を回すのを心がけるようにしましょう。

効率のよい換気で事故を防ごう

石油ストーブを使用するときは、定期的な換気が必要となります。しかし、せっかくお部屋を暖めているのですから、換気は熱を逃がさないよう手短におこないたいものです。そのためには、効率のよい換気の方法を知っておく必要があるでしょう。

空気の道を作ってすばやく換気

効率よく換気をおこなうには、部屋の中に空気の流れる道を作ってあげることです。ただ窓全開にしても、うまく空気が循環しないと換気がうまくおこなわれません。空気の入り口と出口を作ることで風が通りやすくなり、はじめて換気能力が上がるのです。

風の流れる道を作るにはコツが必要になります。以下のような方法で、うまく空気を循環させるようにしましょう。

部屋の対角線上の窓を開ける

お部屋の対角線上にある窓を開けておくと、空気の通り道ができます。このとき、空気の入口になる窓より空気の出口となる窓を広く開けるようにしましょう。空気は狭い場所から広い場所へと流れていく傾向があるので、これによってより空気の通りがよくなるのです。

高低差のある窓を開ける

暖かい空気は上へと流れていくので、石油ストーブンなどで暖めた空気も低い場所から高い場所へと流れていきます。そのため、低い位置の窓と高い位置の窓を開けておくと、空気の通り道ができて換気の候率が上がるのです。

サーキュレーターを使用する

お部屋の空気を循環することができるサーキュレーターを活用することで、換気の効率を上げることができます。また、ストーブやエアコンの温風を循環させることで、室内の温度差をなくして快適な空間を作ることも可能です。

石油ストーブ使用時の換気回数目安

ここで気になってくるのが、石油ストーブを使っているときはどれくらいの頻度で換気をおこなうべきか、という点でしょう。

石油ストーブの換気は、まとめておこなうよりも短い時間の換気をこまめにするのがポイントです。というのも暖房器具は常に使い続けていることが多いため、使い終わったときにまとめて換気しても意味がありません。

石油ストーブの換気の目安としては、1時間ごとに1~2回、約5~10分程度おこなうのがよいでしょう。

熱交換型換気扇を設置しよう

換気扇の中には、熱を逃がさないタイプのものがあるのをご存じでしょ「熱交換」は内蔵されている熱交換機によって換気の際に逃げてしまう熱エネルギーの約7割を回収し、取り込む外気を暖めるのに活用します。これにより、室温を下げずに換気が可能となるのです。

ご家庭の換気扇を熱交換型換気扇に変更したいときは、業者に依頼するようにしましょう。熱交換型換気扇については「熱交換形換気扇はお財布の強い味方!快適換気で一石二鳥!」にて詳しく解説しています。興味のある方は参考にしてみてください。

灯油ストーブ使用時に効率良く換気するためには

まとめ

寒い冬を乗り越えるには、石油ストーブは手放せない家電製品の1つでしょう。ですがお部屋に暖かさを提供してくれるこの暖房器具も、使い方を間違えれば一酸化炭素中毒を起こす危険性があるのです。

取り返しのつかない事態にならないためにも、石油ストーブは換気をしながら使用するのが大切になってきます。とくに近年建てられている住宅は気密性が高い傾向があるので、こまめな換気を忘れないようにしてください。

もし換気扇が故障してしまった、もしくは換気扇を熱交換型のものに変更したいときは、業者に修理や交換を依頼するのがおすすめです。室外の空気をうまく取り入れて、事故のない安全な冬を過ごすようにしましょう。

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