古い家の地震対策は大きくわけて3種類!効果的な方法をご紹介

2021.4.30

古い家の地震対策は大きくわけて3種類!効果的な方法をご紹介

地震は、日本に住む上で避けることはできません。年に数千回起こる地震のなかには、震度6弱以上の非常に強い揺れの地震も少なくないですよね。では、阪神淡路大震災や東日本大震災クラスの地震が来ることに備え、私たちができることには、どんなことがあるのでしょうか。

とくに、築年数の古い家の地震対策は、どのようにすればよいのか悩むことも多いでしょう。そんな方のために、このコラムでは家のさまざまな補強方法について、ご紹介いたします。

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建てられたタイミングが重要!地震対策の補強が必要な基準とは

古い家といっても、20~30年前に建てられたものや、お寺などの数百年前に建てられたものなどいろいろな建物があります。「自分が住んでいる古い家に、地震対策が必要なのかわからない」という方もいるでしょう。では具体的に、築年数がどれくらい経っていれば耐震性に注意が必要なのでしょうか。

実は、その線引きにはひとつの明確な指標があります。それは、「1981年よりあとにできた建物かどうか」というポイントです。いったいなぜ1981年なのかというと、その年に「建築基準法」という法律が改正され、建物に必要な耐震基準が引き上げられたからなのです。このとき改正された新しい耐震基準は、「新耐震基準」と呼ばれています。

ここで気をつけるべきポイントは、1981年に完成している建物でも、改正後の新基準を満たしていないおそれがある点です。通常、マンションや一戸建ての建物は、その当時の建築基準に満たしているか確認をする「建築確認」という工程があります。新基準になったのは1981年の6月なので、7~8月に完成している建物はまだ新基準に沿っていないものである可能性があり、要注意です。

また、今の家が大きな地震を経験しているかどうかも重要な項目です。新耐震基準を満たしていても、繰り返す訪れる地震のダメージが蓄積しているおそれもあるでしょう。家にダメージがあるかどうか、今すぐできる確認方法があります。それは、外壁や天井などにひび割れや亀裂が入っていないかを見ることです。

万が一ひび割れや亀裂といった症状が見られた場合には、家そのものにゆがみがでていることも考えられるので、業者に耐震性のチェックをしてもらうとよいでしょう。

建てられたタイミングが重要!地震対策の補強が必要な基準とは

古い家の地震対策としての補強方法その①:屋根の補強

古い家の地震対策として、屋根の耐震性を強化することはかなり効果的といえるでしょう。地震の揺れは、建物の上部であればあるほど大きくなる性質があります。マンションであれば、1階部分と高層階では、震度に2~3段階ほどの差があるともいわれるほどです。

そのため、屋根が重たければ地震の影響を大きく受け、家屋の倒壊リスクは高まります。一般的に、瓦屋根は重いため、スレート屋根への交換が効果的です。スレート屋根とは、非常に薄く、主に強化されたセメントなどでできた板のことを指します。

スレート屋根は一枚が瓦屋根と比べてとても薄く、重量は瓦の半分以下になることが多いです。また、スレート屋根はカラーバリエーションが豊富なのも特徴のひとつです。

ただ、屋根が瓦で重くても、そのほかの部分が頑丈であれば屋根の重さがそこまで影響しなかった例もあるため、すべての住宅で効果的かはわかりません。今の家で屋根を変えることが効果的かどうかは、業者に見積もりを取ってもらい、確認しましょう。

古い家の地震対策としての補強方法その②:接合部と壁の補強

古い家の地震対策として有名なのは、やはり壁の補強ではないでしょうか。住んでいる家に壁が少ない場合や、吹き抜け部分が広い場合はこの方法をおすすめします。実際、耐震性を上げるには壁を増設するか、現在ある壁の厚みを増すことが手っ取り早く、効果的でしょう。

具体的には、「耐力壁(たいりょくへき)」と呼ばれる壁を増やすことが一般的です。これは、水平方向の揺れに耐える力のある壁で、台風などの強い風にも効果があります。

しかし耐力壁を増やすと、木造の建物であれば地震の際に接合部が外れやすくなってしまうことも考えられるため、接合部の補強も必要になります。ホールダウン金物やさまざまなプレートで要所を固定していくことになりますが、どこに設置するべきかは家の構造によってさまざまです。

古い家の地震対策としての補強方法その③:基礎と柱の補強

家の土台とも呼ばれる基礎をしっかりと補強することでも、耐震性を上げることができます。基礎工事は大きくわけて2種類あります。それは、「布基礎」と「ベタ基礎」です。ここではそれぞれの特徴をご紹介します。

布基礎

従来から使われている工事方法です。布という字が入っているので布を使うのか、というとそうではありません。地面や柱、壁面など、建物の要所となる部分のみにコンクリートを流し込み、家を支えています。布基礎の特徴として、ベタ基礎と比べて初期費用が安価で済むという点があります。

ベタ基礎

この方法は、現在の新築であれば、ほぼ取り入れている方法になります。建物を鉄筋コンクリート(RC)で支えます。こちらは布基礎とは違い、建物の下全体にコンクリートを流し込む工法です。

古い家の地震対策には、ベタ工事のほうが効果的といわれます。布基礎のようにコンクリートだけでは、一度壊れた部分から強度を失っていきますし、鉄だけでは比較的簡単に曲がってしまいます。

そのため、コンクリートと鉄筋のふたつを組み合わせることで、お互いの弱点を補完しつつ、高い強度を得ることができているのがベタ基礎です。この工法は、布基礎と比べて費用は高くなりますが、強度が高いだけではなく、湿気を抑えたり、シロアリの被害を抑えることもできます。

古い家の地震対策としての補強方法その③:基礎と柱の補強

地震対策の補強をする際の流れについて

耐震工事は通常のリフォームとは違い、建物の外壁や柱そのものに手を加えます。耐震工事の特徴として、施工前と後では家の機能性に差はでません。耐震工事中は家のなかでいつも通り生活できることも多く、リフォーム中の生活を心配する必要もないのです。そのため、もし古い家の地震対策に漠然とでも不安を感じているのなら、早めに業者にその旨を相談してみましょう。

家の構造や土地の質は千差万別ですので、どこに問題があるのかをしっかりと調べてもらうことが必要です。耐震診断を受けると、自分の家が倒壊してしまうおそれがどれくらいあるのかもわかります。診断結果は、「構造評定」という0~1.5点までの点数で4段階にわけられています。点数が1以下だと倒壊する可能性があるという判定になるので、耐震工事が必要になるでしょう。

診断を受けて工事をすることが決まれば、あとは工事の見積もりを受けましょう。見積もりをすれば、業者がどれくらいの料金で施工をするかだいたいの目安が決まるため、家の全体を強化するのか、要所を強化するのかが変わってきます。ここは自分だけではなかなか判断ができないので、業者に依頼する際は家の平面図などを用意しておくとよいでしょう。

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まとめ

古い家の地震対策は、大きくわけて「屋根」「壁」「基礎」の3つです。まずは、自分の住んでいる家に本当に対策が必要かどうか、自分でできる簡単なチェックから始めてみましょう。築年数は何年なのか、また、ひび割れ・亀裂が入っていないかで、大まかに確認することができます。

さらに不安であれば、耐震診断を業者に依頼してみましょう。診断結果の点数が低ければ、大地震で倒壊してしまうおそれがあるため注意が必要です。大地震が来る前に、事前の準備を欠かさないようにしましょう。

耐震工事を依頼できる業者や料金

依頼できる業者や料金について、詳しくは「生活110番」の「耐震工事」をご覧ください。

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