防犯カメラの映像では個人情報に要注意!近隣トラブルを避けるには

2021.4.30

防犯カメラの映像では個人情報に要注意!近隣トラブルを避けるには

テレビのニュースで強盗殺人や空き巣などの物騒なニュースを見るたびに、家のセキュリティ面が心配になってきます。たとえ玄関や窓を施錠していたとしても、高度な技術で鍵を開けられて侵入されるかもしれないと思うと、気が気でならないでしょう。

そのため、防犯対策として監視カメラを設置するご家庭が増えています。また、人によっては、自宅だけでなくマンションや駐車場にも設置したいと考える方も多いのでしょう。しかし、いくら防犯のためといっても、好きな場所に防犯カメラを設置してしまってもよいものなのでしょうか。

そこで今回は、防犯カメラが映す映像の個人情報の問題や、設置の際に気をつけることなど、設置する前にぜひとも知っておきたい情報を解説していきます。プライバシーに配慮した運用をすることで、トラブルを未然に防ぐようにしましょう。

防犯カメラの主な目的とは?

防犯目的で設置された監視カメラは、防犯カメラとも呼ばれています。このカメラには具体的に、どういった役割があるのでしょうか。最初に、防犯カメラの目的について解説していきましょう。

犯罪の証拠を収集する

何らかの犯罪が起きた場合、防犯カメラの映像が残っていれば大きな証拠になります。それを元に犯人を突き止めたり、犯罪の程度が決定されたりなど、重要な役割を果たすのです。とくに振り込め詐欺をはじめとする特殊詐欺など「物的な証拠」が残らない犯罪においては、犯人検挙に大きく貢献しています。

空港や駅などの公共施設や行政機関では、防犯カメラが主に不審物やテロ対策として用いられています。不審物が発見された際、防犯カメラに映った映像を確認することで、それを仕掛けた犯人を特定できるのです。

犯罪抑制効果

防犯カメラをあえて目立つ場所に設置することで、人に犯罪を起こさせない心理を呼び起こします。防犯カメラの付近には「監視カメラ作動中」という表示がされていますが、この理由の1つとして犯罪の抑制を挙げることができるのです。

商業店舗では、防犯カメラを万引きや強盗対策として活用しています。また、各都道府県の警察は繁華街の防犯対策として、街頭や犯罪の多発地点に監視カメラの設置を推奨しています。ほかにも銀行では強盗対策としてだけではなく、従業員の不正行為防止として防犯カメラを使っているそうです。

以上のように、防犯カメラには犯罪に対して非常に有効なのです。しかし、だからといって好き放題に設置していいものでもありません。次の項目では、防犯カメラの映像と個人情報保護法について解説していきます。

防犯カメラの設置方法はこれでOK?犯罪者心理から導く有効な設置場所

個人情報の取り扱いについて

防犯カメラの設置に関して、もっとも重要な法律は「個人情報保護に関する法律(個人情報保護法)」でしょう。防犯カメラで撮影された映像に特定個人がはっきりと映っている場合、その映像は「個人情報」の一種として扱われるからです。

撮った映像は防犯のためだけに使おう

撮影した映像をインターネットにアップするなどして公開すると、肖像権やプライバシーの問題に発展しかねません。防犯カメラとプライバシー権は切っても切れない関係にあります。防犯カメラの映像は、必ず防犯目的のためだけに使うようにしてください。

また、防犯カメラの映像を保存してあるパソコンがウイルスに感染し、映像がインターネットに流出してしまった場合、映像の所有者に責任が追及されることでしょう。ですので、防犯カメラの映像は厳重に保管しておくようにしてください。

ちなみに防犯カメラの映像が個人情報として扱われるのは、個人を特定できる場合に限ります。そのため画質が悪くて顔が不明瞭だったり、後ろ姿だけで顔を認識できなかったりするときは、個人情報とは扱われません。

個人情報取扱業者とは?

家庭の防犯目的で防犯カメラを設置する場合、「取得の状況から見て利用目的が明らかであると認められる場合」(18条4項4)にあたるので、防犯目的で私有地を撮影するのは、とくに問題はないようです。

しかし店舗に防犯カメラを設置する場合は話が変わってきます。防犯カメラの映像を含む個人情報を取り扱う業者は、個人情報の数に関係なく「個人情報取扱事業者」として扱われるようになるからです。

個人情報取扱事業者となった場合、防犯カメラを設置する理由を明らかにしておく必要があります。たまに「防犯カメラ作動中」の張り紙を見る機会がありますが、それはお客様に防犯カメラの利用目的を明らかにする、という目的もあるのです。

防犯カメラによる近隣トラブルにはご用心

近年では、高性能の防犯カメラが比較的低価格で手に入るようになりました。そのため、防犯上の理由からご家庭でもカメラを設置するところが増えています。ご家庭を監視することができれば、空き巣対策に高い効果を発揮できるでしょう。

しかし、防犯カメラを巡るトラブルも問題となっています。一般家庭でよく起こりがちなのが、やはり近隣住民とのトラブルでしょう。防犯カメラに残る映像に個人情報が存在する以上、トラブルが起こる可能性はゼロではありません。

防犯カメラはご近所に配慮して使おう

先ほども触れたように、防犯目的で私有地を撮影するのはとくに問題はありません。しかし隣の家のリビングやベランダなどを撮影するのは防犯という目的とはかけ離れますし、プライバシーの侵害にもあたるため、法令違反になる可能性が非常に高いです。

また家の敷地内にカメラを設置したものの、カメラの角度によっては意図せず隣の家の敷地や家の前の道路を歩く人などが撮影されているケースがあります。もし、自分の家や顔がカメラに映っていると知ったら、不快に思う人もいるでしょう。

このようなトラブルはプライバシーの権利を主張するも、カメラを設置する側にも自由を主張する権利があり、どちらが正しいのか判断が難しいところです。

先ほど述べたとおり、カメラの利用が防犯目的で明らかに盗撮目的ではない限り、プライバシーの侵害とはみなされないケースが多いようです。しかしはっきりとした法律での規定がないため、個々の状況を判断しながら解決していく必要があります。

防犯カメラの映像では個人情報に要注意!近隣トラブルを避けるには

近隣トラブルを回避するには?

ここまで見てきたように、防犯カメラが映す映像には、個人情報やプライバシーの問題が大きく関わってきます。そのため、ご近所の方とのトラブルを避けるには、トラブルを避ける機能をもった防犯カメラを購入したりなどする必要があるでしょう。

プライバシーマスク機能を活用しよう

個人情報に関するトラブルを避けるため、防犯カメラには「プライバシーマスク機能」というものが搭載されていることがあります。これは、指定された部分が、カメラの撮影範囲外として撮影されなくなります。たとえカメラの向きが変わったりズームしたりしても、隠された部分は座標系と一緒に移動するため、そのまま隠してくれるのです。

防犯カメラの機種によって、マスキングの色や隠せる箇所は変わってきます。ご家庭に防犯カメラを導入する際にはプライバシーマスク機能の有無や性能についても調べてみるのがよいでしょう。

ダミーカメラを設置するという手も

犯罪行為を抑止するために、偽物の防犯カメラである「ダミーカメラ」を設置するという方法もあります。ダミーカメラでは映像を撮影することはできませんが、威嚇効果による防犯対策になるでしょう。録画機能などがないので、個人情報を取り扱うこともありません。

ダミーカメラの設置方法や注意点などについては、「ダミーの防犯カメラの効果的な設置方法や選び方!デメリットもご紹介」にて詳しく解説しています。おすすめのダミーカメラの紹介もおこなっているので、ダミーカメラを採用したい方はぜひ参考にしてください。

困ったときは業者の手を借りよう

防犯カメラを設置する場合には、プライバシーに配慮した運用をする必要があることがわかりました。たしかに防犯カメラは犯罪抑制に高い効果を発揮してくれますが、使い方を誤ると思わぬトラブルを引き起こしてしまいかねないのです。

もし、自分だけで防犯カメラの設置するのが難しい場合には、業者に依頼して設置を代行してもらうのをおすすめします。防犯カメラを知り尽くしている業者であれば、カメラの設置からプライバシーに関する配慮まで、しっかりおこなってくれるはずです。

まとめ

技術の向上によって、防犯カメラは人の表情まではっきりと写るきれいな映像を保存できるようになりました。ですが同時に、現代は肖像権やプライバシーが意識されるようになってきています。防犯カメラを設置する際は設置場所や角度、撮影した動画の取り扱いに十分注意しましょう。

また、防犯カメラの映像は個人情報なので、インターネットなどに流すとプライバシーの侵害となります。画像データはしっかりと保管をして外部に流出することがないよう、そして一定の期間が経ったら忘れずに消去するなど、徹底した管理を心がけてください。

もし、自分だけで防犯カメラを設置するのがこわい場合には、業者に依頼すれば適切な手段で防犯カメラを設置してくれるでしょう。その際、プライバシーに関する質問があったときは、業者に相談してみるといろいろなアドバイスがもらえるはずです。

防犯カメラ設置を依頼できる業者や料金

依頼できる業者や料金について、詳しくは「生活110番」の「防犯カメラ設置 」をご覧ください。

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