窓枠の歪みの原因と補正方法!家が危険な状態になっているサインかも

2021.4.30

窓枠の歪みの原因と補正方法!家が危険な状態になっているサインかも

窓を開け閉めするときに引っかかるような感覚がある、窓の隅から隙間風が入ってくるといった現象があるなら、窓枠が歪んでいると考えられます。窓枠の歪みの原因はいくつかあり、軽度のものなら自分で補正することも可能です。

ただし、深刻な原因によって窓枠に歪みが発生していることもあります。家全体が傾いていて、その結果として窓枠が歪んでいるということがあるのです。このコラムでは、窓枠が歪む原因と補正方法、危険な歪みの判断方法を解説していきます。

窓枠に歪みが起こる原因とは

丈夫そうにみえる家の窓枠の歪みは、どのようにして起こるのでしょうか。考えられる原因として代表的なものをあげていきます。

施工不良

建てて間もない住宅の窓枠が歪んできたという場合、建築時の施工に不備があったおそれがあります。窓枠を固定しているネジの締め付けが甘かったり、付け忘れたりといったことがあると、振動や衝撃によって窓枠がずれて歪んでくるのです。

窓枠と窓の間に5mm以上の大きな隙間ができた場合は、施工不良が疑われますので、住宅を建てた施工業者に確認してみましょう。

建材の収縮

住宅に使われている木材は水分を含んでおり、少しずつ乾燥していきます。窓枠に使われている木材も乾燥する過程で収縮し、歪みが発生することがあるのです。

木材の収縮は自然現象ですので、ある程度仕方のないことだといえるでしょう。しかし、そこまで大きな歪みになることは少なく、あまりにも歪みが大きくなるようなら別の原因も考えられます。

家全体の歪み

地震や不同沈下によって家全体が歪み、それにつられて窓枠も歪んでしまっているのかもしれません。不同沈下は地盤がかたよって沈んでしまうことで、その地盤の上に建っている家も傾いてしまいます。斜めになった家は、重みのバランスが崩れて歪んでしまうのです。

この原因の場合は、自分で直すのは困難ですので、家の安全性の確認を含めて業者に相談してみることをおすすめします。

窓枠の歪みの原因と補正方法!家が危険な状態になっているサインかも

窓枠だけの歪みを補正する方法

窓枠だけの歪みであれば、自分で補正することができます。ここでは窓枠の補正方法を簡単にご紹介します。

内窓を入れるときの補正方法

窓枠と窓の間に大きな隙間ができてしまった場合、窓の内側にもうひとつ内窓を設置することで隙間を補うことが可能です。もともとの窓よりもひと回り小さな内窓を用意し、窓枠に取り付けます。内窓の枠と窓枠との間にある隙間に木材などをはめ込んで固定し、コーキング剤などで小さな隙間を埋めましょう。

今ある窓を補正する方法

内窓など大がかりな工事ができない場合には、窓の戸車を調節して、ある程度補正することも可能です。多くの窓には底部分に戸車という車輪がついていて、高さを調節できるようになっています。戸車の高さを調節することで、歪んだ窓枠に窓をあわせるのです。

戸車は窓によっていろいろな種類があり、調節方法も異なります。調節の仕方が分からない場合は、取扱説明書を確認するか、メーカーに問い合わせてみましょう。

窓枠の歪みの原因と補正方法!家が危険な状態になっているサインかも

家全体が歪んでいるかも…確認する方法とは

窓枠だけでなく、家全体が歪んでいるおそれもあります。家の歪みは窓枠の歪みだけでなく、さまざまな被害をもたらすおそれがあるのです。

家が歪んでいるとどういう影響が出るのか

柱や壁といった家を支えている部分は、垂直方向からの負荷には耐えられるよう設計されています。しかし、家が歪むことで斜めになった壁や柱には、想定外の方向から負荷がかかります。負荷に耐えられなくなった壁や柱にひび割れや亀裂が入り、家全体の強度が弱くなるのです。そのままにしておくと、地震などの際に家が倒壊してしまう危険性もあります。

また、傾いた家でずっと暮らしていると、その家の住人に健康被害が出ることもあります。平衡感覚をつかさどっている三半規管に悪影響を与え、めまいや頭痛といった、乗り物酔いのような症状が現れることがあるようです。

家の歪みは、このような深刻な被害をもたらすおそれがありますので、不安があるのなら家の歪みを一度チェックしてみましょう。

窓枠の歪みの原因と補正方法!家が危険な状態になっているサインかも

まずはセルフチェックをしてみる

家の歪みのチェックポイントをご紹介します。あてはまる項目が多いほど、家が歪んでいる可能性が高いといえるでしょう。

□窓の建付けが悪い、ドアが床を引きずるといった症状がある
□外壁や基礎部分にひび割れがある
□雨どいに水が溜まっている
□壁や柱のつなぎ目に隙間ができている
□床がきしんだりへこんだりしている
□家のなかで頭痛やめまいがする
□家から出たときにめまいがする

ほかにも家の傾き度合いを測る方法はあります。もっとも簡便なものは、ビー玉などを用意して床に置いてみる方法です。力を加えていないのにビー玉が転がれば、家が傾いている証拠です。

どれくらい傾いているのかを知りたいのであれば、糸と5円玉を使う方法もあります。糸の先に5円玉を結び、柱などに吊るします。糸の結び目から、その先の5円玉までが柱に対してまっすぐでなければ、それだけ家が傾いているということです。

プロに耐震診断を依頼する

より精密に家の状態を確認したいのなら、耐震診断をしてみるのがいいでしょう。耐震診断とは、その家を調べて地震に耐えられる十分な強度があるかどうかを確かめることです。

耐震診断では窓やドアの動き、家の傾き、外壁のひび割れ、地盤の状態などを確認して、建築時の設計図などと照らし合わせてみていきます。歪みや傾きを含め、家の強度に不安があるのであれば、耐震診断を受けておくと安心です。

耐震診断を受けるのにかかる費用

耐震診断には、目視で調査する比較的簡単な一般診断と、壁などの一部を取り壊してより専門的な部分まで調査する精密診断とがあります。一般的な木造住宅の場合、一般診断は5万円~35万円程度、精密診断は15万円~50万円程度がかかるようです。

鉄筋コンクリート造などの住宅は、マンションなどの大規模な建物が多いため、戸建て住宅には対応している業者が少なく、単価が高くなる傾向にあります。一般診断では40万円~100万円程度、精密診断では50万円~200万円程度になることもあるようです。

ただし、地域によっては耐震診断にかかった費用に対して、補助金が出る制度があります。補助金を受け取れる条件は自治体によって異なりますが、場合によっては全額負担してもらえることもあるようです。一度お住まいの地域の自治体で、補助金について確認してみましょう。

家全体の歪みを補正する方法

窓枠の歪みから家全体の歪みを発見した場合、家の歪みは元に戻すことができるのでしょうか。参考までに、傾いてしまった家を直す工法をいくつかご紹介します。

アンダーピニング工法

弱い地盤の下にある固い地盤まで柱を差し込んで、ジャッキで家を持ち上げる工法です。ジャッキによって細かな調整ができるため、精密に水平を保つことができます。

耐圧版工法

固い地盤の上に鉄板を敷き、そこからジャッキで家を持ち上げます。弱い地盤が比較的浅い場合に有効な方法です。

薬液注入工法

弱い地盤に薬液を注入して固くし、さらに注入した圧力で家を持ち上げる方法です。比較的安価にできますが、水平に調整するのが難しい工法でもあります。

これらの工事には、数百万円という費用がかかります。ただし、耐震診断において耐震基準を満たしていないと判断された場合、自治体によっては補強工事の補助金も出ることがあります。耐震診断を受けることで、補強工事の費用も安く抑えられるかもしれません。

窓枠の歪みの原因と補正方法!家が危険な状態になっているサインかも

まとめ

窓枠の歪みは、建築時の施工不良や建材の収縮、不同沈下による家全体の歪みなどが原因で起こります。窓枠だけの歪みであれば自分で補正することができますが、家全体が歪んでいる場合は注意が必要です。

家の歪みは健康被害をもたらし、家の強度を弱めることにつながります。家の歪みや強度を確かめるために、耐震診断をしてみましょう。

耐震診断には地域によって、補助金がもらえることもあります。また、耐震診断で補強が必要とされた家の工事にも、補助金が出る場合があるのです。快適な家で安心して生活できるように、まずは耐震診断を受けてみるのがおすすめです。

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