春・夏・秋と季節に合わせてお手入れしてきた芝生ですが、寒い冬に合わせてお手入れも変える必要があります。さらに、芝生には暖地型芝と寒地型芝があり、それぞれお手入れ方法が異なります。寒い冬には芝生の種類に応じたお手入れをしてあげると、春にはきれいな一面の芝生を見ることができるでしょう。
この記事では、芝生のお手入れで冬にすべきことについて紹介します。種類ごとの冬のお手入れを知ることで、元気な芝生を維持することができるはずです。
目次
芝生には寒さに強い品種と弱い品種がある
芝生には、暖地型芝と寒地型芝があります。暖地型芝は春夏に緑の芝生を広げ、秋冬頃になるとしだいに枯れ始めます。このことから暖地型芝は、夏の暑さに強く冬の寒さに弱い性質を持っているといえるでしょう。
対して寒地型芝は暖地型芝と違い、1年中緑を楽しむことができます。とくに秋から冬にかけてはぐんぐんと成長し、暑くなるころには成長が抑制されます。しかし、寒地型芝は冬の寒さに強く夏の暑さには弱い性質を持っているので、30℃以上になる猛暑が続くと枯れてしまうこともあるようです。
このように、同じ芝生でも暖地型芝と寒地型芝とでは成長する時期が異なります。そのため、芝生のお手入れ方法も冬という季節の変わり目でそれぞれ変えていきましょう。
芝生の手入れ(冬)①暖地型芝の場合
暖地型芝は秋に入ると夏までの成長がゆるやかになり、冬には休眠期に入ります。休眠期には芝生の葉は枯れて茶色く変色してしまいますが、根は休眠しているだけで枯れてはいません。そのため、冬になる12月・1月・2月には、休眠期の芝生に対するお手入れが必要です。ここでは、暖地型芝のお手入れについて紹介します。
12月の手入れ
12月に入ると気温が低くなる日が多くなるため、枯れて茶色くなった芝生が目立つようになります。これは、芝生が休眠期に入り始めた証拠です。芝生自体も成長しなくなるので、水やりや肥料はとくに必要ありません。
また、芝生が伸びることもないので芝刈りもしなくてだいじょうぶ問題ありません。しかし冬になっても、スズメノカタビラなどのイネ科雑草が生えてくるため、気づいたら取り除くようにしましょう。
1月の手入れ
本格的に寒くなり雪が降る地域が多い1月も、ほとんど芝生のお手入れとして冬に何かおこなう必要はありません。芝生自体も一面茶色く変色し、本格的に休眠期に入っている時期なのです。12月と同様に、水やりや肥料、芝刈りは必要ありません。雑草が生えたら除草するといった程度のお手入れは続けておこないましょう。
1月に気をつけておきたいのは、芝生にできる霜柱です。霜柱の上を踏んでしまうと芝生の根を傷つけてしまい、来春の芝生の成長に悪影響を与えることがあります。そのため、霜柱ができても踏まずに溶けるまで待ちましょう。あらかじめ、目土をかぶせるなどの処置をしておくと霜柱ができにくくなります。
2月の手入れ
2月上旬は寒さが厳しい時期ではありますが、後半になると春の兆しが見え始めます。そのため、暖地型芝のお手入れも春の芽吹きに向けて準備をする必要があるのです。そうとはいっても、2月はまだ休眠期中であるため、水やりや芝刈りは必要ありません。
まずは枯れた芝生を2~3センチメートルの高さを残して、刈り取りましょう。刈り取った芝生は地表に堆積するサッチとなり、成長の妨げになってしまうので、先端に爪のついたレーキなどを使って取り除くサッチングをおこないます。
さらに2月にしておきたいお手入れが、エアレーションです。エアレーションとは、芝生全体に等間隔で穴をあけていく作業です。エアレーションをおこなうことで、空気や水が通りやすくし、芝生の成長を活性化させてくれるのです。
春に元気な芝生を楽しむためには、2月におこなうエアレーションなどの更新作業が重要になってきます。1月と同様に霜柱も気をつけながら下準備をおこなっていきましょう。
芝生の手入れ(冬)②寒地型芝の場合
寒くなるにつれて成長する寒地型芝は、1年中緑の芝生を維持することができるため、芝生のお手入れは冬も欠かさずにおこなっていきましょう。ここでは、寒地型芝のお手入れで冬におこなうべきことを紹介します。
12月の手入れ
寒地型芝は12月でも鮮やかな緑色をしていますが、15℃以下になると生育がゆるやかになります。水やりは、乾燥が続いた時におこなう程度で問題ありません。また、寒さによって色が悪くなるものもあるため、1平方メートルあたり20グラムほど肥料を与えておきましょう。
定期的に芝刈りをする必要もありませんが、まばらに伸びてしまっているのが気になれば芝刈りをおこなうと冬の間もきれいに保つことができます。
1月の手入れ
一段と寒くなる1月に入ると、寒さに強い寒地型芝でも成長が鈍くなり休眠状態になってしまいます。そのため、雨などで地面が湿っていればとくに水やりは必要ありません。また、成長が鈍くなるため肥料を与えなくても問題ないでしょう。
芝刈りに関しては12月と同様、長さが気になったらおこなうくらいで構いません。暖地型芝と同様に、この時期に雑草を取り除いておくと春の除草に手間がかからなくなるでしょう。また、芝生にとって霜柱も大敵です。霜柱ができていても踏まないようにして、解けたあとに目土をかけて対策をしておきましょう。
1月からは5℃以下になる日も多くなるため、霜で焼けて色が変わってしまうおそれがあります。対策としては、気温が低くなる夜は光合成を邪魔しない不織布などをかけておくと芝生周辺の温度を2℃ほど高く保つことができるようです。
2月の手入れ
2月上旬は1月、12月と同様に、土が乾いていると感じたら水やりをおこない、芝生の伸びが気になれば芝刈りをおこなうといったお手入れを続けていきます。寒地型芝も春に近づき、暖かくなると生育が活発になり始めます。
芽生えの準備として、2月上旬に根に吸収されやすい液体系の肥料を与えておきましょう。2月の下旬になり、寒さが和らいだら粒状の肥料を与え芝生の生育の手助けをするのです。寒いうちは不織布などをかぶせて、芝生が冷えないようにしておきましょう。
冬に緑の芝生を見たいときの対策3つ
芝生の最大の魅力は、何といっても一面に広がる緑でしょう。しかし、冬になると枯れてしまう芝生もあるのです。芝生の魅力となる緑を1年中楽しむには、3つの方法があります。予算や好みに合わせて対策してみてはいかがでしょうか。ここでは、緑を1年中楽しむ方法を3つ紹介します。
着色剤を使う
緑の芝生を1年中楽しむ方法として、1番手軽なのが着色剤を使用することです。着色剤で芝生を染めることで、芝生の枯れた姿を見ることなく鮮やかな緑を年中楽しむことができます。さらに、着色料の効果で芝生周りの熱を保つ力が高まり、通常より早く芽吹くようになるのです。
着色剤を散布する頻度としては、はじめに休眠期に入る前の秋におこない、芝生のお手入れとして冬は月1回ペースで染めていくときれいな状態で維持することができます。着色剤は、50~150倍ほど水で薄めて、噴霧器で全体に吹きかけていきます。
芝生の葉の表面だけではなく、裏側も着色するようにするときれいな仕上がりとなるでしょう。散布し終わったら、15~30分程度乾かせば完成です。
着色剤を使用する際に注意しておきたいのは、芝生以外のところに着色剤がついてしまうことです。家の基礎や置き物、服や靴などについてしまうと簡単には取れません。色がついてほしくないところは新聞紙やダンボールで保護し、汚れてもよい服装で作業しましょう。
寒地型芝を植える
暖地型芝から寒地型芝に植え替えるというのもひとつの方法です。寒地型芝は前述でも述べた通り、1年中緑を維持できる芝生です。そのため、冬に枯れることがないため思い切って張り替えてみるのもよいかもしれません。
しかし、日本の高温多湿な気候で寒地型芝を育てるのは難しいようです。冬は枯れずに乗り越えても夏に弱い寒地型芝は、夏の暑さで枯れてしまうこともあります。このようなリスクを考えると、夏は暖地型芝を、冬は寒地型芝を交互に植えるオーバーシーディングがよいでしょう。
オーバーシーディングをすることで、暖地型芝と寒地型芝両方の性質を生かすことができます。オーバーシーディングは、秋に成長がゆるやかになった暖地型芝を0.5cmほどまで刈り込み、土に1cm間隔で3mmほどの穴をあけていきます。
あけた穴には寒地型芝の種を植え、水はけをよくしてくれる目土をかぶせておきます。しっかり根付くまでは毎日水やりをおこないましょう。
人工芝に張り替える
人工芝を張るのも、1年中緑を楽しむ方法です。人工芝は枯れることがなく、メンテナンスもあまり必要ではないため、日々のお手入れがとても楽になります。芝生のお手入れも冬だからといって変える必要もないため、時間が取れない方にはおすすめです。
しかし、天然芝に比べて初期費用が高く、10年ほどで色褪せてしまうため張り替えなくてはなりません。また、自分で張ることも可能ですが知識や道具などが必要になるでしょう。そのため、天然芝から人工芝に張り替える際は、業者依頼がおすすめです。
生活110番では、人工芝の張り替えを請け負っている業者も多数加盟しています。現地調査をしっかりおこなった上で、見積もりを出してくれるため、安心してまかせることができます。人工芝への張り替えをご検討中の方は、生活110番を利用してみてはいかがでしょうか。24時間365日電話受付しているので、気軽にご連絡ください。
まとめ
芝生には暖地型芝と寒地型芝があり、冬のお手入れはそれぞれ異なります。暖地型芝は水やりや肥料はとくに必要ありませんが、春に近づくにつれてエアレーションなどの更新作業をおこなわなくてはなりません。
寒地型芝は地面が乾かない程度の水やりや芽生えの準備のための肥料の散布が必要です。芝生のお手入れを冬にもしっかりしておくことで、春には元気な芝生を見ることができます。
1年中の緑を楽しみたいという方は、着色剤やオーバーシーディング、人工芝などがおすすめです。しかし、芝生の張り替えは素人には難しく、手間のかかる作業になるため、業者依頼してまかせてみてはいかがでしょうか。
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