普段ごく当たり前に使用できているものが、突然故障してしまうと困ってしまいますよね。そんな中でも、換気扇が回らないといった換気扇の故障は、炊事やトイレ・お風呂の換気で非常に困ってしまいます。
どうして換気扇が故障するのでしょうか。それは、毎日の料理で発生する油汚れや、お風呂場の湿気が主な原因となっているのです。これらの汚れなどを掃除することで、換気扇に起きた異常をなくせるかもしれません。
今回は、換気扇が回らないトラブルについて取り上げます。対処方法さえ知っておけば、もし換気扇に問題が起きても適切な対処が可能となるはずです。
目次
意外と知らない!換気扇の役割や電気代について
換気扇は身近な存在ですが、意外と知らないことが多いものでもあります。換気扇について詳しく知っていると、より快適な生活を送ることができるでしょう。
この章では、意外と知らない換気扇の役割や電気代についてご紹介していきます。
換気扇の役割
換気扇はキッチンなどの匂いを取り除くだけでなく、いくつかの役割があります。換気扇があるとないとでは、室内の環境に大きく違いが出てくるのです。
(1)感染予防
換気扇によって室内の空気をキレイな状態に保つことで、部屋から起こりうる感染症を予防することができます。室内に溜まった汚れに付着した病原菌からインフルエンザなどの病気を発症することがありますが、空気を入れ替えることでそのリスクを減らすことができるのです。
(2)害虫予防
換気扇を回すと、室内の湿度が下がります。目に見えないダニやノミなどの害虫は湿気が大好物で、特に梅雨の時期などには繁殖活動がさかんになります。換気扇で室内の湿度を下げることで、それらの害虫の繁殖を抑えることができるでしょう。
換気扇の電気代
換気扇の電気代はどれくらいかご存知ですか?換気扇もほかの家電と同様に、常時使っていると高い費用がかかると思われがちです。そこで、換気扇をずっと回し続けた場合の電気代を、場所ごとに比較してみました。
キッチンの換気扇:約500円 / 月
浴室の換気扇:約100円~300円 / 月
トイレの換気扇:約50円 / 月
このように、換気扇は24時間つけていても月々の電気代が1,000円に満たないものとなっています。そのため、電気代についてそれほど警戒する必要がないのです。
特に浴室は湿気が溜まりやすく、カビが繁殖しやすい環境です。なるべくならずっと換気扇を回しておくべきでしょう。これについて、詳しくは「お風呂の換気扇は24時間稼働させるのを全力でおすすめする理由3つ」をご覧ください。
換気扇の寿命は「10年」?
換気扇の寿命は、平均で約10年だとされています。もし10年以上使っている換気扇が回らない場合は、劣化などが原因で、モーターなどが破損してしまっているおそれがあります。寿命が来てしまった換気扇は交換する必要があるでしょう。
なお、換気扇は使い方によっては10年以上使えたり、10年と経たずに交換が必要になったりする場合があります。定期的に換気扇をお手入れするようにすれば、長く使うことができるでしょう。
換気扇が回らない原因や前兆とは?
換気扇が回らない原因には、次のようなものがあります。
(1)油汚れ
換気扇の油汚れは、ホコリが吸着して固まることにより厄介な汚れへと変わります。カバーやプロペラ、またはファンの部分だけが汚れているのなら、拭き取るだけで掃除できます。しかし、換気扇の内部まで汚れていると、モーター部分に不調を招くおそれがあります。
(2)錆び
お風呂場の換気扇は、湿気によりモーターに錆びが発生しやすいです。もしモーター部分まで錆びてしまった場合、換気扇を取り換えるしかないでしょう。風通しを良くして湿気を取り除くと、ある程度錆びを防ぐことは可能です。
(3)配線が正常でない
換気扇の配線コードが切れていたり電源コードがしっかり刺さっていなかったりすると、電気が供給できず換気扇が回らなくなることがあります。また換気扇の掃除をした際に、あやまって配線に触ってしまったことが原因の場合もあります。
ただし換気扇の配線を直接直す作業は、「電気工事士」の資格が必要です。家庭内であっても自分でおこなうことはできませんし、なにより感電の危険性が伴います。換気扇の配線に異常がある場合は、電気工事のプロに依頼してください。
換気扇が回らなくなる予兆
換気扇が回らなくなる前には、次のような予兆がある場合があります。以下の症状が出た場合、掃除や修理が必要になってくるでしょう。
換気扇がうるさい
換気扇が正常に回っているときは、静かな音で「ウーン」というモーターの音が聞こえますが、不調があるときは「ゴーッ」や「カタカタ」といった異音が聞こえるでしょう。実はこの異音、聞こえ方によって音が鳴る原因が異なってきます。
・「ゴーッ」
換気扇のプロペラやファンに油汚れが溜まっていると、このような異音が鳴ります。掃除をして油汚れを取り除けば解決することがあります。
・「ジーッ」
換気扇の内部が錆びてしまっている場合、このような異音が鳴ります。もしモーター部分が錆びてしまっているのなら、換気扇を交換する必要があるでしょう。
・「カタカタ」
モーターの軸がずれたり破損したりしていると、このような異音が鳴ります。モーターに問題があるケースなので、業者に修理を依頼するようにしましょう。
・「キュルキュル」
換気扇に塗られている潤滑油が切れていると、このような異音が鳴ります。プロペラやファンにオイルを塗ると解決する場合があります。
このように、異音によって故障している箇所などが異なります。異音が聞こえると思ったら、耳をすませてどんな音が鳴っているかを確認してみましょう。
換気扇の風力が弱い
モーターが寿命を迎えていたり汚れで目詰まりを起こしたりしている場合、換気扇の風力が弱いように感じることがあります。
風力の弱さはわかりづらいときがありますが、そんなときは換気扇の近くでティッシュをかざして手を放してみてください。正常な風力があれば、ティッシュがそのまま吸い付きます。ティッシュが落ちてしまったら、本来の風力を失っている証拠です。
換気扇を掃除すれば不調が直ることも
換気扇が回らないときは、汚れ箇所を清掃することよって直ることがあります。まずは換気扇をキレイにして、換気扇が回るようになるか確認しましょう。
換気扇の手入れの目安
換気扇には定期的な清掃が不可欠です。換気扇の汚れが原因となりモーターに不調が起こるなど、2次的な被害を減らすためにも大切なでしょう。
使用頻度にもよりますが、換気扇の拭き掃除は3日~1週間に1度、分解して内部を掃除するのは3~6ヶ月に1度を目安にしてください。時間が経った汚れは取れにくくなってしまうので、落としやすい時期に定期的に掃除します。
換気扇の清掃方法
換気扇の本格的な清掃方法は、次のような手順でおこないます。換気扇の種類によって分解方法に違いがあるため、あらかじめ換気扇の種類をチェックしておきましょう。
(1)換気扇を分解する
先ほどもいいましたが、換気扇は種類によって分解の方法が変わります。
A.プロペラの換気扇の分解法
プロペラが付いている一般家庭によくある換気扇は、分解が簡単です。まずはカバーをズラし、取り外します。次に、プロペラの羽を手で押さえてもう片方の手でつまみを回すことで、掃除がしやすい状態にまで分解できます。
B.ファンの換気扇
プロペラではなく、シロッコファンが付いている換気扇はファンを取り外す際にドライバーを使用する必要があります。ドライバーを使ってネジを外し、ファンのまわりのケースを最初に取り外します。残ったファンの中心部分に付いているネジは、プライヤー(ペンチのような工具)を使って取り、ファンを取り出します。
C.レンジフード
レンジフードの場合は、まず内部にあるコネクタから配線を抜きます。その後ファンを固定しているケースを取り外しますが、ケースがとても大きいです。ドライバーを使って外したあとは、一度レンジフードのふちの部分に乗せてから、慎重に下に降ろすと安全です。最後にケース中のファンをドライバーで取り外します。
(2)部品を清掃する
分解が終わったら、換気扇の部品を掃除していきます。汚れがあまりひどくないときは、重曹などでこすって汚れを落とすことができるでしょう。汚れがひどい場合は、市販されている洗剤を使って清掃をおこなわなければなりません。
重曹はアルカリ性なので、油汚れなどの酸性の汚れに有効だとされています。また、お風呂場の換気扇に発生しがちな錆びも酸性なので、重曹を用いることでその錆びを取り除くことが可能でしょう。重曹を使った掃除の手順は、以下のようになります。
・シンクや浴槽に部品がつかるくらいのお湯を貯める(40℃以上)
・カップ1杯の重曹を混ぜる ※シンクの場合は半分の量
・部品を10分ほどつけ置きする
(3)部品を取り付ける
分解したときと反対の手順で、分解した換気扇の各パーツを取り付けます。
DIYで換気扇を修理する方法
換気扇を掃除しても換気扇が回らない場合は、いよいよ修理をする必要があります。換気扇の修理はプロに依頼することもできますが、DIYで修理することもできますが、モーター部の分解は作業が少し複雑になるので、じっくり取り組んでみてください。
なお、もし日曜大工が苦手という場合は、「換気扇の修理費用はどれくらい?」までお進みください。業者に換気扇掃除を依頼した場合の費用相場が載っているので、参考になるはずです。
どこを修理すればいいの?
換気扇を修理する方法は、換気扇内の「ベアリング」という部品を交換します。このベアリングはモーターの軸に取り付けられた部品のことです。
換気扇を使用していると、ベアリングには汚れが付着していきます。その汚れがひどくなると、換気扇を回したときに大きな音がしたり回転バランスが崩れて回転効率が悪くなったりするのです。もちろん放置していると、換気扇が回らなくなってしまいます。
ベアリングを交換するには、まずリングが入っているドーナツ型のケースを取り外します。一般的な換気扇はプロペラやファンの奥に、レンジフードの場合はファンが固定されている大きな部品の中にあります。ただし、ドーナツ型のケースは分解に少し手間がかかるので、下記の順序通り丁寧におこないましょう。
ケースを貫くように取り付けられた棒があり、そこには直角にピンが刺さっています。ピンがあることでケースを分解できないため、ハンマーを使いピンを外します。
(2)ツメを起こす
ケースはふたつに分解することができますが、ネジなどで固定されているのではなく、ふたつを固定するツメが付いています。プライヤーやマイナスドライバーなどでツメを起こします。
(3)分解する
ふたつのケースがぴったりとくっついているため、分解しづらいことがあります。マイナスドライバーを隙間に入れ込んで、てこの原理の要領でこじあけてください。
ドーナツ型のケースを分解することができたら、ふたつの部品のうち配線が繋がっていない方に大きな金属の部品があります。この部品に付いている「輪っか」の金属がベアリングです。このとき軸を回してみると「ジャリジャリ」という音がすることがあります。
ベアリングを交換するときは、型番をよく確認してから新しいものを購入しましょう。不安がある場合はメーカー品を選ぶとよいです。
配線を修理するには資格が必要?
換気扇の部品の中には、配線が付いている部品があります。もし配線に異常があった場合、その部品を修理する必要があるでしょう。しかし、実は配線修理は資格を持っていないとおこなえない作業です。
配線の修理は漏電や感電のおそれがあるため、「電気工事士」の資格が必要になります。家庭用の製品を修理する場合であっても、好き勝手に修理することはできないのです。資格もなしに修理をおこなった場合、罰金などに科せられる可能性もあります。
換気扇の修理費用はどれくらい?
最後に、業者に換気扇の修理を依頼する際に必要な費用についてご紹介します。自力で修理などができない場合、業者に修理を頼む必要が出てきます。
換気扇の商品代
一般換気扇 約3,000円~10,000円
レンジフード 約35,000円~80,000円
業者による修理費用
換気扇の修理 約10,000円~20,000円
換気扇の交換 約56,000円~120,000円
業者による換気扇の交換には商品代を含まれますが、工賃や元の換気扇の撤去費などが加算されます。場合によっては修理するより交換した方がいい場合もあるため、業者にしっかり状態を確認してもらうようにしましょう。
さて、これまで換気扇が回らないトラブルへの対処方法について取り上げてきました。換気扇を分解したことがなかったり、分解後ちゃんと元に戻せるかご不安な方は、換気扇のプロに相談してみるのがいいでしょう。
まとめ
キッチンの換気扇が回らないときは、主に油汚れが原因であることが多いです。油汚れはほかの部品などにも影響を及ぼすなど、放置すると厄介なものとなるでしょう。
しかし、換気扇の油汚れは自分で清掃することができます。重曹などを活用して定期的に掃除しておけば、換気扇が回らないなどのトラブルが起こる危険性は低くなるはずです。
なお、換気扇の掃除やDIYによる修理をしても不調が直らないときは、換気扇の寿命や配線の異常といった個人では手に負えない問題が起きているおそれがあります。その場合は、換気扇修理の業者に相談をして、修理を代行してもらいましょう。
換気扇・レンジフード工事を依頼できる業者や料金
依頼できる業者や料金について、詳しくは「生活110番」の「換気扇・レンジフード工事」をご覧ください。
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