すぐわかる!アシナガバチの初期の巣を見極めて刺されず自力で駆除する方法

2023.9.12

すぐわかる!アシナガバチの初期の巣を見極めて刺されず自力で駆除する方法

「アシナガバチの巣の初期ってどんな見た目?」
「初期の小さい巣のうちに駆除したい!」
家やいつも通る道など身近な場所に蜂の巣が作られると、不安に思ってしまいますよね。

じつはアシナガバチの巣は、初期と完成形で特徴が大きく変わりません。幼虫を育てる育房が下向きに露出していて、灰色や茶色をしている特徴が共通しています。

今回はアシナガバチの巣の初期と完成形の比較や、1年間の生活史、巣を作る早さなどについてご紹介します。
この記事を読むと、アシナガバチの巣を初期のうちに駆除し、蜂の巣が作られるのを予防することができます。

アシナガバチの初期の巣と完成形の巣の特徴

アシナガバチの巣は初期と完成形で見た目の特徴に大きな違いはありません。灰色か茶色で、育房が下から見えるお椀を逆さまにしたような形をしています。巣の形をシャワーヘッドやハスの実に例えられることもあります。

4~5月の春ごろ、初期の巣は働き蜂がほとんど羽化しておらず、直径約5センチ以下の大きさです。とても小さなお椀を逆さまにしたような形をしています。

8~9月ごろまで巣は大きくなり続け、完成形になるころには直径15センチ~20センチの大きさになります。

アシナガバチの巣 初期 完成形

アシナガバチはスズメバチ科の蜂で、アシナガバチとスズメバチは人の生活圏に巣を作り生活することが共通しています。飛んでいる蜂だけでは、アシナガバチかスズメバチか判断できないこともあります。スズメバチの初期の巣と完成形の巣の特徴もぜひ参考にしてください。

スズメバチの初期の巣と完成形の巣

人の生活圏内に多いコガタスズメバチの巣は、初期と完成形で形が変わります。しかし色や模様はほとんど変わらず色は白色や茶色で、しま模様やマーブル模様です。外から幼虫を育てる育房は見えず、巣を覆う外被に穴が一つ空いています。

4~5月の春ごろ、初期の巣はトックリを逆さまにしたような形です。フラスコにも例えられることがあります。女王蜂1匹で巣作り・産卵し、6月ごろになると働き蜂が羽化し始めます。

働き蜂が羽化したら下に伸びた筒状の部分を壊して、ボールのような完成形に変化します。
7~9月ごろ巣の大きさが最大になると、直径50センチ以上まで大きくなります。

アシナガバチの1年間の生活史

アシナガバチは春から秋にかけて活動します。
気温などによって多少の誤差はありますが、毎年4~5月に女王蜂が越冬から目覚めて、10~11月に新しい女王蜂が越冬に入り、ほかの蜂は死にます。そして翌年の4~5月ごろに女王蜂が越冬から目覚めて巣を作り始めます。

春(4~5月)
  • 女王蜂が越冬から目覚め1匹で巣作りを開始
  • 20日ほどで働き蜂が羽化し始める
夏(6~7月)
  • 働き蜂が巣作り・幼虫の世話・防衛を担当
  • 女王蜂は産卵に専念
  • 急速に巣が大きく、蜂の数は増える
夏の終わり(8~9月)
  • 巣が完成
  • 働き蜂が生まれなくなる
  • 雄蜂と新しい女王蜂が羽化
秋(10~11月)
  • 女王蜂と働き蜂が死ぬ
  • 雄蜂と新しい女王蜂が交尾をし、終わると雄蜂は死ぬ
晩秋(11月)~春先(3月)
  • 受精した新しい女王が巣を出る
  • 土の中や木の割れ目の中で春まで越冬する

春(4~5月)

越冬から目覚めた女王蜂が1匹で巣を作り始めます。
育房と呼ばれる幼虫を育てる穴が1つ出来上がると、そこに1つ卵を産み付け、これを繰り返していきます。

最初に産んだ働き蜂が羽化し始めます。働き蜂が羽化して成虫になるまでかかる期間は約20~30日です。
働き蜂は羽化すると巣作り・幼虫の世話・防衛を始めます。
このころの平均的な巣は、直径約5センチ・幼虫を育てる育房の数は約30個です。

蜂の巣

夏(6~7月)

成虫になった働き蜂が巣作り・幼虫の世話・防衛を担当するようになります。女王蜂は巣作りをしなくなり産卵に専念します。
働き蜂と女王蜂が仕事を分担すると、急速に巣が大きく・蜂の数も増えていきます。

アシナガバチの巣

夏の終わり(8~9月)

夏が終わりに近づくと巣の大きさ、働き蜂の数が最大になり、巣が完成します。このころの平均的な巣は、直径約15センチ・幼虫を育てる育房の数は約300~400個です。
育房は何度か使いまわして幼虫を育てているので、蜂の数は育房の数よりも多いです。

働き蜂が産まれなくなり、越冬の準備に向けて雄蜂と新しい女王蜂が羽化します。

キイロスズメバチの巣

秋(10~11月)

雄蜂と新しい女王蜂が交尾をします。
受精した新しい女王蜂以外の、交尾が終わった雄蜂、働き蜂、役目を果たした女王蜂は死にます。

晩秋(11月)~春先(3月)

受精した新しい女王が1匹で巣を出て、越冬する場所を探して移動します。
春が来るまで、雨・風をしのげる暖かい土の中や木の割れ目の中で過ごします。

アシナガバチが巣を作る早さ

アシナガバチは大体どれくらいのペースで育房を増やしているのか気になりませんか?

4~5月ごろから活動し巣作りを始め、8~9月ごろに巣が完成し大きさが最大になるので、巣は約5か月で完成します。その約5か月の間に1日当たりいくつの育房を作っているのか、計算してみました。

平均的なアシナガバチの巣の大きさの、「5月半ばごろに直径5センチ・育房が30個で、働き蜂がまだ羽化していない巣」と、「9月ごろに直径15センチ・育房が400の巣」を基準にして紹介します。

4~5月の間、女王蜂1匹で1日1.2個の育房を作る

5月半ばごろに直径5センチ・育房が30個で、働き蜂がまだ羽化していない巣
  • 巣を作り始めてすぐに産卵し、羽化するまでの期間20~30日(今回は羽化するまで25日で計算しました。)
  • 直径5センチの巣の育房の数が30

このことから、育房の数÷巣作り期間=30÷25=1.2
働き蜂が羽化して巣作りを手伝うまでは、女王蜂が1匹で1日当たりだいたい1.2個の育房を作っていることになります。

6~9月の間、働き蜂が1日2~3個の育房を作る

9月ごろに直径15センチ・育房が400の巣
  • 4~5月に作った育房の数30を引くと、9月までの間に370の育房を作ることになる
  • 5月半ば~9月末(4.5か月)で、期間は135日

このことから、育房の数÷巣作り期間=370÷135=2.74
働き蜂が産まれたあと、1日当たり2~3個の育房を作っていることになります。

女王蜂1匹だった4~5月と比べると、6~9月は倍以上のスピードで育房の数を増やしていることがわかります。


ここまでアシナガバチの巣の特徴や大きさについてご紹介しました。アシナガバチは小さなおわん型の巣を女王蜂1匹で作り、働き蜂が羽化すると蜂の数が一気に増え、巣も大きくなることがわかりました。
ここからは自力で駆除できる巣や放置していい巣、駆除・予防する方法をご紹介します。

巣の大きさが5センチ以下なら自力で駆除できる

アシナガバチは巣の大きさが直径5センチ以下で働き蜂が見当たらなければ、比較的安全に自力駆除することができます。
しかし先ほどお伝えしたとおり、巣の大きさが直径5センチ以上になると、働き蜂が羽化し数が増えるので自力駆除は危険です。

直径5センチ以上で働き蜂が羽化し始めた巣は、倍以上のスピードで大きくなり、蜂の数も急速に増えていきます。
自力で駆除せずに早めに業者に依頼して駆除することをおすすめします。

駆除せず放置してもいいのは普段近寄らない場所の巣

「益虫なので駆除せずに放置してもいいのでは?」と考えていませんか。
確かにアシナガバチは農作物を食べる芋虫などの害虫を餌にしているので益虫と言われています。しかしアシナガバチは人を刺すことがあるので、近くに巣があると安全とは言えません。

基本的には大人しい性格ですが、洗濯物と一緒に取り込んでしまう、巣に気が付かず近づいてしまう、など刺激を与えてしまうと攻撃してきます。

家の近くや人がよく通る場所の巣を放置すると危険ですが、普段誰も近寄らない場所であればそっとしておいてもいいでしょう。

アシナガバチの巣を駆除する方法

アシナガバチの巣を安全に駆除する方法をご紹介します。
小さい巣でも素手で触ったり、殺虫剤などを用意せずに巣を落としたりすると危険です。巣を壊された蜂は攻撃的になり、刺してくるかもしれません。
自力で駆除するときは少しでも安全に駆除できるように、駆除の流れを把握し必要なものを用意してから駆除作業を始めましょう。

用意するもの
  • 白っぽい服装(帽子、分厚い生地の長袖・長ズボン・手袋、長靴)
  • 殺虫剤(即効性のあるピレスロイド配合のものがおすすめ)
  • ほうき・ちりとり・トング(素手で触らない)
  • 丈夫なビニール袋、地域の可燃ごみ袋(袋を2重にしてしっかり密閉してごみに出す)

離れたところから殺虫剤をスプレー

日が沈んでから2~3時間後、白っぽい服装で駆除します。夜は蜂の行動が鈍くなり駆除に適しているので、必ず夜まで待ちましょう。
巣から3~4メートルくらい離れて風上から殺虫剤をスプレーします。即効性のあるピレスロイド配合で噴射力のある殺虫剤がおすすめです。

巣の真下からスプレーすると殺虫剤を浴びたアシナガバチが落ちてきて刺されるので、必ず巣の斜め下からスプレーしてください。
殺虫剤におどろいた蜂が巣から出てきますが、あせらずスプレーし続けます。アシナガバチは殺虫剤に弱いので、殺虫剤がかかっていれば飛んでいても少ししたらほとんど死にます。落ち着いて作業しましょう。

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商品名 ハチアブマグナムジェット 蜂駆除スプレー [550mL]
価格 1,100円(2022年3月11日時点)
特徴
  • ピレスロイド系殺虫剤のフタルスリン、ビフェントリン配合で即効性あり
  • 最大12メートルまでとどく噴射力

1日様子を見る

駆除しきれなかった蜂がいないか、1日ほど時間をおいて様子を見ます。もし蜂がいれば、巣に戻ってきて周りを飛びます。
もし生きている蜂が飛んでいたら、夜になるのを待ってもう一度殺虫剤をスプレーしてください。

巣を落とす

念のためもう一度殺虫剤をスプレーしたあとに、ほうきの柄やトングなど、長い棒を使って巣を落とします。
蜂は死んでいても毒針を刺す筋肉が動くので、刺されないように手袋をつけてください。

密閉して可燃ごみに出す

ほうきとちりとり・トングなどを使って、巣と死んだ蜂を丈夫なビニール袋に入れます。繭の中にいた幼虫は直接殺虫剤を浴びていないので、羽化する可能性があります。もし羽化しても出てこられないようにしっかり口をしばりましょう。
丈夫なビニール袋に入れたら、地域の可燃ごみ袋に入れてもう一度しっかり口をしばって捨てます。

駆除後に戻ってこさせないための対処法と翌年以降の予防法

駆除後に巣のあった場所を駆除から逃れた働き蜂・女王蜂が飛ぶことがあります。これを戻りバチといい、初期の巣を駆除した後には女王蜂が戻ってきて、また同じ場所に巣を作ることがあります。

一度巣を作られたということは餌場が近くにあるなど、蜂にとって住みやすい環境が整っているといえます。翌年以降の春に巣を作られるかもしれません。

二度と巣を作られないために、戻りバチ翌年以降の春に作られる巣どちらも予防できる方法を2つご紹介します。

殺虫剤で寄せ付けない

巣が作られていた場所に巣作り防止効果のある殺虫剤をスプレーしておくと、戻りバチ翌年以降の巣を予防できます。

殺虫剤をスプレーするときは風向き、近くに子供やペットのおもちゃ飲食物が周りにないことを確認してください。
殺虫剤は雨で流れやすいので、雨が降った後はスプレーしなおすと効果的です。

また植物によっては殺虫剤がかかると傷んでしまうことがあります。大切にしている植物には殺虫剤ではなく、木酢液を使用することをおすすめします。

この商品は最大4か月間巣作り防止効果が続きます。

フマキラー ハチ・アブ 駆除 殺虫剤 スプレー バズーカジェット 550ml

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価格 1,073円(2022年3月11日時点)
特徴
  • 即効性のあるピレスロイド系の殺虫剤フタルスリン配合で駆除にも使える
  • 巣作り防止成分が4か月持続する

木酢液で寄せ付けない

木酢液は特有の焦げたようなにおいと酸っぱいにおいで蜂を寄せ付けなくし、戻りバチ翌年以降の巣を予防します。
水で2倍に薄めて、スプレーする・バケツに入れるなど設置する方法は場所に合わせて選ぶことができます。

設置方法 おすすめの場所
スプレー容器に入れて吹きかける 床下、天井裏など閉鎖的な狭い空間
上の方の側面に穴をあけたペットボトルに入れて置く・ひもでぶら下げる 物干し竿、ベランダなど開放的な狭い場所
バケツに入れて置く 庭など開放的で広い場所

ペットボトルやバケツに入れて設置する場合は、子供やペットが誤飲しないように注意してください。

また日光で劣化・蒸発したり、雨で薄くなったり流れたりするので定期的に交換しましょう。ペットボトル・バケツは1か月に1回入れ替え、スプレーは雨がふったらスプレーしなおすと効果的です。

【JEWA 日本炭窯木酢液協会 品質保証/純度100%】岩手産 木酢液(モクサクエキ) 500ml

商品名 【JEWA 日本炭窯木酢液協会 品質保証/純度100%】岩手産 木酢液(モクサクエキ) 500ml
価格 880円(2022年3月11日時点)
特徴
  • 植物を傷めにくく、土にも優しい
  • 木酢液の焦げ臭い、酸っぱい匂いが蜂をよせつけない

木酢液は予防に効果はあるけど駆除はできない

木酢液は蜂の駆除には使えません。

木酢液の成分は水分90%、お酢の成分5%、アルコールなどの成分5%です。植物につく小さな害虫の駆除には効果がありますが、蜂を駆除できる成分は含まれておらず、駆除に使えないのです。
蜂や巣に向けて木酢液を吹きかけたり近づけたりすると、蜂を刺激し攻撃されてしまうためとても危険です。

殺虫剤より安い値段で手に入れることができますが、蜂に対しては戻りバチ・蜂の巣予防にのみ使用し、駆除には絶対に使用しないでください。

まとめ

今回はアシナガバチの巣の初期と完成形の比較、1年間の生活史、巣を作る早さなどについてご紹介しました。

アシナガバチとスズメバチの巣の特徴の違い、アシナガバチの1年間の生活や巣作りについて知ると、できるだけ早く駆除し、戻りバチ対策・巣の予防をすることができます。

もし身近な場所に働き蜂が飛んでいる5センチ以上のアシナガバチの巣があれば、危険なので自力ではなく業者に依頼して少しでも早く駆除がおすすめです。

アシナガバチの巣や駆除の方法について詳しくは「アシナガバチの巣はすぐ分かる! 巣を見極めて駆除・予防する最適な手段」をご覧ください。

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