ヒアリの脅威っていったい?これまでの経緯と似たアリの見分け方

2021.4.30

ヒアリの脅威っていったい?これまでの経緯と似たアリの見分け方

2017年に世間をにぎわせた「ヒアリ」。ただしこれまでは荷物などに付着した海外からの侵入が中心で、日本国内で数を増やしている状態、つまり「定着」とは考えられてきませんでした。

しかし2019年10月上旬、東京港のコンテナふ頭のひとつである「青海ふ頭」でヒアリの巣が確認されました。そしてその巣には300匹以上の働きアリのほか、飛び立つ前の女王アリや幼虫が含まれていたのです。そのため日本に定着した可能性も視野に、環境省を中心にした調査が進められています。

ただしヒアリの侵入や定着は現在のところ、港の周辺や港から運ばれたコンテナ内での確認に限られています。身近にいるアリの多くはヒアリ以外の、ヒアリに似たアリや虫の可能性が高いのです。

今回のコラムではヒアリの特徴だけでなく、ヒアリに似たアリや虫との見分け方、そして家庭での予防対策を中心に解説していきます。

目次

ヒアリの姿の特徴を改めて確認

ヒアリはもともと日本の反対側・南アメリカ大陸に生息していたと考えられています。このアリはいったいどのような姿をしているのか、おもな特徴をまとめました。

基本情報

ヒアリ

基本情報 備考
学名 Solenopsis invicta (意味)無敵のフシアリ
分類 ハチ目
スズメバチ上科
アリ科
フタフシアリ亜科
トフシアリ属
日本在来種のトフシアリ、特定外来種アカカミアリと同じ
もともとの住みか 南アメリカ大陸 人間の交易にまじる形で世界中に進出
赤褐色。ただし腹部はそれより濃い黒褐色 (意味)無敵のフシアリ
大きさ 2~6mmほど 働きアリによって大きさが異なる
毒針 腹部に存在 アルカロイド系
触覚 先端が太く、こん棒状 10節で構成、そのうち太くなっている部分は先端2節分
生息環境 平原など開けた環境の草地 進出先に適応しているおそれもあり、あくまでも目安
生息に適した気温 亜熱帯~暖温帯にかけての比較的暖かい地域
女王アリの寿命 7年ほど
羽アリの時期 春~秋の終わり 巣の中には季節を問わず羽アリは存在する
巣の特徴 巣の本体は土を積み上げた大型のアリ塚。その下の地面の広い範囲にトンネルを張り巡らせる

見分けるポイント1:節部分のこぶが2つ

こぶが2つ

ヒアリに似た赤色(赤褐色)のアリは意外と多く、とくに住宅地ではヒメアリやキイロシリアゲアリといった明るい色の種類と間違えられることも少なくありません。

ヒアリとほかのアリを見分ける1番目のポイントは「体の節部分」にあります。

一般的なアリはスズメバチなどと同様、足の生えている胸部とその後ろの大きな腹部の間が細くなっています。そしてヒアリはこの部分(腹柄)が「2つにはっきりと分かれている」ことが特徴のひとつです。これが分類上「フタフシアリ亜科」となる根拠でもあります。

ただしフタフシアリ亜科にはヒアリ以外にも多くの種類が含まれるため、これだけでヒアリと断定できるわけではありません。

見分けるポイント2:背中のトゲがない

背中のとげがない

アリには足の生えている胸部の後ろ・背中側に尖った部分があることが少なくありません。この部分を「前伸腹節刺(ぜんしんふくせつし)」といい、アリの種類を見分ける特徴のひとつになっています。

ヒアリにはこの背中のトゲがないため、同じような大きさのアリと区別することができます。

見分けるポイント3:個体によって大きさのバラツキがある

大きさのばらつきが大きい

先ほどの2つの特徴はヒアリを捕まえ、よく観察しないと分かりにくい部分です。これとは別にヒアリを見分けるための特徴が「働きアリの大きさのバラツキ」です。

日本の一般的なアリ(クロアリ)は幼虫の子育てや食物の運搬をするアリ(働きアリ)と巣の防衛をするアリ(兵隊アリ)の区別がないか、区別があっても見た目では分からない場合が大半です。そのため巣の中にいる働きアリの大きさも、女王アリ以外はほぼ同じと考えてよいでしょう。しかしヒアリの場合は働きアリによって大きさの差が激しく、2~6mmと幅があります。

巣の近くなどヒアリが集まっているという条件が必要であるものの、この大きさのバラツキがヒアリとほかのアリを見分ける最大のポイントといえるでしょう。

見分けるポイント4:触覚

触覚の形

アリの触覚は先端が太くなる傾向にあり、ヒアリもまた例外ではありません。そしてこの「太くなった部分」が2つの節で構成されていること、働きアリは触覚が10つの節で構成されていることが特徴となっています。

これらの条件を満たすかどうか確認することで、「ヒアリ」や同じく危険な外来種「アカカミアリ」とほかのアリの区別ができるでしょう。しかし細かな部分の観察には顕微鏡が必要になってくる場合もあり、これらの情報を総合しつつ、専門家の判断をあおぐのが確実です。万が一ヒアリかもしれないアリを見かけることがあれば、写真を撮って確認してもらうことをおすすめします。

行動から見たヒアリの特徴

一方、行動面からもヒアリの特徴を確認してみましょう。

雑食性

アリの多くは虫の死骸などを食べる肉食性ですが、なかには花の蜜やアブラムシの分泌物を吸って栄養にしたり、キノコを育てて食料にするようなアリも存在します。

ヒアリは虫などの死骸を食べるとともに、花の蜜なども集める「雑食性」であることが特徴です。また死骸だけでなく、ときにはトカゲなどの小動物を襲うこともあります。

土で大きなアリ塚を作り、巣にする

ヒアリは巣が大きくなると土を積み上げ、アリ塚を作って拠点にします。日本に住むアリの大半が「土の中に巣を作る」「すき間を巣にする」という点を考えれば、侵入してきたヒアリを見分ける大きな特徴になるでしょう。

ただしヒアリがアリ塚まで巣を成長させるには2~3年ほどが必要といわれます。また地面にもトンネルが張り巡らされており、アリ塚を破壊しても女王アリが逃げ出してしまえば別のところに巣が出来てしまうのです。

1つの巣に複数の女王アリがいることも

同じ種類のヒアリでも、女王アリの数は巣によって異なります。これはヒアリの持つ遺伝子が関係しているといわれており、巣によって「女王アリが1匹だけ」「巣に複数の女王アリがいる」パターンがあるのです。

なぜこれほどまでにヒアリが警戒されているのか

日本にはこれまでもさまざまな外来種が侵入してきています。そのなかには獰猛な性格を持ったもの、毒を持ったものなども少なくありません。ではなぜ、ヒアリがこれほどまで警戒されているのでしょうか。

ヒアリの持つ毒針

ヒアリは腹部に毒針を持っており、その毒は「ピペリジンアルカロイド」という成分が主体になっているとされています。この毒が体内に侵入すると激しい痛みや水ぶくれができてしまうほか、毒に対する強いアレルギー反応「アナフィラキシーショック」が起こるおそれも指摘されているのです。

アナフィラキシーショックはハチに刺されたときの急性症状、アレルギー源が体内に入ったときの体の過剰な防衛反応として知られています。ヒアリでの死亡例もこのアナフィラキシーショックを起こしたものとなっています。

なおハチ毒とヒアリの毒の共通性などは今のところ確認されておらず、「以前蜂に刺されたから、ヒアリに刺されてしまえばアナフィラキシーショックを必ず起こしてしまう」と言い切れるわけではありません。また以前刺された経験がなくてもアナフィラキシーショックを起こす危険性は十分に考えられる点も頭に入れておき、ヒアリに刺された場合には体調を確認したうえで速やかに病院に向かうようにしてください。

在来種のアリを駆逐してしまう危険性

もともとの生息域を超えて侵入する動植物(外来生物)の多くは環境の変化に適応し、その地域で爆発的に増加することが少なくありません。たとえば広島県廿日市市周辺では「アルゼンチンアリ」が輸入木材を通じて侵入したと考えられており、在来種のアリの分布が消えてしまう事態になっています。

アルゼンチンアリと同じくヒアリも小動物を襲うなど攻撃的な性格であることが知られており、日本に従来からいるアリを攻撃してしまうおそれが指摘されています。

集団社会性を持っており、一気に増えやすい

アリはそれぞれの個体が小さく弱い代わりに、「群全体で役割分担をする」ことで生存率を上げている昆虫です。そのため一度定着してしまうと一気に増えやすいという性質を持っています。

逆にいえば、ヒアリを根絶するチャンスは「女王アリが新しい巣を作るとき」にあるといえるでしょう。現にそのときの生存率が一番低いため、定着させない対策が必要とされています。

ヒアリに似たアリとその見分け方

ヒアリに似たアリの種類解説①特定外来生物

小さな姿をしたアリは区別がつきにくく、「赤いアリ=ヒアリ」と思い込んでしまうことも少なくありません。しかし日本だけでも270種類以上のアリが生息していることが確認されており、そのなかにはヒアリによく似た特徴を持つものも少なくありません。

そこでここではヒアリによく似た種類のアリを解説していきます。まずは「特定外来生物」に分類される「アカカミアリ」「アルゼンチンアリ」からです。

アカカミアリの特徴と見分け方

アカカミアリはヒアリに非常に近い種類であり、北アメリカ大陸ではヒアリと合わせて「Fire Ant」と呼ばれています。もともとは中南米に分布していた種類のアリであり、日本では沖縄県や小笠原諸島で定着しているほか、ヒアリと同じく港湾部での侵入が確認されています。ヒアリほど毒性は強くされていないとされているものの、警戒が必要な種といえるでしょう。

ヒアリと大きく異なる部分はその頭部で、大きく四角いアゴを持ちます。またアリ塚ではなく地面の中に巣を作ることも大きな違いです。

アルゼンチンアリの特徴と見分け方

アルゼンチンアリもその名から分かるように、南アメリカ大陸に住んでいたアリです。アルゼンチンアリの特徴として、新しい女王アリが飛行せず近くに巣を作り、古い女王アリが働きアリを共有することが多いことが知られています。そのため大規模な群れを形成しやすいことが警戒点として挙げられるでしょう。

見た目としては色が一定でつやがなく、一見すると黒く見えることがあるのが特徴といえるのではないでしょうか。

これらのアリは「特定外来生物」に指定されており、ヒアリと同じく地域ぐるみでの対策が必要なアリです。もし疑いがあれば専門家に一度確認を取ってもらうことが大切になってくるでしょう。

ヒアリに似たアリの種類解説②日本の在来種

特定外来生物に指定されている以外、日本に元から住んでいるアリのなかでもヒアリと区別がつきにくい種類は少なくありません。そのため特徴をしっかりと押さえ、ヒアリと間違えないよう確認しておきましょう。

シリアゲアリ(キイロシリアゲアリ・ハシブトシリアゲアリ)

シリアゲアリ

とくにキイロシリアゲアリの女王は普段見かけないため、その赤みがかかった色もあってヒアリと間違えられることの多い種類です。

見分けるポイントは腹部の付き方。胸部とつながっている腹柄が背中側に付いているのが特徴のひとつです。そのため腹部を上に上げて歩くことも多くなっています。また小さいながら背中にトゲのようなものも付いています。

オオズアリ

オオズアリ

オオズアリはヒアリと同じく働きアリの大きさの違いがありますが、日本では両極端の大きさになること、背中にトゲがあることが見分けるポイントのひとつです。また頭部の色も黒いことのほか、「大頭蟻」と漢字で書くように、大型の働きアリはアゴが大きく成長する点にも注目しましょう。

ヒメアリ

背中のトゲがない、こぶが2つなどヒアリに近いように見えますが、大きさがヒアリよりもずっと小さく、1.5mm程度です。また色合いもヒアリよりも黄色がかかっており(腹部は黒色)、明確に区別できます。

トフシアリ

ヒアリに近い仲間のため、容姿はヒアリによく似ています。しかしヒアリよりも小さく、働きアリの大きさはヒメアリと同じく1.5mm程度。さらにはヒアリより明るい黄色を示します。生活様式もヒアリとは異なり、ほとんどを地中で過ごすことが特徴といえるでしょう。

トビイロシワアリ

「とび色」とは赤みがかった茶色のこと。そのためヒアリと色合いこそ似ていますが、背中にトゲを持っている点でヒアリと異なります。

もう一度ヒアリの特徴をチェック!

アリ以外でヒアリに似た虫は?

アリ以外にもヒアリに間違えられやすい虫はいくつか存在します。とくに多いのが「アリグモ」「アリガタバチ」「やけど虫(アリガタハネカクシ)」です。

アリグモ

アリグモ

「クモ」という名の通り、足を8本持っていることが特徴です。しかし一番前の足が触覚に見える、容態は赤みがかった明るい色を示すことから「変わったアリ」という認識も手伝い間違われることが多いようです。

アリグモは大きく発達した上あごが独特の形をしており、ヒアリと区別できます。

アリガタバチ

寄生蜂と呼ばれる、ほかの虫に卵を植え付ける「蜂」の一種です。メスは羽がなく、かつ赤みがかっているためにヒアリと間違えられることがあります。

ヒアリとは腹部と胸部の間にこぶがないことで区別が可能です。ただし刺されると最悪の場合「アナフィラキシーショック」を起こすおそれも考えられるため、寄生先の「シバンムシ」などと一緒に駆除することも検討してください。

やけど虫(アリガタハネカクシ)

赤みがかかった色合いからヒアリと間違われることが多いようですが、腹部が細長く、分かれ目に節がないことが特徴です。また「黒」と「赤色」が交互に色を変えていくことからも、腹部のみが暗い色のヒアリと区別できます。

ただし体液には毒の成分を持っているため、必要に応じて駆除が必要になってくるでしょう。

日本に侵入してからこれまでの経緯

ここで、ヒアリが日本で初確認されてから現在(2019年10月)までの経緯をまとめてみましょう。

2017年6月:神戸港に荷下ろしされたコンテナから初確認

5月に中国から到着したコンテナの中にアリの群がいることが発見され、専門家の確認の結果ヒアリであると確認されました。その後神戸港ポートアイランドでも確認されたほか、名古屋・大阪・東京港・博多港などでも相次いでヒアリが確認されました。

2017年7月:コンテナについたヒアリを港湾外で発見

6月末に名古屋港で荷揚げされたコンテナが名古屋市の北東に位置する愛知県春日井市まで運ばれた後、荷物についていたヒアリ個体が捕獲されました。その後大分県中津市(北九州港からのコンテナ)、岡山県笠岡市(神戸港からのコンテナ)・京都府向日市(大阪港からのコンテナ)などでも相次いで発見・捕獲されています。

2018年7月:成田空港にて発見

2018年も5月ごろからコンテナ荷物を中心にヒアリが発見されていましたが、7月には千葉県成田市の成田国際空港に到着したアメリカ・ダラスからの国際貨物便からもヒアリが発見され、殺虫処分されています。

2019年7月:東京品川コンテナふ頭の地面で幼虫確認

これまで幼虫やさなぎはコンテナ内で確認されていましたが、2019年になると幼虫数個体がいるヒアリの巣が東京港品川コンテナふ頭周辺で発見、殺虫処理されました。

2019年9月:東京港青海コンテナふ頭にて女王アリや幼虫・さなぎなどを含む巣を発見

環境省による調査中、コンテナ保管場所でヒアリの疑いがあるアリが発見されました。その後殺虫剤による駆除が行われましたが、その際ハネが生えた女王アリや卵・幼虫・さなぎなども合わせて発見されています。

2019年10月:飛び立つ前の女王アリが大量発見、定着の可能性が高いと報道

9月の巣発見を受けて調査をおこなったところ同じく青海コンテナふ頭でヒアリの巣が発見され、駆除の結果羽付きの女王アリが20個体確認されました。その後も継続して調査が実施され、その結果働きアリや羽付きの女王アリなどが多く見つかっています。

青海ふ頭ではこれまでとは違い、飛び立つ前の「羽付きの女王アリ」が大量に確認されました。そのため日本国内で生まれて成長したと考えられています。このことから、これ以上の定着を防止するよう対策が強化されました。

このように日本国内のヒアリ発見例は世界を渡り歩くコンテナ内外で見つかったものがほとんどです。住宅地など身近な箇所で発見された例はないため、必要以上に警戒する必要はないといえるでしょう。ただしこれからも住宅地で発見されない、とは限らないため注意が必要です。

"2017年、ヒアリはどういう場所で発見された?

ヒアリに似たアリ・虫は駆除しても大丈夫なの?

私たちの身近にいる「ヒアリ」はほとんどが「ヒアリに似たアリ・虫」です。ではこれらの虫は駆除しても大丈夫なのでしょうか。

在来種がいない環境はヒアリの定着を早めるおそれ

アリは集団でまとまることで生き残ってきた昆虫です。これはヒアリも例外ではありません。そしてアリはそれぞれの巣で縄張りを持っており、近くに巣を作ろうとするアリがいれば排除しようとします。実際、縄張りを持つアリたちに襲われ、新しい巣を作れないまま死んでいく女王アリの個体は半数以上に及ぶのです。

もし必要以上に警戒してしまい、周辺のアリをすべて駆除してしまったらどうなるのでしょうか。飛んできたヒアリの女王にとっては最大の敵がいない、住みやすい環境にあるといえます。必要以上のアリ駆除が逆に定着を早めてしまい、ヒアリの脅威を高めてしまうことは否定できません。

ヒアリが発見されてからの対策が基本

ヒアリ(およびアカカミアリ)だけに効果がある駆除方法は開発されていません。そのためヒアリ駆除は在来のアリも巻き込む覚悟が必要になります。毒エサ(ベイト剤)で巣ごと駆除するのは「ヒアリのいるおそれがある」とわかった段階、アリを駆除するメリットがデメリットを上回る状態にすることが大切です。

アリ自体が気になるなら定期的な駆除の検討も

一方アリのなかには農作物につくアブラムシから栄養分をもらうなど、間接的に「害虫」になる種類も少なくありません。また甘い果実にはどうしてもアリも集まってきます。また屋内に侵入し、貯蔵している食べ物や電化製品に被害を与えるアリも存在します。

こうしたアリが気になる場合は定期的に駆除をおこない、アリ自体を定着させないようにすることも考えられるでしょう。ただしこの状況でヒアリが侵入すると急激に増加してしまうおそれがあるため、駆除対策を怠らないようにすることが必要不可欠になります。

家庭にアリを侵入させないための対策は

屋外のアリ駆除は、ヒアリ対策を考える上ではデメリットも大きいものです。アリの被害に困っている方は、まず「家庭にアリを侵入させない」ことを主軸に置いて考えてみましょう。

屋外からのすき間を作らない

姿の小さなアリはひび割れなど小さなすき間でも侵入するおそれがあります。侵入口は確実にふさぎ、ルートを作らないことが大切です。

またどうしてもふさぎきれないすき間があればゴムやハッカ油スプレーなど、アリの苦手なにおいを利用するのもひとつの手でしょう。

潜む場所を作らない

観葉植物の土やその下、ヒメアリであればタンスと壁のすき間などはアリの隠れ場所や巣になりやすい場所です。これらの場所は定期的に掃除し、アリの定着をふせぐようにしてください。

エサになるものは密閉を

アリは一度エサを発見するとフェロモンを使ってマーキングをし、ほかの働きアリを連れて取りに来ることが多いです。そのためアリに発見されないよう、エサとなるものはタッパーなどを使い密閉することが大切になります。

シロアリなどほかの害虫対策も

家の構造材を傷めるシロアリは逃げ足が遅く、アリにとって絶好のたんぱく源です。そのためシロアリを追ってアリも侵入してくることは少なくありません。そのほかの害虫も死骸を中心にアリのえさになるおそれが高いといえるでしょう。

そのためこうした害虫対策はアリにとってのエサを減らすことにつながり、アリの定着を防ぐことにもつながっていきます。

      ヒアリに似たアリは駆除しても大丈夫?

まとめ

日本国内でヒアリが定着したおそれは高まったものの、その場所は住宅地から離れたコンテナふ頭周辺ときわめて限定的な環境です。そのため必要以上におそれず、まずはヒアリとそれに似た虫を見分けられるようになっていくことが大切でしょう。

必要以上のアリ駆除は、逆にヒアリの定着を早める結果にもつながりかねません。どうしてもアリ駆除が必要な場合は定期的におこなうとともに、アリ駆除のプロの判断もあおぎましょう。大切なのは「状況に応じた、適切な対策を確認・実施する」ことです。

この記事の監修者 ナカザワ氏について

この記事の監修者
ナカザワ氏 NPC 総合害虫駆除
監修ジャンル:害獣 害虫
神奈川県・東京都を中心とした総合害虫駆除サービスを運営。防除作業監督者(防第14721号)の国家資格を有し、アリ、ゴキブリ、ダニ、ハエ、トコジラミ、ハチやコウモリなど幅広い害虫や害獣にも対応。

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ナカザワ氏 NPC 総合害虫駆除
監修ジャンル:害獣 害虫
神奈川県・東京都を中心とした総合害虫駆除サービスを運営。防除作業監督者(防第14721号)の国家資格を有し、アリ、ゴキブリ、ダニ、ハエ、トコジラミ、ハチやコウモリなど幅広い害虫や害獣にも対応。

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