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住宅に潜むハト
ハトは古来より家畜として飼われていたので、人との共存関係は長くなっており、日常生活でも見かける機会の多い鳥です。一見可愛らしい顔立ちをしており、平和の象徴というイメージもあります。しかし、都市では害鳥と呼ばれ、ハトにまつわる被害はたくさん発生しています。鳴き声や糞害だけでなく、「空飛ぶネズミ」と呼ばれるように恐ろしい病気も保有しているのです。これから、ハトの習性やハトから受ける病気、ハト対策として有効な方法などをご紹介しますので、今後の参考になさってください。
ハトの種類
ハトには色んな種類がおり、それぞれ見た目や特徴は違いますが、最も人の生活を脅かすハトは「ドバト」と「キジバト」になります。
ドバト
体色は白色と灰色、小刻みに首を前後に動かして<プルッフー>と鳴き声を出すのが特徴で、別名カワラバトとも呼ばれています。一番人の生活に近いハトと言われており、都会のビルなどに巣を作って生活をするので、ドバトの数はドンドン増えていっています。主な原因として、人がエサを与えていることがあげられます。
繁殖能力に優れているドバトは、人が与えるエサを頼って、駅や公園、神社などを群れで行動するので、地域によっては、自治体の条例でエサを与えるのを禁止している所もあります。
キジバト
狩猟鳥獣としても知られるキジバトは、羽根が赤茶色っぽく、頭と胸の間に青と白の縞模様があるのが特徴で、別名ヤマバトとも呼ばれています。
小枝を使って皿状の巣を作っていますが、使い古した巣を使うこともあります。元々山地に棲んでいたので、人に姿を見られることはありませんでしたが、1960年代に銃を使った狩猟が制限されて以降、街路の植木や都市部でも姿を現すようになりました。『ホーホーホッホー』という独特なリズムで鳴きます。
上で挙げた2種類は人間の生活と比較的密接です。他にも野鳥として日本に繁殖しているハトの仲間は5種類います。
アオバト
キジバトと同じように別名ヤマバトとも呼ばれています。雄はオリーブ色を基調に方から羽が暗赤色です。一方、雌は全身オリーブ色で虹彩は青色です。基本は山地の針葉樹林などに生息していますが、栄養補給のため、海岸で海水を飲むことが知られています。<オーアオー>という独特な鳴き声が名前の由来とされています。
シラコバト
雄雌同色で、全身灰褐色です。背と尾は褐色が強まります。別名シラバトやノバトとも呼ばれます。埼玉県に生息していますが、一時絶滅の危機にさらされ天然記念物に指定されていました。『ポッポー』と鳴くため童謡『鳩ぽっぽ』の由来になったとも言われています。
カラスバト
四国、九州、伊豆諸島、沖縄諸島などに生息しています。小さい頭部と光沢のある黒い羽毛が特徴です。亜種のアカガシラカラスバトは国の天然記念物に指定されています。リュウキュウカラスバトという亜種も存在しましたが、絶滅してしまったようです。
キンバト
頭部から背面にかけて青みがかった灰色で羽が光沢のある緑色なのが特徴です。森林に生息しており、長距離を飛ぶことは少ないです。こちらも天然記念物に指定されています。
ベニバト
全長約23cmと、日本産のハト類では最小です。雄は頭部と首の部分が青灰色で、首に黒い帯があり、背中と羽は赤みがかった灰褐色です。雌は全身灰褐色で、シラコバトと似ています。
ハトの習性~巣作りまでの4段階
ハトの被害が発生する原因を知るには、まずハトの習性を知る必要があります。ここでは、被害場所としてよくあるベランダを例に巣作りまでのハトの習性をご紹介いたします。
①様子見
ハトは餌場を中心に活動します。その際、休憩場所として安全な場所を探します。特に外敵がいなく、エサや水があり、見えにくい構造の場所を好みます。目当ての場所がこれらの条件にあてはまるかどうかを確認する為、近くの電線や建物の屋上に止まって様子を見ます。特に、ベランダと同じ高さの正面にハトがいる場合は要注意です。
②侵入
ベランダに近寄っても安全と分かると、ハトはベランダの手すりに止まって、ベランダの中も安全かどうか確認をします。中には慎重を期して、隣のベランダの手すりからこちらまで歩いて侵入するハトもいます。
③ねぐら
ベランダが安全な場所という認識を持つと、ハトはそこをねぐら場所にするので、大量のフンをされたり、鳴き声の騒音といった被害が発生してしまいます。
④巣作り
ねぐら場所と決めたハトはいよいよ巣作りを始めます。ハトはカラスに食べられたり、猫に卵を持っていかれたりするのを防ぐ為に、普段人が目にしない場所に巣を作る習性があります。いったん住処にしてしまうとその帰巣本能や執着心からなかなかその場所を離れなくなります。
ベランダでも被害が多いのが見えにくい植木鉢の中や水を確保できる室外機の裏側などです。ベランダ以外にもマンションやビルの屋上の給水設備、太陽光パネルの裏側、屋根の隙間、窓の上の庇(ひさし)部分など比較的高所にも巣を作りがちです。
ハトのフンから感染する病気
ハトから受ける被害には「鳴き声がうるさい」「フンの臭いが酷い」といったケースがあります。ハトのフンからゴキブリとダニの発生や、フンに含まれた酸成分で金属が腐るといった被害も発生してしまいます。また、フンから媒介した菌でアレルギーを発症したり、健康に大きな被害をもたらす病気に感染したりすることもあるのです。その恐ろしい病気は以下の種類になります。
クリプトコッカス症
クリプトコッカス属に属した感染症で、致死率は約12%あると言われています。これに感染すると、脳炎や髄膜炎などを引き起こし、発熱や頭痛、記憶障害、人格変化といった症状が起きる恐れがあります。
トキソプラズマ症
アピコンプレクサ属に属した感染症で、トキソプラズマという虫によって感染します。これに感染すると、肝炎や肺炎、髄膜脳炎、心筋炎などを引き起こし、悪寒や高熱、頭痛、痙攣といった症状を引き起こす場合があります。
サルモネラ症
サルモネラ属に属した感染症で、これに感染すると、腸炎などを引き起こし、下痢や発熱、腹痛といった症状を起こすこともあります。
症状が重くなると、粘血便の症状が発生する場合があり、免疫力が弱い人だと、最悪死亡してしまうこともあります。
ニューカッスル病
ニワトリを始めとする多くの野生鳥類に感染する病気で、下痢や肺炎、神経症状などを起こすだけでなく、死亡率が最も高いウイルスとして恐れられているので、法に基づいた家畜伝染病に指定されています。また、人に感染すると、インフルエンザ様疾患や結膜炎、耳下腺炎を引き起こすことがあります。
オウム病
オウム病クラミジアによって感染する病気で、オウム病を保有しているハトは、最大75%もいると言われています。感染しても風邪で済むことが多いですが、時に肺炎を引き起こすこともあります。
脳炎ウイルス
コガタアカイエカという虫によって媒介されるウイルスで、感染すると、嘔吐や発熱、意識障害といった症状が起き、手足のしびれが後遺症として残ってしまうこともあります。
対策方法
ハトは鳥獣保護法によって例え巣をつくられても殺傷、捕獲が禁止されています。また、ハトに卵を産まれたとき、卵を移動・処分することも禁じられています。よって、ハトに危害を加えることはできないため、ハト害を防ぐには侵入されないような対策を施すことが大事になります。ハト対策としてできることは下記の方法が挙げられます。ハトは執着度が高いため、早い被害レベルのうちから対策することがポイントです。
ただし、ハトは賢いので、対策方法によってはハトがそれに慣れてしまい、再び侵入して来る可能性があるので要注意です。
定期的に掃除をする
ハト対策として日頃からできることと言えば、ハトにとって居心地の悪い環境にするために物陰を極力減らすなど掃除や整理整頓をしておくことです。また、ハトはベランダの床に落ちた小枝や針金などを巣の材料として利用するのでそれらを残しておかないこともポイントです。ハトを寄り付かせないために人間の気配をさせておくという意味でも定期的に掃除をしておきましょう。
手すりの上に配置
ハトがよく止まる手すりの上にテグスや防鳥ワイヤーなどの細くて固い糸状のものを張ると、ハトの侵入を防ぐことが出来ます。使い方のコツとしてはハトの首部分に触れる高さに設置するとハトが不快に感じます。
またハトが嫌がる匂いを発する忌避剤を塗布することもハト対策として効果的なようです。特に忌避剤を使用する際には他の対策方法と併用して行うことでより高い効果が期待できます。
防鳥ネットを使う
掃除以外ではハト対策グッズを使うことで侵入を防ぐことができます。ベランダの天井から手すり部分まで防鳥ネットを取り付ければ、ハトの飛来を防ぐことが出来ます。ただし、ネットに隙間が出来ないようしっかりと取り付けておくようにしてください。ネットを垂らしただけだと隙間が出来てしまい、ハトはそこから中へ侵入してしまいます。ハトが小さな隙間から無理やり侵入して逆に出られなくなりパニック状態になることもあるため、注意が必要です。。
剣山を配置
手すりや室外機などのハトが止まりやすい場所に剣山器具を両面テープで配置しておけば、ハトの侵入を防ぐ効果があります。ただし、針先が鋭すぎるとハトを殺してしまう可能性もあるため、注意が必要です。
置物を設置
ハトは猫、カラス、蛇を嫌います。ハトの天敵であるこれらの置物をベランダに設置しておけば、ハトがベランダに寄り付かなくなります。
他にも設置するものとしてハトの侵入防止目的の磁石も販売されていますが、効果は薄いようです。
まとめ
ハトはなかなか粘り強く、縄張り意識が強い性格をしているので、一度、安全な場所として認識すると、何度もやって来ます。
また、ハトは鳥獣保護法という法律で守られているので、自治体からの許可無しで個人的に駆除することは出来ません。
もしも自分でハト対策を施すのが難しい、なかなか効果が出ないという方がいらっしゃいましたら、まずはハト対策のプロである専門業者に相談してみましょう。
ハト駆除を依頼できる業者や料金
依頼できる業者や料金について、詳しくは「生活110番」の「ハト駆除」をご覧ください。
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