ガラス交換業者に聞く料金の仕組み!交換の実態をインタビュー

2021.9.14

ガラス交換業者に聞く料金の仕組み!交換の実態をインタビュー

外からの日光を取り入れ、部屋の見通しをよくしてくれるガラス。しかし物が当たったりなどで時たま割れてしまうこともあります。最近ではなかなかガラスが割れる機会も少なくなったように感じる一方、いざガラスの交換が必要になったときの費用はどのようになっているのかも気になるところでしょう。

今回は兵庫県尼崎市に本社を構えるOACS株式会社を訪問し、ガラス交換における料金の仕組みや修理の実態を聞いてきました。

OACS・河野さん

今回取材協力していただいた加盟店:OACS株式会社

お聞きした方:取締役・河野さん(尼崎本社)
ガラス修理だけでなく、カギや蜂の巣駆除などさまざまな駆け付けサービスを提供している生活110番の加盟店です。河野さんは尼崎の本社でサービスの指揮をとっていらっしゃいます。

ガラス交換の費用ってどう決まるの?仕組みを聞いてみた!

まずはガラス料金が決まる仕組みについて、詳しくお聞きしました。

編集右向き1
編集部

webページに掲載している最低価格って、実際どんな内容なんですか?

お父さん左向き1
OACS・河野さん

住宅用で多い規格の材料費と、出張費くらいを合わせた料金ですね。実際は大きさが異なることもあり、現場によって作業料金が変わることが多いです。

住宅用のガラスとして多いのが「サブロク」と呼ばれる規格のガラス。横92cm・縦180cmの大きさをしており、OACSで対応する駆け付け対応用のバンにもこのガラスが積まれています。しかし実際は住まいに合わせて大きさが前後することもあり、ガラスを切る(裁断する)ための作業や、取り付けの難易度などを考慮して料金を提示することが多いそうです。

交換費用が高くなる場合って?

編集右向き1
編集部

では、どんな場合に料金が高くなるんですか?

お父さん左向き1
OACS・河野さん

たとえばエレベーターがない団地の5階だと、持ち上げるまでも一苦労ですね……。あとは人通りが少ない夜の作業にならざるを得ない場合など、料金は高くなる傾向にあります。

住宅用のガラスはクレーンなどを使わず、指定された階まで持っていくのが基本。こうした作業員の負担も計算に加わるため、エレベーターで持っていけないとなると作業費は上げざるを得ないそうです。

また大型のガラスになると普段駆け付けるバンには収まらず、別途トラックで運ぶことになります。こうした大型ガラスが必要な場合も運搬費がかかるため、費用は上がる傾向にあるとのことでした。

見積りに現地調査が必要な理由

編集右向き1
編集部

できれば電話で交換料金が知りたいと思うのですが、なかなか難しいですかね?

お父さん左向き1
OACS・河野さん

そのような要望はお客さんからも多いです。ただ、一度使われているガラスの状態を見てみないと、見積り価格を提示することは難しいですね。もし電話で伝えた概算料金から大きく上がる場合、対応できなくなってしまうので……。

ガラスは厚さが1mm違えば料金も大きく変わります。またガラスの規格も他種多様となっており、現場で一度確認しなければ見積りを出すことは難しいといいます。一方で見積りを伝えた後に料金が上がるのは、業者にとっても避けたいところだそう。

業者によっては電話で概算料金を伝えるところもあるそうですが、OACSでは現地へ足を運び、見積りを無料でおこなうことで対応しています。どうしても電話で知りたい場合、詳しくお伺いすることでより正確な料金を出せるよう心掛けているとのこと。しかし私たちでは調べられない部分も多く、正式な料金は現地を見ないとわからない、とのことでした。

戸建では火災保険が使える場合がほとんど

編集右向き1
編集部

ガラス修理に保険って使えるんですか?

お父さん左向き1
OACS・河野さん

戸建では、ほとんどの場合で火災保険が使えますよ。業者側の手間もほとんどないので、作業時にお願いしてみてください。

建物が契約対象の火災保険では、空き巣や飛来物によってガラスが割れた・割られた場合でも補償の対象となっています。

ただし火災保険でガラス交換をする場合、基本的には元と同じガラスを入れる「原状復帰」の範囲での補償となります。「泥棒に入られてしまったので、この機会に火災保険の補償で防犯ガラスに変えてしまおう」というのは難しいため、注意が必要です。

編集右向き1
編集部

では、マンションの場合はどうなのでしょう?

お父さん左向き1
OACS・河野さん

管理区分との関係が難しく、使う方はあまりいませんね……。

分譲マンションの場合、窓ガラスはベランダや外壁といった「共用部」と居室など「専有部」の境目部分にあたります。共用部は管理組合の負担で、専用部は自己負担で修理することになっていますが、この境界となる窓ガラスは微妙な位置づけ。管理組合の規約によっても負担者が異なり保険請求もわかりにくいため、「それならすぐに修理したい」と自己負担で直してしまう方が多いそうです。

ガラス交換のきっかけって?意外と少ない、割れたときの「ついで」交換

近年では空気の層を挟み込む「ペアガラス(複層ガラス)」や特殊な膜で日光の熱をカットする「遮光ガラス」など、さまざまな高性能ガラスが登場しています。なら、割れたついでに交換してしまおう、という方は多いのではないでしょうか?その実情を聞いてみました。

編集右向き1
編集部

割れたとき、ペアガラスなどの高性能なガラスに交換する方って多いですか?

お父さん左向き1
OACS・河野さん

割れたときには同じガラスを選択する方が多いですね。性能の高いガラスにする方は、リフォーム目的の場合がほとんどです。

ガラスが割れる機会は不意に訪れるもの。また火災保険適用も「原状復帰」が基本となるためか、同じガラスを選ぶ方が多いそうです。さらには、次のような落とし穴も……。

ペアガラス(複層ガラス)などに交換する際の注意点

お父さん左向き1
OACS・河野さん

ペアガラスは基本特注なので、規格に沿った窓でも1週間くらい、そのほかでは2週間ほどかかることがあります。

編集右向き1
編集部

ペアガラスが割れてしまって、またもとに戻したい場合はどうするんですか?

お父さん左向き1
OACS・河野さん

割れたまま放置するわけにはいかないので、その場合は仮のガラスで対応し後日交換になることが多いです。

空気の層を挟んだペアガラス(複層ガラス)など、高性能なガラスはその性能を実現するために特殊な構造になっています。そのためガラス修理・交換業者による加工はできず、寸法を正確に算出しメーカーに製造してもらうことが必要となります。そのため交換依頼は早め、早めに対応することが大切です。

ペアガラス
(ペアガラスの構造参考図。端の部分で2枚のガラスを支える必要あり)

相見積りでも勝てる自信あり!OACSが気を配るサービス面

編集右向き1
編集部

ほかの業者に比べて自信があるポイントってありますか?

お父さん左向き1
OACS・河野さん

ガラスを単純に交換するだけでなく、その前後まで気を配って作業しています。

ガラスが割れると周囲に破片が飛び散り危険です。自分で安易に作業すると危険が伴うこともあり、OACSでは現場調査時にこの片付けまで対応してから見積りをおこなうそうです。

またガラスはキズが付くと修復が難しい一方、壁紙などを傷める危険性もあることから移動させるときもしっかりと気を付けているとのこと。せっかくの家の修理でさらなる損害とならないよう、しっかりとお客様を考えて作業にあたることで相見積りでも選んでもらえるそうです。

※OACS独自の取り組みであり、加盟店によっては対応が異なることがあります。

住宅のガラストラブルは基本交換になる理由

車のフロントガラスではリペアキットなどが市販されています。しかし住宅のガラスは小さなキズやヒビでも交換が基本。いったいなぜなのか、理由をお聞きしました。

編集右向き1
編集部

生活110番でも基本的にガラスのリペア(修理)は取り扱えないという話を聞きますが、実際どうなのですか?

お父さん左向き1
OACS・河野さん

ガラス修理自体は不可能ではないみたいなのですが、住宅用ガラスの場合交換より高くなってしまうので、OACSでは取り扱っていません。

ガラスはつなぎ合わせることが難しく、修理しようとすると最低でも万単位、ときには何十万という単位で作業費がかかる計算となります。一方住宅用のガラス交換は数千円単位からできることを考えれば、修理より交換の方が費用も安く済んでしまうのです。修理したところで強度も元通りというわけにはいかず、あまり需要はないようです。

修理コストに見合うのはビルなどの特殊なガラスのみ

編集右向き1
編集部

では、ガラス修理の需要自体はあるのですか?

お父さん左向き1
OACS・河野さん

ビルなどで使われる広い面積・厚みのあるガラスでは、ガラス自体が何百万もの価格になるためにリペアの需要がありますね。あと車のフロントガラスも同様です。

もともと高価なガラスの場合は修理をおこなうほうが安くなることもありますが、住宅の場合交換のほうが安くなります。相見積りも利用して、最適なガラス交換サービスを依頼したいところです。

インタビューでは台風対策についてもお聞きしました。ガラス交換業者から見る台風時対策の記事はこちらから↓

まとめ

ガラス交換の機会は突然訪れることが多いです。そのときに慌てないよう、しっかりと知識を付けておくことが大切だと今回の取材を通じて感じました。また業者がなかなかインナーネット上で料金を出せない理由や、ガラス交換特有の事情も知ることができたため、今後記事コラムを作っていくうえでも役立つ情報を得られたと思います。

ガラス交換は決して安くないものの、その料金の出し方には理由があります。相見積りを依頼する際にはどのような費用が含まれているか確認し、適切な業者選びをしたいところですね。


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※対応エリアや加盟店によって変わります

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