アクリルとガラスって何が違うの?アクリルの活用法や注意点について

2021.4.30

アクリルとガラスって何が違うの?アクリルの活用法や注意点について

アクリルガラスはアクリル樹脂と呼ばれるプラスチック素材で作られています。ガラスと遜色ないクリアな色。そして割れにくく、打撃に強いので、「窓ガラスとして設置したい」という思われる人もなかにはいるのではないでしょうか。

しかしアクリルガラスの窓なんて一般的にはあまり見かけませんし、本当に窓ガラスに向いているかどうかわからないものです。このコラムでは人気急上昇のアクリルガラスのあれこれについてご紹介します。実は意外な場所にも、アクリルガラスは使われているのですよ。

アクリルガラスの特徴

ガラスといえば「割れやすい」というイメージがついています。確かにそうなのですが、アクリルガラスはアクリル樹脂でできているため、ガラスと比べると大変割れにくいです。また、ガラスにしたときの透明度も高く、見た目でいえば普通のガラスと遜色がありません。

そもそも、一体、アクリルガラスとはどんなものなのか、改めて見ていきましょう。

アクリルガラスの特徴

アクリルガラスは一般的なガラスとは異なり、アクリル樹脂という素材で作られたガラスです。そのためガラスより割れにくいことはもちろん、加工がしやすく、ガラスの半分ほど軽いというメリットがあります。ガラスと同じような透明感、加工ができるのにも関わらず割れにくいといった特徴から、建具として取り入れられていることも多くなっているのです。

一方で熱に弱く、切り傷や擦り傷に弱いといったデメリットがあります。そのため雨や風が当たる場所・温度変化が激しい場所や、高熱が当たる、こもる場所での使用には向いていません。

アクリル樹脂ってなに?

アクリルガラスに使われているアクリル樹脂とはプラスチックのひとつで、プラスチックのなかでも最も耐久性に優れている素材だといわれています。

美しい透明度と撥水性を持っているため、ガラスとしてつかわれることはもちろん、浴槽や洋式のトイレ、3Dプリンターの素材などでも使われているのです。アクリル樹脂は加工しやすいため、こういった「生活のなかでもよく使われるアイテム」にこの素材が使われることがあります。

普通のガラスとは

一般的に使われているガラスはフロートガラスと呼ばれています。その正体は液体状(ガラス状態)の二酸化ケイ素でアクリルガラスと比べると割れやすく、加工もしにくいなど使用箇所は限られてきます。しかし熱に強いほか、擦り傷、切り傷に強いことが特徴です。

緑がかった透明色で、インテリアに使われたり、窓ガラスなどに使われたりします。

また、フロートガラスを更に透明化したもののなかには、高透過ガラスというものがあります。別名クリアガラスと呼ばれていて、ショーケースやショーウィンドウのガラスとしても利用されているのです。

      アクリルとは?ガラスとの違いは?

割れにくいけど、窓ガラスには使われない理由

アクリルガラスの透過率は93%ほどと非常に高い透過率を持っています。にもかかわらずアクリルガラスが窓ガラスとして使われないのはなぜなのでしょうか。

その理由は1章でもご紹介しましたが、アクリルガラスは熱に弱く、フロートガラスは熱に強いという素材の特徴の違いが挙げられます。窓ガラスは設置すれば24時間365日外気に晒されるため、急激な温度変化にも対応できるガラスの方が家の出入り口、換気口のひとつでもある窓の設置に最適なのです。

アクリルガラスは直射日光が大敵

また、アクリルガラスの耐熱温度が約80℃に対し、ガラスの耐熱温度は約110℃といわれています。アクリルガラスを窓ガラスとして設置すると、直射日光が原因で変形してしまったり、黄色く変色してしまうことがあるのでアクリルガラスの取り扱いには注意が必要でしょう。

しかし、アクリルガラスがまったく窓ガラスとして役にたたないかといわれると首を縦に触れません。窓ガラスのようにとはいきませんが、アクリルガラスを窓ガラスとして設置すれば、雨風をしのげる役割は果たしてくれるからです。直射日光がまったく当たらない場所であれば窓ガラスとしての役割も果たしてくれるかもしれません。

また加工次第ではデザイン性あふれるガラスに仕上げることもできるため、もし設置したいと考える際はデメリットをよく考慮したうえで設置をおこないましょう。

アクリルガラスが活躍する場所や物

アクリルガラスに使われているアクリル樹脂は大きくいえばプラスチックです。自由に加工がしやすいため、浴槽やトイレ以外にもさまざまな場所で使われています。

この章では「アクリルガラス」に限定して、どんな場所でアクリルガラスが使われているのか見ていきます。

水族館の水槽

アクリルガラスの活躍として有名なのが、水族館の水槽です。少し前までは強化ガラスと呼ばれる、フロートガラスより打撃耐性に優れたガラスを使っていました。しかし、強化ガラスは加工に不向きで、水槽の形、サイズに合わせるには、強化ガラスを何重に重ねたり、金属製の柱につなぐ必要があります。

対して、アクリルガラスはガラス同士の接着が可能だったり、1枚の大きなガラスに加工できるため、水族館の水槽はアクリルガラスを使う場面が多くなってきました。また、水槽の中で生きている動物がガラスに当たったとしても、アクリルガラスならばひび割れることがないため、水族館の水槽としてはこれ以上にない最適な素材なのです。

飛行機

飛行機の客室の窓は3層のアクリルガラス(板)でできています。飛行機は設計する際にいかに軽い素材が重要になってくるため、加工性に優れ、軽量。耐久性にも優れているアクリルガラスは飛行機の窓に適しているのです。

また、コックピット(操縦席)にもアクリルガラスは使われています。こちらは、客室の窓より大きく、強固な作り、設計がされていて、ガラスとアクリルガラスを5層に重ねたものになります。空を飛んでいる鳥など固い物体がガラスに衝突しても割れないように、安全性が高められているのです。

オペラグラス

オペラグラスとは観劇用の小型の双眼鏡のことをいいます。コンサートなどにいったことがある人は使ったことがあるのではないでしょうか。加工がしやすく、柔軟性があり、割れにくいアクリルガラスはオペラグラスのレンズとしても使われています。

携帯電話

携帯電話の窓にもアクリルガラスが使われていることがあります。透明なため、普通のガラスと遜色なく、クリアに画面をみることができますね。

カラーバリエーションも豊富

さまざまな場面で使われているアクリルガラスは、カラーバリエーションも豊富です。例えば、ガラスエッジと呼ばれる、ガラスの色を再現したアクリルガラスもあります。

そのほかにもカラーエッジと呼ばれる、ピンクやブルー・蛍光色などを使った色ガラスがあります。普通のガラスでは再現できない色も、再現できるのもアクリルガラスの魅力のひとつです。

アクリルガラスに似ているガラスたち

アクリルガラス以外にも、割れにくいガラスがあります。この項目ではアクリルガラスの特徴に似ているガラスをご紹介していきます。

ポリカーボネート

ポリカーボネートはポリカーボネート樹脂と呼ばれる素材を使ったガラスです。アクリルガラスと同じく、衝撃に強く、ガラスと同じくらいの透明感があります。アクリルガラスとおおきく違う点といえば、高温、低温に強く、熱による変形がしにくいことです。また、着色もしやすいため、さまざまな物の素材に使われています。また、耐久性もアクリルガラスの約50倍といわれています。

デメリットは高温高湿の環境に弱い、アルカリ剤や溶剤で劣化するといった点です。そんなポリカーボネートで使われている物で代表的なものは、電気アイロンやテーブルタップ、液晶テレビといったものでしょう。

ハイブリットガラス

ゴムのような柔軟性をもち、高い耐熱性を持つガラスです。デメリットは通常のガラスより傷つきやすく、難燃性(燃えにくい性質)は従来のガラスに劣ってしまう点です。有機溶剤の一部で変質する場合もあるので注意してください。

使われる場面の例として、スマートフォンケースや車などに使われています。

      ガラスの代わりに使えるなら、なぜアクリルの窓ガラスはないの?

アクリルガラスっていくらかかるの?

アクリルガラスで気になることといえば、1枚当たりの値段。通常のガラスよりも安いといわれているアクリルガラスですが一体いくらで設置できるものなのでしょうか。

アクリルガラスの値段

アクリルガラスの値段は……。

3㎜、30cm~:約5,000円~
5㎜、30cm~:約6,000円~

となっています。
ガラス本体の費用だけでなく、加工をしてもらいたい場合はその分の費用も掛かってきます。

アクリルガラスの加工ってどんなの

アクリルガラスの加工といえば、インテリアに合わせて丸くカットしてもらったり、手が切れないように、窓ガラス用にカットしたガラスの角を加工してもらったりなどです。

また、穴あけやガラス印刷などの特殊加工を請け負ってくれるところもありますよ。
加工箇所や規模にもよりますが、小さい加工であれば一か所数百円加算でおこなってくれるところがありますので、相談してみてくださいね。

費用面で心配な人は業者に問い合わせてみたり、見積もりをしてもらいましょう。
         

まとめ

アクリルガラスは割れにくく、打撃に強いため、水族館の水槽や飛行機の窓など、幅広い場面で使われます。またアクリルガラスに使われているアクリル樹脂は浴槽や洋式トイレといった場所にも使われているので、見る機会も多いでしょう。

アクリルガラスは、「ガラス」としては割れにくいものの、切り傷や擦り傷に弱く、熱に弱いので窓の設置には向きません。しかし、デメリットを加味しても窓ガラスとして設置したい人がいらっしゃいます。こういった場合は一度業者に相談をしてみて、設置できるかどうか、設置するとしたらどこに設置するのかを相談してみてくださいね。

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