ガラスの種類が一目瞭然!交換前に知っておきたい特徴別ガラス一覧

2023.9.12

ガラスの種類が一目瞭然!交換前に知っておきたい特徴別ガラス一覧

あなたの身の回りで使用されているガラスは、場所に合ったガラスといえるでしょうか?
今より最適なガラスがあるなら、まずはよく知ってから検討したいですよね。

この記事では、代表的なガラスの種類をピックアップして紹介していきます!
ガラスの種類を知ることで、今まで知らなかったガラスの選択肢に気づき、最適なガラス選びをすることができます。

「ガラスを交換しようと検討しているが、どれを選べばいいのかわからない……」「ひとまずガラスの種類だけでも知っておきたい」という方は、ぜひともこの機会に参考にしてみてください。

目次

よく使用されている!一般的なガラス

さまざまな箇所で使用されていることが多い一般的なガラスの紹介になります。
ガラスの種類に詳しくなくても、自宅や街中で見たことがある方も多いはずです。

代表的なガラス
  • フロートガラス
  • 型板ガラス
  • すりガラス
  • 網入りガラス

フロートガラス

フロートガラス

フロートガラスは一般的に多く使用されているガラスで、窓や家具、洋服屋さんのディスプレイなど、さまざまな場所で広く使用されています。
他にも『普通板ガラス』『透明ガラス』と呼ばれています。

厳密には透明ではなく、実際は少し緑がかった色になっています。

フロートガラスのメリット

・カットや穴あけの加工がしやすい
プロの方でなくてもガラスカッターがあれば簡単に切れます。
ただし、厚みが大きい場合は切りづらくなるため、業者に頼まず自分で切る場合には注意が必要です。

・価格が安いものが多い
加工されているガラスと違い、フロートガラスは手を加えていないため価格が安いものが多いです。
薄い厚さの2mm(100mm×100mm)だと1,000円ほどで購入できるため、高い費用をかけたくない方にはおすすめです。
※価格はオーダーガラス板.COM参照

・ガラスの厚みの種類が豊富
フロートガラスは以下の10種類の厚みから選べます。
流通量が多いガラスであることから、他のガラスでは選べない豊富さといえます。

厚み(mm) 最大サイズ(mm)
2 800×900
3 900×1,800
4 1,200×1,800
5 1,600×2,400
6 1,600×2,400
8 1,600×2,400
10 1,200×2,400
12 1,200×2,400
15 1,200×2,000
19 1,000×2,000

参考:オーダーガラス板.COM「フロートガラス(普通透明ガラス)」(最終閲覧日:2022年11月22日)

フロートガラスのデメリット

・衝撃や熱に弱く、割れやすい
フロートガラスは強度が弱いため、空き巣に窓を簡単に割られてしまいます。
防犯対策をしたいのであれば、のちほど紹介する『強化ガラス』や『防犯ガラス』がおすすめです。

また、耐熱温度は110℃となっており、強い熱を受けると割れてしまいます。
110℃以下でも急激に熱したり冷やしたりすると割れてしまうため、熱湯や湯気など温度の高いものが触れる可能性のあるキッチンでは使用をおすすめしません。

・汚れ、結露が目立ちやすい
フロートガラスはほぼ透明で、その分汚れが目立ちやすいです。
また、フロートガラスは熱が伝わりやすく結露が発生しやすくなります。

フロートガラスの名前は製造法が由来!

フロートガラスは「フロート法」というもので製造しているため、その名がつきました。
フロート法は溶けた錫(スズ)の上に溶けたガラスを浮かして、平らな板を作る方法です。
フロートバスと呼ばれる中で、ガラス(比重約2.5)よりさらに重いスズ(比重6.5)の上に1,600℃の高温で溶けたガラスを流すようにして浮かべます。
その後、溶けて液状になったスズの上にガラスが平らに浮き、溶融ガラスがフロートバスの出口まで移動しながら板厚が調整されます。
この方法で製造することによりガラスのゆがみを少なくしています。

型板ガラス

型板ガラス

型板ガラスは表面にでこぼことしたデザインを施したガラスで、「ロールアウト製法」というもので作られています。
ロールアウト製法は、ロールとロールの間に溶解したガラスを通して、模様をつける製造法です。

厚さ2mmの『梨地』と厚さ4または6mmの『霞』があり、私たちがよく目にしているのは霞です。
霞よりは梨地のほうが目隠し効果が高いです。

浴室やトイレで使用されていることが多い一般的なガラスですが、デザイン性が高く食器棚の扉や照明器具のシェードに採用されることもあります。

型板ガラスのメリット

・プライベートを守れる
型板ガラスは表面が平らではないため光が屈折し、ぼやけて見えるためのぞき防止が可能です。
浴室やトイレで多く使用されているのは、プライベートを守ることに徹底しているからなんですね。

・汚れても目立ちにくい
浴室は水滴が溜まりやすいですが、型板ガラスなら水がついても跡が目立ちにくいことにより掃除の手間も少なくて済みます。

・視線が遮られても光を取り入れられる
視線が遮られていると光も入ってこないようなイメージがありますが、型板ガラスの凸凹の模様により光が拡散されて光を取り入れられます。
陽射しが当たるというよりもやわらかい光が入ってくるイメージです。

型板ガラスのデメリット

・フロートガラスより明るさが劣る
フロートガラスと比べると、型板ガラスは日光が部屋に入りづらいため部屋全体が暗くなりやすいです。
明るめの照明を部屋に取り入れるなどの対策が必要になります。

・外の景色が見えない
メリットであるのぞき防止はデメリットにもなりえます。
ふと窓からの景色を見たいときに、型板ガラスだとモザイクで映ってしまうため、外の景色が見えづらいです。

型板ガラスの一種であるチェッカーガラス

チェッカーガラスは、アンティーク調のガラスで、かわいいデザインが多く人気です。
格子の種類はさまざまで、他の名称は『モザイクガラス』や『ワッフルガラス』と呼ばれています。
デザイン性だけでなく、型板ガラスの一種なので同様に目隠し効果が期待できます。

ただし、ヨーロッパ(おもにフランス)からの輸入ガラスで国産性のものはありませんので、国内での製造品かどうかを気にする方には向いていません。

すりガラス

すりガラス

すりガラスはガラスの表面に金剛砂と呼ばれる砂を吹き付け、不透明に加工したガラスです。
この方法を「サンドブラスト」といい、ガラスに細かい傷を付けてザラザラな質感を出しています。
『曇りガラス』とも呼ばれており、和室の障子などに使用されることが多いです。

すりガラスのメリット

・太陽光を防いでくれる
すりガラスの表面に当たった光は、サンドブラストによって作られた傷で乱反射します。
完全に室内を暗くせず、陽射しが強くてもやわらかい光が入り眩しくなることがありません。

・目隠し効果が強い
光が乱反射することによって、型板ガラスと同様に目隠し効果があります。
すりガラスは全体が乳白色になるため、型板ガラスよりも目隠し効果が強いです。

・デザインが豊富である
ガラスに柄が入っていてデザイン性を施しているすりガラスもあります。
花柄や松柄など多彩なデザインがあるため、場面に合ったデザインのすりガラスを設置してみてはいかがでしょうか。

すりガラスのデメリット

・水に濡れると透けやすい
すりガラスは水に弱く、ザラザラな面が濡れると透明になってしまいます。
浴室など水をよく扱う場所は結露も発生しやすくなるため、すりガラスの設置はおすすめしません。

・汚れてしまうと落としにくい
すりガラスの表面についた手垢や油汚れなどを放置しておくと、ガラスの傷の中に汚れが溜まってしまいます。
水滴も同様で溜まると水染みやカビの原因になりかねません。
小まめに掃除をしていれば問題ないですが、手間が増えてしまい汚れやすいキッチンでの設置には向いていません。

型板ガラスとすりガラスは間違えやすい!

型板ガラスとすりガラスは見た目が似ていて間違えやすいガラスのため、ガラスを選ぶ際は注意しましょう。
簡単にまとめると以下のようになりますので、参考にしてみてください。

型板ガラス すりガラス
見た目
型板ガラス
すりガラス
表面 でこぼこ ザラザラ
汚れ 落ちやすい 落ちにくい
目隠し効果 ある より高い

網入りガラス

網入りガラス

網入りガラスはガラスにワイヤーを埋め込んでいるガラスです。
他にも『線入りガラス』『ワイヤー入りガラス』『防火設備用ガラス』と呼ばれています。

防火性・飛散防止効果があり、防火設備用のガラスとして、飲食店やガソリンスタンドのような火をよく扱う場所で使用されています。

網入りガラスのメリット

・破片が散らばりにくい
網入りガラスは割れても、ワイヤーが入っていることで破片が飛散しにくいです。
火災が発生して熱に耐えられず割れてしまっても、破片で怪我をする可能性が低いです。

・炎の広がりを防げる
網入りガラスは『防火設備用ガラス』として使用されているため、火災被害の防止として効果が高いです。
ガラスの飛散を防ぎ、炎が窓の外に吹き出すことも防げます。

網入りガラスのデメリット

・熱割れに弱い
網入りガラスは直射日光を浴びすぎると、ガラスの中のワイヤーが熱を持ってしまい、ガラスにひびが入ります。
火災には強いですが、熱の耐久性は低いガラスです。

・防犯対策には向いていない
網入りガラスはフロートガラスと強度が変わりません。
意外にもワイヤーはもろく、引きちぎることは難しくありません。
そのため、防犯効果はほぼありません。

網入りガラスは3種類のワイヤーがある

斜めのワイヤーでひし形の模様
網入りガラス ひし型
縦横に並んでおり、格子状の形をしている
網入りガラス クロス型
縦線のみ入っていて、『線入りガラス』とも呼ばれる
網入りガラス 線型

性能抜群!断熱・遮熱効果のあるガラス

性能が高く、断熱や遮熱効果があるガラスの紹介です。
窓ガラスや車に設置することで、高い効果が期待できるガラスばかりです。

代表的なガラス
  • 複層ガラス
  • Low-E複層ガラス
  • 真空ガラス

複層ガラス

窓ガラス_複層ガラス

複層ガラスはガラスとガラスの間に乾燥した空気やガスを封入し、断熱や結露防止効果を高めています。
現代では住宅の窓ガラスに使用されることが多いガラスです。

複層ガラスのメリット

・断熱効果が高い
封入した乾燥空気やガスはガラスより熱が伝わりにくく分厚いため、断熱効果を発揮します。
夏も冬も冷房や暖房による冷気・熱を逃しにくく、冷暖房を弱くしても室内がちょうどよい温度になります。

・結露防止対策になる
結露は暖かい空気が冷やされ、空気に含まれる水蒸気量が飽和水蒸気量を超えたときに発生します。
そのため、寒い冬場は結露が発生しやすいです。
複層ガラスであれば断熱効果があるおかげで、内側のガラスが冷えにくいため結露が発生しにくくなります。

・紫外線をカットできる
1枚のガラスだけでも紫外線を通さないことは可能ですが、こちらのように単板ガラスよりも複層ガラスのほうが紫外線カットに優れていることがわかります。
のちほど詳しくご紹介するLow-E複層ガラスはさらに効果があります。

紫外線カット率
  • 単板ガラス:約30%
  • 複層ガラス:約40%
  • Low-E複層ガラス(断熱):約60%
  • Low-E複層ガラス(遮熱):約80%

参考:フィルムワーク「Low-EガラスはUVカットできる?紫外線カット率は何%?」(最終閲覧日:2022年11月22日)

複層ガラスのデメリット

・通常のサッシでは設置できない
1枚ガラスから複層ガラスに交換する場合は特にそうですが、通常のサッシでは厚みのある複層ガラスを設置できません。
そのため、サッシごと交換する場合があり、工事費用もその分高くなります。

アルミサッシでは熱が伝わりやすいため、交換する場合は熱が伝わりづらい樹脂サッシをおすすめします。

・熱割れが発生しやすい
複層ガラスは断熱性が高いため、熱割れの発生率が高まります。
ガラス間の空気の温度と外気の温度差で発生しやすいです。

・遮音性能が低下する
共鳴はガラスを2枚組み合わせることで発生しやすくなるため、複層ガラスで共鳴の現象が起きてしまいます。
音の振動が外側のガラスに触れ、室内側のガラスに音を伝えます。
太鼓のようなイメージで、共鳴が発生すると遮音性能も低下します。

Low-E複層ガラス

窓ガラス_Low-E 複層ガラス

複層ガラスにLow-E膜という金属膜をコーティングしたガラスです。
断熱に加え遮熱効果も備わっているため、通常の複層ガラスよりも性能が強化されています。

また、建築用板ガラス製造メーカーのAGC、日本板硝子、セントラル硝子が販売しているLow-E複層ガラスの共通名称で『エコガラス』とも呼ばれています。

Low-E複層ガラスのメリット

・断熱タイプか遮熱タイプか選べる
Low-E複層ガラスはLow-E膜の位置により断熱タイプか遮熱タイプかが決まります。
設置する部屋に応じて、どちらのタイプにするか検討しましょう。

夏での南側は日差しが軒にさえぎられやすいですが、冬になると陽射しが暖かくなるため、室内に暖かさを取り込む断熱タイプを設置しましょう。
一方、西側や東側は夏になると強い陽射しが入り込むため、外から熱の侵入を防ぐ遮熱タイプの設置をおすすめします。

窓ガラス_Low-E 複層ガラス 断熱タイプ 遮熱タイプ
  • 断熱タイプ:Low-E膜の位置が室内側。室内の熱を逃がさない。
  • 遮熱タイプ:Low-E膜の位置が室外側。夏場の日遮熱を遮断する。

・通常の複層ガラスよりも断熱性が高い
ガラスには「熱貫流率」というものがあり、熱貫流率の数値が小さいほど熱が伝わりにくいです。
複層ガラスだけでも断熱性はありますが、Low-Eはさらに性能を高めます。

熱貫流率の比較
  • 単板ガラス:約6.0W/㎡・K
  • 複層ガラス:約2.9W/㎡・K
  • Low-E複層ガラス:約1.9W/㎡・K

参考:オーダーガラス板.COM「ペアガラス(複層ガラス)」「Low-Eペアガラス(複層ガラス)」(最終閲覧日:2022年11月22日)

・暖房、冷房費を削減できる
通常の1枚のガラスと比較すると、Low-E複層ガラスでは暖房と冷房費合わせて11,867円ほど削減できます。
(あくまでも東京都の場合の例となるシミュレーションですので、参考程度にご確認ください。)

単板ガラス+アルミサッシ Low-E複層ガラス+樹脂サッシ
暖冷房費 (円/年) 37,824 25,957
CO2排出量 647 444

参考:板硝子協会「エコガラス省エネシミュレーション(住宅 結果)」(最終閲覧日:2022年11月22日)

Low-E複層ガラスのデメリット

・価格が高い
高い性能を持っているため、どうしても価格が高めになってしまいます。
同じ「200mm×300mm」のサイズで比較したところ、以下のように差が出ました。
複層ガラスと比べても2倍ほど価格が違います。

  • フロートガラス2枚:2,580円
  • 複層ガラス:8,753円
  • Low-E複層ガラス:16,836円

参考:オーダーガラス板.COM「フロートガラス(普通透明ガラス)」「ペアガラス(複層ガラス)」「Low-Eペアガラス(複層ガラス)」(最終閲覧日:2022年11月22日)

真空ガラス

窓ガラス 真空ガラス

真空ガラスはガラスとガラスの間に真空層があり、熱の「伝導」と「対流」を防ぎます。
真空ガラスの熱貫流率は「約1.4W/㎡・K」で、複層ガラスの約2倍、1枚のガラスの約4倍以上の断熱性能を持ちます。

日本板硝子株式会社の『スペーシア』が代表的で、世界初の真空ガラスとして誕生しました。
複層ガラスのなかでも、真空ガラスはかなりの高性能といえるでしょう。

真空ガラスのメリット

・防音性能がある
真空ガラスは防音ガラスに勝る防音性能を持っています。
真空ガラスは真空層を挟むことにより、複層ガラスのように音が共鳴しません。
JIS等級T-2(30等級)として遮音性が認定されています。

・交換する際にサッシがそのまま使用できる
通常の複層ガラスでは、ガラスとガラスの間の空気層が6mm以上必要ですが、真空ガラスは0.2mmの真空層しかないためガラスの厚みも薄くなります。
単板ガラスからの交換であれば、ガラスだけの交換で済みます。
ただし、製品によってはサッシ交換が必要になります。

・結露防止効果が高い
通常の複層ガラス以上の断熱性があるので、より高い結露防止が見込めます。
しかし、こちらも同じく完全に結露を防止できるわけではありません。

真空ガラスのデメリット

・本体だけでもかなり価格が高い
真空ガラスは厚さ3mm(200mm×300mm)で約4万円以上と手軽に出せる価格ではありません。
高性能ですが、決して安くないため交換する際は見積りを出してもらいましょう。

・場合によっては保護キャップが気になる
真空ガラスは真空をつくるために保護キャップが被せてあります。
ガラスの右上に取り付けてありますが、見た目が気になる可能性があります。

危険性が低い!強度の高いガラス

皆さんは空き巣や災害における正しい対策は整っているでしょうか?
窓から空き巣に侵入されたり、災害による怪我をしてしまってからでは遅いです。
安心して暮らしていくために、次に紹介する強度が高いガラスを設置してみませんか。

代表的なガラス
  • 強化ガラス
  • 防犯ガラス
  • 合わせガラス

強化ガラス

窓ガラス 強化ガラス 割れにくい 理由

強化ガラスはフロートガラス全体に熱処理を施し、急激に冷却して強度を高めたガラスです。
見た目はフロートガラスと見分けがつきづらいですが、約3〜5倍の耐圧強度を持っています。
上記画像のように圧縮しようとする力と、引っ張られる力が働くことで、バランスを取り合っています。

家や車の窓以外にも、テーブルの天板やオフィスのパーテーションによく使用されています。

強化ガラスのメリット

・割れても破片が粉々になる

窓ガラス 強化ガラス 割れ方

強化ガラスは割れても破片が粉々になります。
フロートガラスは割れると破片が鋭くなり怪我をするおそれがありますが、強化ガラスであれば怪我のリスクを抑えられます。

・フロートガラスより割れにくい
強化ガラスはその名のとおりフロートガラスよりも割れにくい性質を持っています。
最初に約3〜5倍とお話しましたが、ピンとこない方も多いと思います。
実際に強度を比較した以下の動画を参考にしてみてください。

強化ガラスのデメリット

・ガラスの加工ができない
強化ガラスは深い傷が入ると粉々になる性質上、ガラスカッターなどで加工はできません。
どうしてもガラスを加工したい場合は、加工が自由にできるフロートガラスがおすすめです。

・強化ガラスでは防犯対策はできない!
強化ガラスと次に紹介する防犯ガラスは性能は似ていますが、強化ガラスでは防犯対策はできません。
強化ガラスは一点に集中してかかる強さには耐えられないため、すぐに割られてしまうでしょう。
外部からの侵入を防ぐために作られていないため、防犯対策をするなら防犯ガラスを設置してください。

防犯ガラス

防犯ガラスは2枚のガラスの間に樹脂製の中間膜を挟んでいます。
強力に接着されているため、ハンマーなどで叩いてもなかなか割れず空き巣対策になります。
のちほど紹介する『合わせガラス』と呼ばれることもあります。

防犯ガラスのメリット

・空き巣の侵入を防ぐ
防犯ガラスは絶対に割れないわけではありませんが、侵入に5分以上時間がかかります。
約7割の空き巣は5分以内に侵入できないとわかれば諦めると言われています。

・CPマークがあればガラスとして信頼性が高い
CPマークとは、「防犯性能の高い建物部品の開発・普及に関する官民合同会議」で認定されている商品に付いているマークです。
CPマークが付いている基準は「5分以上の耐久性があるか」です。
防犯の試験をおこなってから採用されているため信頼性があります。

防犯ガラスのデメリット

・ガラスが割れにくく緊急時に避難しづらい
もしも火災や地震などが発生した場合、ガラスを割って避難しようとしても防犯ガラスではなかなか割れません。

防犯ガラスの設置をするのであれば、避難の際はどうするか想定しておいたほうがよいでしょう。

合わせガラス

窓ガラス 合せガラス

合わせガラスの構造は防犯ガラスと同じですが、すべての合わせガラスが防犯ガラスとなるわけではありません。
ガラスの間の中間膜の厚みが30ミル(長さの単位で30ミルは約0.76mm)以下だと防犯ガラスとして扱われません。
通常の合わせガラスは15ミルであることが多いです。

合わせガラスのメリット

・災害対策になる
台風や竜巻で強風が発生し、外から物が飛んできてもガラスを貫通しにくくなっています。
防犯ガラスで空き巣が諦める話と類似しており、中間膜で守られて突き破ることができないのです。

・デザイン性のよさもある
2枚のガラスの間に透明カラーフィルムを挟むことで、ガラスでのおしゃれを楽しめます。
透明色だけでなく、乳白色や和紙を挟むことも可能です。

合わせガラスのデメリット

・断熱性能が期待できない
複層ガラスとは違い、合わせガラスでの断熱性能は期待できません。
合わせガラスはガラスが密着しているため、2枚あれば断熱効果が出るわけではないため注意が必要です。

ただし、中間膜の種類によっては遮熱性能を取り入れることは可能です。

おしゃれを重視したい!デザインガラス

ガラスは性能で選ぶのも重要ですが、見た目で選ぶことも大事です。
そんな方にはデザイン性が優れているデザインガラスの設置を検討してみましょう。

代表的なガラス
  • アンティークガラス
  • 色ガラス

アンティークガラス

アンティークガラス

アンティークガラスは、海外から輸入されているガラスです。
オフィスなどの一般的な建物よりは、お店の内装や家具に使用されていることが多い印象です。
現代風ではなく、レトロな雰囲気を楽しむことができます。

アンティークガラスのメリット

・バリエーションが豊富
アンティークガラスはバリエーションが豊富にあります。
ガラスに気泡が入っていて揺らいで見えるものや、カラーも自由に選べます。
そのなかでも『ウォータードロップ』という、プライバシーも守れる製品もあります。

アンティークガラスのデメリット

・性能面では劣る
アンティークガラスはデザイン性は豊富であるものの、単体では性能を発揮できることは少ないです。
しかし、複層ガラスや合わせガラスのように2枚で設置することは可能のため、性能面も重視したい方は検討してみましょう。

色ガラス

色ガラス

色ガラスは日射吸収効果があり、『熱線吸収ガラス』とも呼ばれています。
色ガラスに使用されている原料が日射の吸収特性を持っていて、色は数種類から選べます。
家具やテーブルトップに使用されることが多く、窓ガラスにはあまり使用されていません。

色ガラスのメリット

・日射熱の吸収に優れている
色ガラスは日射熱の吸収に優れたコバルト、セレン、鉄などの素材を使用し、着色しています。
日射を30〜40%吸収し、冷房費の削減にもつながります。

色ガラスのデメリット

・熱線吸収率が高いと熱割れも発生しやすい
色ガラスは熱線吸収率が高いためにガラス自体に熱が集まります。
そのため、温度が上がりやすく温度差が生じると熱割れを起こしやすくなります。
ガラスは厚みがあるほど熱割れが発生しやすいため、厚みのあるガラスを選ぶときは注意しましょう。

ガラスを選ぶときのポイント

ここまでさまざまなガラスを紹介していきましたが、気になるガラスはあったでしょうか?
「種類が多すぎて選ぶのに時間がかかりそう……」という方のために、選ぶときのポイントをご紹介いたします。

機能性で決める

「せっかくガラスを交換するなら、性能が高いものや効果があるものを選びたい」という方は、機能性に優れている以下のガラスがおすすめです。

  • 複層ガラス:断熱性があり、結露防止や紫外線カットにつながる
  • Low-E複層ガラス:断熱と遮熱タイプの好きなほうを選べる、冷暖房費が削減できる
  • 真空ガラス:複層ガラスよりも断熱性能が非常に高い、防音効果もある

安全性で決める

ガラスを簡単に突き破られたり、割れてしまったときに怪我をするのは避けたいですよね。
そんなときは安全性を重視したガラスがおすすめです。

  • 網入りガラス:防火設備用として使用されているため災害に強い
  • 強化ガラス:割れづらく、割れたとしても破片が粉々になるので怪我をしない
  • 防犯ガラス:割れるのに時間がかかるため、空き巣の侵入を防ぎやすい
  • 合わせガラス:災害などが発生しても、飛散物がガラスを貫通しづらい

デザインで決める

「性能よりもまずは見た目を優先したい!」
そんな方には、デザイン性があって種類も豊富なガラスがおすすめです。

  • アンティークガラス:バリエーションが豊富で、レトロな雰囲気も楽しめる
  • 色ガラス:見た目だけではなく、熱線吸収率が高い素材をガラスに取り込んでいる

価格で決める

「性能がいいものを選びたいけど、価格がどうしても高くなってしまう……」
価格面で余裕がないときは、できるだけ安いものを購入したいですよね。

おすすめは比較的安く購入できるフロートガラスです。
また、本記事では触れていませんが、型板ガラス(チェッカーガラス含む)、すりガラスもフロートガラスと同等の価格で購入できます。

サイズ100mm×100mmのガラスの価格を以下にまとめました。

フロートガラス 型板ガラス すりガラス
2mm 1,149円 1,130円 1,260円
4mm 1,291円 1,243円 1,195円
6mm 1,845円 1,990円 1,786円

※すりガラスのみ「4mm→3mm」「6mm→5mm」の価格を記載
参考:オーダーガラス板.COM「フロートガラス(普通透明ガラス)」「型板ガラス(型ガラス)」「すりガラス(曇りガラス・磨りガラス)」(最終閲覧日:2022年11月24日)

まとめ

今回はガラスの種類についてご紹介しました。

今回紹介したガラスは一部となり、世の中にはまだまだたくさんのガラスが存在しています。
ガラスは普段の生活で欠かせない存在であり、交換を検討する際は慎重に考えなければなりません。
いくら本体が安いガラスでも、一度設置してから失敗してしまっては無駄になってしまいます。

大事なのは最終的に自分が何を重視するのか、優先順位を決めることです。
ガラスの種類を比較し、重視したい項目を考えてから、後悔のないように状況に適したガラスをお選びください。

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