ドアノブ交換はDIYとプロどちらがお得?防犯性を高めて安く交換しよう
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ドアノブはドアにとって重要な部品であるがゆえ、日々の使用によって劣化し、交換が必要になってきます。しかし交換にあたって気になってくるのが費用面です。
自分でよいものを購入して、DIYで交換できるなら、費用は当然、お値打ちにできますよね。
でも、プロに依頼したほうが結果として安く済む側面もあるのです。
何を隠そう、ドアノブの値段はメーカーや種類によって大きく変動します。
ですから、素人の方によるドアノブ交換で初めにぶつかる壁が“どのドアノブを選べばいいか”だといえるでしょう。
そこで今回は、DIYでドアノブを交換するためのポイントをご紹介していきます。
簡単なように見えて、実は奥が深い“ドアノブ交換の秘訣”に触れてみてください。
目次
ドアノブ交換の失敗を避ける方法
ドアノブ交換の費用を抑えるために気をつけなければならない1番のポイントは、“余分なものを購入しないこと”に尽きます。
“余分なものを購入しない“とは、単に「ドアノブ自体の値段を押さえる」ということではありません。
ドアノブ交換を失敗しないためには、「いかに間違いなく部品を揃えられるか」が重要だということです。
「そんなのあたりまえのこと、もったいつけていうな!」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、このようにお話しするのには理由があります。
実は、ドアノブ交換のプロへ寄せられる相談内容のなかには「部品はそろっているので交換作業だけ依頼したい」というものがあります。
DIYで交換しようとしたものの、うまくいかなかったケースです。
そして、交換作業をするとき「この部品は、使えないです……」と、業者から正しいパーツを提案される場合が少なくないのです。
ドアノブの種類はたくさんあるため、同メーカーでそろえてもわずかな品番の間違いで“使えない”となってしまいます。これはドアノブの性質上、少しの誤差が機能に影響してしまうからです。
また、ドアには右開き・左開きがあり、ドアノブもそれぞれに対応したタイプが販売されています。誤って購入してしまわないよう、向きにもお気を付けください。
このように“間違った部品を買ってしまう”事態を避けるためにも、少しでも不安があれば、プロのドアノブ交換業者へお電話いただければと思います。
部品が正確でも取り付けを異なると起こる現象
ドアノブの修理や交換をしたいなら、ドアの構造の基本を知っていなくてはいけません。
簡単に説明すると、ドアノブは大きく分けて【ノブ部分】【回転部分】それに【ラッチ部分】の3つに分かれます。
ドアノブの「ラッチ」とは、正式名称を「ラッチボルト」といい、ドアノブ脇に取り付けられている、先端が三角形のボルトのことです。ドアノブ脇からちょこんと飛び出していて、指で押したらスプリングの作用で跳ね返ってくる突起部分をいいます。
ノブを操作して回転部分を動かし、その動きをラッチ部分に伝えることではじめてドアを開けることができる仕組みです。
ラッチ部分を厳密に合わせなければ、ドアノブを操作しなくても開いてしまう、簡易自動ドアになってしまうのでご注意ください。(自動で開いても、閉じてくれないのがやっかいなところです)
また、ドアノブ部分とラッチ部分の距離がとても重要です。
ドアノブの中心からドア側面までの距離をバックセットと呼ぶのですが、この距離をしっかり確認して取り付けるようにします。
バックセットが適切でないと、ラッチが動いてくれません。
このようなラッチは、“飛び出したまま引っ込むことを知らない”ただの邪魔モノになるおそれがあります。
正確な採寸がドアノブ交換のカギ!
ドアノブの修理や交換をするときには、正確な採寸も費用を抑えるための大切なポイントといえるでしょう。
しかし、この採寸を正確におこなうのが慣れていないと意外と難しいようです。
素人の方のドアノブ交換における2つ目の壁といったところでしょうか。
この採寸はバックセットだけでなく、【ドアの厚さ】【ラッチのビスの間隔】【ラッチ部分】の縦横なども確認する必要があります。確認するポイントをみていきましょう。
確認するポイント
【1】ラッチフロントのサイズ(タテ×ヨコ)
ドアノブ脇を正面からみると「ラッチ」を固定している四角形のプレートがあります。
そのプレート部分が「ラッチフロント」です。プレートの縦と横が何センチなのか、定規で正確に測りましょう。一般的なドアの場合、ラッチフロントのサイズは縦5.5㎝・横2.5㎝程度のものが多いようです。
【2】ビスピッチ
ドアノブ脇の「ラッチフロント」を固定する「ビス」が上下に2つ並んでついています。
この「上のビス」と「下のビス」の間隔がビスピッチです。定規で正確に測りましょう。
【3】ドアの厚み
ドアを側面からみて何センチの厚みがあるか、定規で正確に測りましょう。
【4】バックセット
ドアノブの中心からドア端までの水平距離のこと。(51~60mm程度が一般的のようです)
【5】ドアノブの台座についているビスピッチ
新旧の台座についているビスピッチが、ほんの少し違うだけで、ビスの固定ができなくなる恐れがありますので、よく確認しましょう。
【6】ドアノブの品番
ドアノブのレバーを「握り玉」タイプから「レバーハンドル」に変更するのではなく、古くなった「レバーハンドル」を単純に新品へと交換したいという場合には、品番を確認して同じ「レバーハンドル」を購入しましょう。
以上を最初に確認しておくことで、作業がスムーズに進められます。
DIYと業者依頼はどちらがお得?
ドアノブの交換はDIYでもおこなえますが、プロによる交換をできれば頼っていただきたいところではあります。
この両者は、はたしてどちらのほうが「お得」といえるのでしょうか。
「DIYか、プロへの依頼か……」悩ましいところですね。
両者のメリットについて簡単にまとめてみます。
・人件費がかからないぶん、お値打ちになる(DIYの強みでしょう)
・選ぶ楽しみがある(インターネットなどを使えば選べるドアノブの種類は多種多様です)
・自分で選ぶため、ドアノブ自体の値段を抑えることもできる
・一度経験すれば、次のドアノブ交換や別のDIYに経験が役立つ
・確実に交換をしてもらえるため、買い間違いなど余分な費用がかからない
・変なところに傷がつかない
・交換が難しいドアノブにも対応できる
・調べたり、作業したりするのにかかる長い時間と労力をもっと大切なことに回せる
こうしてみると、それぞれに違ったメリットがあることがわかります。
DIYが今後の趣味になりそうにない場合は、とくに「時間を効率よく使う」という観点で、プロへ依頼することをおすすめしたいです。
せっかくの休みに買い間違いなどで余計に疲れてしまうのは、お辛いことでしょう。
プロへ依頼することもひとつの手段としてご検討いただければと思います。
ドアノブを交換する方法
ドアノブには丸形、レバー型、プッシュプル錠など様々な形がありますが、基本的に取り付け方・取り外し方の順番は同じになります。一般的なレバーハンドルを例に手順を解説していきます。
ドアノブを取り外す
まずは、ドアノブの取り外し方法をご紹介します。
・マイナスドライバー
・プラスドライバー
【1】内側と外側のドアノブを外す
ドアノブは内側と外側に同じ形状のものが取り付けられています。それぞれつながってはいませんので、まずは内側から取り外していきます。ドアノブはネジで固定されていますので、ネジを外すことで取り外すことができます。
【2】丸座を外す
ドアノブを外すと丸座がありますので、こちらもネジを外していきます。ただし、丸形のチューブラ錠とインテグラル錠はドアノブと丸座の部分がつながっているため、丸座を外す必要はありません。
【3】ラッチボルトを外す
最後にドアの側面にあるラッチボルトを外していきます。ネジを緩めることで取り外しは可能です。
ドアノブを取り付ける
次に取り付ける方法をご紹介します。
・マイナスドライバー
・プラスドライバー
【1】「新品のラッチ」を取り付ける
ドア側面から「新品のラッチ」を入れます。このとき、ラッチボルトの向きを間違えないように注意してください。これを逆に入れてしまうと、ドアが閉まらなくなります。
【2】付属のビスで上下を固定
ラッチフロントにプレートをあて、付属のビスで上下を固定します。
このとき、必ず付属のビスを使用するようにしてください。ラッチフロントに取り付けるビスは「皿ビス」といって、行面が平らなビスでなければなりません。
手元に在庫があるからと、誤って「ナベビス」(頭部分が楕円状に膨らんでいるビス)を取り付けてしまうと、ドアが閉まらなくなってしまいます。
【3】取り外すときと反対の手順で元に戻す
「新品のラッチ」を取り付けたら、あとは最初と逆の手順で「新品の座」と「新品のドアノブ」を取り付けたら、作業は完了です。
ドアノブ交換が完了したら最後にドアを開閉したりして「ドアノブ」が正常に作動するか確認しましょう。
ドアノブを交換する作業自体はそこまで難しくはないのですが、DIYにあまり慣れていない方は複雑で難しく感じるかもしれません。お困りの場合は業者に相談するとよいでしょう。
交換するときのポイントは「ドアノブ選び」
ドアノブ交換で難しいのは「どのドアノブを選べばいいか」です。
ドアノブは【ノブ部分】【回転部分】そして【ラッチ部分】に分かれます。
ドアノブ交換には2つの選択肢しかありません。
ですから、「ラッチ部分以外を替えるか」「すべてを交換するか」を決めましょう。
ラッチの交換は寸法確認が大切
ドアノブの交換費用を抑えようと思ったとき、ラッチ部分を“そのまま”にできたほうが購入費用が安く済みます。
つまり、ノブ部分と回転部分だけを交換するという方法です。
ラッチ部分はメーカーによって構造が微妙に異なるため、メーカーと品番を合わせる必要がありますので、ここがDIYでは気をつけたいところです。
また、ラッチ部分の取り付けの“ずれ”は、ドアの開閉に不具合を起こします。
ラッチ部分を新規に購入する場合は、とくに採寸がカギとなります。
寸法が間違っていれば、正しいパーツをそろえられないでしょう。
そして、もちろん、正しい位置に取り付けできなくては意味がありません。
交換前に、ラッチの寸法を正しく測定し、固定できる知識と技術が必要といえます。
複雑な構造の鍵付きドアノブは業者依頼がおすすめ
ドアノブ交換でもとくに難しいのは、鍵がついたドアノブであるといわれています。
トイレなど簡単な鍵のドアノブであれば難易度が下がりますが、玄関用の本格的な鍵となると防犯上の観点もあり、取り付け・交換には技術が必要になります。その分時間もかかるでしょう。
壊されないようにするためには、構造が複雑にならざるを得ないのです。
また鍵付きドアノブの場合、小さなミスが防犯性の低下につながりやすくなります。
こうしたドアノブの交換はプロに依頼したほうが無難といえるでしょう。
ドアノブ選びに役立つ種類と形について
では、ドアノブの種類と値段相場について、それぞれ確認してみましょう。
鍵の種類について
ドアノブには鍵がついているもの、ついていないものがあり、鍵付きにも種類があります。
・空錠
鍵がついていないタイプのドアノブです。鍵がついていない分構造はシンプルで、DIYでの交換に向いています。
・間仕切錠
鍵穴はありませんが、片側からつまみをひねって施錠と解錠ができるタイプのドアノブです。
・表示錠
間仕切錠と似ていますが、外側から施錠状態が確認できるタイプのドアノブです。使用者や在室の有無を知りたいトイレや会議室などに適しています。
・円筒錠
室内側のボタンを押すことでドアノブの動きを固定し、施錠をおこなうタイプです。
・チューブラ錠
ラッチを固定することで施錠するタイプで、室内ドアに適しています。
・箱錠
箱型のラッチ部分を持っており、鍵の機能を持つシリンダー部分とドアノブ部分が別々になっています。施工は困難ですが、防犯性に優れます。
・インテグラル錠
箱型のラッチですが、シリンダー部分がドアノブの内部に内蔵されています。防犯的に優れるため、広く用いられています。
形について
ドアノブの形についてもいくつかタイプがあるので、一度確認してみましょう。
・握り玉タイプ
従来から広く使われているドアノブです。そのため既存のドアノブとの交換がしやすくなっています。円筒型の「握り玉」と呼ばれる部分を回して開閉します。
・レバーハンドルタイプ
握力が必要な握り玉タイプよりも軽い力で動かせるため、小さな子どもやお年寄りのいる家庭に向いているドアノブです。レバーを上下に動かして開閉します。
・戸襖タイプ
片側がレバーハンドル、もう片側が和室に合ったふすま向きの和風把手(はしゅ)となっているタイプです。
ドアノブの値段と交換費用の相場
ドアノブの値段は先に紹介した鍵の種類やノブの形によって大きく変わります。
鍵なしの場合は構造が単純になるため、握り玉タイプでラッチを含まなければ1,000円台で購入できることもあるようです。
シンプルなタイプならラッチ部分もついて2,000円前後から販売されています。
レバータイプはそれより若干高めになっており、2,000円~4,000円前後は見積っておいたほうがよさそうです。
また機能性の高いもの、装飾などデザイン性になったものはその分、値段も高くなりがちです。
表示錠で3,000円前後(握り玉タイプの場合。レバーだと7,000円前後)から販売されているようですが、デザイナーが手掛けたドアノブの場合は万単位になることも少なくありません。
ドアノブ交換 | |
項目 | 料金 |
ドアノブ修理 | 7,000~10,000円 |
玄関ドアノブ修理 | 10,000~40,000円 |
室内ドアノブ修理 | 7,000~20,000円 |
室内鍵付きドアノブ修理 | 10,000~40,000円 |
まとめ
ドアノブの交換はドアノブ自体の値段だけでなく、前のドアノブの仕組みなどにも左右されます。
そのため単純に安いからという理由で選んでしまってはドアノブが合わず、結果として買い直す必要に迫られることも少なくないでしょう。
ドアノブについて経験と知識を持つのが、プロです。
費用面についてのご相談も、まずはお話しください。
弊社であれば状況に合わせて、最適なドアノブの交換方法を実施できる業者をご紹介します。
必要に応じてプロに任せ、効果的な費用の節約方法について振り返ってみませんか。
(この記事は2020年6月5日に加筆・修正しています)
※対応エリアや加盟店によって変わります