シロアリ駆除方法にはどんなものがあるの?プロの技術をご紹介
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人が普段目にすることがないような場所で活動していることから、その存在の発見が遅れがちになってしまうシロアリ。被害が目視出来るような段階になっている頃にはかなり進行していることが多く、早急に駆除をする必要があります。
確実にシロアリ駆除を行うためには、市販製品を使い自分で駆除するよりも業者に依頼する方が安心ですが、実際に業者がどのような施工をしてくれるのかをご存じないために、依頼をためらってしまう方も多いと思います。
ここでは、安心してシロアリ駆除業者に依頼をしていただくために、業者が実際に行っている駆除方法についてご説明いたします。
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まずは現場の確認から
シロアリが発生しそうな場所で一般的にすぐに思いつくのは床下です。浴室などの水回りや木材の柱や扉が土壌から近くシロアリがたどりつきやすい玄関も多いと言われています。シロアリの生息条件であるエサとなる木材が豊富で湿気が多い場所であれば至るところで発生し、営巣します。また駆除したとしても、僅かでも見逃しがあれば被害が再発してしまう危険性が十分に残ってしまいます。そのため、住宅内の隅々まで調査を実施します。
主な点検場所
・床下および床面付近
・天井裏、屋根裏
・浴室、台所、トイレなどの床上にある水回り付近
・玄関周り
・住宅の外周
調査方法
調査時に行う作業は主に3つのあります。
1.目視・・・目に見える範囲にシロアリがいないか、侵入跡である蟻道がないか、シロアリにとって快適な環境になっていないかをチェックします。また、水漏れの有無、カビや腐朽菌なども点検します。
2.打診・・・ハンマー等で木材を叩いて空洞音が聞こえないかを確認します。
3.触診・・・被害箇所に ドライバーで小さな穴を空けて、食害の痕からシロアリの種類を見極めます。
種類によって駆除方法が変わります
日本国内で生息が確認されているシロアリの種類は約17種類といわれていますが、住宅など建物に直接的な被害を与えるのは「ヤマトシロアリ」「イエシロアリ」「アメリカカンザイシロアリ」の3種類です。
シロアリの駆除方法は、薬剤をいかにしてシロアリがいるところまで確実に届けるのか、ということが基本になります。しかしながら、それぞれで習性が異なるため、薬剤を散布する場所やシロアリに効く薬剤の種類などは、当然変えていく必要があるのです。
そのあたりの知識や技術などが豊富にあるシロアリ駆除の業者であれば、効果的にそして効率良く駆除を行うことができるでしょう。
※3つめの「アメリカカンザイシロアリ」に関しては業者でも駆除が非常に難しく、対応していないことも多いでしょう。それでも、業者によっては完全駆除はできないまでも、最大限状況が改善するようできる限り善処してくれるところもあります。状況を放置するよりも、まずは業者に相談して対策について一緒に考えてみることが大切です。
業者が一般的に行う駆除方法
業者が行うシロアリ駆除の方法には、薬剤を使用する、従来から行われている方法と、ペットや小さなお子さんがいるご家庭のために安全性を考慮して、シロアリの習性を利用し、薬剤を広く散布せずに行う方法と 大きく2種類に分けられます。
薬剤工法(薬剤を使用した方法)
薬剤を床下などの被害箇所やシロアリの巣に直接散布する方法。バリア工法、薬剤散布法とも呼ばれます。地中深くにはシロアリが残ることがありますが、即効性は十分に期待できます。既に被害が拡大しているときには非常に有効な手段になります。ベイト工法に比べ、費用が抑えられるというメリットもあります。目的やシロアリの種類などによって、薬剤の種類が使い分けられます。
1.床下への侵入口の確保
床下収納庫や点検口がある場合はそこから侵入しますが、無い場合は床板をカットするなどして新たに侵入口を作成する場合があります。このときに室内をしっかり養生します。
2.床下の木材および土壌へ薬剤を散布
被害箇所である木材などに穴を開け、そこから薬剤を注入します。シロアリの種類によって異なる生態を考慮しつつ、ポイントを的確に狙って散布を行います。その後、木部処理・土壌処理と呼ばれる、木部と土壌全体に薬剤を噴きつける作業を行います。
3.水回りなど床下以外の場所への薬剤処理
床下からの処理が困難である玄関や浴室などの被害箇所については、壁などに穴を開けて薬剤を注入し、処理します。薬剤注入後、開けた穴の補修を行います。
ベイト工法(薬剤を散布しない方法)
エサを巣に持ち帰るというシロアリの習性を利用し、ベイト剤(シロアリの脱皮を阻害する殺虫成分を含んだ毒エサ)を設置することでシロアリを全滅させ、巣まで駆除する方法です。薬剤工法とは異なり、完全な駆除の効果が見られるまでには早くても数ヶ月ほどかかってしまうというデメリットがありますが、家に穴を開けることなく施工が可能ですし、ニオイも無く、安全性にも優れているというメリットがあります。
1.ステーションの設置
住宅周辺にベイト剤を含ませたエサ木入りのステーションを埋め込みます。予防と駆除の両方を兼ねており、大きな被害が既に確認されている場合には、その箇所に直接ベイト剤を設置する場合もあります。
2.点検(モニタリング)
業者によって頻度は異なりますが、平均して数ヶ月に1回ほどシロアリの有無などについてステーションとベイト剤の点検を行います。
3.駆除(ベイティング)
点検でステーション内でのシロアリの活動が確認された場合に、ベイト剤入りのシロアリが好むエサをステーション内に入れます。このベイト剤を巣に持ち帰ることでシロアリ全体に行き渡ることになり、やがて全滅します。シロアリそのものだけでなく、巣の根絶も可能になります。
まとめ
シロアリ発生のサインは、住宅の木材が食害に遭っていたというような分かりやすいものだけではなく、「雨漏りが起こるようになった」「水回りの床にブカブカしているような場所がある」など、建物の不具合に表れることがあります。また、「羽アリを室内で見かけたけれどクロアリなのかシロアリなのか見分けがつかない」ということもあるでしょう。
そのような場合は、決して自分自身で判断しようとはせず、些細なことであってもシロアリ駆除のプロである専門業者に相談するようにしましょう。専門業者であれば、ここでご紹介したように被害の状況やシロアリの種類に合わせて、最適な方法で駆除することが可能です。
シロアリによる被害は家屋へ甚大な影響を与えてしまいます。シロアリについて少しでもご相談したいことがある方は、当サイト「生活110番」の「シロアリ駆除」からご自身に合った業者をお探しください。
シロアリ駆除を依頼できる業者や料金
依頼できる業者や料金について、詳しくは「生活110番」の「シロアリ駆除」をご覧ください。
※対応エリアや加盟店によって変わります