クロアリと思ったらシロアリだった!?それぞれの対策法を知るべき理由
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アリは地面を探せば簡単にみつけられますが、外でよくみられるクロアリのほかにもシロアリと呼ばれる虫もいます。同じくアリと名付けられていますが、実は違う部分もたくさんあるようです。
今回は、「クロアリとシロアリはなぜ区別して呼ばれるのか」や「それぞれの駆除方法」についてご紹介していきたいと思います。シロアリやクロアリによる被害を少しでも減らすためには、それぞれに適した早急な対処をしていきましょう。
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目次
シロアリとクロアリの違い|なぜ「クロアリ」と区別して呼ぶの?
シロアリとクロアリの名前を聞いただけでは、どちらも同じアリだと思っている方も多いことでしょう。しかし実際には、大きく異なる部分がいくつもあります。まずは、それぞれの違いについて確認していきましょう。
シロアリとクロアリは違う種類
まず、クロアリとシロアリは分類の上で違いがあります。クロアリはハチの仲間に分類されており、蛹を経て成虫になる完全変体をする昆虫です。一方、シロアリはゴキブリの仲間に分類されるため蛹にならず、幼虫と成虫の見た目がほとんど変わらない不完全変体の昆虫です。
繁殖にも違いがあります。クロアリはほとんどの場合、交尾をするとオスは死んでしまいます。交尾をした女王アリは一生分の精子をため込むことができるため、そのあとは交尾をせずに産卵を続けていくようです。
また通常時は無精卵を産むことで働きアリであるメスを増やし、繁殖期が近づくと有精卵を産んでオスを増やすという特徴もあります。
反対にシロアリの場合は、オスとメスのペアが何度も交尾と産卵を繰り返すようです。さらにクロアリのような産み分けをしないため、オスとメスがだいたい同数になるようです。
食性についても違いがあります。クロアリは肉食性で攻撃性が比較的強く、シロアリを食べることもあるようです。シロアリは枯れ木などの植物をエサとしているため、攻撃性は弱いといえるでしょう。
色では見分けられない!
名前の通り、色で見分けられるのかというと、必ずしもそうではありません。羽アリはどちらも黒っぽい色をしているのです。大量発生した羽アリがシロアリの場合は、家の柱などの材木を食い荒らす可能性があるため、早急に対処しなくてはなりません。
では羽アリがクロアリかシロアリかどうかは、どのように見分ければよいのでしょうか。次は、羽アリの見分け方をご紹介します。
【羽の大きさ】
シロアリは4枚の羽がすべてほぼ同じ大きさです。クロアリは前羽が大きく、後羽が小さいです。
【取れやすさ】
シロアリの羽は取れやすくなっています。クロアリの羽は引っ張らないと取れないほど丈夫です。
【触覚の形】
シロアリの触角はまっすぐに伸びているのに対し、クロアリの触角は「くの字」に折れ曲がっています。また、シロアリの触覚は数珠状になっていることも特徴です。
【体型】
シロアリは腹部にくびれがなく、全体的に太い印象です。反対にクロアリの腹部は細くくびれています。
クロアリとシロアリには共通点も!
いくつもの異なる部分のあるシロアリとクロアリですが、じつは共通している点もあります。この共通点があるからこそ、シロアリとクロアリの判別が難しくなってしまうのです。それぞれを正しく判別するためにも、共通点についても知っておきましょう。
真社会性昆虫
どちらも生活を維持していくために、役割を分担して社会を構成する真社会性をもった昆虫です。真社会性のある昆虫は、複数の虫が集まり子育てをしたり、生殖をするものとしないものがわかれているといった特徴があります。また、子の世代が親世代と同等の労働ができるようになるまで共存することも特徴の一つです。
繁殖の際には羽アリに
通常時は羽のない働きアリが大半を占めていますが、繁殖をおこなうときにはどちらも羽アリとなった個体が生まれてきます。
シロアリとクロアリ両方の対策法を知っておくべき理由
先ほども少し触れましたが、シロアリとクロアリはどちらも、羽アリとなって繁殖活動をおこないます。羽アリの知識があって、よく観察することができれば、シロアリ・クロアリどちらの羽アリなのかを見分けることもできるでしょう。
しかし、素人目でどちらの羽アリなのかを判別することは難しく、「クロアリだと思ったらシロアリだった」なんてケースも多いようです。もし発生している羽アリがシロアリだった場合、建物に深刻な被害を出しているおそれもあります。
木材や紙類などさまざまなものを食害するシロアリは、建物の強度を弱らせるだけでなく、倒壊につながる危険性すらあるのです。
また、クロアリに関しても油断はできません。木材などを食害することはありませんが、キッチン周りの食べ物に被害を受けることがあります。ほかにも、基礎などの木材に穴を空けて、巣を作ってしまうこともあるようなのです。
これらの理由から、シロアリとクロアリ両方の知識を得ておく必要があり、適切な対策法で対処していく必要があります。シロアリとクロアリの間違った駆除・対策は、巣を拡大させてしまうおそれもあるようです。被害を最小限にするためにも、まずは種類をしっかりと見極め、それぞれに適した対策を施していきましょう。
クロアリがもたらす被害って?
クロアリとシロアリの違いについてはわかっていただけたかと思います。ここからは実際にクロアリが発生した場合、どのような被害をもたらすのかをみていきましょう。
クロアリはエサを求めて家の中に侵入してきます。最初に侵入するアリの数は少なく、目に見えないような隙間を通り抜けてくることがあるため、気づかないかもしれません。
しかしそのまま気づかずにアリを放置してしまうと、家の中でエサを見つけたアリがフェロモンで仲間を呼び寄せてしまいます。その結果、大量のアリが家の中に侵入することになってしまうかもしれません。
またクロアリはハチの仲間なので、種類によっては針を持っていて人間を刺すことがあります。中には毒性の強い種類もいるので、刺されると赤く腫れることもあるようです。
アリは家の中の老朽化した木材部分に巣をつくることがあります。クロアリが大量発生しやすいときには、浴室や台所の床下などに巣があるのかもしれません。クロアリはシロアリとは違い木材を食べることはありませんが、巣を作るときに木材の傷みが広がってしまうことがあるのでしっかり対策しましょう。
クロアリはどのように駆除するの?
いくらクロアリが家の柱を食べないといっても、家の中にアリがいるのは気持ちがいいものではありません。クロアリを発見したら、しっかり駆除をしましょう。それでは、クロアリ駆除の流れを紹介していきます。
①蟻の侵入口を見つける
はじめにアリがどこから侵入してくるのかを特定しましょう。見つからない場合は、アリが集まっている場所から辿っていくと発見しやすいでしょう。
②侵入した蟻を駆除する
ウェットティッシュや雑巾、粘着テープなどでアリをふき取りましょう。掃除機をかけると早そうですが、吸い込んだあとに掃除機から出てきてしまうことがあります。アリをふき取ったあとは、床用洗剤で通り道だった場所を掃除して、フェロモンを消しましょう。
③巣を駆除する
侵入したアリを駆除しても、巣が残っている限り再び侵入してくるかもしれません。巣ごと駆除して、根絶を目指しましょう。巣の上から殺虫剤をかけたり、巣の周辺に毒エサを置くことで駆除することができます。
巣を見つけられない場合は、アリの行列が見られる場所に毒エサを置いて巣に持ち帰ってもらいましょう。
④侵入されないようにする
家の中のアリを駆除し終わったら、侵入経路を粉上の殺虫剤などを使ってふさいでおくとよいでしょう。侵入経路がわからないときは、窓枠の角などに1cmほどの高さになるように殺虫剤をかけることで、侵入経路を減らすことができます。
クロアリだと思ったらシロアリだった!?シロアリの被害について
クロアリとは食性も生活環境も異なるシロアリは、発生したときの被害にも違いがあります。クロアリが木材を食べることはありませんが、シロアリは木材だけでなくコンクリートまでも食べてしまいます。
そのため、シロアリが巣を作り大量発生してしまうと、木材の使われている床下や壁の中などが食害されてしまい、建物の強度が下がってしまうのです。被害が深刻になると地震などによって建物が倒壊する危険性まであります。
また、シロアリは数が多くなり巣に収まり切らなくなると、羽アリとなって集団で引っ越しをおこないます。結果、別の場所にまで巣を作られてしまい、被害の拡大につながることもあるのです。
シロアリとクロアリは、営巣する環境に大きな違いはありません。しかし、被害の出る場所に違いがあるため、そういった部分も判別するためのポイントになります。「床が不自然に凹む」「壁の一部分だけ空洞音がする」などといった現象は、シロアリが発生しているサインです。被害を最小限に抑えるためにも、少しでも早く対処したほうがよいでしょう。
シロアリ駆除の知識や経験がある方なら、自分で確認して対処することも可能です。ただ、プロでも大変な作業になるため、自分での対処はあまりおすすめできません。
より万全を考えるのであれば、まずは業者に相談するのが安心です。見積もりや調査だけであれば、無料でおこなってくれる業者もいます。業者に確認だけをしてもらい、被害状況からどう対処していくのかを判断するのもよいでしょう。
シロアリはどのように駆除するの?
シロアリが発生していても初期段階で被害が少ないような場合は、自分で駆除することも可能です。そこでこの項目では、3つのシロアリ駆除方法をご紹介していきます。シロアリ被害は気づきにくいため、被害を減らすためには適切な駆除方法を知っておくことも大切です。
①蟻道を見つけて掃除機で処理する
もしシロアリの羽アリを見つけた場合には、殺虫剤ではなく掃除機を使って駆除しましょう。クロアリにもいえることですが、殺虫剤を使うと警戒して逃げてしまったり、床に張り付いて掃除が大変になったりします。
また、軽い羽アリに向かって殺虫剤をかけると、噴射の勢いで飛散してしまうこともあるようです。もしシロアリの羽アリが飛散してしまうと、別の場所に新たな巣を作られてしまうおそれもあります。そのため羽アリ駆除には、殺虫剤よりも掃除機の使用が向いているのです。
②天敵であるクロアリに退治してもらう
あまりおすすめできる方法ではありませんが、クロアリを使ってシロアリを退治することも可能です。クロアリはシロアリを食べてしまうこともあり、シロアリにとっては天敵とされています。
そのため、シロアリの発生している場所にクロアリを送り込むことで、個体数を減らし退治できるということです。ただ、シロアリが大量発生している場合には、それだけのクロアリも必要になります。
それだけでなくクロアリがシロアリを食べるまで待たなければいけません。このような手間を考えると、自分で駆除するか業者に依頼するかしたほうがよいでしょう。
シロアリ駆除の専門業者に依頼する
素人では、シロアリとクロアリの判別だけでも難しく、羽アリであればより一層判別が難しくなります。もし間違った判別をしてしまうと効果的な駆除ができず、被害の拡大にもつながりかねません。そのため、シロアリやクロアリの発生が疑わしい場合には、シロアリ駆除の専門業者に依頼するのが安心です。
シロアリとクロアリの駆除は専門業者に任せましょう
シロアリとクロアリを確実に駆除するためには、正しく判別し、それぞれに適した駆除方法が必要です。間違った対処をおこなえば、駆除しきれず被害の拡大につながってしまいます。
また、シロアリ駆除のあとには、再発を防止するための予防が欠かせません。この予防をするためには、シロアリの巣や侵入口となる場所を特定する必要があります。このような作業も素人の方では難しいため、駆除だけなく効果的な予防をするためにも、シロアリ駆除は専門業者に任せるべきなのです。
生活110番には、シロアリ駆除を専門にしている業者の加盟店が全国にあります。「早く来て欲しい」「見積りが欲しい」「現地調査を依頼したい」など、要望にあった業者のご紹介をさせていただきます。
24時間365日【無料】で受け付け対応していますので、シロアリでお困りの際には、いつでもご相談ください。もちろん見積もり・現地調査が無料の業者をご紹介させていただきます。
シロアリの見分けから相談できるおすすめシロアリ駆除業者
それでは最後に、生活110番に加盟している業者のなかから、シロアリの見分けから相談できる、おすすめの業者を3社ご紹介していきます。業者選びにお困りの方は、ぜひ参考にしてみてください。
ここでご紹介する業者の対応エリア外にお住まいの場合は、お電話にてお近くの業者をご紹介させていただきます。生活110番には、全国に加盟店がありますので、ご安心ください。
中日白蟻化学研究所
中京白蟻化学研究所は、昭和54年創業で40年の歴史があり、豊富な実績と経験があるシロアリ駆除業者です。さまざまな建物に発生したシロアリに対応することが可能で、住宅以外に公益建物や学校、重要文化財など幅広くなっています。
また、料金や保証に関しても「見積もり後追加料金なし」「5年間完全保証付き」と、費用が心配な方にも安心のサービス内容です。ほかにも、「女性対応可能」「スピーディーな対応」など、はじめての方でも利用しやすい業者のひとつになります。
中京白蟻化学研究所 | |
対応エリア |
愛知県 ※愛知県近郊の方は要相談 |
目安料金 (※2020年2月時点) |
~1,200円/㎡ ※詳細な料金は要見積り |
※掲載料金は消費税を含んでおりません。
「中京白蟻化学研究所」について詳しく確認したい方は、こちらをご覧ください。
NPC総合害虫駆除
NPC総合害虫駆除は、24時間365日対応している業者で、シロアリに困ったときいつでも相談することができます。仕事などで昼間の時間帯が忙しい方にとっては、安心して依頼しやすい業者です。
また、「社名なしでのお伺い」といった要望にも応えてくれるため、レストランや食品製造業の方にもおすすめできるシロアリ駆除業者となります。「見積りご追加料金なし」「キャンセル料なし」など、費用に関する部分も良心的です。
NPC総合害虫駆除 | |
対応エリア |
関東(東京都・神奈川県横浜市) ※関東近郊の方は要相談 |
目安料金 | 直接お問い合わせください。 |
※掲載料金は消費税を含んでおりません。
「NPC総合害虫駆除」について詳しく確認したい方は、こちらをご覧ください。
株式会社中央白蟻研究所
株式会社中央白蟻研究所は、24時間年中無休で対応しており、いつでも相談することのできる業者です。最短で即日での対応も可能となっています。もちろん現地調査は無料となっているので、余分な費用の心配もなく安心して相談することができます。
また、点検・調査・駆除の際には、「白蟻防除施工士」の資格を持ったスタッフが対応してくれます。駆除に使用する薬剤に関しても、家屋や健康に十分な配慮をしてくれるため、安心してシロアリ駆除を任せることのできる業者です。
株式会社中央白蟻研究所 | |
対応エリア |
山形県 ※山形県近郊の方は要確認 |
目安料金 (※2020年2月時点) |
2,000~3,000円/㎡ ※詳細な料金は要見積り |
※掲載料金は消費税を含んでおりません。
「株式会社中央白蟻研究所」について詳しく確認したい方は、こちらをご覧ください。
まとめ
アリは比較的よく見かける虫ですが、知らないことも多いです。クロアリとシロアリは同じアリと呼ばれていますが、分類の上では異なる生き物です。どちらも黒っぽい色をしているため、色だけで見分けることは難しいかもしれません。そのような場合は、羽の形や体型などから見分けましょう。
シロアリが発生していると、柱などの木材を食い荒らして家を傷めてしまします。クロアリは直接家を傷めることは少ないですが、シロアリを捕食するためにクロアリが入り込むこともあるので、クロアリを見かけたらシロアリが巣を作っていることを疑ったほうがいいかもしれません。
またクロアリはハチの仲間であり、種類によっては人間を刺すこともあるので、発見した場合は駆除することをおすすめします。巣ごとの駆除が再発防止には必至ですが、うまく見つけられないときはシロアリ駆除の業者にお願いするとよいでしょう。経験に裏打ちされた技術で、的確な駆除をおこなってくれます。
(この記事は2020年02月26日に加筆・修正しています)
※対応エリアや加盟店によって変わります