シロアリ駆除費用は経費計上することが、税法上認められています。経費計上を認めないと駆除費用を全額支払うことになり、シロアリ被害にあった人に大きな負担となるからです。
このコラムでは、シロアリ駆除を経費計上するための方法や、経費計上する際に注意すべき点をご紹介しています。そのほか、シロアリ駆除にかかる費用の相場や、保険・補助金の適用についてもご紹介していますので、あわせてご覧ください。
まずはシロアリ駆除をする場合、かかった費用を経費として計上できるのかどうかについて確認していきましょう
目次
シロアリ駆除は経費として計上できるのか?保険や補助金の適用は?
シロアリ駆除費用が経費として計上できれば、納める税金を安くおさえることができるでしょう。さらに火災保険や自治体の補助金が適用されれば、家計の負担も少しは軽くなるのではないでしょうか。
ここでは、シロアリ駆除にかかった費用が経費計上できるかどうか、火災保険や自治体の補助金を適用できるかどうかについて解説していきます。ぜひ参考にしてみてください。
シロアリ駆除は経費として扱える
シロアリの被害にあった家は、地震などの災害が起きた場合、倒壊する可能性が高いです。倒壊を防ぐためにも、シロアリを駆除したり、被害を受けた家は修繕したりすることが必要です。
しかし、シロアリ駆除にかかる費用や家の修繕にかかる費用は高額です。そのため、すべて個人で支払うことは家計にとって大きな負担になります。大きな負担になるからといって、駆除や修繕をしないと倒壊するリスクが高まるといえるでしょう。
このようなリスクを小さくするためにシロアリ駆除にかかった費用は雑損控除として計上することができるのです。雑損控除とは、災害・盗難・横領が原因で、資産に損害を受けた場合などに、その損失額を所得から控除できる制度です。
火災保険は基本的に適用されない
火災保険は、災害を補償する保険ですが、シロアリによる被害は対象外となっています。そのため、シロアリ駆除にかかった費用は基本的に保険が適用されません。
しかし例外もあり、場合によってはシロアリ駆除にかかった費用が、火災保険の対象になることがあります。たとえば、「台風による雨漏りで木材が腐食して、シロアリが住み始めた」といった場合には、火災保険が適用されることがあるのです。
ただし、保険会社ごとに火災保険の契約内容が異なります。そのため、火災保険が適用されるかどうかを事前に保険会社に確認するとよいでしょう。
補助金は地域によって異なる
自宅のシロアリを駆除するのであれば、補助金がでるかどうかをお住まいの自治体に確認してみましょう。補助金を支給しているのは一部の自治体だけのようです。シロアリだけでなくスズメバチなど、害虫全般の駆除に対して補助金を設定しています。
また補助金の支給を受けるには、工事した日から90日以内に申請が必要などの条件が自治体ごとに決まっています。さらに、補助金は上限があり、基本的に約1万円のところが多いようです。
シロアリ駆除を業者に依頼すると1坪当たり約1万円かかり、その費用は決して安くはありません。もし自治体から補助金を支給してもらえるのであれば、その制度を活用したほうがよいでしょう。そうすればシロアリ駆除の経済的な負担も少しは軽くすむでしょう。
シロアリ駆除にかかる費用の相場
シロアリ駆除をするには、「業者に依頼する」「DIYでおこなう」というふたつある方法のうちのいずれかになります。ここでは、業者に依頼した場合の費用相場と、DIYでおこなう場合の費用相場をご紹介します。では、順にみていきましょう。
業者に依頼した場合
シロアリ駆除には、さまざまな業者がいます。一般財団法人経済調査会の統計によると、業者ごとの1平方メートル当たりの費用相場は、以下のようになります。
・大手上場企業:約3,000円~
・農協系:約3,000円~
・地域に密着している中規模業者:約1,600円~約2,700円
・ホームセンター:約1,200円~
・インターネットで集客している業者:約1,200円~
・個人経営:約1,000円~
大手上場企業や農協系の業者の費用相場が、ホームセンターや個人経営などの業者よりも高いのは、宣伝費や人件費が高いからです。さらに農協系の業者は紹介手数料を農協に支払うため、そのぶんだけ費用相場も高くなっています。
また、地域に密着している中規模業者は現場の状況に応じて見積りをするため、費用相場に幅があります。
DIYの場合
自分でシロアリ駆除をおこなう場合は、駆除に必要なアイテムをそろえる必要があります。そのアイテムを購入するためにかかる費用を挙げると、次のようになります。
・駆除するための薬剤:約3,000円~約1万円
・防護服:約1,000円~
・ヘッドライト:約3,000円~約8,000円
・マスク:約1,000円~約4,000円
・ゴーグル:約500円~約2,000円
・手袋:約1,000円~約3,000円
インターネット通販では、シロアリ駆除の防護服やマスクなどがセットで販売されています。個々で購入するよりも費用が安く済む場合もありますので、比較・検討してから購入するのもよいでしょう。
シロアリ駆除の経費計上の方法
先ほど説明しましたように、シロアリ駆除にかかった費用は税務上、雑損控除の対象となります。そのため、経費計上することができます。
ここでは、雑損控除の計算方法と雑損控除を受けるための手続き方法について解説していきます。ぜひ、シロアリ駆除費用を経費計上するときの参考にしてみてください。
雑損控除の計算方法
雑損控除できる金額を計算する方法には、以下のようにふたつあります。
・(差引損失額)-(総所得金額等)×10%
・(差引損失額のうち災害関連支出の金額)-5万円
このふたつの計算式で算出した金額のうち、いずれか多いほうが雑損控除として控除できる金額になります。
また差引損失額は、次の計算式で算出します。
差引損失額=損害金額+災害関連支出の金額-保険金などにより補てんされる金額
シロアリ駆除にかかった費用は、この計算式の損害金額に当てはめることができます。シロアリ被害を受けた家などの修繕費は、災害関連支出の金額になります。したがって、シロアリ駆除の差引損失額は、次のように計算します。
差引損失額=駆除費用+修繕費-保険金などにより補てんされる金額
雑損控除を受けるための手続き方法
雑損控除を受けたいのであれば、確定申告で必要な書類を税務署に提出することが必要です。具体的には、下記に示す方法で手続きをします。
まず、確定申告で提出する書類にシロアリ駆除にかかった費用、シロアリ被害を受けた家の修繕費など雑損控除に関する事項を記載しましょう。次に、それらの駆除費用や修繕費などの領収書を提出する書類に添付してください。なぜなら、領収書を添付していないと、雑損控除を受けることができないからです。
また、会社員などは給与所得がありますので、勤務先から源泉徴収票の原本をもらって、雑損控除の領収書といっしょに添付することが必要になります。
シロアリ駆除の費用を経費計上する際に注意すべきこと
シロアリ駆除の費用は、場合によっては雑損控除できないこともあります。また、個人の場合と法人の場合とでは、経費計上の仕方が少し異なります。
シロアリ駆除の費用をスムーズに経費計上するためにも、おもに以下の4つの点に注意するとよいでしょう。
事業用資産や別荘は経費の対象外
雑損控除の対象になるのは、生活に必要となる資産に限定されています。生活に必要となる資産とは、家具や衣服・通勤用の自動車など、おもに日常でよく使われている資産のことです。
そのため、普段から寝たり、ご飯を食べたりしている家がシロアリ被害にあったのであれば、駆除費用や修繕費などを雑損控除として計上することができます。
しかし、仕事のときだけ使用するビルなど、事業をするために使用している事業用資産や、休暇などのときだけ利用する別荘がシロアリ被害にあっても、雑損控除できません。
したがって、事業用資産や別荘がシロアリ被害にあった場合は、駆除費用や修繕費をすべて自己負担することになりますので、注意しましょう。
シロアリ予防の施工は経費の対象外
シロアリを家に侵入させないために、床下の土壌や家の木部などに薬剤を散布するといった施工をします。このような施工にかかった費用は、雑損控除することができません。
雑損控除することができるのは、実際にシロアリの駆除や家の修繕にかかった費用だけです。将来発生するかどうかわからない、シロアリ被害を予防するためにかかった費用は、雑草控除の対象とはなっていません。
したがって、シロアリ駆除したあと予防の処置をしてもらう場合は、駆除にかかった費用と予防にかかった費用がわかるよう、駆除業者に明細をだしてもらいましょう。
申告時には領収書が必要
先ほども少しふれましたが、シロアリ駆除にかかった費用やシロアリ被害を受けた家の修繕費などを雑損控除するためには、確定申告書を税務署に提出しなければなりません。
その際、確定申告書には駆除の費用や修繕費の領収書を添付する必要があります。そのため、業者に依頼して、シロアリを駆除してもらったり、家を修繕したりする場合は、業者から領収書を発行してもらうことを忘れないようにしてください。
自分でシロアリを駆除する場合は、駆除に必要なアイテムを購入するために支払った金額が記載されている領収書を業者に必ず発行してもらいましょう。発行してもらった領収書はなくさないように、申告するときまできちんと保管するようにしましょう。
法人の場合は資産維持費として計上
シロアリ駆除にかかった費用の経費処理の方法は、法人の場合と個人の場合とでは異なります。個人の場合は雑損控除として経費計上しましたが、法人の場合は資産維持費として経費計上するのです。
ただ、勘定科目が資産維持費と決まっているわけではなく、衛生費や修繕維持費などでも大丈夫です。もし、シロアリだけでなくゴキブリなど、定期的に害虫駆除をおこなっているのであれば、害虫駆除費といった専用の勘定科目を作ると経費処理が楽になるかもしれません。
もし、心配であれば税理士などに相談してみるとよいでしょう。シロアリ駆除に関して、さらに経費計上できる費用があるかもしれません。
まとめ
住宅が被害にあってからシロアリ駆除を依頼した場合には雑損控除が受けられます。そのため、自分で駆除をした、もしくはプロの業者に依頼して駆除をしてもらったのであれば、シロアリ駆除費用を経費計上し、忘れずに確定申告をおこなうようにしましょう。
ただ、シロアリの駆除を自分でおこなうと、駆除しきれなかった場合、被害が拡大するおそれがあります。したがって、シロアリ駆除はプロの業者に依頼することをおすすめします。
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