シロアリについて徹底解説!生態や駆除方法を知って被害を抑えよう
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シロアリは、私たちが住む家を食べてしまう害虫です。みなさんも、自分が住む家がシロアリ被害に遭っていないか心配になったことはありませんか?
シロアリは、私たちが気づかないうちに家を食い荒らしています。見えないからと油断をしていると、思いもよらぬ深刻な事態になっているかもしれません。
ここでは、知っておきたい習性や危険性など、シロアリについて詳しく説明していきます。少しでもシロアリの被害が心配な人は、業者を呼んで調査してもらいましょう。
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シロアリは私たちの家を食べる!
シロアリは、昆虫綱ゴキブリ目シロアリ科に属する昆虫です。名前からアリの仲間と思われがちですが、実はゴキブリの仲間なのです。
シロアリは主に、木に含まれる「セルロース」という成分を栄養とします。自然界では、倒木に含まれるセルロースを土にかえすという大事な役目を担っています。しかし、シロアリは倒木だけでなく、私たちが住む家の材木まで食べてしまうのです。
シロアリは単体ではなく、巣を作って生活する社会性の生き物です。種によっては最大100万頭以上の群れを成します。それだけの数の群れが家の土台や柱を食べてしまうため、私たち人間にとって大変危険なのです。
女王アリを筆頭にした階級制
普通のアリ(以下黒アリ)と同じく、シロアリも巣(コロニー)を形成します。コロニーには厳しい階級制があり、以下のようになっています。
女王アリ・王アリ | 1日に数百個の卵を産むアリ。 |
---|---|
ニンフ | 生殖機能をもつ女王・王アリ予備軍。繁殖期に羽アリになる。 |
兵アリ | 外部の敵(黒アリ、ツバメ、カエルなど)と戦う。 |
働きアリ | エサを運んだり、巣を作ったりするアリ。コロニーの9割を占める。 |
私たちが目にするシロアリのほとんどは働きアリです。女王アリと王アリは、巣の奥深くから出てくることはありません。そこで大量の卵を産み続けます。たまたま目にした働きアリを駆除したとしても、この女王アリと王アリを何とかしない限り完全に退治することはできないのです。
シロアリの種類
シロアリには、なんと2,000種以上いるとされています。そのうち日本で確認されているのは13種ほど、中でも家屋に被害をもたらすのは以下の4種です。
土壌性シロアリ | ヤマトシロアリ | 北海道以外の全国 |
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イエシロアリ | 千葉県以西 | |
乾材シロアリ | アメリカカンザイシロアリ | 全国に点在 |
ダイコクシロアリ | 奄美大島以南、小笠原諸島 |
土壌性シロアリ
一般的なシロアリです。地中からやってきて、私たちが住んでいる家の木材を食べます。湿気の高い場所を好むため、床下に生息することが多いです。
日本でのシロアリ被害のほとんどは、ヤマトシロアリによるものです。湿っている木材が好きで、食べに来た場所にそのまま巣を作ります。一方でイエシロアリは、被害件数こそヤマトシロアリより少ないものの、加害がより激しいことで知られています。イエシロアリの働きアリは水を運ぶことができるため、巣から離れた箇所の木材でも湿らせて食べてしまうのです。
乾材シロアリ
最近日本でも被害が増加しつつある、厄介なシロアリです。乾材の名の通り乾燥に強く、水分の少ない家具やピアノなどの木材も食べてしまいます。「シロアリ=床下」のイメージが強いと、この乾材シロアリはなかなか見つけにくいかもしれません。
羽アリは新しい巣を作ろうとしています!
家に羽のついたアリがいた!……という人もいるのではないでしょうか。実は、シロアリにも羽アリが存在します。そして、シロアリの羽アリが家にいる場合は、急を要する状況であることが多いです。
上で説明したように、シロアリには階級があり、羽アリとなるのはその中の「ニンフ」という階級です。ニンフは女王・王アリ以外で唯一生殖機能をもつシロアリです。巣のアリの数がある程度まで達すると、ニンフは羽アリとなって巣を飛び立ち、別の場所に新たな巣を作ります。
もし家の中で大量の羽アリを見かけた場合、すでに大きくなったシロアリの巣があるということです。気づかないうちに浸食され、被害が大きくなっている可能性が高いです。すぐに業者に連絡し、調査・駆除を依頼してください。
黒アリとの違い
シロアリにも羽アリが存在することはお話ししましたが、特徴を知らないと黒アリと見分けるのは少し難しいかもしれません。それぞれの羽アリには、以下のような違いがあります。
・羽の大きさ
シロアリが4枚同じ大きさであるのに対し、黒アリは前の2枚のほうが大きい。
・触覚
シロアリは数珠状で直線、黒アリはくの字。
・胴体
シロアリは寸胴、黒アリにはくびれがある。
この3点から、黒アリかシロアリか見分けましょう。ちなみに、冒頭でシロアリがゴキブリの仲間だとお話ししましたが、黒アリはハチの仲間です。大きさや集団で生活する点は同じですが、実は全く別の生き物なのです。
シロアリの被害おそるべし!
シロアリがどのような生き物か紹介してきました。では、実際にシロアリの被害に遭うと私たちが住む家はどうなってしまうのでしょうか。
シロアリに食べられた家はスカスカに!
シロアリが好んで食べるのは、木の柔らかい部分です。そのため、木の表面に異常はなくても、中身が空洞になり強度が著しく下がってしまいます。シロアリ被害に遭っている家は、床が浮いたようにフカフカする、柱をたたくと空洞音がする、引き戸の建て付けが悪いなどの症状が出ます。
こうなると家の耐震性も下がってしまいます。阪神淡路大震災で倒壊してしまった建物には、シロアリに浸食されていたものも多くあったそうです。
シロアリは「蟻道」を作って侵入する
多くのシロアリは、乾燥が苦手です。そのため、巣からエサとする木材までは「蟻道」というトンネルを使って移動します。蟻道は土やシロアリの分泌物を塗り固めて作られており、茶色い筋のように見えます。
シロアリの怖い点はここにあります。たとえ建物が鉄筋・鉄骨であったり土台がコンクリートであったりしても、蟻道を使ってその上の木材まで到達できるからです。家が木造ではないからといって、安心はできないのです。
シロアリ駆除には2つの方法がある
もし家がシロアリに侵入されてしまったら、どのように駆除がおこなわれるのでしょうか?シロアリの駆除方法には主に2つあり、それぞれメリット・デメリットがありますので紹介します。
薬剤を散布する「バリア工法」
噴霧器を使い、床下などに薬剤をまく方法です。昔からある方法で即効性もあり、費用が抑えられる点がメリットです。しかし薬剤を使用するため、アレルギーのある人や赤ちゃんがいるご家庭は注意が必要です。
毒エサで巣から根絶する「ベイト工法」
ベイトとは、昆虫の脱皮を妨げる毒のことです。ベイト剤を地中に埋め、シロアリに食べさせます。即効性がないので効き目が出るまでに時間はかかりますが、その分働きアリが巣に持ち帰ってほかのシロアリにも食べさせるので、巣の絶滅を図ることができます。
脱皮をしない私たち人間には無害な安全な方法ですが、その分バリア工法よりも費用がかさみます。
これらの方法に必要な薬剤は市販されています。しかし、薬剤の選び方や毒エサを設置する場所の見極めなど、やはり素人には難しいのも事実です。結局駆除できたのかわからない……という事態に陥らないためにも、駆除は業者に依頼することをオススメします。
シロアリ被害に遭わないためには予防が大事
駆除の方法を紹介しましたが、シロアリに対しては予防が非常に重要です。なぜなら、私たちがシロアリの被害に気が付くころには、すでに家はダメージを負っているからです。知らないうちに家を食べられていた……ということにならないためにも、事前にしっかり予防しておきましょう。
自分でできる対策
日頃からおこなえる手軽な対策として、なるべく家の中を換気し、除湿に努めるようにしましょう。とくにシロアリが発生しやすい床下は、湿気対策が必須です。床下換気扇を設置するなどの工夫を施しましょう。
また、シロアリのエサとなる木材を家の敷地内に放置しないことも重要です。シロアリは木を原材料とするものは何でも好みますので、段ボールや大量の紙くずなども要注意です。
これらは自分でも手軽におこなえる方法です。ただ先ほど説明した通り、現在は乾材シロアリをはじめとする、乾燥した場所でも生きられるシロアリも増えています。これらの方法で完全にシロアリ被害を予防できるわけではありません。自分でできる除湿などの対策はもちろん重要ですが、安心した暮らしのためには、やはり本格的な防蟻工事が必要です。
プロによる防蟻工事がおすすめです
日本の木造住宅には、新築のときに防蟻処理がされているはずです。しかし、その効果は永久に続くわけではありません。多くの場合、防蟻処理の保証期間は5年。薬剤が分解されて効果がなくなるからです。
5年を過ぎたら、必ずシロアリ業者に再予防の依頼をするようにしましょう。一度シロアリ被害に遭ってしまうと、駆除費だけではなく家の修繕費用まで発生します。費用を抑えるためにも、予防は必要なのです。
まとめ
シロアリについて解説してきました。私たちにとって、とても危険で厄介な害虫ということがおわかりいただけたでしょうか。シロアリの被害が心配な人は、一度業者に調査をしてもらいましょう。シロアリの被害は目に見えづらいですが、思っているより深刻です。
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