ノシメマダラメイガとは蛾のような見た目をしており、食品に卵を産み付けて、食品の価値を失くしてしまう食品害虫の1種です。とくに米や玄米から発生することが多く、たくさんの人々に迷惑をかけてきた虫です。
見た目が不快なだけでなく、食品までダメにしてしまう虫を放置していても私たちには損しかありません。見つけたら早めの駆除が肝心です。
『ノシメマダラメイガ』の生態
ノシメマダラメイガとは、チョウ目メイガ科に属する小さい蛾で、梅雨の時期などの気温が高く湿気が多いときによく発生します。保存してある米や玄米にこのノシメマダラメイガがわくことが多く、米農家の間ではよく知られている虫ではないでしょうか。
これは、お米を育てている方やお米を食べる方からしたら、迷惑極まりない害虫です。
ノシメマダラメイガに毒性はある?
食品から発生しやすいノシメマダラメイガですが、身近にわく虫だからこそ「毒性があるのかどうか」気になっている方も多いと思います。
一見、虫がついてしまった食品は気持ち悪いし、毒がついているかもしれないから食べたくないと思いがちです。しかし、ノシメマダラメイガ自体には毒性がなく、お米などからわいてしまった場合は、天日干しにして精米をすれば食べられるそうです。
ノシメマダラメイガの卵・幼虫ってどんなの?
ノシメマダラメイガの卵は、0.4mm程度の楕円形で乳白食をしています。幼虫は10~12mmで、色は黄白色、淡赤色、淡緑色などをしており、見た目だけで多くの人に不快感を与えることもあります。
糞は赤色で、他の虫の糞より比較的よく目立つ色をしています。こうした点から、ほかの食品害虫と比べると見分けがつきやすいのです。
ノシメマダラメイガの活動期間・寿命
気温が暖かい3月下旬~10月下旬までは、成虫の姿がよく確認されます。卵は数日でふ化し、幼虫は22日~45日でさなぎになり、さなぎは1週間程度で成虫になるといわれています。
気温の変化によっては上記の期間よりも延長されることがあるそうです。
また、成虫は2週間程度の寿命といわれており、その間に接触を行わずに交尾と産卵ができるので、その繁殖力の高さについてもやっかいな虫と言えるでしょう。
食害はノシメマダラメイガの「幼虫」が原因
食害を引き起こすノシメマダラメイガですが、食害の多くは成虫ではなく、幼虫が原因です。
この虫は食品の中に産み付けられたら成虫になるまで食品の中で暮らすことが多く、住み着いた食品に害を与えていきます。また、生まれ育った食品の他にも、食べ物などがなくなればパッケージなどを食い破り、別の食品にまで被害を拡大することがあります。
最初はひとつの食品だけの被害だったのに、気づいたら周辺の食品までもノシメマダラメイガの被害に遭っていたということは少なくありません。この虫が多く出没する地域に住まわれている方はとくに、日ごろの食品管理に気を付けてください。
好むのはお米だけじゃない
ノシメマダラメイガはお米や玄米から出現することが多いということから「お米や玄米にしか」出現しないと勘違いされるかもしれません。たしかに、長期保存ができるそれらの食品から発生することが多いですが、必ずしも発生源が「お米や玄米」ではありません。なので、家にお米や玄米を所持していない方も油断は禁物です。
ノシメマダラメイガの繁殖を防ぐ参考になればと思い、次はこの幼虫が好む食品をご紹介します。
ノシメマダラメイガの幼虫が好む食品
ノシメマダラメイガは油分の多い加工製品を好みます。
・米
・玄米
・米ぬか
・チョコレート
・クッキー
・ポテトチップスなどの油分が多いお菓子
・インスタントラーメン
・ペットフード
以上のものが挙げられます。とくにペットフードは出しっぱなしにすることが多いため、被害に遭う確率が高いようです。
食品類は残ったらしっかりふたを閉めて、適切な形で保存をし、虫発生を食い止めましょう。
食害を与えるのは幼虫、だけど成虫にも注意
成虫は幼虫より噛む力が弱く、加工製品などには直接的な害は与えません。しかし、食品のある場所を見つけるのが得意なうえ、そこに卵を産み付けます。成虫は幼虫発生の元凶なので、幼虫駆除をおこなうときは成虫も同時に駆除してください。
ノシメマダラメイガは具体的にはどんな被害をもたらすの?
ノシメマダラメイガの幼虫はパッケージなどを食い破り、パッケージの中に入っている食品を食べます。また、細かい糸を吐き、食品の正面などを覆ってしまうことがあるため、食品が食べられない状態になってしまう場合もあります。
1匹2匹程度であれば食品を捨てて被害を抑えることもできますが、この虫は繁殖力が高く、生息期間の内に約200個もの卵を産みます。少数での食害は規模も小さく済みますが、数が揃い、こういった食害を引き起こされるととても迷惑極まりないので、見つけたら即刻駆除に取り掛かりましょう。
ノシメマダラメイガを駆除する方法
ノシメマダラメイガは食品の価値を失くしてしまう害虫です。見つけたら次の被害をなくすためにも、すぐに駆除を行いましょう。
駆除をおこなうには、以下の方法が有効的です。
ノシメマダラメイガの駆除方法
【食品を破棄】
食品から幼虫や卵を発見した場合、その食べ物はすでにノシメマダラメイガに侵されている可能性が高いです。気分的にも虫がわいた食品を食べる気にならない方も多いと思いますので、これ以上虫が増えないように食品を破棄しましょう。
【食品を置いていた場所を掃除】
発生した食品の周りを掃除しましょう。ひとつの食品にノシメマダラメイガが発生した場合、その周辺に卵を産み付けている場合があります。また、落ちた食品クズと一緒に卵が落ちてしまったり、別の虫がクズを餌として食べにくる可能性もあります。周辺は徹底的に掃除をすることが必要です。
【発生した食品の食器や容器を洗う】
食品を破棄するだけでは駆除とはいえません。ノシメマダラメイガの卵はとても小さいので、容器の端っこなどに卵が残っていることもあります。卵が残っている場合は、またそこから虫が再発生してしまうことがあるので、取り残しがないように駆除しましょう。
【大量発生している場合は殺虫剤】
ノシメマダラメイガが大量に発生してしまった場合は、1匹ずつ駆除していってもキリがありません。迷惑な虫を追い出すためにも、くん煙式の食品害虫用殺虫剤などを使いましょう。
また、くん煙式殺虫剤を使う場合は、部屋に食品を置かないようにしてください。
【フェロモントラップを使う】
食べ物に害を与えない、なおかつ虫を駆除したい場合、成虫に関してはフェロモントラップを使うのが効果的です。成虫を駆除できるだけでなく、発生を早期発見でき、増やさないための対策にもつながります。
【異常なほどに発生したら業者に依頼】
駆除してもノシメマダラメイガが発生してしまう場合は、食品の他にもこの害虫が発生してしまう原因があるかもしれません。一度大量に発生してしまうと、素人では原因が突き止めにくく、駆除が難しいことがあります。
そんな場合は、害虫駆除などをおこなう業者に依頼してみてください。
ノシメマダラメイガの発生を予防する方法
ノシメマダラメイガの駆除方法についてご紹介してきましたが、食品害虫の被害に遭わないためにベストなのは「発生する環境を作らない」ことです。そのためには、日ごろから予防することが大切です。
4.4-1ノシメマダラメイガの予防方法
【密閉した容器に保存する】
ノシメマダラメイガが好む食品は、餌になると同時に発生源にもなります。食品から虫が発生する場合の多くは、食品が入っている容器や包装紙などに隙間があるか、開けっ放しであったり、食品自体がむき出しの状態で置かれているという場合が考えられます。
食品を保存するときは外部から虫が侵入しないように、密閉できる容器や袋で保存しましょう。
【食品クズを落としっぱなしにしない】
ノシメマダラメイガは食品だけではなく、人間が床やテーブルに落とした食品カスを食べます。食品カスを食べた成虫が室内に住み着き、さらに好みの食品に卵を産み付けることがあります。
成虫を引き寄せないためにも、日ごろのこまめな室内掃除は欠かさないようにしましょう。
【長期保存の食品は特に気を付ける】
ノシメマダラメイガが活動する高温多湿の時期は、とくに長期保存の食品の管理を徹底してください。虫の繁殖に気付けず、成虫になるまで放置していたという例も少なくはありません。
長く保存できるものは管理の死角になりがちなので、日ごろから食品点検を忘れず、適切な方法で食品を保存してください。
【防除剤を使う】
ノシメマダラメイガを食品に近づけないためには、設置型の防除剤を使いましょう。防除剤の中にはメイガだけでなく、穀物につく虫を遠ざける効果があるものも売られています。自分に合った防除剤を選んでください。
すでに被害に遭っていたら…
ノシメマダラメイガは繁殖力が高い昆虫です。卵も小さく見つけにくいことから、気づいたらもう駆除しきれないほどの数が繁殖していた……という事態になっていることもあります。
すでに被害に遭われている場合は、気づいた段階でノシメマダラメイガの駆除をおこないましょう。
ノシメマダラメイガの卵のチェック方法
ノシメマダラメイガの被害に遭わないためにも、被害に遭う前の早期発見は重要なものになってきます。以下のチェック方法をおこなって、メイガが繁殖していないかどうかチェックしてみてください。
・食べ物や保存容器にオレンジ色の顆粒が付着していないか調べる。
・食品や保存容器にくもの巣のような糸が付いていないか調べる。
今すぐにノシメマダラメイガの繁殖チェック方法が行えるのはこの2つです。もしあやしいと感じる部分があれば、早めに駆除がおこなえるよう準備しましょう。
注意すべきメイガの仲間
ノシメマダラメイガだけでなく、メイガの仲間の中にも食害を行う昆虫がいます。そんなメイガの仲間を一部ですがご紹介します。ぜひ害虫駆除の参考のしてみてください。
シンクイムシ
シンクイムシとは、果実や野菜、樹木の芯を食べるメイガの幼虫を指します。農業や林業に影響を与える害虫として扱われている一方、イワナなどの川魚の釣り餌としても使われています。
年間発生数は3~5回といわれていて、3月~9月にかけて発生する傾向があり、冬は越冬するため、土の中に繭を作ります。
スジマダラメイガ
メイガの仲間で、貯蔵穀物から菓子類を加害する、灰色・灰褐色の虫です。
「コナマダラメイガ」と別名されるほど製粉工場に多い害虫で、日本では北海道から沖縄までの全国に分布します。
カシノシマメイガ
菓子類によく発生する、しま模様で赤褐色のメイガの仲間です。菓子類の他にも粉類などを加害します。
食品にゆるい筒状の巣を作り、その中に入って食害をします。年に2~3回発生するそうです。
メイガが住む場所に潜む食害虫
メイガの仲間のほかにも、メイガが潜むところにあらわれて食害を引き起こす虫も居ます。ついでに、少しだけ食害を引き起こす虫をご紹介させてください。
【シバンムシ】
茶色のごま粒のような形の虫で、屋内に生息しています。室内で保管している食品などに住み着くことがあります。
【チャタテムシ】
淡褐色の虫で、湿気が多く薄暗いところを好みます。乾麺などの食品を好むようです。
【コクゾウムシ】
地域によってはノシメマダラメイガと名前を一緒にされやすい虫です。その名の通り、穀物類を好み、加害する食品害虫です。メイガの幼虫より小さく、駆除をするまえに見つけるのが大変な虫です。
ノシメマダラメイガ以外にも、食品商品価値を失くす害虫がこんなにいます。メイガ対策をするついでに、これらの害虫対策も有効です。
まとめ
ノシメマダラメイガについてご紹介してきましたがいかがでしょうか?
ノシメマダラメイガはお米などに発生する例が多いことから、お米や玄米に発生する虫だと思われることもあります。しかしそれらの食品以外にも、油分が多い加工食品であればなんでも好んで繁殖をおこなうようです。
放っておくと家の中、周辺が虫だらけ……。ということにもなりかねません。自分で駆除できるのならばそれに越したことはありませんが、駆除が難しい場合は1人で抱え込まず、害虫駆除業者に一度被害相談をしてみてください。
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