オリーブオイルに使われていることで有名なオリーブですが、最近では観葉植物やインテイリアとしても人気が出てきました。そんなオリーブの木ですが、みなさんの心配ごとの1つといえば害虫による被害ではないでしょうか?
今回の記事ではオリーブにつく虫とその対策方法だけでなく、病気や育て方のポイントについてもまとめています。「オリーブに虫がついていて困っている」、「オリーブの病気について知らない」、「オリーブを元気に育てたい」これらの3つに当てはまる人はぜひ参考にしてみてください。
目次
オリーブの木につく虫って何者?
オリーブの木は、自宅でも栽培可能なことから観葉植物として育てられることも多くなりました。このコラムを見ている方の中には現在オリーブを育てている人もいるでしょう。
しかし、オリーブの木を育てていくなかで多忙な毎日に追われ、少しだけ放置していたらいつの間にか枯れていたことはありませんか。
「そんなに放置していないのにすぐに枯れてしまった。」そんな場合はオリーブにつく虫が原因かもしれません。そこで、オリーブの木につく虫について害虫と益虫にわけてご紹介します。
害虫の項目では、症状からの判断基準や対策方法についてそれぞれまとめているので、当てはまる症状の方はぜひ試してみてください。
オリーブの木につく害虫①オリーブアナアキゾウムシ
オリーブアナアキゾウムシ
活動時期:3月~11月
オリーブにつく虫の代表がオリーブアナアキゾウムシです。この虫の成虫は夜行性のため、昼間はオリーブの木にぶら下がり、夜中になると交尾を初めてオリーブの木の根元に卵を産み付けています。その後生まれる幼虫は木の幹をエサとしてかじり、穴を開けてしまう厄介者です。
オリーブアナアキゾウムシが開けた穴によってオリーブの木に栄養が行き渡らなくなり、最悪の場合枯れてしまうこともあります。
そんなオリーブアナアキゾウムシですが、海外には存在しない日本の固有種であることが分かっています。そもそもオリーブはスペインやイタリアといった地中海地方から輸入されたにも関わらず、日本固有の虫がオリーブを好物とし、寄生しているのは不思議ですね。
好物とした理由には諸説ありますが、一説によると、オリーブに含まれている「オレウロペイン」という他の生物を遠ざけるための成分が、オリーブアナアキゾウムシに対しては逆に食欲を上げてしまう効果があるのが原因だといわれています。
【症状での判断基準】
・根本に穴が開いていること
・その穴からおがくずのようなものがあること
【オリーブアナアキゾウムシへの対策方法】
オリーブアナアキゾウムシを発見した場合はすぐに駆除する必要があります。
一般家庭などオリーブの木の本数が少ない場合は捕まえて駆除することができます。農園などでオリーブを複数栽培している場合は、殺虫剤で駆除するのがいいでしょう。殺虫剤はスミチオン乳剤(50倍希釈)と呼ばれる人間や家畜への影響が少ないものを使うといいでしょう。
※希釈とは農薬の濃度を薄めることを指します。
成虫がいたということは、卵をオリーブの木に産み付けているかもしれません。オリーブの根本に穴が開いていたり、おがくず状のものが出ている場合は穴の中を調べて卵・幼虫を駆除しましょう。穴の中に殺虫剤をかけておくと安心です
また、雑草を抜くなどして根本をキレイにしておくと早期発見することができます。
オリーブの木につく害虫②ハマキムシ
ハマキムシ
活動時期:4~11月頃
小型の蛾であるハマキガの幼虫です。ハマキムシの中でも限られた種類が食害します。とくに柔らかい新芽が好物で1年の中でも比較的温かい春と秋にこの虫が大量発生することもあります。
ハマキムシの出す糸によって葉と葉をくっつけ、その中に入って葉を食べるおもしろい習性をしています。秋には葉だけではなくオリーブの実も食害してしまうため早めの発見がポイントです。
【症状での判断基準】
・葉や実に案が開いており、食べられた痕跡があること(とくに新芽)
・葉がくっついていること
【ハマキムシへの対策方法】
葉と葉をくっつける習性をもっているため、ハマキムシのいる場所は不自然な葉ができています。不自然な葉を探して1匹ずつ駆除していきましょう。もし葉や実が傷んでいた場合は、その枝先から切っておくと安心です。
広範囲の場合は農薬をオススメします。農薬はデルフィン顆粒水和剤(2,000倍希釈)を使うのがいいでしょう。
オリーブの木につく害虫③スズメガ
スズメガ
活動時期:6~10月頃
一般的な蛾にしては比較的大きい身体を持ちます。成虫というよりは、こちらも幼虫がオリーブの葉を害します。
6月~10月にかけて発生しやすく、ハマキムシと比べると大量発生することは少ないようです。しかし、油断は禁物です。数が少ないからと放置しておくとオリーブの葉を食い荒らし、景観が悪くなる原因をつくってしまいます。
【症状での判断基準】
・葉に穴が開いており、食べられた痕跡があること
・下に黒いフンがおちていること
【スズメガへの対策方法】
大量発生しないと紹介しましたが、スズメガの幼虫は食欲旺盛なためなるべく早く気づくことが大切です。成虫を見つけたら幼虫や卵がオリーブにいないかを確認し、幼虫や卵があった場合は捕まえて取り除きましょう。
オリーブの木につく害虫④コウモリガ
コウモリガ
活動時期:6~10月頃
こちらも幼虫によって被害が発生します。コウモリガの幼虫はオリーブの枝を食べてしまいます。とくに枝の中間の部分に症状がでることが多く、枝が細いと食べられた部分から上の枝が弱ってしまいます。
【症状での判断基準】
・枝先が弱っている・枯れていること
・枝に穴が開いていること
・穴の周囲にフンがついていること
【コウモリガへの対策方法】
オリーブアナアキゾウムシで紹介した方法のほか、穴の中をピンの針や針金などの細いものでつつくことで駆除できます。
オリーブの木につく害虫⑤カメムシ
カメムシ
くさいことで知っている人も多いであろうカメムシです。
止まって休んでいるだけのカメムシもいますが、なかにはオリーブの実の中身を吸い出すカメムシもいます。
【症状での判断基準】
・実が変形。変色していること
【カメムシへの対策方法】
動きが速く、飛ぶことができる成虫が相手のため、1つ1つ駆除していくことが難しいです。殺虫剤を使わない方法での成虫の対策方法が見つかっていないため、どうしても被害が大きい場合は殺虫剤が必要です。
卵に対しては定規などで削ることで駆除することができます。
カメムシの卵は葉に産み付けられていることが多く、複数の小さな卵が連なっているため発見しやすいでしょう。
オリーブの木につく害虫⑥コガネムシ
コガネムシ
活動時期:春~秋
成虫は花粉や樹液を栄養とするので、オリーブの木にとっては無害ですが、幼虫は木の根っこを食害します。
地植えの場合、木を弱らせるほどの害を与えるのは珍しいですが、小型のオリーブの木が弱り始めたらコガネムシの幼虫による原因も疑いましょう。
【症状での判断基準】
・根本が揺れて不安定なこと
・木や葉が弱っていること
【コガネムシへの対策方法】
地植えの場合は木が弱るほどの被害を受けることはほとんどありません。しかし、ポットなど狭い範囲で栽培していると被害が大きくなることが多いため、土を入れ替えてコガネムシの幼虫を取り除く必要があります。
コガネムシの成虫を見つけ次第駆除しておくことも大切です。
オリーブの木に優しい益虫とは!
オリーブにつく虫の中でも害虫について紹介してきましたが、ここからは益虫編です。
益虫とは害虫を食べることや花粉を運ぶことなど、人にとって役立つ虫のことを指し、益虫を駆除しないことでオリーブにつく害虫から守ってくれるかもしれません。
ここでは4種類の益虫について紹介していきます。
・クモ
クモは肉食で、オリーブの木に住みつけばハマキムシや蛾などの害虫を捕食します。クモの種類によってはオールシーズンで活躍してくれるので、一度、オリーブの木でクモを発見したらすぐに駆除をせずに、害虫を捕食してくれるまで生かしてみるのもいいかもしれません。
・アシナガバチ
アシナガバチは主にハマキムシを捕食します。ハマキムシを発見してくれれば、エサとして自分の子供に分け与えます。1匹だけでなく、複数がこの行動をすれば自然とハマキムシの数も減っていくはずです。
しかし、放置しすぎるとオリーブの木に巣を作ってしまったり、蜂に刺されてしまうなどのトラブルに遭う場合があるので注意しましょう。
・テントウムシ
アブラムシをえさとしてくれるのは有名な話ですが、食べるのはアブラムシだけではありません。ハマキガの卵など、人の肉眼では認識しづらい卵を食べてくれます。
・ドロバチ
ドロバチはオリーブの木に生息する青虫類を捕まえて巣の中に持ち帰ってくれる益虫です。しかし、オリーブの木の近くに巣を作ってしまう場合もあるので気を付けてください。
オリーブの木が弱っているのは虫が原因じゃない?【病気編】
オリーブは虫によって弱ってしまうことがあると紹介していきましたが、弱ってしまう原因のなかには病気があることをご存知でしょうか?植物の病気と聞いてもあまり知らない人も少なくないと思います。
そこでこの章ではオリーブのかかりやすい病気についてご紹介します。
【炭疽病(たんそびょう)】
発生時期:7~11月頃
この炭疽病はオリーブの実に症状がでます。オリーブの実はだいたい7~11月頃に熟すのですが、この時期に雨の日が続くなどして湿度があがると発生するカビの一種です。
・症状
実に茶色の斑点が発生し、放っておくと斑点が広がって実の色が茶色に変わります。さらに、色が変わるだけでなく、へこむなどして実が変形していきます。
また、実が変形する前に枝から落ちることもあります
・対処
1度この炭疽病にかかってしまうと薬剤によって治すことは難しいため、炭疽病にかかってしまった実を枝ごと剪定していく必要があります。また、枝についている実だけでなく、地面に落ちている実も回収して病気が広がらないようにしましょう。
・予防
カビの一種であるため、カビの発生しやすい環境を作る必要があります。
水はけをよくすることと、風通しをよくすることを心がけましょう。
【梢枯病(しょうこびょう)】
発生時期:主に6月などの梅雨の時期
炭疽病と同じく、カビが原因となって発生する病気です。
・症状
枝の先端から白っぽくなり、枯れていきます。放っておくと枝全体が枯れることもあり、枝が枯れるため葉や実も残りません。
・対処
症状がでている枝を早めに剪定することでそれ以上の感染を防ぐことができます。
・予防
炭疽病と同じように水はけ・風通しをよくしましょう。
また、炭疽病の菌によって伝染することもあるため、炭疽病が発生してしまったときの早期対処も大切です。
【番外編】オリーブの木の育て方
さて、ここまではオリーブへの害虫や益虫を中心にご紹介してきましたが、最後に、オリーブの木の育て方についてみていきましょう。
「今更必要ない!」と思われる方もいると思います。しかし、大切かつキレイにオリーブの木を育てるために、初心にかえることで今以上のいい育て方が発見できるかもしれません。ぜひ参考にしてみてください。
オリーブは乾燥に強いけど、定期的な管理は忘れずに
オリーブは日当たりがよく水はけがよい土だとよく育ちます。そのため、これらの条件が揃う場所で育てるといいでしょう。
オリーブは乾燥に強い植物ですが、ほかの植物と同じように適度な水分を必要とします。定期的な水やりをかかさないようにしてください。
また、元気にすくすくと育てるためには定期的に肥料をまくことも重要になりますので、そちらも忘れないようにしましょう。
オリーブを育てるときは2種類以上植えよう!
オリーブは他の植物とは違い、受精が困難な自家不和合性を持っています。自家不和合性とは正常に育った植物の花粉が同じ個体の正常な柱頭に受粉しても受精に至らないなどの植物のことを指します。
そのため、育てるときは違う品種を2本以上植えてください。組み合わせによって受粉のしやすさに違いがあります。
花粉量が多いオリーブの品種を片親で選ぶことが多いようなので、無難な方法で育ててみたい方は育てやすいオリーブの品種を気にするといいでしょう。
まとめ
代表的なオリーブにつく害虫は6種類存在し、それぞれで症状や対策方法が違います。そのため、それぞれの害虫によってどのような害が起きるのかを把握しておくことが大切です。
一方で、オリーブにつく虫の中には私たちの役に立つ益虫と呼ばれる虫もいます。益虫をあえて駆除しないことでオリーブの害虫対策にもつながりますよ。
また、オリーブの敵には虫だけでなく病気も存在します。適切な環境を用意することで、枯れない元気なオリーブを育てていきましょう。
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