ネコノミには猫だけでなく人間も注意!特徴や駆除・予防の方法を紹介
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ペットを飼っていると心配になることのひとつが、ノミやダニの被害ではないでしょうか。最近のノミの被害報告で、そのほとんどを占めているのがネコノミです。
ネコノミは猫だけではなく、人間にも被害を及ぼします。痒みやアレルギー症状が出るだけではなく、ときには発熱やまひなど重篤な症状になってしまうこともあるのです。この記事では、そんなネコノミの特徴や見つけ方、駆除や予防の方法などをご紹介します。
目次
ネコノミとはペットや人間の血を吸うノミのこと
ノミにはさまざまな種類があります。この数年間で症状が出たという報告がされているノミは、大半がネコノミになります。ネコノミという名前ではありますが、これは決して猫のみに寄生するものではありません。犬などのペットのほか人間にも寄生し、血を吸うのです。
ネコノミは、卵から幼虫、さなぎ、成虫と成長していくものです。成虫になるとその大きさは、オスが約1~2.5ミリメートル、メスが約2~3.5ミリメートルで、メスのほうが大きくなっています。
ネコノミの特徴として、繁殖力の強さがあります。ネコノミは一生に1,000個以上の卵を産むこともあるのです。また、繁殖の時期は春から夏にかけて最も盛んになりますが、室内ならどの季節でも繁殖できます。とても生命力が強い生物であるといえるでしょう。また、これはノミ全体にいえますが、高いジャンプ力をもっており、その跳躍距離は30センチメートル以上といわれています。もちろんネコノミも同様です。
そんなネコノミが成長する上でエサとなるのが、廃棄物の中にある成虫の糞や食べこぼし、フケなどです。幼虫は、これらをエサとして成長していきます。そして成虫になると、ネコや人などの血を吸うのです。
ネコノミはペットにも人間にも大きな被害をもたらす
ネコノミの特徴をご紹介しましたが、このネコノミは、ペットにも人間にも大きな被害をもたらします。それぞれの被害についてみていきましょう。
人間の受ける被害
人間がネコノミに血を吸われたときには、激しい痒みがあります。痒みは数日から1ヶ月続き、水ぶくれになることもあります。
さらに、ネコノミによる人間の受ける被害でとくに注意が必要なのが、猫ひっかき病です。猫のひっかき傷などから人間に感染し、頸のリンパ節が腫大してしまうのです。痛みや発熱がおこり、ひどくなるとまひや突然のけいれんがおきたり、意識障害を引きおこしたりすることがあります。
ネコノミが発生する原因
どうしてネコノミは猫に寄生しやすいのでしょうか。その理由は、猫が散歩中に知らないうちについてくる、近くの猫や犬と触れ合った際に移ってきた、など様々あります。ノミは駆除してもすぐについてしまうので定期的な対処が必要不可欠になります。
とくに草むらには多くノミが潜んでいるため、入ってしまうとネコノミがついてしまいます。また、縁の下などの日が当たらない場所にもノミはいるため、そのようなところに猫がいたらすぐにノミとりブラシでブラッシングをしましょう。
外部からノミをもらうおそれが高いのであれば、室内飼いの猫は大丈夫なのでしょうか?実は室内飼いでも飼い主からノミが持ち込まれる場合があります。飼い主が外出した際に、体にノミがくっついてそれが室内に持ち込まれることもあるので注意が必要です。
ネコノミがいるか確認する方法と駆除する方法
ネコノミがいたら早めに対策をとりたいところです。そこで、ネコノミがいるか確認する方法を紹介します。また、ダニの駆除方法についても詳しくみていきましょう。
まずはネコノミがいるか確かめてみよう
猫の体にネコノミが潜んでいるかどうか確認したいときは、ウェットティッシュで猫の体をふいてみましょう。ウェットティッシュに赤い汚れがついたら、それはネコノミの排泄物によるものだといえます。もちろん、肉眼で成虫や卵を確認できることもあります。しかし、ノミに寄生されたところがかゆくて舐めてしまった場合、アレルギーをおこしているにもかかわらずネコノミを確認できないこともあります。
猫が体をかきむしっているけれどノミを確認できない場合は、体の表面に小さな赤い発疹がないか、脱毛していないか、という点に注意してみてみましょう。これらが発見されれば、ネコノミに寄生されているかもしれません。
ペットのダニの駆除方法
次に、ペットにダニが寄生したときの駆除方法をご紹介します。血を吸う前のダニは、グレーやこげ茶色で小さいものです。この状態のときであれば手でとることができますので、とったあとに粘着テープにつけて捨てればよいです。
血を吸ったダニは黒く大きくなります。この場合は、ノミとり用のくしやダニとりスプーンなどを使いましょう。スプーンは切れ目をダニに引っかけてすくい上げれば、簡単にとることができます。そのほかには、ダニ駆除用の薬を動物病院などで購入して使用するという方法もあります。
では、ネコノミを発見したらどのように駆除したらよいでしょうか。ネコノミは、指でノミをつぶすと卵を飛び散らすことになりますので、くれぐれもつぶさないようにしましょう。おもな駆除方法は次のとおりです。
・ノミとり用のくし
市販されている目の細かいくしです。くしで毛をとかせばノミが引っかかるので、とれたノミは粘着テープにつけましょう。毎日とかせば効果が期待できます。
・駆除薬剤
首に垂らして使うものが多いです。ほかの駆除道具と比べて高価なものになりますが、簡単に駆除することができます。薬剤の効果が持続する期間は1月ほどの場合が多いです。
・ノミとりシャンプー
シャンプーで体を洗うとノミの糞や卵を落とすことができます。シャンプーのあとにノミとりくしで残ったノミをとることが大切です。
・ノミとり首輪・ノミ取り粉などの製品を使う
ホームセンターやペットショップなどでこれらの製品を購入し、使い方を守って使用しましょう。
屋内のダニの駆除方法
屋内にダニがいる場合の駆除は、場所に合わせて薬剤を使い分けることをおすすめします。畳・カーペット・じゅうたんなどにダニがいる場合は、直接噴射できるタイプの薬剤を使いましょう。畳には内部にノズルを刺して噴射できるものもあります。
一方で、布団やソファ、ぬいぐるみなどのダニが気になる場合は、べたつかないタイプのスプレーがおすすめです。薬剤をうまく使い分けて、屋内のダニを駆除しましょう。
屋外のダニの駆除方法
屋外のダニを駆除したいときには、ダニがいそうな場所に向かって殺虫剤をまくことになるでしょう。ダニを見かけた場合はダニに直接噴射します。
ネコノミの被害は予防することができる
以上、ネコノミの被害や駆除方法についてご紹介してきました。被害を受けると大変ですし、駆除をするのも手間がかかります。そこで最後に、ネコノミを予防する方法を考えていきましょう。
ペット向けの予防方法
ペットのネコノミを予防する方法は、おもに次のとおりです。
・発育妨害剤を使う
ノミの発育を妨害する薬を使って予防する方法です。薬には、1カ月に1回服用するプログラム錠、半年効果があるプログラム注射、3カ月に1回首に垂らすタイプのサイクリスポットなどがあります。
・外から帰ったら体をチェックする
散歩などのとき、外でついたネコノミを家の中に持ち込まないようにするだけでも予防になります。帰ったら体をチェックし、ノミがついていないか確認するとよいです。
人間向けの予防方法
人間もネコノミの予防をしましょう。まずは、なるべく肌を露出しないようにすることが効果的です。とくにノミがジャンプして届く範囲である足からひざ下までは、長ズボンや靴下をしっかりと着用して肌を見せないようにしましょう。
また、虫よけスプレーを使うという方法もあります。虫よけスプレーに記載されている、適用する虫のところをみてみると、ノミが含まれているものがあります。出かける前にこのスプレーをして予防しましょう。
まとめ
以上、ネコノミについて紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。ネコノミは生命力が強く、大きくジャンプすることが特徴です。そして猫だけではなく人間の血も吸い、被害が出てしまうのです。被害はおもに痒みやアレルギー症状ですが、場合によっては重篤な症状になってしまうこともあります。
猫が体をかきむしっているときは、ネコノミがいないかチェックしましょう。ネコノミを見つけたときは、専用のくしやシャンプー、薬剤などで早めの駆除をしましょう。予防をすることも大切です。
予防をしたり駆除を試したりしてみても解決しないという場合は、衛生害虫駆除の業者に依頼することもできます。ノミやダニが家の中にいてお困りの方は、相談してみるのもよいでしょう。
(この記事は2020年6月22日に加筆・修正しています)
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