日本最大級の猛毒生物!重装甲の陸の覇者、トビズムカデの生態とは?

2021.4.30

日本最大級の猛毒生物!重装甲の陸の覇者、トビズムカデの生態とは?

ハチにシロアリ、ゴキブリなど、私たちの生活や財産をおびやかす害虫には様々な種類が存在します。被害の内容も建物の食害や汚損、雑菌の媒介とバリエーションに富んでいますが、とりわけ脅威となるのが人間に対して直接危害を加えてくる害虫たちです。

すさまじい攻撃能力を持ち、ときには命に係わる危害をもたらす害虫の中で、『最強の害虫』とは一体何でしょうか。日本においては凶悪な毒針を持つスズメバチが代表格とされていますが、恐るべき害虫はそれだけではありません。

薄く平べったい身体でどこからでも家に入り込み、人間に対してもためらうことなく立ち向かってくる凶悪な害虫が、地上にも存在します。本コラムでは、日本最大クラスの毒虫としても広く知られる『トビズムカデ』について、その生態と対策を詳しくご紹介いたします。

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トビズムカデの特徴とは――毒がある?噛まれたらどうなるの

トビズムカデ――正式名称は耳になじみがないかもしれませんが、いわゆる『オオムカデ』と聞けばパッとイメージできる方も多いのではないでしょうか。トビズムカデは体長15cmから20cmにもなる日本最大のムカデです。赤みがかった頭部に黒光りした表面、あざやかな黄色や赤色の脚と、非常に存在感のある見た目をしています。

トビズムカデは凶暴な性質をしていて、ときには自分の何倍も大きなネズミやコウモリといった動物さえも捕食することがあります。鎧(よろい)のように固い皮膚を持ち、ニッパーのような大型のあごを備え、しかもその大あごには猛毒があるという怪獣のような生き物です。

人間がトビズムカデに咬まれた場合、とにかくものすごく痛みます。トビズムカデの持つ毒はヒスタミンを始めとするアレルギー系の毒と、赤血球を溶かしてしまう『溶血毒』の混合物で、激痛と発熱をもたらします。

ムカデの毒による症状は『ムカデ咬症(こうしょう)』と呼ばれ、患部がひどく腫れて熱を持つのが特徴です。

また、確率は低いとされていますが、スズメバチの毒のように免疫の過剰反応による『アナフィラキシーショック』をまねくことがあります。強いショック症状が出てしまうと命にかかわる可能性もあるので、過去にムカデに咬まれたことがあるという方は、とくに注意が必要です。

咬まれてからしばらく経っても痛みが治まらない場合は、病院に行くことをおすすめします。

      トビズムムカデの特徴とは――毒がある?噛まれたらどうなるの

トビズムカデの寿命は7年!どれぐらい大きくなるの

トビズムカデはムカデの中でもとくに長生きする部類です。越冬も問題なくこなし、その寿命は7年から10年にもなるとされています。

卵からかえっておよそ3年程度で繁殖可能な一人前のムカデへと成長し、その後は脱皮を繰り返して年をとるごとに大きくなっていきます。サイズは平均的な成虫で15cmから20cm、温暖でエサの豊富な地域にすむトビズムカデの亜種は、なんと30cmにもなることがあると言われています。

トビズムカデの生息場所と食べ物のはなし

トビズムカデの主な生息域は森林などの落ち葉の下や、雑木林の朽ちた木の中です。地上を徘徊して狩りをしますが、ときには木の上に登って枝から後ろ足でぶら下がり、空中を飛ぶ蛾やセミを捕獲することもあります。

食性は完全に肉食で食欲も旺盛であり、近くを通る生き物を手当たり次第に襲う習性を持っています。小さな虫はおろか、自分より大きいネズミやコウモリ、小鳥さえも近くに寄ればおそいいかかり、エサにしてしまいます。

      >トビズムムカデの生息場所と食べ物のはなし

トビズムカデの子育ての時期って?

ムカデは虫の中ではめずらしく、母ムカデが子供ムカデを一匹でエサがとれるようになるまで世話をする生き物として知られています。ムカデは産んだ卵を抱くようにして丸まって守り、卵からかえった幼虫にはエサを与えて『子育て』をします。

トビズムカデの場合、子供が独り立ちするまでの2か月から3か月ほどの間、母ムカデを中心とした家族で暮らすこととなります。この習性からムカデは一度の産卵数に対して子供が成虫になるまで生存している割合が高く、親元を巣立っていった子ムカデが一斉に移動するため、しばしば『ムカデの大量発生』というかたちで目撃されています。

ムカデの繁殖シーズンは6月頃であり、そこから9月ごろまでがトビズムカデの子育て期間となります。9月には大量の若いムカデが新天地を求めて旅に出るとされ、夏の終わりごろになるとムカデを見かけやすくなるのはそのためです。

ムカデが家の中で繁殖を初めてしまうと、ムカデの体が小さな隙間に隠れやすいということから、完全に追い出すのはむずかしくなります。家の中にはムカデを食べる天敵となるような生き物もおらず、子ムカデを育てたい放題になってしまいます。

ムカデの繁殖シーズンである6月ごろは、ムカデが家に入ってこないようとくに注意して、卵を産ませないようにしましょう。

      トビズムムカデの子育ての時期って?

トビズムカデは家の中に入ってくることはある?

大型種であるトビズムカデですが、身体の形状が平らなため、ほんのわずかな隙間にも入り込むことができます。そのため、たとえば玄関のドアとドア枠の間や、窓のサッシと窓枠の間など、小さな隙間に身体をねじ込んで屋内に侵入することが可能です。

体が大きい分パワーもあるため、網戸のような軽い窓であれば持ち上げて強引に隙間をつくり、家に入ってくることもあるようです。

ムカデは完全な肉食生物であるため、通常は人の住宅の中に入ってくることはありません。人間を捕食するわけでもなければ、他の害虫のように人間の食べ物を食害することもないためです。

しかし、安心するにはまだ早いです。肉食性のムカデは、家の中に住んでいる『他の虫』をエサとするために侵入してくるケースがおおいにあります。たとえば、家にゴキブリが住みついている場合は、そのゴキブリをエサにムカデが集まってく可能性もあるのです。

したがって、ゴキブリの多い家にはムカデも寄ってきやすいというのが定説になっています。もちろん、ゴキブリの他にもハエやシロアリ、電灯にひかれてくる蛾など、ムカデのエサとなる虫はたくさんいます。いずれにせよ一度家に住みつかれてしまったら、エサの虫が全滅するまでムカデは家に居座り続けると考えていいでしょう。

トビズムカデを家に呼び込みたくなければ、掃除を徹底してまず他の虫を駆除する。これはムカデ対策の基本にして最大の方法です。

      トビズムムカデは家の中に入ってくることはある?

トビズムカデに弱点はある?安全な駆除の仕方

トビズムカデは高い攻撃性を持っているので、見つけても簡単には駆除しにくい害虫です。

かたい皮膚をもっているため、丸めた新聞紙で叩いたところでなかなか潰れてはくれません。地面をはうように移動するため、他の虫に比べるとそこまですばしっこくはありませんが、平らな身体で小さな隙間にも入り込めるので、こちらの手の届かない場所に逃げられると手を出すことができなくなるのです。

なにより、人間と敵対したトビズムカデは非常に攻撃的になり暴れ出すため、うかつに手を出すと咬まれてしまうおそれがあります。丸めた新聞紙も殺虫剤も、興奮状態のムカデにある程度近づかなければ使えないため、リスクが高まってしまいます。

トビズムカデを駆除する際には、咬まれる前にすばやく駆除するか、動きを止めなくてはなりません。他の虫と比べて、ムカデは攻撃だけでなく高い防御力を持っているので、ムカデの弱点を突いて確実に駆除することが大切です。

このように、物理的なダメージに対してかなりの耐性を持つトビズムカデですが、一方で苦手とするものもあります。

お湯を使う

なかでも有名なのが『お湯』。ムカデは全般的に熱に弱く、自慢の鎧も熱には負けるため、熱湯をかけると簡単に駆除することができます。

一般的に虫が耐えられる温度は、50℃前後とされています。50℃以上の高温にさらされると、虫の身体を構成しているタンパク質が固まり、ゆであがって死んでしまうのです。

大型のトビズムカデの場合は、身体の芯まで火が通りにくいことが予想されるので、できればもう少し熱めの60℃近いお湯をかけてみましょう。

ムカデにお湯をかけると、ちぢみあがって固まり動けなくなるため、ムカデから反撃されるのを防ぐこともできます。いわば熱湯はムカデにとっての「天敵」といっても過言ではないでしょう。

しかし、お湯を用意したところで、場所によってはお湯をかけられない場合もあります。パソコンやテレビといった家電製品のそばでは当然使えませんし、和室の場合は畳が傷むことも考えられるため、お湯を思いきりかけることがむずかしいかもしれません。

また、カーペットを敷いてある部屋でも、そこにムカデから出た汁がしみ込んでしまうような気がする……というケースもあります。

      トビズムムカデに弱点はある?安全な駆除の仕方

ドライヤーを使う

お湯が使えないときの有効な武器として『ドライヤー』も使ってみましょう。ドライヤーの温風を最大温度にすれば、ムカデの体温を50℃以上にまで上げることができます。お湯ほどの即効性は期待できませんが、濡らしたくない場所でムカデ退治をするなら十分心強い武器になります。

殺虫剤

殺虫剤はもちろん有効ですが、効果が表れるまでにタイムラグがあるため、逃げられてしまうことがあるのが難点です。逃げられやすい場所でムカデと戦うなら、冷たい霧を吹きかけて虫を凍らせて退治する『氷殺系殺虫剤』も便利です。通常の殺虫剤と違い、殺すよりも動きを止めることに特化しているため、逃げる時間や反撃のスキを減らすことができます。

      トビズムムカデに弱点はある?安全な駆除の仕方

その他の駆除の仕方

お湯もドライヤーも殺虫剤もない状況でトビズムカデと遭遇して、やむを得ず退治しなければならない状況になってしまったら、狙うべき場所はムカデの頭部です。武器はなるべく丸めた雑誌や靴のような重量のあるものを使い、頭部を中心にムカデの上半分めがけて叩きつけましょう。

万が一トビズムカデに逃げられてしまい、見失ってしまうと、いつどこで再び遭遇するかわからず落ち着くことができません。寝ている間に寄ってきてか咬みつかれてしまったといったケースは数多く報告されています。

ムカデを見失ったときは、探し出すよりもトラップを使って捕える方法が有効になります。トビズムカデはもともと薄暗い森の落ち葉の下に住んでいる虫なので、『湿った場所』と『狭い場所』に誘引される習性をもっています。

そこで、濡らしたぞうきんや新聞紙を重ねて、ムカデが逃げ込んだ場所の付近に設置しておきましょう。数時間置いておけば、高確率でムカデが雑巾や新聞紙の隙間にもぐり込んでいます。あとはトラップごと処分すれば退治は完了です。

      トビズムムカデに弱点はある?安全な駆除の仕方

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まとめ

スズメバチのように民家の近くに大きな巣を作ったり、集団で襲い掛かってこない分、害虫としては軽視されがちですが、ムカデがおそるべき害虫であることに変わりはありません。なかでも国産最大級のサイズを持ち、ときには命に関わるほどの毒をもつトビズムカデは、地上をはいずるタイプの虫の中では間違いなく最強クラスの害虫と言えるでしょう。

一方で、トビズムカデは強みと弱みが明確であり、対処をあやまらなければ比較的安全に処理できる害虫でもあります。最強ではあっても無敵ではありません。ハチのように飛び回ることがないだけ個人でも駆除が可能な部類です。

大切なのは、トビズムカデの弱点を理解して、適切な退治方法を選ぶこと。家の中で見かけるときはたいてい一匹で行動しているので、一発で動きを止めさえすれえば二の矢は飛んできません。おどろおどろしいフォルムは見るだけでパニックに陥ってしまいがちですが、落ち着いて、冷静に退治しましょう。

そしてなにより、トビズムカデが寄り付きにくい環境をつくることが重要です。トビズムカデは森の中に生きる虫なので、エサになるほかの虫さえいなければそうそう人家に侵入してくることはありません。

ムカデの出現には必ず原因が存在します。日頃から掃除を行い、ゴキブリやハエが住み着かない家にすることは、トビズムカデと出会わない最良の策でもあるのです。

どうしてもトビズムカデの発生を止められないときは、ムカデ駆除の専門業者に相談することも一つの手段です。経験豊富なプロの目線から、ムカデ発生の原因に根本的な対策を施してくれることでしょう。

ムカデ駆除を依頼できる業者や料金

依頼できる業者や料金について、詳しくは「生活110番」の「ムカデ駆除」をご覧ください。

この記事の監修者 ナカザワ氏について

この記事の監修者
ナカザワ氏 NPC 総合害虫駆除
監修ジャンル:害獣 害虫
神奈川県・東京都を中心とした総合害虫駆除サービスを運営。防除作業監督者(防第14721号)の国家資格を有し、アリ、ゴキブリ、ダニ、ハエ、トコジラミ、ハチやコウモリなど幅広い害虫や害獣にも対応。

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