あなたの材木が狙われている!?「キバチ」の詳しい生態や危険性とは

2022.7.6

あなたの材木が狙われている!?「キバチ」の詳しい生態や危険性とは

ハチの種類で思い浮かべるのが、スズメバチ、アシナガバチ、ミツバチ、このあたりではないでしょうか。
では「キバチ」はどうでしょう?おそらく聞き馴染みのない方が多いと思います。

キバチは漢字で「樹蜂」と書き、その名のとおり「樹木」にとても関係があります。

今回はこのキバチについてご紹介していきます。
人を刺すことはないので安全なハチですが、違う理由で厄介なハチとされています。

ちょっと珍しいキバチのこと、理解を深めてみませんか?

キバチってどんなハチなの?その種類をご紹介

キバチとは、幼虫が材木を餌とするハチのことです。主な種類としてはニホンキバチとヒゲシロキバチ、そしてオナガキバチが挙げられます。それでは以下のそれぞれの特徴をご紹介します。

ニホンキバチ
ニホンキバチは主に杉やヒノキに害を加えるキバチです。西日本においては真夏をピークとして6月~10月の間に羽化するといわれています。また、ニホンキバチは体内にアミロステリウムという共生菌をもっているとされています。

ヒゲシロキバチ
ヒゲシロキバチは杉やモミ、エゾマツなどに被害を加える虫とされていましたが、近年ヒノキにも害を加えるということが分かったようです。ヒゲシロキバチもアミロステリウムをもっているといわれています。

オナガキバチ
オナガキバチは杉やヒノキ、アカマツやモミなど幅広い種類の材木に被害を与える種類だとされています。メスのほうがオスよりも大きいようで、体色はほぼ黒色とされています。オナガキバチはニホンキバチやヒゲシロキバチと違い、アミロステリウムをもっていないとされています。
      キバチってどんなハチなの?その種類をご紹介

キバチは人を刺さないってほんと?

ハチと聞くと、怖い毒針を持っているイメージですが、キバチは針はあるものの、人を刺すことはありません。

キバチの生態

種類によって真っ黒な個体もありますが、黒と黄色の縞模様の個体は、すぐにハチであることは判断できそうです。
色合いは似ていますが、有名なハチ(スズメバチ、アシナガバチ)と比較すると、体系に違いがみられます。
キバチはスズメバチやアシナガバチと違って腹部がくびれておらず、寸胴ともいえる体型をしています。そのため、見た目で簡単に見分けることができるでしょう。

キバチは毒針を持っていない
キバチにも針のようなものがありますが、それはあくまでも産卵管です。この管を産卵の際に材木に差し込んで卵を産み付けるために使っています。このように、毒針をもっていないのでキバチが人を刺すことはないといわれています。この点がスズメバチやアシナガバチとは大きく異なる点でしょう。

キバチの産卵に注意!キバチが材木を痛めることも

人を刺さないのならばキバチは害虫ではないと思うかもしれません。しかし、林業に従事する方からするとキバチは立派な害虫なのです。その理由はキバチの産卵に関係があります。

先ほども書いたようにキバチは産卵の際に樹木に産卵管を差し込んで卵を産み付けます。この際、ニホンキバチやヒゲシロキバチと共生しているアミロステリウムも木の中に侵入してしまいます。このアミロステリウムが木の中で繁殖することで、木の断面が変色してしまいます。通常、キバチは元気な木には産卵せずに衰弱した木に産卵するといわれていますが、成虫の密度が増加しているなどの状況によっては元気な木にも産卵することがあります。

もしキバチが材木に産卵した場合、材木の断面が変色してしまいます。するとその材木の取り引き価格は大きく下がってしまい、材木を取り扱う方は大きく損をしてしまいます。オナガキバチはアミロステリウムをもっていませんが、ほかのキバチの菌を利用しているといわれているので結局変色の原因となってしまうのです。
       キバチの産卵に注意!キバチが材木を痛めることも

キバチから材木を守る方法とは

それではキバチの被害から材木を守るためにはどうしたらよいのでしょうか。代表的な方法としては以下の3つが挙げられます。

キバチが発生する時期に間伐をしないようにする
一番よい方法はキバチが発生する時期に間伐しないようにするというものです。そうすればキバチの成虫が増えて材木がキバチに産卵され、変色被害を受けるという事態を避けることができるでしょう。キバチも生き物なので、害があるからといって駆除せずに共生するという観点からもよい方法だと考えられます。

間伐などで倒した木を林の中に長期間放置しない
倒木を長い間放置しておくと、その木にキバチが産卵して増えていってしまうという可能性が考えられます。そうなると、キバチの成虫の密度が増えて健全な木に産卵される危険もあるため、間伐などで生まれた倒木は放置しないようにするとよいでしょう。

キバチを捕まえてしまう
誘引剤などを使ってキバチの成虫を捕まえることで、成虫の密度低下をはかるとともに材木への産卵を抑制できると考えられます。しかし、この方法では根本的な解決ができないうえに手間もかかるため別の方法を実行したほうがいいかもしれません。
      キバチから材木を守る方法とは

まとめ

聞き慣れない名前かもしれませんが、キバチというハチがいます。このハチはスズメバチやアシナガバチと違い、毒針を持たないため人を刺さないというハチでした。しかし、害虫ではないかというとそうではありません。

キバチは材木に産卵することがあり、このとき共生している菌が材木の中に入って繁殖することで材木を変色させてしまうことがあるのです。こうなった材木は取り引き価格が下がるため、林業に従事している方からすれば害虫なのです。こうしたキバチの被害から材木を守るためにはキバチの発生時期と間伐の時期をずらすとか、倒木を林の中に長期間放置しないといった方法があります。

先ほども書いたようにキバチは人を刺さないといわれています。しかし、山や林の中にはキバチだけでなくスズメバチもいる場合があります。こうしたスズメバチは当然ながら人を刺すため注意が必要です。ハチを見ただけで種類を判断することは難しいこともあります。もしも自宅の裏山のように身近な場所でハチを見た場合は種類を判断する前に駆除を頼むことを考えてみてはいかがでしょうか。

この記事の監修者 ナカザワ氏について

この記事の監修者
ナカザワ氏 NPC 総合害虫駆除
監修ジャンル:害獣 害虫
神奈川県・東京都を中心とした総合害虫駆除サービスを運営。防除作業監督者(防第14721号)の国家資格を有し、アリ、ゴキブリ、ダニ、ハエ、トコジラミ、ハチやコウモリなど幅広い害虫や害獣にも対応。

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