モンスズメバチは危険なの?歴史・生態・現在の駆除方法

2023.9.12

モンスズメバチは危険なの?歴史・生態・現在の駆除方法

『モンスズメバチ』という蜂をご存じでしょうか。スズメバチの中でも有名な種といえば、オオスズメバチやキイロスズメバチですが、このモンスズメバチも日本全国に広く住むスズメバチの1種です。

スズメバチの1種とはいっても、モンスズメバチにはモンスズメバチ特有の特徴があります。代表的なその他のスズメバチとは、いったいどのような違いがあるのでしょうか。今回は、そんなモンスズメバチについて詳しく解説していきます。

暖かくなってくると蜂も多く出現するようになってきます。蜂のシーズンに被害にあってしまわぬよう、しっかり特徴や対処法をおさえておきましょう。

その他のスズメバチの種類はこちらをご覧ください。

モンスズメバチ本体の見た目は?ほかの蜂との見分け方

モンスズメバチはぱっと見た雰囲気ではそれほどほかの蜂との差は感じませんが、よく見てみると少々異なった特徴が見られます。まずはどのような見た目をしているか、というところから解説していきましょう。

生態から見たスズメバチ対策

体のサイズ

モンスズメバチのサイズは、ミツバチのような小型の蜂よりは大きく、オオスズメバチのような大型の蜂よりは小さい、ちょうど平均的な大きさになっています。

具体的にいえば、約20mm~30mmほどで、中でも女王蜂はやや大きめです。

模様

スズメバチを見分けるときによく使われる基準として、腹部の模様が挙げられます。この基準はモンスズメバチでも例外ではありません。

モンスズメバチの模様は腹部の上部、胸部に近い部分の黒色の面積が多くなっています。また、少々波打つような形になっている点が特徴的です。

大まかな見た目は、上記の2つで見分けることができます。

モンスズメバチの性格や巣の特徴、ルーツとは?

前章ではモンスズメバチの見た目について解説しましたが、その攻撃性や巣についても知っておいた方がよいでしょう。ここでは、そんな性格や巣について詳しく解説していきます。

モンスズメバチは攻撃性高め!

モンスズメバチは攻撃性が強く、巣や蜂本体を刺激した人間に対しては容赦なく攻撃してきます。とはいえ、毒針の毒性はオオスズメバチなどと比べるとそれほど強力なものではありません。しかし、それでもアナフィラキシーショックのような重い症状を引き起こす可能性もあるため、注意しなければなりません。

モンスズメバチの巣は意外な場所に

モンスズメバチの巣はやや大きめで球体になっていることが多く、その色は主に茶系統になっています。サイズも大きく、ときには同じ場所に複数個の巣ができていることもあるため、その場合はかなりの大きさになります。

また、そんな巣ができる場所は意外とわかりにくく、主に閉鎖された空間や狭い場所に作ることが多いでしょう。木の中やときには地中などに作られることが多く、家屋に作る場合にも天井裏など、気が付きにくい場所に作成されることが多いです。

モンスズメバチはヨーロッパで有名な種!

現在では日本はもちろん、ユーラシア大陸全体に生息しているモンスズメバチは、その西端・ヨーロッパで学名が付けられた、はじめてのスズメバチです。英名の「European hornet」は意味そのまま「欧州のスズメバチ」という意味で、名前からもそのルーツがうかがい知れます。

とはいえ、現地ではその知名度から駆除された数も多く、絶滅の危機にひんしている地域もあるほど。現地では「3度刺されると命を落とす」という言い伝えがあるように、非常にポピュラーなスズメバチとなっています。
モンスズメバチは権威ある蜂?~学名から知るモンスズメバチ

モンスズメバチは凶暴…でも被害は意外と少ない?

モンスズメバチはその攻撃性の高さから、危険な蜂の1種として数えられています。とはいっても、その被害例はオオスズメバチやキイロスズメバチと比べるとやや少なめになっています。海外でも猛威を振るうような凶暴な蜂ですが、なぜそれほど被害が出ていないのでしょうか。

巣が見えにくい・気づきにくい場所にある

見えやすい場所に巣を作ることの多いキイロスズメバチなどとは異なり、見えにくい場所に巣を作るモンスズメバチとはなかなか遭遇しないことも。そもそも人間と接触する機会がほかのスズメバチと比べてやや少ないモンスズメバチは、当然その被害も少なくなります。

数がそれほど多くない

分かりやすい場所に巣を作りにくいという点ではオオスズメバチも同じなのですが、それ以前にモンスズメバチは数がそれほど多くないという点も被害数減少の一因です。モンスズメバチの数が少ない原因は、その食性にあるといわれています。

スズメバチは主に昆虫を狩り、幼虫のエサとすることが多いのですが、その昆虫の種類もスズメバチによって少々異なります。今回のモンスズメバチの場合は、昆虫の中でも主に『セミ』を好んで食べるといわれているのです。

とくにモンスズメバチは春ごろ発生するセミを捕らえ生育のエサに利用していたのですが、近年日本ではそのセミの数が減ってきてしまいました。エサの数が少なくなるのにともなって、日本のモンスズメバチの数も減ってきてしまったといわれています。

The hornet is ferocious

被害は少なくても危ない!モンスズメバチの危険な特性

モンスズメバチは比較的被害数は少ないですが、それでも油断は禁物です。攻撃性が高い、というのはもちろんのこと、モンスズメバチには他種にはない特徴もあわせもっているのです。

モンスズメバチは夜でも行動できる!

主にスズメバチは、夜間はあまり行動しないといわれています。しかし、このモンスズメバチは、日が落ちてからもしばらく行動しつづけることができるのです。

そのため、夜間とはいえど油断していると、モンスズメバチが行動している可能性があります。夜に虫が飛んでいるような気配がしたら、十分に注意しておくようにしましょう。

巣が見えづらい分危険!

巣が見えにくい場所にあるというのは遭遇しにくい反面、発見もしにくいということにもつながります。巣の存在に気づかず木や茂みを刺激してしまい、モンスズメバチに攻撃される、というケースもあるため注意が必要です。

また、地中などの場所にはさらに危険性の高いオオスズメバチの巣があることも。自然の木や茂みは、むやみやたらに刺激しないようにしましょう。

モンスズメバチが発生する時期&危険な時期はココ!

攻撃性の高いモンスズメバチには、『発生する時期』『とくに危険な時期』があります。被害にあわないためにも、この時期には警戒しておきましょう。

モンスズメバチの発生時期

モンスズメバチが発生する期間は、基本的に『4~10月ごろ』といわれています。これは女王蜂が冬眠から目覚め、巣を作りはじめるタイミングから数えたものなので、発生初期のころは働き蜂もいません。

私たちに被害を出すのは、主に働き蜂です。冬眠明けの4月から6月ごろまでは成長していないことも多いため、同時に駆除もしやすい時期といえるでしょう。

モンスズメバチのとくに危険な時期

モンスズメバチが発生している時期の中でも、『7~9月ごろ』にかけてはとくに注意が必要です。このころにはすでに多くの働き蜂が活動しており、巣も大きくなっていることが多いでしょう。

また、8月ごろには巣もとくに大きくなり、働き蜂の数も相当な量になります。働き蜂の活動もより行動的かつ警戒が強くなっているでしょう。この時期が過ぎたとしてもまだまだ働き蜂が残っていることが多いため、油断せず注意しておかなければなりません。

冬は安全?

基本的にスズメバチは越冬できない(女王蜂は例外)ため、冬に差し掛かると多くの蜂が死んでしまいます。とはいっても近年は暖かい場所が多く、少々寒くなっても何とか生き延びる蜂が多いともいわれています。

真冬なら遭遇することは少ないでしょうが、冬のはじめごろはまだまだわからないため、安心しきることのないようにしておいてください。

巣ができやすい場所

モンスズメバチやその巣を見つけたら?危険を回避するための行動

モンスズメバチやその巣を発見した場合には、以下のような対処法があります。うっかり刺されて健康に害すような事態にならないためにも、しっかり知っておくようにしましょう。

あわてずに離れる

巣を見つけてしまうほどに接近している場合は、すでに攻撃寸前の状態まで来ている可能性があります。その状況でもまだおそわれていない場合は、騒いだり走ったりせず、ゆっくり刺激しないように巣を離れるようにしましょう。

また、モンスズメバチを見たという場合も、近くに巣があるかもしれません。巣がありそうな場所に見当がつくのであれば、同様にゆっくり静かに立ち去るようにしましょう。

手で払わない

蜂が近くに来ると、思わず手で払ってしまいがちです。しかしこの行動は非常に危険で、蜂を興奮させてしまう上にその手を刺されてしまうことにもつながります。

あわててしまう気持ちはわかりますが、絶対に蜂を刺激しない、という点を念頭に置いて行動するよう心がけましょう。

刺されてしまった場合は病院へ!

もしもモンスズメバチに刺されてしまった場合は、毒によるアナフィラキシーショックが発生する可能性があります。とくに刺されてからすぐに患部以外に異常(吐き気や意識障害、じんましんなど)が出てきた場合は、非常に危険です。

アナフィラキシーショックは命にかかわる症状を引き起こす恐ろしいものです。蜂に刺されてしまった場合はすぐに病院へいくことをおすすめします。

モンスズメバチの駆除は自分でしてはいけません!

「モンスズメバチやその巣は自分で駆除できるの?」、という疑問が浮かんではいないでしょうか。確かに自分で駆除できればその分お金も浮きますが、それ以上に多大な危険がともないます。

駆除しようとすると、当然ながらスズメバチ側は全力で抵抗してきます。そのため、しっかりとした装備や知識もなく無理に駆除しようとするのは大変危険です。

また、当然ながら巣が大きければ大きいほど、蜂の数が多ければ多いほど駆除は難しくなります。巨大な巣の駆除はプロでも時間がかかるほど大変な作業のため、技術がなければかなり難しい作業になるといえるでしょう。

モンスズメバチの脅威を何とかしたいと思ったときは、プロの業者に依頼するのが得策といえますね。

まとめ

日本全国に分布するモンスズメバチは、攻撃性の高い危険なスズメバチです。夜間も行動できることから、被害例が少ないとはいえ油断のできないスズメバチといえます。

そんなモンスズメバチの巣は、木の中などにあることが多いとされています。ハイキングなどにいかれる方は、茂みや木の周辺をむやみに刺激しないようにしましょう。また、家屋内では屋根裏などに作られることも多いため注意が必要です。

とはいえ、蜂の巣があるかもしれない場所を確認するのも怖い、という方も多いのではないでしょうか。確かに蜂の駆除や点検を自分でやるのは危険がともないます。安心して蜂駆除をおこなうには、やはりプロの技術が必要です。

点検だけであれば無料でおこなってくれる業者もいるので、まずは被害状況のチェックからしてみてはいかがでしょうか。スズメバチの駆除は、できるだけ早くの対処が肝心です。巣が大きくなってしまう前に、気づいた段階で対処できるようにしましょう。

この記事の監修者 ナカザワ氏について

この記事の監修者
ナカザワ氏 NPC 総合害虫駆除
監修ジャンル:害獣 害虫
神奈川県・東京都を中心とした総合害虫駆除サービスを運営。防除作業監督者(防第14721号)の国家資格を有し、アリ、ゴキブリ、ダニ、ハエ、トコジラミ、ハチやコウモリなど幅広い害虫や害獣にも対応。

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