アシナガバチとスズメバチを「巣」と「姿」から見分けよう!
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暖かい季節になってくると、自宅付近で蜂を目にすることが増えてきます。しかし、蜂の姿は見かけても巣がどこにあるのかはわからないことも多いでしょう。さらに、スズメバチなのかアシナガバチなのか、種類がわからないという場合も。
蜂は、巣の場所や形などから種類を判別することが可能です。スズメバチであればトックリのような形をしていたり、アシナガバチであれば六角形の穴が空いたシャワーヘッドのような形をしていたりします。
当記事ではアシナガバチとスズメバチの巣がどのような姿形をしており、どこに作られるのかを詳しく解説しています。ご自宅に巣があるのかどうかを確かめ、蜂被害を未然に防ぎましょう。
目次
巣の場所から推測できるハチの種類
屋根裏に出入りしている場合
ヒメスズメバチやモンスズメバチ、初期のキイロスズメバチの巣などのおそれがあります。詳しく見分けるため、こちらへお進みください。
軒下や木の上に巣がある場合
キイロスズメバチやコガタスズメバチなどのおそれがあります。詳しく見分けるため、こちらへお進みください。
壁面・草むらなど低いところに巣がある場合
アシナガバチ各種のおそれがあります。詳しく見分けるため、こちらへお進みください。
床下や土・木の中に出入りしている場合
オオスズメバチやヒメスズメバチ、クロスズメバチなどのおそれがあります。詳しく見分けるため、こちらへお進みください。
場所別・巣の形①屋根裏の場合
※危険を伴う場合があるため、巣を直接確認できない場合は蜂の姿をチェックすることをおすすめします。
屋根裏に巣を作るおそれのあるハチは次のような巣や見た目をしています。
ヒメスズメバチ
ヒメスズメバチはオオスズメバチほどではないものの大型の種で、女王蜂を含め2.2~2.7cmと、巣全体の蜂が同じような大きさをしています。また針のある腹部先端が「黒い」(対馬生息の種を除く)のがヒメスズメバチの特徴で、そのほか腹部にオレンジが買った部分がある点なども見分けるポイントになります。
モンスズメバチ
ヨーロッパから日本まで広く生息する種です。スズメバチのなかではやや小さく、2.5cmほどの大きさとなっています。名前に「紋」と入っているように、腹部の黄・黒の縞模様がまっすぐではなく「波打っている」のが見た目の特徴といえるでしょう。
初期のキイロスズメバチ
キイロスズメバチ(北海道ではケブカスズメバチ)の女王は天井裏などの安全な空間に巣をつくり働き蜂を増やします。十分に安全が確保されると、軒下など利便性の高い場所に引越しをするという特徴を持っているのです。
キイロスズメバチはスズメバチとしては小型で、働きバチの大きさは2.5cm程度です。ただし攻撃性が強いため、不用意に巣へ近づかないようにしてください。そのほか、本州から沖縄・台湾にかけて分布する種は縞模様でも黄色の占める割合が大きいことが見分けるポイントです。
場所別・巣の形②軒下や木の上の場合
軒下や木の上など、高いところに巣を作っている場合、キイロスズメバチやコガタスズメバチだと考えられます。巣の形や出入りしている蜂の姿を遠くから確認し、スズメバチ駆除を依頼しましょう。
キイロスズメバチ
キイロスズメバチ(北海道ではケブカスズメバチ)の女王は天井裏などの安全な空間に巣をつくり働き蜂を増やします。十分に安全が確保されると、軒下など利便性の高い場所に引越しをするという特徴を持っているのです。
イラストのようにマーブル状の丸い大きな巣が軒下や木の上へ現れた場合、群を作ったキイロスズメバチの巣のおそれが高いです。
コガタスズメバチ
都会の環境に適応しやすいことから住宅地に多いスズメバチの一種です。オオスズメバチと似た見た目をしていますが、多くの場合2.5cmほど(オオスズメバチは3~4cm)と小さいことが見分けるポイントになるでしょう。1つの巣に群がる数も少なくほかのスズメバチより危険性は小さいものの、身近に巣ができた場合は駆除が必要です。
またコガタスズメバチは当初とっくりのような巣を作り、規模が拡大するとともに丸く形が整っていくことが特徴です。
場所別・巣の形③壁面・草むらなど低いところの場合
草むらや家の外壁など、比較的手の届きやすい場所に巣を作るのは「アシナガバチ」の特徴です。スズメバチと比較すれば非常におとなしく、巣や蜂に干渉しなければ刺されることは少ないといえます。
アシナガバチはスズメバチと異なり、巣穴が露出した巣の形状をしています。シャワー状の形で軒下や低い木などにぶら下がっていることが多いですが、壁面などへ垂直に巣を作ることの多いフタモンアシナガバチなど、子どもやペットが触れないよう注意が必要です。
またアシナガバチはスズメバチと比べて細長い見た目をしているのが特徴です。巣や蜂に直接干渉しなければ人間に対して攻撃してくることは少なく、害虫を捕獲する「益虫」としての面も大きいです。
ただし比較的攻撃性が高いセグロアシナガバチなどもいるため、不用意に巣へ近づくことはやめてください。危険を及ぼす場所であれば駆除の検討が必要です。
場所別・巣の形④床下や土・木の中の場合
※近づくと危険なため、巣が直接見られない場合は蜂の特徴で見分けるようにしてください
密閉空間である床下や木の内側に巣を作る種類として代表的なのが「オオスズメバチ」です。比較的おとなしい「クロスズメバチ」などの可能性もありますが、安全のため遠くから観察することが大切になってきます。巣が直接見えない場合は、出入りしているハチの特徴をつかみましょう。
オオスズメバチ
スズメバチの中でも大型で、日本に住むオオスズメバチは3~4cmほど。世界最大ともいわれています。古い木のすき間や木の根部分など森林に多いことが特徴ですが、住宅の床下などにも巣を作ることがあります。
オオスズメバチは非常に凶暴な性格で、ほかのスズメバチの巣を襲いエサにします。人間を集団で襲うこともあるため、住宅や庭などで見つけたら決して近づかず、速やかに駆除を依頼しましょう。
ヒメスズメバチ
ヒメスズメバチはオオスズメバチほどではないものの大型の種で、女王蜂を含め2.2~2.7cmと同じような大きさをしています。針のある腹部先端が「黒い」(対馬生息の種を除く)のがヒメスズメバチの特徴で、そのほか腹部にオレンジが買った部分がある点なども見分けるポイントになります。
なお、床下だけでなく屋根裏に巣を作ることの多い種類です。
クロスズメバチ
「地蜂」「へぼ」などとも呼ばれ、山間部では幼虫やさなぎが貴重なたんぱく源として食されることもあります。全体的に黒っぽい見た目が特徴で、1cm程度と小型ですが巨大な巣へと発展することが多いです。
なお巣を作る場所は「土の中」がほとんどですが、まれに屋根裏や軒下に作ることもあります。
まとめ
蜂は種類によって巣の形や作る場所が違います。なかには外敵から守るために、非常に見つけづらい場所に巣を作ることもあるでしょう。うっかり近づいてしまい襲われることがないよう、巣がありそうな場所は事前に知っておくことが大事です。そして、巣を探すときも十分に気をつけておこなうようにしましょう。
多くの蜂駆除業者では、どこに蜂の巣があるのかを確かめるための現地調査もおこなっています。「自分で確かめるのが不安……」「すぐにでも駆除してほしい!」という場合には、プロの力を借りることも検討してみてくださいね。
※対応エリアや加盟店によって変わります