【蜂の巣予防】蜂の嫌いな匂いで寄せ付けない!効果的な対策をご紹介
この記事を読むのに必要な時間は約 12 分です。
蜂の巣を予防したいなら、蜂の種類や環境に合わせて適切なタイミングで対策をおこないましょう。
スズメバチやアシナガバチの巣作りの予防には、殺虫スプレーなどを使って蜂を寄せ付けないようにする方法のほかに、金網などで侵入経路を封鎖する方法、女王蜂を捕獲してしまう方法も有効です。
当記事では、具体的な予防方法とともに、蜂の巣を作られやすい場所や予防に適したタイミングもご紹介しています。毎年蜂に巣を作られて困っている方や、近所で蜂を見かけて心配されている方はぜひ試してみてください。
ただし、対策をおこなっていても蜂の巣作りを予防しきれないこともあります。もしも蜂の巣を発見したときには、業者に頼むなどして早めに駆除することをおすすめします。
目次
蜂の巣を予防するための方法は大きく分けて3つ
蜂の巣の予防方法として代表的なのは以下の3つです。
- 蜂が嫌がる環境を作る
- 物理的に巣を作れないようにする
- 蜂を捕獲する
それぞれ具体的な対策方法をご説明していきます。
①蜂が嫌がる環境を作る
蜂の巣を予防する方法の1つめは「蜂が嫌がる環境を作る」ということです。蜂が苦手な香りや成分を使って、近寄らないようにするのです。蜂が嫌がる忌避効果のあるものをいくつかご紹介していきます。
ミント(ハッカ) |
蜂はミントの香りが苦手といわれています。嗅覚がとても鋭い昆虫なので、その特徴を利用して嫌がるミントの香りで予防対策をするとよいでしょう。ミントから抽出されたハッカ油を、蜂の巣予防をしたい場所にスプレーしておきます。 |
殺虫スプレー |
殺虫スプレーは蜂の巣に直接噴射して蜂を駆除するときに使われることが多いですが、蜂の巣予防の効果も持ち合わせています。蜂が営巣しそうな場所にあらかじめ殺虫スプレーを噴霧しておくことで、巣を作られることを防ぐことが可能です。 殺虫スプレーを吹きかける場所については、「巣が作られやすい場所」にて詳しく解説していますので、参考にしてみてください。 |
木酢液 |
木酢液とは、木材から木炭を作るときに発生した煙を、急激に冷やすときに生まれる液体の上澄み部分のことです。焦げくさいニオイのする木酢液を、蜂は苦手としています。 使用方法はミントや殺虫スプレーと同じように、巣が作られそうな場所に木酢液を散布しましょう。庭木や植え込みなどに巣を作られることを予防したい場合は、木酢液をバケツに入れて設置するだけでも効果的です。 しかし、木酢液特有の焦げくさいニオイは人にとっても気になることがあります。そのため、木酢液を使うときは庭や家の隙間など、ニオイが気にならない場所がおすすめです。ベランダなどでは洗濯物にニオイがうつってしまうおそれがあるため注意しましょう。 蜂以外でも木酢液のニオイを嫌う生き物はたくさんいます。蜂以外の害虫対策にもなるので、害虫でお悩みの方はぜひお試しください。 |
- エアコンの室外機など、機械類に噴射すると故障してしまうことがある
- 雨が降ると忌避成分が流れ落ちてしまうことがある
このほかに、屋外であれば水をまくことでも蜂の巣作りを予防できるかもしれません。蜂は乾燥した場所を好む傾向があります。そのため、庭木や土が乾かないように定期的に水をまくことで、蜂の嫌がる環境を作ることができるのです。
ただし、水をやりすぎて植物が枯れてしまわないよう注意が必要です。
②蜂の巣が作れないようにする
2つ目の予防方法は「物理的に巣を作れないようにする」ということです。蜂の特徴を生かして巣が作られそうな箇所を対策しましょう。
隙間や通気口を封鎖する |
もともと蜂は、土中や木の根元のような外敵に見つかりにくい閉鎖的な空間を好む傾向にあります。家屋でいえば天井裏や床下などは蜂に好まれる場所です。このような場所に通じる隙間や通気口に網をかけ、出入り口を封鎖してしまいましょう。封鎖するときは金網などの「丈夫かつ通気性も保てるモノ」を用いるとよいです。 高い場所にある換気口に網をかけるときは、転落事故にご注意ください。 |
庭木などを剪定する |
蜂は雨で羽が濡れてしまうと動きがにぶり、うまく飛ぶことができなくなります。そのため蜂は、「雨」を防げる場所を選んで巣を作る傾向があります。庭木を剪定するなどし、雨風をしのげる場所を徹底的につぶしておくとよいでしょう。 |
③蜂を捕獲する
蜂の巣を作られないようにするためには、蜂をおびき寄せて捕まえてしまうことも有効です。スズメバチとアシナガバチの巣は、女王蜂が1匹で作り始めます。巣作りを始める前に女王蜂を捕獲することができれば、巣を作られる危険性を減らすことができるでしょう。
蜂を捕まえる道具として、捕獲器というものがあります。捕獲器とは、蜂が好む香りを出しておびき寄せ、捕獲する装置のことです。
捕獲器は市販品のほか、ペットボトルを使って手作りすることもできます。
②ペットボトルの側面4箇所に、H字に切り込みを入れる。
③切り込みの上側を外へ、下側を中へ折り込む。
④誘引剤をペットボトルの中へ入れる。
⑤ペットボトルの口にひもをくくりつける。
⑥地面から1~3mほどの高さの、直射日光の当たらない場所に吊るす。
切り込みの上側は雨を防ぐ屋根の役割、下側は誘い込まれたスズメバチが出られないようにする「かえし」の役割を果たします。また、上記の図では誘引剤に「清酒」「酢」「砂糖」を使用していますが、清酒の代わりに焼酎やワイン、砂糖と酢の代わりに果汁の入ったジュースを使用することも可能です。設置したペットボトルトラップはこまめに確認して、必要に応じで誘引剤の継ぎ足しや交換をおこなってください。
- 6月以降に設置すると危険!
- 誘引捕獲器を使うなら忌避剤は使わない
6月以降は攻撃性の高い働き蜂が増えるため、捕獲器で蜂をおびき寄せることはやめましょう。
また、殺虫スプレーやハッカ油などの「忌避剤」を同時に使うことはやめましょう。誘引剤(蜂を引き寄せる)と忌避剤(蜂を遠ざける)では目的が真逆なので、打ち消しあって十分な予防効果を得られません。
【番外編】新聞紙で作るダミーの巣がアシナガバチ予防になる?
新聞紙を丸めて、蜂の巣サイズにして吊るしておくとアシナガバチが寄り付かないという噂があります。
ただ、残念ながら効果の立証はされていません。ご自身で作製してみるのもよいかもしれませんが、ダミーだけの蜂の巣予防対策はやめておいたほうが無難です。
蜂の巣を作られやすい場所を重点的に予防しよう
蜂が巣を作りやすいのはどのような場所か分かりますか?作られやすい場所の特徴を知ることで、蜂の巣予防に役立てることができるでしょう。
【事例で紹介】巣が作られやすい場所とは
一般的に蜂は、つぎのような条件に当てはまる場所を選んで巣作りをおこなうといわれています。
◆雨風がしのげる
◆乾燥している
◆エサに困らない
◆柔軟剤などの甘い香りがする
ここで2019年度、弊社が請け負った約700件以上のデータから抽出した施工場所1位~11位のランキングをご覧ください。
順位 | 項目 | 件数 |
---|---|---|
1位 | 軒下 | 81件 |
2位 | 玄関 | 50件 |
3位 | 屋根・屋根裏 | 44件 |
4位 | 植木 | 44件 |
5位 | ベランダ | 41件 |
6位 | 換気口・通気口 | 17件 |
7位 | 窓 | 16件 |
8位 | 駐車場 | 16件 |
9位 | 車庫 | 13件 |
10位 | 換気扇 | 11件 |
11位 | その他 | 110件 |
このような結果となりました。これを割合で表したのが下の円グラフです。
軒下・玄関・屋根裏で半分を占めています。そのほか、植木やベランダと続きました。換気口・通気口、窓、駐車場も年に15件前後の対応をしています。おおむね、さきほどお伝えした外敵に襲われにくく乾燥し、雨風がしのげる場所に当てはまりますね。
そのほか、件数は少ないですが、以下のような意外な場所のご依頼もありました。
- 犬小屋
- 鳥の巣箱
- ウッドデッキ
- シャッター
また、蜂にとって居心地のよい場所は、人間にとって発見しにくい目立たない場所でもあります。弊社が対応したケースで、とくに発見が遅れがちなのは以下のような場所です。
- 室外機
- 壁の中
- コンセントの中
- 車の中
このように、蜂はさまざまなところに巣を作ります。場所によってはご自分で予防対策がしやすいですが、ときにはとんでもないところで巣が発見されることもあるのです。
スズメバチ・アシナガバチ・ミツバチが巣を作る場所
日本の住宅に巣を作る蜂として有名なのは、「スズメバチ」「アシナガバチ」「ミツバチ」の3種類です。
スズメバチ |
スズメバチは種類によって軒下などの開放的な空間に巣を作るもの、屋根裏などの閉鎖的な空間を好むもの、土の中に巣を作るものもいます。 スズメバチの巣はマーブル模様で丸い形をしており、大きさは最大で1メートル近くになることもあります。 |
アシナガバチ |
アシナガバチは、雨風の当たらない開放的な空間を好んで巣を作ります。 アシナガバチの巣は巣穴が見え、お椀を逆さまにしたような形です。大きさは最大で15センチメートルほどです。 |
ミツバチ |
ミツバチは閉鎖的な空間に巣を作る傾向があります。ミツバチの巣は板のように平たい形で、ミツのロウができています。 |
3種のなかでも、スズメバチはとくに危険度が高いです。都市でも見かけることの多いキイロスズメバチ(ケブカスズメバチ)やコガタスズメバチに加え、凶暴で毒も強いオオスズメバチが巣を作りやすい場所をまとめました。
キイロスズメバチ | コガタスズメバチ | オオスズメバチ | |
---|---|---|---|
対策すべき場所 | 木の枝、軒下など | 木の枝(とくに低い木や生垣)、軒下など | 土の中や木、屋根裏など |
巣作りの特徴 | 都市部や家屋周辺にも巣を作る | 雨風をしのげる開放空間に巣を作りやすい | 人気がないところに巣を作りやすい |
上記3種類のスズメバチの巣を予防したい場合、軒下や庭木まわりを中心に対策をしていくと効率がよさそうです。
蜂の巣予防に適したタイミングとは
蜂の巣作りを予防するためには、蜂の活動時期にあわせて適したタイミングで対策をおこなうことが大切です。
蜂の活動時期
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
スズメバチ | |||||||||||||||
アシナガバチ | |||||||||||||||
ミツバチ |
スズメバチとアシナガバチは女王蜂のみが冬眠して冬を越します。ミツバチは女王蜂だけでなく働き蜂も越冬し、年間をとおして生息しています。
スズメバチとアシナガバチの予防は女王蜂だけの時期に
スズメバチ・アシナガバチの活動サイクル
殺虫スプレーなどを使って蜂が嫌がる環境を作ったり、網などで蜂の巣が作れないようにしたりといった対策は、蜂が巣を作り始める前の3月頃からおこなうとよいでしょう。7月ごろまで継続的におこなうと、より効果的です。
また、女王蜂を駆除する場合は4月~5月ごろが最適といえます。蜂の種類にもよりますが、女王蜂は4月頃から巣を作り始めます。作り始めは働き蜂はおらず、女王蜂のみで巣を作っている段階です。しばらくして巣が大きくなると働き蜂が生まれ、攻撃性も高くなり、危険も伴うようになります。
そのため、女王蜂のみの段階である4月~5月ごろまでに女王蜂を駆除し、蜂の巣を作られないようにしておくとよいでしょう。
蜂を見かけるときには「日没後」に
すでに近所で蜂を見かけているというときは「日没後」に予防作業をおこないましょう。日中は巣の外を飛び回っている蜂も、夜になると幼虫の世話をするため巣の中に戻ります。
また、気温が低い夜は蜂の動きも鈍くなります。そのため、日中よりも日没後のほうが襲われるおそれも低くなるのです。すでに蜂を見かけているときは、日没後に予防作業をおこなうとよいでしょう。
予防後は定期的な見回りで営巣対策!
ご紹介した予防策をいくつか実施したあとは、実施箇所を定期的に見回るようにしましょう。「蜂の巣はできていないか」「木酢液のニオイが消えていないか」「捕獲器の誘引剤は減っていないか」など、おこなった予防対策の効果が継続しているかを確認します。木酢液が減っていたり誘引剤が減っていたりすると予防効果が低くなってしまうので、再度予防策をおこなうようにしてください。
また、見回りにいくときには4つの注意点があります。身につけるだけで蜂を呼びよせてしまうモノがありますので、蜂に刺されてしまわないように注意点はしっかりと覚えておきましょう。
注意点2.長袖・長ズボンを身につける
注意点3.香水・整髪料などはつけない
注意点4.ジュースを持っていかない
注意点1.日中は「白色」、夜間は「黒色」の服やモノを身につける
日中は「白」、日没後は「黒」の服装を着るようにしましょう。蜂は周りの景色に対して目立つ色のものに反応します。周りが明るい昼間であれば濃い色、周りが暗い夜間であれば薄い色に近寄って来やすいため、見回りをする時間帯によって身につけるものを変えるとよいでしょう。
白い服装がない場合は水色や黄色など薄い色の服を、黒い服装がない場合は紺色や茶色など濃い色の服装を選ぶとよいです。
注意点2.長袖・長ズボンを身につける
見回りをするときには長袖・長ズボンを着用しましょう。もし蜂に刺されたり噛まれたりした場合でも、素肌より服の上から受けたほうが被害は軽くなります。また、見回りでは自宅周辺の足場が悪い場所にいくこともあるでしょう。転んだりつまずいたりしたときに、長袖・長ズボンだとケガのリスクも低くなります。
注意点3.香水・整髪料などはつけない
蜂はニオイに敏感です。香水や整髪料のニオイは、蜂の「警戒信号用フェロモン」、つまり攻撃フェロモンに似ているといわれています。そのため、香水や整髪料をつけていると蜂を刺激して、攻撃的にしてしまうおそれがあるのです。
ニオイがつくものは身につけないようにして、できるだけ無臭の状態で見回りにいくようにしましょう。
注意点4.ジュースを持っていかない
見回りの途中でのどが渇いてしまったときのために、飲み物を持参する方もいるかもしれません。しかし、ジュースを持っていくのは控えましょう。ジュースの甘いニオイは蜂を引き寄せる原因になってしまいます。飲み物を持参するのであれば「水」や「お茶」がおすすめです。
見回りをしたとき、作られてしまった蜂の巣に気づいたら、巣が大きくなる前に対策をすることがおすすめです。つぎの章では巣を作られてしまったときの対策についてご紹介します。
もしも蜂の巣を作られてしまったら早めの対策を
予防対策をしたとしても、蜂の巣を作られてしまうことがあります。もし蜂の巣が作られてしまったら、早めに駆除をするとよいでしょう。そのままにしておくとどんどん巣が大きくなってしまい、駆除するのが大変になってしまいます。
自分で駆除する方法
作り始めの小さい巣であれば、自分で駆除することも可能です。自分で駆除するときはハチ駆除スプレーなどを使用するとよいでしょう。その際、防護服や手袋、長靴を着用し、肌の露出は避けるようにしてください。
また、日中は巣の外を飛び回っている蜂も、日没後は巣の中に戻り動きが鈍くなります。そのため、蜂の巣駆除は日没後におこなうようにするとよいでしょう。
蜂は駆除しても同じ場所に巣を作る性質がある
蜂には「戻り蜂」といって、巣のあった場所に戻ってくる習性があります。蜂の巣を駆除した際に女王蜂を取り逃がしてしまえば、ふたたび同じ場所に巣を作られるおそれもあるのです。
そのため一度駆除したとしても、ふたたび巣を作られないように、忌避効果のあるハッカ油や木酢液、殺虫スプレーをまくなどの対策をしたほうがよいでしょう。
難しければ業者に依頼しよう
大きな蜂の巣を駆除したい場合や、作られてしまった蜂の巣がスズメバチであった場合、個人で対応するのは危険といえます。スズメバチは攻撃的な生き物であり、人を襲う確率が高いからです。無理せず業者に駆除してもらうとよいでしょう。業者であれば専門知識や過去の経験から、適切に駆除してくれます。
また、駆除したあとにまた巣を作られないように対策をしてくれる業者もあります。見積りや作業内容を確認しながら業者を選ぶとよいでしょう。
弊社ではいつでもご相談いただけるよう24時間受け付けております無料相談窓口がございます。状況にあわせてお近くの業者をご紹介しております。現地調査や見積りを無料で対応している業者もございますので、ぜひお気軽にご相談ください。
まとめ
蜂の巣を予防する方法には、
- 蜂が嫌がる環境を作る
- 物理的に巣を作れないようにする
- 巣作りを始めたばかりの蜂を捕獲する
という3つの方法があります。
蜂の活動時期に合わせて春~夏ごろ、蜂の巣を作られやすい場所に重点的に対策をおこなうことで、効果的に蜂の巣予防ができるでしょう。
ただし、対策をおこなっていても巣を作られてしまうことはあるため、定期的に見回りをすることも大切です。
もしも蜂の巣を発見したら、早めに駆除しましょう。ご自分での駆除に不安を感じる場合には、プロの業者に任せると安心です。
※対応エリアや加盟店によって変わります