ヒアリの駆除について!もしものときに備えて知っておこう
この記事を読むのに必要な時間は約 5 分です。
ときどきテレビでも取り上げられるような、おそろしい虫がヒアリです。ヒアリはもともと海外にいたアリですが、日本でもたびたび発見されており、危険視されています。そんなヒアリを、もしかしたら見かける機会もあるかもしれません。
ヒアリと出会ってしまったときに間違った対処をすれば、被害が拡大してしまうおそれがあります。そのため、正しくヒアリを駆除できるような情報を得ておくことが大切です。正しい情報を知っておくことで、ご自身と環境のどちらも守ることができるのです。
ヒアリかどうか迷ったときや危険を感じたときは、無理は禁物です。このコラムで、ヒアリかどうかを判断するための情報を知って、正しい対処をしていきましょう。
発見したヒアリの駆除はどうすればいいのか
もしヒアリのようなアリがいたときは、数が少なければ自分で駆除をしましょう。ヒアリの駆除には、殺虫スプレーや熱湯をかけていきます。ただしベイト剤は、ヒアリのライバルとなるアリも駆除してしまうことがあるので、使用しないようにしましょう。
駆除したら本当にヒアリか確認を
アリを駆除することができたら、本当にヒアリかどうかを確認していきます。ヒアリはやや赤みを帯びた茶色をしており、おしりは黒に近い色をしています。また触覚は10節あり、全体的にツヤツヤとした見た目をしています。この確認をするときは、決して素手で触ることはせず、手袋などをはめておこなうようにしましょう。
また、ヒアリに似たアリも存在します。以下ではヒアリに似た種類の一部をご紹介するので、見分けるときの参考にしてみてください。
■アズマオオズアリ
ヒアリと見た目が酷似しているアリです。基本的には木や石の下などの野外に生息をしていますが、家に侵入してくることもあるようです。
おしりはヒアリと同様に、やや黒っぽい色をしています。また体全体が赤みを帯びていますが、黄色も混じったような色をしていることが特徴です。
■ヒメアリ
ツヤツヤとした見た目をしており、おしりが黒っぽい色をしているため、ヒアリと似ています。しかし、ヒメアリの体長は2ミリ程度しかありません。ヒアリは小さいもので3ミリ程度なので、大きさに注目するとよいでしょう。
また、ヒメアリは毒をもっていないものの、被害をもたらします。もしヒメアリを発見したら、「ヒメアリの徹底駆除!生態を知って正しい駆除をしよう!」を参考に対策をしていきましょう。
ヒアリの特徴にあてはまり、似たアリでもなさそうであれば、本物のヒアリかもしれません。ヒアリのようであれば、環境省や自治体などの公共機関に、発見の報告をしましょう。
こんなときは自分で対処せず公共機関へ連絡を
ヒアリが少数であれば、自分で駆除をすることができます。しかしヒアリが多数いたり、蟻塚があったりする場合は、無理して駆除をせずに公共機関へ連絡をしましょう。
蟻塚とは、簡単にいえばアリの巣がある証拠です。アリは巣を作るときに、地面の土を掘っていきます。そのときの土は、アリの巣の近辺に積みあがっていき、盛り上がった形になるのです。その土の塊を、蟻塚と呼ぶのです。
ヒアリを見かけたそばに蟻塚があれば、それはヒアリの巣がある証拠かもしれません。ヒアリが大量に潜んでいるおそれがあるのです。そのため、たくさんのヒアリを見かけたときと同様に、公共機関へ連絡をする必要があります。
もしヒアリがたくさんいるのにも関わらず駆除を試みてしまえば、非常に危険です。ヒアリは毒をもっているため、刺されてしまうおそれがあります。ひどいときにはアナフィラキシーショックを引き起こして命を落としてしまうことも考えられます。
公共機関に連絡をすることで、駆除をしてもらえるだけでなく、国がヒアリの現状を把握することができます。日本にヒアリを定着させないためにも、連絡をおこなうようにしましょう。
政府はどのようにヒアリ駆除をおこなっているのか
ヒアリの定着を阻止するには、国ぐるみで対策をおこなうことが必要です。日本でもヒアリに対する対策がとられています。では、いったいどのような対策がとられているのでしょうか。この章では、主要なヒアリ駆除の対策をご紹介します。
■調査
ヒアリはもともと外国に棲んでいるアリなので、侵入されないことが大切です。そんなヒアリの侵入経路として考えられるのが港湾と空港です。そのため、港湾と空港の確認調査は念入りにおこなわれています。
■情報発信
上記でも述べたように、ヒアリを発見してしまったときは、正しい対応をとることが大切です。もし誤った対応をとってしまえば、ヒアリの拡大につながってしまいます。ヒアリに関する情報を知ることは、拡大の阻止にも役立っているのです。
国では環境省や文部科学省が、ヒアリに関する周知をおこなっています。WEBサイトや学校機関で情報発信をしているのです。
■薬剤散布
通常のアリは土壌に巣を作ることが多いですが、ヒアリは人工物に巣を作ることがあります。とくにコンテナに棲みつくことが多く、同時に移動もしているようです。そのため、ヒアリの棲み処になるような場所には、燻煙タイプの薬剤で対策をおこなっているようです。
海外のヒアリ駆除や対策の状況
日本ではまだ侵入段階であるヒアリですが、海外ではヒアリが定着してしまっている国もあります。
たとえばアメリカでは、もともとヒアリは棲みついていませんでしたが、侵入によって定着されてしまいました。ヒアリが定着した原因のひとつとして、対応の遅れがあげられます。ヒアリの認知が遅く、被害自体も深刻に捉えられていなかったため、拡大につながったといわれています。
また近くの国の香港もヒアリに侵入されてしまい、定着してしまっています。定着後はヒアリによる農作物への被害に悩まされるようです。
ヒアリに侵入された国は、定着してしまうように感じてしまいますが、ニュージーランドでは根絶に成功しています。ニュージーランドではヒアリによる被害を深刻に捉え、徹底した対策がおこなわれました。
ヒアリはコンテナなどの移動によって、生息域を拡大することが多いです。そこでニュージーランドでは、ヒアリが発見された場所から特定の物の移動を制限し、拡大防止に努めました。また対応が非常に早く、巣がひとつの段階から、このような徹底的な対策をおこなっていたのです。
しかし、これほど念入りな対策をおこなったのにも関わらず、根絶には2年という長い月日を要しています。ヒアリの駆除を短期間でおこなうことは難しいかもしれません。
まとめ
ヒアリを見つけるときがあるかもしれません。もしヒアリが少数であれば、殺虫スプレーなどを使って駆除をしましょう。しかしヒアリが多数であったり、蟻塚があったりする場合は、無理に駆除をすると危険です。公共機関へ連絡しましょう。
公共機関へ連絡をすることで、国がヒアリの状況を確認することができます。日本では調査や情報の発信、薬剤散布などの対策をしています。連絡をすることで、これらの対策に情報を生かしてくれることが期待できます。
ただしヒアリの駆除を完遂したニュージーランドでは、早急な対応をおこなったのにも関わらず根絶に2年かかっているため、すぐに根絶することは難しいかもしれません。長期的に警戒をする必要があるでしょう。
ヒアリは赤褐色やツヤツヤとした見た目が特徴です。もし発見したのがヒアリではなく、別のアリであるようであれば、業者へ駆除を依頼しましょう。
弊社では、優良な駆除業者を紹介しています。24時間、電話相談も受け付けているので、いつでもお問い合わせしていただくことが可能です。お困りの際はいつでもご相談ください。