トタン屋根の修理は業者へ任せて雨漏りを解消!その方法と費用相場
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「トタン屋根が雨漏りしてしまった……」そんなときは業者に修理を依頼しましょう。トタン屋根の修理作業は高所作業で危険を伴いますし、正確に作業をするには技術が必要になるからです。ただ、応急処置程度なら自分でできるかもしれません。
ここでは、応急処置から業者がおこなう修理方法などについて解説します。ぜひ参考にしていただき、トタン屋根を納得のいく形で修理しましょう。
目次
まずは雨漏りに対して応急処置をしよう
屋根に関する専門的な知識がないと、トタン屋根を修理することは難しいため、基本的に修理は業者に任せることになります。しかし、雨漏りが発生しており、業者がすぐに来られないこともあるでしょう。そのような場合は、自分で応急処置をおこなうことを考えてもよいでしょう。
しかし、応急処置といえども高所作業になることがほとんどだと思いますので、安全には細心の注意を払う必要があります。もし不安だと思ったり、2階以上の高い場所にあるトタン屋根の場合は業者が来るのを待ちましょう。
屋外での応急処置が難しいなら室内の応急処置を
屋外での応急処置が難しい場合は、室内で応急処置をおこないましょう。その方法は、水が漏れている場所にブルーシートを敷き、その上にバケツを置いて家や家具になるべく水がかからないようにするというものです。
トタン屋根に上って応急処置をするのであれば、まずは「ヘルメットをかぶる」「ふたりで作業をする」というようにし、安全性を確保してください。
トタン屋根の応急処置にはおもに以下のような3つの方法があります。
コーキングで応急処置
コーキングとは、シリコンやウレタンを隙間に流し込み、塞ぐというものです。トタン屋根で雨漏りの原因となっている部分に、そのコーキングを打って応急処置をおこなう方法となります。まず、以下のようなものを準備しましょう。
・コーキングガン(コーキングを打つための道具)
・ヘラ
・プライマー(コーキングの接着性を上げるためのもの)
・ハケ
・マスキングテープ
・ブラシや雑巾
そして、以下のような手順で作業をしていきます。
2.マスキングテープでコーキングをおこなう場所の周囲が汚れないように囲う
3.プライマーをハケで塗る
4.コーキングガンを使ってコーキング剤を注入する
5.ヘラでコーキング剤が平らにならす
6.コーキング剤が固まり始める前にマスキングテープをはがす
防水テープで応急処置
防水テープを修理したい箇所に貼り、隙間を塞ぐという方法です。防水テープは必ず屋外でも使用できるものを選ぶようにしましょう。手順はシンプルで、修理したい箇所を雑巾などできれいにし、損傷している場所にテープを貼るだけです。
ブルーシートで応急処置
ブルーシートを準備し、雨漏りしている箇所に被せるという方法です。大きめのブルーシートを準備すれば、雨漏りしている箇所をしっかり特定できなくても応急処置をすることができます。
こちらも手順はシンプルとなります。まず準備するものは、ブルーシートとテープと土嚢袋などのおもしの3つです。土嚢袋の中身は、雨で流れ出してしまわないよう、砂利など比較的粒の大きいものがよいでしょう。
次に手順ですが、ブルーシートを雨漏りしているところに敷き、テープで留めて四隅に土嚢袋を置いて固定するというようになります。土嚢袋は重いので、作業の際は十分に注意してください。
トタン屋根のおもな4つの修理方法と費用
トタン屋根の雨漏りの応急処置が終わったら、早いうちに業者へ修理の依頼をおこないましょう。どのような方法で修理をおこなうのでしょうか?
修理方法とかかる費用の目安を事前に知っておくと、見積り時の作業内容をスムーズに把握できるので、ここでトタン屋根を修理する4つの方法をご紹介していきます。
部分的な張り替え
トタン屋根の一部がさびている、穴が空いているなどの場合は、部分的な張り替えだけで済むことがあるのです。この場合、損傷の状況からどの部分まで交換が必要なのかが変わります。
そのため費用は、数万円で済むこともあれば、足場を組むことになったりすると数十万円になってしまうこともあるのです。もし費用が高くなるようなら、いっそうのことこのあとにご紹介する「全体の張り替え」や「カバー工法」による修理を検討するのもよいでしょう。
全体の張り替え(葺き替え)
こちらは、トタン屋根全体を新しいものに交換するという方法です。全体的に損傷や劣化が見られ、部分的な補修ができない場合は全体的な張り替えが必要となってきます。
トタン屋根全体の張り替えをおこなう場合は、その費用は1坪あたりおよそ2万円~となります。
塗装
屋根材自体にあまり損傷がなく、塗装が変色したり、剥げたりしているだけであれば、再度塗装をおこなうだけで済むことも。塗料にはいろいろな種類がありますので、どんなものを使用するかによって、費用が変わります。
よく使用されるウレタンの塗料の場合、費用の目安は1坪あたりおよそ7,000円~となるでしょう。ただし、足場を設置しなければいけなくなると、追加で10万円以上費用がかかってしまうことがあります。
カバー工法
既存のトタン屋根の上からコンパネや防水シートなどと屋根材を張って、修理をおこなう方法です。2つの屋根材の間に空気層ができるため、断熱性を高める効果も期待できるでしょう。
ただし、カバー工法はトタン屋根の損傷が激しい場合や、もともとの構造によってはできないこともあります。その場合は全体的に張り替えをおこなうことになるのです。
カバー工法にかかる費用は1坪あたりおよそ2万円弱~で、全体を張り替えるよりやや安い費用となることが多いでしょう。
トタン屋根の全体を張り替える場合や、カバー工法をおこなう場合、多くの場合より性能がよい金属であるガルバリウム鋼板が使用されます。また、構造にもよりますが、ほかの屋根材へ変えることも可能です。
トタン屋根の修理には火災保険が適用されるかも
トタン屋根の損傷が自然災害だった場合は、火災保険が適用されることがあります。火災保険には風災補償や雪災補償というものが含まれていることが多く、台風や強風、雪による損傷の場合は対象になるからです。ただし、経年劣化による損傷については、これらの補償の対象外となります。
そのため、自然災害による損傷だと思われる場合は、まず保険会社に補償の対象になるかどうか確認を取るとよいでしょう。現地調査をしたのち対象だと認められれば、修理にかかった費用が全額支払われることが多いです。
トタン屋根の張り替えをDIYでおこなうのは難しい…
トタン屋根の修理や張り替えには、思ったより費用がかかってしまうこともあります。そのため、「なんとか自分で張り替えできないだろうか……」と思う方もいるかもしれません。確かに、トタン屋根の張り替えをDIYでおこなう方もいます。しかし、その難易度と危険性は非常に高いので、基本的に張り替えをDIYでおこなうことは難しいでしょう。
トタン屋根の張り替えは以下のようなことをおこないます。
・もともとのトタン屋根とその下地をはがす
・買ってきたトタンを正確なサイズにカットする
・下地とトタンをしっかり打ち付ける
・(棟がある場合)カバーを打ち付ける
並べてみると簡単そうに見えますが、実際そうはいきません。その大きな理由は、すでに触れていますが、高所作業になるからです。高所で屋根の留め具を抜いて、トタンや下地を手や道具を使ってはがすのは相当大変です。しかも、正確に作業しないと雨漏りの原因になってしまうこともあります。
また、トタン屋根の張り替えをDIYする場合には、必要な道具をそろえる必要があるのです。トタン屋根を取り外すときや、設置するときに使用するドライバー、もしくは釘抜き、ハンマー、類と板を切断する際に使用する波板切鋏などの工具も必要でしょう。
もしそれを踏まえたうえでも自分でやってみたいというのであれば、安全性の確保は必須です。具体的に言うと、以下のようなことに注意し、自己責任でおこなってください。
・ふたり以上で作業をする。
・ヘルメットなどの保護アイテムを装着する。
・事前に計画書などを製作しておく。
・足場に気を付ける。
・雨や風の強い日での作業は避ける。
屋根の取付けや張り替えははしごなどを使って高所での作業になるので、足場には十分に注意して作業をおこなう必要があります。とくに、雨や風の強い日に作業をおこなうと滑ったりバランスを崩すことがあるので、その場合は作業をするのを避けましょう。
また、万が一落下した際のことを考えて、ヘルメットやひじ当てなどの保護アイテムを装着して作業をおこないます。
トタン屋根の特徴について
そもそもひとくくりにトタン屋根と言っても、トタン屋根にはいくつかの種類があります。まず、そのトタン屋根の種類にどんなものがあるのか見ていきます。
トタン屋根の種類と特徴
亜鉛メッキ鋼板
古くからある代表的なトタン素材です。波トタン、角波トタン、金属サイディングと亜鉛メッキ鋼板の中にも数種類が存在する。おもに倉庫や工場の屋根や、古い家に用いられることが多いです。
そのメリットやデメリットは以下のようになります。
メリット | デメリット |
・値段が安い ・軽量 ・勾配がなくても設置可能 |
・寿命が短い ・手入れしないとすぐ錆びてしまう ・夏場に室内の温度が高くなる ・雨が降ると音がうるさい |
過去には金属屋根の屋根材として広く使われていたトタンですが、現在ではより耐久性の高い「ガルバリウム鋼板」がよく使われています。そのため、トタン屋根全体の張り替えをする際は、こちらのガルバリウム鋼板に交換するということが多いです。
ビニールトタン
価格も安く、柔軟性があるため使いやすい素材です。扱いやすい素材なので、日曜大工での作業にも用いられる一般的な素材です。おもにに、物置や小さな小屋などの屋根に設置されることが多いです。
ポリカーボネート
屋根として用いられることが多い素材です。塩ビ素材よりも価格は高いですが、劣化が少なくおおよそ10年以上も保つことができます。ホームセンターなどでも購入することができるので、手に入りやすいですが切断する際にシートの面が分かりずらくなってしまうことがあるので、使用する際は注意しましょう。
家の屋根の場合は亜鉛メッキ鋼板を使用することが多いです。デメリットに書いたように、錆びやすいため、長く使うにはしっかりメンテナンスをしなければいけません。メンテナンスは上述した修理方法と同じく、塗装、部分的な張り替え、カバー工法・全体的な張り替えといったような方法でおこないます。そのため、基本的に業者にお願いしましょう。
まとめ
トタン屋根は、雨漏りした際の応急処置くらいなら自分でできることもありますが、本格的な修理となると業者に任せるのが基本です。応急処置で屋根に上るのであれば、安全性を確保したうえで、注意しておこなうようにしましょう。
修理にはいろいろな方法があります。どの方法でおこなうのが最適なのか、業者と相談して決めましょう。トタンは現在あまりいい屋根材とは言えないので、この機会にほかの屋根材への変更を検討するのもいいかもしれませんね。
(この記事は2020年7月1日に加筆・修正しています)