瓦屋根の勾配はどう決める?屋根の勾配の基礎知識をわかりやすく解説

2021.4.30

瓦屋根の勾配はどう決める?屋根の勾配の基礎知識をわかりやすく解説

一生に一度、自分の家を建てる時や増改築の際、図面や雰囲気、内装や外観にこだわるけれど屋根の勾配、傾斜の度合いや材質を悩んだりするという方は少ないのではないでしょうか。基準も詳しくないといった場合、業者さんからすすめられた通りに屋根のデザインや角度を決定してしまっている方が少なくありません。

あまり屋根に注目されていない方もいるかもしれませんが、金属性やスレート屋根、瓦などの屋根の勾配にもいろいろな違いがあります。その違いにより利点や注意点もあるため、基礎的な知識は知っておいて損はないのではないでしょうか。

そこで、家を建てるうえで本当はとても重要な屋根の基本のひとつである勾配について、ご紹介していきます。新築や増築、改築の際に、ぜひ参考にしてみてください。

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屋根勾配の基礎知識

瓦屋根などの勾配とは、屋根の傾きの角度を表し、屋根の材質によって勾配の角度も決めなければならないことをご存知ですか?選んだ屋根の材質や種類によって、勾配は決まっていて、雪が降る地域では積雪量も関係してきます。降雨量や台風の多さと地域で変化する違いも気象条件など含めていろいろと選択し決定するのが一般的です。

勾配を表すには、「角度」の他に「寸」という単位を使って表現されています。現在、普段の生活ではあまり使われなくなった単位ですが、日本での屋根の表示を表す単位は基本的に寸を使うケースがほとんどで、勾配の数値が上がっていくほど、急な傾きになります。

寸表示では、水平距離10寸に対して垂直方向に上がった傾きの寸法がどれだけかを表します。例えば、2寸勾配なら水平距離10寸に対し垂直方向に2寸上がっているとなります。

他に、寸を使わず表す際には、10分の2勾配と言われていることもあります。6寸の勾配を超える場合を「急勾配」とし、10分の10勾配、10寸勾配は矩勾配「かねこうばい」と呼ばれています。

屋根勾配の基礎知識

屋根勾配がもたらす住宅への影響

瓦屋根の勾配には理由があり、傾きによって雨や雪を積み上げることなく逃がす重要な役割を担っています。勾配を決定する際には、雪が降るのか、台風の被害があるのか、地域による気象の特徴なども重要視されているのです。勾配の度合いで違うそれぞれのメリット、デメリットを見ていきましょう。

急勾配の特徴

メリットは、雨水が留まるといった状況が少ないので、水はけがよく汚れも流れやすくなり、雪が積もり難く、耐久性能も高まることです。デザイン性が高くなることで見栄えも良く、更に屋根裏に空間が生まれ断熱効果のアップや屋根裏の有効活用することもできるようになります。

デメリットは、風の影響を受けやすくなる、屋根全体の面積が広くなる、メンテナンスの際は足場の設置が必須になる、塗り替えや設置の時にはコストがかさむといった点です。

緩勾配の特徴

メリットは急な勾配と比較して全体の面積がさほど広くならず、建てる際の費用や塗り替えの際のコストが抑えられます。また、足場の設置を必要としないため、メンテナンスの際にはコスト面のほか、依頼できる業者さんも多くなり安心です。

デメリットは、雨水の流れが弱く水はけが悪くなるため汚れが付着しやすい、劣化が早くなるなど耐久性が劣ることです。また屋根裏が狭くなるため、屋根裏のスペースを確保し部屋や収納を作るといったことは難しく、空間が狭いので断熱効果もあまり期待できません。

屋根勾配がもたらす住宅への影響

屋根材別の最低勾配

屋根の材質、種類にもさまざまありますが、選択するものによって最低でも守らなければならない勾配が決められているのを知っていますか?最低基準の勾配を下回ってしまうと吹き上げや雨漏りなどと、大きな問題が起こってしまうこともあるため注意が必要です。

金属の屋根を選ぶ場合は「1寸勾配以上」と決められ、スレート屋根は「3寸勾配以上」、瓦屋根の勾配には「4寸勾配以上」が絶対守るべき角度となります。最低勾配の基準以下では家に住むうえで大きなリスクが出てくるため、絶対に守るようにしましょう。

屋根材別の最低勾配

瓦屋根なら4寸勾配がオススメ

瓦屋根で勾配に悩んでいるのなら「4寸勾配」がおすすめでしょう。瓦屋根は屋根材の中でも高い耐久性を持っています。表面の色が劣化せず塗り直しなどもほとんど不要です。また、断熱性が高く、遮音性が優れているため、住み心地が良いという利点もあります。現在では色や形も豊富で、劣化も最小限なためメンテナンスの必要もあまりなく、維持費用もほぼかかりません。

4寸勾配で施工した屋根の場合、水はけなども良好なため雨漏りが心配になることもありません。4寸勾配では足場の設置もなく対応してくれる業者さんが多いので、メンテナンスのコストも抑えられるでしょう。

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まとめ

瓦屋根などの勾配の基礎をいろいろとお伝えしてきました。

それぞれの勾配によって違いとメリット、デメリットが存在します。「急勾配」であれば、天井からの雨漏りの心配もなく、耐久性に優れ、デザイン性や断熱性も高くなります。その分、全体の面積が増す分だけ費用が高くなり、足場の設置が必須です。ですので、メンテナンスの際にもコストがかかるというデメリットがあるのです。

緩勾配は施工費やメンテナンスの出費を抑えることができます。水はけは弱くなるので、腐食や雨漏りには注意を向けましょう。

4寸勾配を選ぶのであれば、豊富な屋根材の最低勾配をクリアしていることでどんな材質でも使用可能です。更に、4寸であれば水はけや雨漏りの不安や心配も軽減されるでしょう。基本的には足場の設置をせずに対応してくれる業者さんも多く、施工やメンテナンスの費用も抑えられます。

家を建てるうえで、屋根はとても重要な部分です。わからないことがあったら業者に相談し、満足のいく大切な我が家を作りましょう。

屋根工事できる業者や料金

依頼できる業者や料金について、詳しくは「生活110番」の「屋根工事」をご覧ください。

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