建物には、さまざまな種類や形の屋根が用いられています。その中で、波型の凹凸がある屋根を見たことはありませんか?工場などでよく見ることができるその屋根は、波型スレートといいます。
今回は波型スレートの特徴や、劣化したときの症状、修理の工法について紹介します。昔ながらの工場でご利用の方はメンテナンスが必要かもしれません。屋根の様子をチェックして、検討してみてはいかがでしょうか。
波型スレートとは
波型スレートとは波を打った形をした屋根材です。おもに工場や倉庫などの屋根に用いられています。波型スレートには、おもにセメントと繊維を混ぜ合わせたものが使用されているのがほとんどです。
2003年より以前の波型スレートには、アスベストが含有されていました。しかし人体に悪影響を及ぼすことが判明したため、2004年以降は用いられることがなくなりました。
波型スレートには、大波スレートと小波スレートの2種類があります。大波スレートの方が山が高く、幅も広いため強度が高いです。
波型スレートのメリット・デメリット
波型スレートは昔ながらの工法ですが、現在も多くの建物で使用されています。どんな特徴やメリットがあるのでしょうか。
・波型スレートのメリット
耐久性が優秀な波型スレートは、雨音が響きやすい金属屋根と比較すると音が反響しにくく、遮音性に優れています。耐火性にも強いため、工場など火災のおそれのある建物に使用されることが多いのです。
・波型スレートのデメリット
波型スレートは谷間部分に砂ぼこりなどが入り込むと、雨風でも流れにくく汚れが残りやすいのです。また、古いスレートはアスベストが含有されているものがあります。そのため、撤去の際には特殊な作業が必要となり、費用がかかる可能性があります。
波型スレート劣化症状
耐久性や耐火性に優れる波型スレートですが、経年劣化するといろいろな症状が出てきます。そのままにしておいては、危険なものもあるので注意が必要です。
・汚れ
砂ぼこりなどが被ってしまうと取り除きにくく、汚れることで次第に波型スレートは変色していきます。また砂ぼこりで、塗装の剥がれなどが目立つようになります。
・コケ
雨が降ると波型の谷間部分に雨水が貯まっていき、長年使用しているうちにカビやコケが生えてきてしまいます。そのまま放置しておくと、どんどん水はけが悪くなってしまいます。
・ボルトの抜け・サビ
スレートを固定しているボルトは経年劣化でサビたり、ボルトが抜け落ちてしまうことがあります。ボルトが抜け落ちてしまうとスレートが不安定になり、強風などであおられるとめくれてしまうおそれがあります。
これらの症状をそのまま放っておいてしまうと、雨漏りが発生するおそれがあります。波型スレートを用いている工場で雨漏りが発生してしまったら、最悪の場合工場の機能が停止してしまうかもしれません。
工場や敷地を貸与していた場合、借り主から損害賠償を求められる可能性もあります。そのため、屋根の点検は定期的におこない、異常が見られたらきちんと修理をおこなうことをおすすめします。
波型スレートの修理方法
屋根の表面にコケや汚れなどの劣化が見られたら、そのまま放置せずに修理を検討しましょう。修理方法は手軽におこなえるものから、屋根材を丸ごと取り替える方法までさまざまです。
部分補修・再塗装
屋根の損傷が比較的軽い場合は、ボルトなどの締め直しなど部分的な補修や塗装をして強度を回復させることができます。
屋根全体を、高圧洗浄して汚れを取り除きます。また、不備のあるボルトを締め直したり抜けてしまったボルトを取り付けます。ボルトにはサビを抑える塗料を塗って保護していきます。
カバー工法
カバー工法とは、既存の屋根を撤去しないで、その上から新しい屋根材を被せる工法です。
カバー工法はおもに直接固定工法と間接固定工法の2種類の方法があり、現在は間接固定工法が主流となっています。
直接固定工法は、既存の屋根の上にそのまま新しい屋根材を被せていきます。既存の屋根の踏み抜き事故などのおそれがあり、工事中に工場内に粉じんが落ちてくることがありました。
間接固定工法は、現在取り付けられているフックボルトを使って、金属の下地を敷きます。その上に新しい屋根材を固定させていきます。こちらは粉じんが落ちてくるおそれはほとんどないため、屋根工事中にも建物内にはいることがなく作業をおこなうことができます。
カバー工法のデメリットは、2枚の屋根を敷くことになるため、屋根が重くなります。建物の耐震強度に影響が出るため、強度が問題ないか確認してからおこないましょう。
葺き替え
葺き替えは、既存の波型スレートを撤去して、新しい屋根材を設置する工法です。カバー工法と比べて、屋根の重さによる影響が少ないというメリットがあります。
しかし、屋根材の撤去が必要なため、カバー工法よりも費用がかかります。さらにアスベストが含有された屋根材の撤去費用は、特殊な撤去作業が必要なため、通常の屋根材よりも割高になってしまいます。
まとめ
波型スレートは波を打った形状の、耐久性や耐火性に優れた屋根です。そのため、古くから工場や倉庫の屋根として用いられていました。
しかし、古い屋根にはアスベストが含有されているおそれがあり、現在は撤去するのに特殊な作業が必要となります。撤去費用を抑えて修理をするならカバー工法が良いでしょう。
屋根は劣化すると、雨漏りのおそれがあります。屋根の状態を定期的にチェックして、劣化しているようでしたら業者に屋根工事を依頼してみてはいかがでしょうか。適切な修理方や工事をおこなってくれることでしょう。
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