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近年増えている片流れ屋根。デメリットを把握して後悔のない家選びを

投稿日:2018-04-12 更新日:2019-03-29

近年増えている片流れ屋根。デメリットを把握して後悔のない家選びを

この記事を読むのに必要な時間は約 9 分です。

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日本の住宅に使われる屋根には、形状によってさまざまな種類があります。なかでも近年急速に普及しつつあるのが、「片流れ」と呼ばれる形状の屋根です。

一方向だけに傾斜が流れているだけの非常にシンプルな形のため「片流れ屋根」にすれば、近代的な印象を作ることができます。
さらに片流れ屋根が人気なのは、太陽光発電パネルの設置場所として適しているからです。太陽が最も当たる方角へ傾斜をつければ面積を最大限に増やせるので、パネルが乗せやすいのです。片方にしか傾斜がないだけで、屋根そのもののコストダウンになるのも人気の理由。

このようにメリット一杯の片流れ屋根ですが、じつはデメリットがあるために昔はあまり採用されなかった屋根の形でもあります。
なぜならその構造の加減で、雨漏りしやすいためです。

そこで本コラムでは、片流れ屋根のメリットをお伝えするだけでなく、デメリットをどう解消すればいいかをご紹介していきます。
メリット一杯の片流れ屋根を後悔なく取り入れる役に立つ情報をまとめました。
また、いますでに片流れ屋根をお使いの方向けの参考知識としても活用してみてください。

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片流れ屋根ってどんな屋根?―まずはメリットをおさらい!

片流れ屋根がなぜ、最近まで普及しなかったのかを理解するために、昔から使われている屋根の形のメリットをしっておくといいですよ。

代表的な屋根の形といえば、山形の傾斜をつけてある「切妻造(きりずづまづくり)」です。
これは、複数の屋根板を山形に設置するために、雨漏りしにくい構造となっています。雨が最もあたる山の頂点にカバーをかけるので、雨の侵入を防げます。このカバーの部分は「棟換気口」と呼ばれ、風力換気システムを備えています。そのため、雨漏りにもともと強く、しかも湿気を屋根裏に貯めこまない構造を備えているのです。
しかし、この山形の屋根は末広がりですから、広い土地を必要とすることが問題になりました。最近は土地が縦長であったりと幅が狭いことが多いので、山形屋根を採用すると、居住空間が広く取れないといったデメリットが目立つようになってきたのです。

土地いっぱいを使って家を建てるときの救世主「片流れ屋根」

そこで、片流れ屋根が採用されるようになりました。読んで字のごとく、屋根の上に降った雨水が片側にだけ流れていくため、建築用語ではこうした形状の屋根のことを片流れ屋根と呼んでいます。

一枚の屋根板を斜めに設置すれば、居住空間を最大限に広げることができます。山形の屋根とは違い、三角になる部分を減らせるため、屋根裏などのデッドスペースを少なくできることにも軍配が上がりました。縦長の土地に家を建てると細長くなりがちですが、片流れ屋根はその形状にフィットし、バランスがよくなることもメリットの一つです。

片流れの屋根は古い住宅にはほとんど使われておらず、片流れ屋根を採用しているのは多くの場合、近年になって建てられた新築住宅です。そのため、片流れ屋根を使っている住宅は比較的築浅の新しい物件だととらえることもできます。

片流れ屋根の特徴は、とにかく形状がシンプルで、平坦な部分がほかの屋根に比べてもっとも広くなるという点です。屋根の上の面積が広くとれるため、たとえば大型の太陽光発電パネルを設置する場合は、片流れ屋根が一番適しているとされています。
近年になって片流れ屋根を使った住宅が急増しているのは、自分の家で太陽光発電をするという考え方が広まったことも大きいです。大型パネルの設置場所が求められるようになっているため、片流れ屋根の需要はますます増えていく可能性があるといえます。

現代の需要に沿った片流れ屋根ではありますが、メリットだけに目を向けてしまうと肝心のメンテナンスをおろそかにしてしまうおそれがあります。近年になるまで片流れ屋根があまり使われてこなかった明確なデメリットを知っておくことで、正しいメンテナンスを行う必要があるでしょう。

      片流れ屋根ってどんな屋根?

片流れ屋根のデメリットとは

片流れ屋根には、ほかの形状の屋根ではあまり気にならないデメリットがいくつかあります。

日照を得られる時間帯が少ない

屋根の重要な役割のひとつとして、日光を吸収して家の中を温めたり、屋根裏にこもった湿気を飛ばすという効果があります。日光をしっかり吸収するには、屋根の斜面が太陽の方向を向いていなければなりません。

通常の山形の屋根であれば、斜面は正反対の方向にそれぞれ1面づつ向いているため、午前も午後も日当たりを得ることができます。しかし、片流れ屋根では、斜面が1方向にしか向いていません。そのため、十分に日光の当たる時間帯がほかの屋根に比べて半分以下になってしまいます。

そして屋根に日の当たらない時間帯は、代わりに家の壁が日光を受けることとなります。すると、暖められた壁から放出された湿気が冷たいままの屋根へと吸収され、屋根に日が当たらないため屋根から湿気が出ていくことができず、屋根が常に湿った状態になってしまいます。

過度な湿気は木材に対して大きなダメージとなります。湿気を逃がせないまま何年も経過すると、しだいに屋根が劣化し、さまざまなトラブルの原因へとつながることがあるのです。

自然な換気が起こりにくい

一般的な住宅のほとんどは、屋根裏に換気口を設けることで、自然風による換気を行っています。
自然な換気が行われるには、空気の入る場所と出ていく場所の二つの換気口が必要になりますが、片流れの屋根は屋根裏の片方が潰れているという構造上、一方向にしか換気口をつくることができません。

そのため、自然な換気が起こりづらく、屋根裏に湿気がこもってしまい、屋根材の劣化の原因となります。

雨どいへの負担が大きい

屋根の上に雨が降った場合、雨水は傾斜の先の雨どいへと流れていきます。両側に傾斜のあるほかの屋根であれば、二方向に分散して流れていくはずの雨水が、片流れの屋根では一方向にしか流れていきません。

これはつまり、同じ雨どいに流れ込む雨の量が倍近くに増えるということでもあります。小雨程度であれば問題ないかもしれませんが、台風や低気圧で頻繁に大雨の降る時期だと、これがかなりの重量差となります。

結果的に、片流れ屋根の雨どいはほかの屋根より壊れやすく、また寿命も短くなる傾向にあるとされています。

雨水が侵入しやすい

屋根と壁との間には、通気性を確保するためにある程度の隙間が開けられています。ほかの屋根の場合、両方向に張り出した屋根の先が「ネズミ返し」の役割を果たすことで、雨水の侵入を防いでくれますが、片流れ屋根の場合、ネズミ返しとなる屋根の先が一方向にしか出ていません。

そのため、片流れの屋根は傾斜の上側から雨水が屋根を伝って隙間に侵入しやすく、壁からの雨漏りが起きやすい構造となってしまっています。壁にしみ込んだ雨水は、上で解説したように屋根の中にこもってしまいがちなので、これも屋根の劣化につながります。

      片流れ屋根のデメリットとは

それでも片流れ屋根は魅力的

多数のデメリットを抱える片流れ屋根ですが、それでも採用されることが多いのは、明確なメリットが存在するためです。

【魅力1】太陽光パネルを設置しやすい

片流れ屋根を採用する理由としてもっとも大きいとされるのは、やはり太陽光パネルの設置に適した形状であるためです。
電力自由化にともない、家庭で使う電気を自給自足するというライフスタイルが普及しました。余った電気を売却するビジネスモデルも生まれ、住宅の付加価値として太陽光パネルを設置することは、いまや珍しくありません。そうした需要に片流れ屋根は合致しているため、強く支持を受けているというわけです。

【魅力2】建築コストを安くおさえられる

片流れ屋根の特徴のひとつとして、屋根が平面をとるため屋根裏の空間が小さくなるという点があります。これは、同じ量の建材で内部空間を広くとれるということであり、建築コストの削減につながります。
同じ規模の住宅であれば、片流れ屋根にしたほうが、安く家を建てられる場合が多いのです。

【魅力3】シンプルなデザイン

近年の住宅事情を鑑みるに、古い日本住宅のような複雑な形状よりも、箱型でシンプルな住宅が好まれる傾向にあります。シンプルな住宅にマッチするのは、やはりシンプルな屋根ということで、デザインの理由から片流れ屋根を採用するケースも増えているようです。

片流れ屋根のデメリット対策

ここまで片流れ屋根のデメリットをいくつかご紹介してきましたが、ではこれらの難点をすべて諦めなくてはならないかといえば、まだ万策が尽きたわけではありません。適切な対策をすることで、片流れ屋根のデメリットをおさえることは可能です。

送風ファンを設置して湿気を逃がす

たとえば、屋根裏の自然換気が起きにくく、湿気がこもるのであれば、送風ファンを設置して強制的に換気を行う対策方法があります。また、水が流れ込まないように、傾斜の上側に別途雨水を防ぐ板や垂れ幕を設置するといった対策も有効です。

伝い雨の侵入を防ぐカバー工法を施す

片流れ屋根は、屋根の頂点が壁と屋根になってしまうため、雨漏りしやすい構造です。ですから最も雨漏りをしやすい壁と屋根のつなぎ目を「透湿ルーフィング」でカバーすれば、見た目を変えないで雨漏りに強い構造を作ることができるのです。

このように片流れ屋根のデメリットは、それを解消するような施工を後から行うことで、ある程度軽減することができます。片流れ屋根を長く使い続けるために、周辺状況を考慮した適切なデメリット対策を検討してみてはいかがでしょうか。

リフォームでデメリットをカバー。屋根の見直し方

しかし、不安がどうしても残る場合は屋根の形状を、リフォームによって変更するという方法もあります。

山型の屋根の片面だけを短くするリフォームもある

これは、完全な片流れ屋根にするのではなく、山形屋根の左右の長さを変えることで形状を片流れ屋根に似せるというリフォームです。

流したい面を長くとり、反対側の屋根を短くします。すると、片方にのみ斜面が流れますから、家とのバランスがよくなります。しかも、山形の屋根と同じですから通気口がつくれるため、家が傷みにくくなるのです。
山形屋根のメリットを取り入れながら、片流れ屋根のスタイリッシュさを再現できるのでおすすめです。

このように片流れ屋根のデメリットに着目して、不安があるのであれば、カバー工法を採用しましょう。建築技術は常に進化しているため、片流れ屋根のデメリットを解消する技術も着々と進化をしているのです。
片流れ屋根が普及したての頃に建築したのであれば、最新の技術でカバーすることで雨漏りなどの家の傷みを防いでいく必要があるといえます。

しかし、どうしても形状の屋根に変えたいといった場合、リフォームは有効な選択肢となります。
屋根の形状を変更するリフォーム工事は可能です。
屋根のリフォームにかかる費用は、変更する屋根の種類によって変動します。日本の住宅に一般的に用いられる、二枚屋根の「切妻造」の場合、だいたい200万円から400万円程度の費用は見積もっておきましょう。

また、四枚の屋根で傾斜をつくる「寄棟造」の場合、かかる費用はより高額となり、約300万円から600万円が相場です。

金額の変動幅が大きいので、リフォーム業者に家を見てもらって見積もりをとるのが無難でしょう。家の大きさとのバランスも無視できませんから、その家その家に合ったスタイルの屋根を検討することが非常に大切なのです。

また、リフォーム工事をするときは、施工期間がどれぐらいなのかにも注意をはらいましょう。屋根の形状を変更する工事は、屋根を撤去して行うこととなります。そのため、工事中の家で生活し続けることは困難です。リフォーム工事には1ヶ月単位で工期がかかることも多いので、工事中に生活する借り住まいも探しておくことが大切です。

     片流れ屋根のデメリット対策

      リフォームで屋根形状は変えられる

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まとめ

片流れ屋根は近年の住宅事情にマッチした、近代的な建築が可能な屋根ですが、さまざまなデメリットも抱えています。
しかし、太陽光発電のパネル設置やコスト、デザイン性など、ほかの屋根にはない魅力があることも確かです。
今後何十年も付き合い続けていく家となるため、どのような家を建てるかは慎重に選ぶ必要があります。
家づくりで後悔しないためにも、メリットとデメリットを理解し、自分のライフスタイルや周辺環境に合った屋根を選びましょう。

屋根工事を依頼できる業者や料金

依頼できる業者や料金について、詳しくは「生活110番」の「屋根工事」をご覧ください
(この記事は2018年11月01日に加筆・修正しています)

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この記事を書いた人
編集者:ともき
古いアパートで雨漏りの被害に悩まされたこともあり、家の外壁や屋根には人一倍注意を払うようになった。注意ポイントなどがしっかり伝わるよう心掛けている。

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