3寸勾配と5寸勾配ってどう違うの?勾配ごとの特徴を徹底比較!

2021.4.30

3寸勾配と5寸勾配ってどう違うの?勾配ごとの特徴を徹底比較!

家を新築しようとお考えの方や屋根の改装をしようとお考えの方のよくあるお悩みとして、屋根の勾配(こうばい)の問題があります。実は屋根の角度には見た目の問題だけでなく、それぞれに違った特徴があることをご存知でしょうか?

今回は3寸勾配や5寸勾配など、さまざまな勾配ごとの特徴についてご説明します。屋根の角度についてお悩みの方はぜひ参考にしてみてください。

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勾配ってなに?

勾配とは、屋根の傾斜度合いをあらわす言葉です。よく観察してみると分かるように、屋根の形や角度は家ごとに異なっています。屋根の角度は、一般的にその家屋が建っている地域の気象や環境に応じて決定されます。

屋根の勾配をあらわす単位のことを「寸」と呼びます。一般的な角度の呼び方(度【°】)で表示することもできますが、屋根の勾配を表す際は寸表示が一般的です。

あまり耳馴染みがないかもしれませんが、これからのご説明やこれから屋根の話題が出るときにはよく登場する単位ですので、勾配の計算方法と共に簡単にご説明します。

「寸」とはもともと長さや高さの単位であり、1寸は約30.303mmです。屋根の勾配を計算する場合は、屋根の端から頂上へ向けて10寸進んだ際に、斜面がどの程度高くなるかを寸であらわします。

垂直距離10寸あたりの高さの上昇幅が1寸なら、「 1寸勾配」。2寸なら「2寸勾配」といった具合です。

また、勾配を「度」で表す際の計算式は、

勾配(度) =tan-1(垂直距離/水平距離)×180/π

になります。

この計算で出た角度を寸に直すことも出来ます。

1寸:5.71 2寸:11.31 3寸:16.70 4寸:21.80 5寸:26.57 6寸:30.96 7寸:34.99 8寸:38.66 9寸:41.99

寸の数字が低ければ低いほど傾斜はゆるくなり、逆に高くなればなるほど傾斜はきつくなると考えていいでしょう。

勾配がきつい屋根のことを「急勾配(きゅうこうばい)屋根」、ゆるい屋根のことを「緩勾配(かんこうばい)屋根」、ちょうどこの2つの中間にある傾斜の屋根を「並勾配(なみこうばい)屋根」と呼びます。

記事の初めに名前の挙がった3寸屋根や5寸屋根は並勾配屋根に分類されます。勾配についての基礎知識がどのように役立つか、次の章でご紹介します。

勾配ってなに?

勾配を知るとなにがわかるの?

前章で概要をご説明した勾配。この要素は家屋にとってデザイン以外にも重要な役割を果たしています。勾配の役割を知ることが理想の家づくりに大きく役立つと思いますので、簡単にご紹介します。

勾配によって変わってくることとしては、以下のようなものが挙げられます。

・屋根の耐久性
・設置、修理時にかかる費用
・環境による影響の受け方(雨、風、雪など)
・デザイン性
・屋根裏のスペース

屋根の勾配が変わる だけで多くのことが変わってしまうことが分かりますね。

これから屋根の工事を考えるにおいて、「デザインは気にしないから、屋根の角度は何でもいいよ」とお考えの方も、勾配はしっかりと考えて選ぶことをオススメします。

次の章では勾配の3寸屋根と5寸屋根の違いや、それぞれのメリット・デメリットについてご紹介していきます。

勾配を知るとなにがわかるの?

勾配の違いとは

ここまで、屋根における勾配の仕組みや重要性についてご紹介してきました。勾配について知ることで、普段何気なく見ていた屋根の見方が変わってくるかもしれません。

ここからは、屋根の勾配の種類「急勾配屋根」「緩勾配屋根」「並勾配屋根」の違いとメリットデメリットについてご紹介します。

〇急勾配屋根

急勾配屋根とは、6寸以上の勾配がついた高い屋根のことを指します。
 

<メリット>

・雨漏りの心配が少ない
屋根に傾斜があるため雨水の流れがよく、屋根材の劣化防止にも効果的です。

・屋根裏のスペースが広い
天井と屋根が離れているため、広々とした屋根裏空間がとれます。

 

<デメリット>

・風に弱い
屋根に高さがあるため、風の影響を受けやすくなってしまいます。

・施工や修理の価格が割高
屋根の面積が広い上に、屋根に登るには足場が必須となってしまうためです。

〇緩勾配屋根

緩勾配屋根とは、3寸以下の勾配が付いている緩やかな角度の屋根を指します。
 

<メリット>

・施工と修理の価格が安い
屋根の面積が広いことや、工事の際足場が必須ではないことから費用を抑えることができます。

・風の影響が少ない
高さが低いため、それほど強風の影響を受けることはありません。

 

<デメリット>

・雨漏りに弱い
傾斜が緩やかで雨水が溜まりやすいため。屋根材の劣化につながる恐れもあります。

・使える屋根材の数が少ない
屋根材にはある程度の勾配がないと使えないもの(必要最低勾配)もあるため、勾配が低いと使用できない屋根材も多いです。

〇並勾配屋根

並勾配屋根とは、3~5寸程度の勾配が付いた屋根のことを指します。急勾配屋根と緩勾配屋根のいいところをとったような特徴を持っているので、勾配で悩んでいる方にはこの並勾配屋根をオススメします。
 

<メリット>

・足場が必須ではないため、費用を抑えられる

・使える屋根材の数が豊富
4寸勾配以上であればどの屋根材でも問題なく使用できます。

・雨漏りや風にも強く、バランスが良い

並勾配屋根はデメリットが薄いため、屋根の勾配には4寸勾配以上の並勾配屋根をオススメします。それぞれの特徴をつかんで、理想に近いものを探していきましょう。

勾配の違いとは

屋根材によって最低勾配が違う!

先ほども少し触れましたが、屋根材の中には「必要最低勾配」が設定されているものが存在します。

屋根材によっては「2寸勾配の家では使えない屋根材」や「4寸勾配以上でないと使えない屋根材」もあるため、注意しておかないと使いたい屋根材が使用できないといった問題が発生してしまうかもしれません。

自分が使いたい屋根材の必要最低勾配は、しっかり確認しておきましょう。

 

必要最低勾配の一覧

金属屋根……1寸勾配以上
スレート屋根……3寸勾配以上
瓦屋根……4寸勾配以上

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まとめ

ここまで屋根の勾配の説明や、勾配ごとの違いについてご紹介してきました。
勾配屋根のオススメは3~5寸勾配の並勾配屋根です。中でも屋根材の制限がない4寸勾配以上がいいでしょう。

普段はあまり気に留めない点ではありますが、屋根の工事や改装をする時、また家を新築するときにはしっかり注意して勾配を選んでくださいね。

また、屋根の困りごとは業者の方に連絡してみることもオススメします。予算や分からないことの相談などは、プロに質問してみましょう!

屋根工事を依頼できる業者や料金

依頼できる業者や料金について、詳しくは「生活110番」の「屋根工事」をご覧ください。

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