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「空き家特措法」施行で、変わる空き家事情。早めの解体工事をした方が売却時に得するかも?!

日本の総住宅数は6963万戸。その内、空家は820万戸あるということが土地統計調査の結果判明しました。

空家率は、13.5%と過去最高です。厳しい住宅事情に置かれている日本ですが、高齢化や過疎化の影響で管理の行き届かない空家の数は年々増えてきています

2015年2月26日、「空家等対策の推進に関する特別措置法」が施行されました。国会が解散される前に急遽公布され、3ヶ月で施行に至ったこの法案。

それほどまでに深刻化した日本の空家問題とはいったいどういうものなのか、空家を解体せず、放置することによって課せられるデメリットとはなんでしょうか?

空家は事故や犯罪の温床に!?解体工事の必要性

近頃、空家の増加に伴い、それに関する事件や事故が多発しています。近隣の住民は空家で問題が起きても、所有しているのが誰なのかが分からず、問題を解決できないなどの悩みを抱えているようです。

空家を放置することによって起こる問題とはなにか、という視点から解体工事の必要性を紐解いていきましょう。管理の行き届かない空家で起こる問題は主に4種類あります。

放火による家事、火災

消防庁の平成24年(1月~12月)における火災の状況によると、火災発生件数のうち、一番多い出火原因は放火5370件、放火の疑い3220件も合わせると8590件が放火による火災となります。

これらは人口が集中している都心部に特に多く、空家を所有している方は特に注意が必要です。放置された空家には紙や燃えやすいゴミなどの投棄が多く、また、人目も少ないため犯罪の温床となる可能性が非常に高いそうです。

建物の老朽化による倒壊

空家には古い物が多く、長年の管理不足によるダメージと耐震性の低下のため、地震や台風、積雪などで建物が倒壊してしまう恐れがあります。

もし、台風で空家の瓦礫や木の枝が飛ばされ、隣の家の車に傷をつけてしまった、ということがあった場合、被害者は損害賠償金を請求することができます。老朽化に際して、リフォームなどの適切な対処を行うことが懸命です。

不審者の侵入、また動物、害虫の繁殖

人目が少なく目立たない空家にホームレスや不良のような不審者が侵入し、寝泊まりしていた、という例もあります。

また、猫やイタチなどの動物が住み着いたり、害虫が繁殖したりすると、今後家としての利用が難しくなり、売りたかったのに泣く泣く立て壊すということにもなりかねません。ポストを片付ける、庭の整備をするなど、人の気配を知らせることによって、侵入者の立ち入りを防ぐことができます。

景観の悪化

空家が社会的に問題になっている一番の原因は、犯罪や事故の発生だけではありません。雑草が伸び切り、窓が割れ、人気の少ない空家は、地域の景観や治安にも大きな影響を及ぼします

地域イメージの低下にも繋がり、そこから治安の悪化、凶悪犯罪の蔓延る街となってしまうという犯罪理論もあるほどです。外観をきれいに保つことが、不動産の保守だけでなく、ひいては地域の治安維持にも繋がるのです

「空家等対策の推進に関する特別措置法案」とは

2014年11月27日、「空家等対策の推進に関する特別措置法案」が公布されました。

ここで言う空家というのは、「そのまま放置すれば著しく保安上危険又は衛生上有害となるおそれのある状態、著しく景観を損なっている状態その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切な状態にあると認められる空家等」のことであり、一年以上使用されていない空家が「特定空家」として対象となります。

これは特定空家を対象に、市町村などの地方自治体が適切な管理を強く促すことができる法律です。市町村は、管理者に対して除却や修繕などの適切な助言をすることができ、管理者がそれに従わない場合は勧告、さらに従わない場合は命令をすることができ、建物の立ち入り調査を許すものです。

この命令に従わない場合には過料の罰則が科せられます。場合によっては「行政代執行」で強制的に空家の解体が行なわれ、費用は空家所有者の負担となります。この解体費用が支払えない場合には財産の差し押さえなどが発生することもあるのです。

空家が「放置されている」と判断されたら


今までは住宅用地特例措置により、建物がある土地の固定資産税は、最大で更地の6分の1に軽減するという優遇措置が取られていました。土地の節税のために家を取り壊さず、空家にしていた所もこれまでは多かったことでしょう。

しかし、「空家等対策の推進に関する特別措置法」が施行され、放置されていた空家が「特定空家」と判断された場合、これまで6分の1に軽減されていた固定資産税が、更地と同じ額になります。

空家を放っておいても、解体して更地にしても取られる税金が変わらないなら、放置したままでもいいか、とお思いの方もいるかもしれません。

しかし、自治体によっては自主的な空家の解体に対して助成金を出してくれる文京区などの地域も出てきているため、勧告や命令、そして行政代執行を受ける前に空家を解体しておいた方が手間もなく、費用も安くなることも考えられます。

放置空家を見直そう

「空家等対策の推進に関する特別措置法」はすでに施行され、これから徐々に運用されていくようです。それによって、空家の所有者は経済的負担や、行政による強制的な措置を受ける可能性が高くなりました。

空家を放置しておくメリットがなくなったいま、もし、所有しているのであれば、解体工事をするべき時期なのかもしれませんね。もし売却をお考えなら、老朽化した建物が残っていると価値が下がります。自主的に解体してから売りに出した方が最終的にはお得になる場合もあります。

もし空家でも、きちんと管理されていれば「特定空家」として扱われることはなく、税金を抑えることができるため、「空家管理サービス」の活用も良いでしょう。

両親から譲り受けたり、なかなか地元に戻れず様子を見れていない空家をお持ちの場合は、ぜひ一度、解体工事や空家管理サービスの利用を検討してみてはいかがでしょうか。

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