防水層が膨れてくるのを防ぐ!通気緩衝工法のメリット・デメリット

2021.4.30

防水層が膨れてくるのを防ぐ!通気緩衝工法のメリット・デメリット

建物を維持管理する人にとって、防水対策は重要な課題だと思います。防水工事を施しても、時間の経過とともに「防水層が膨れてきて困っている」という方も多いのではないでしょうか?実際に、防水工事後のクレームで最も多いのは「膨れ」の問題だといわれています。

こうした膨れの問題は、正しい施工手順で工事をした場合でも発生します。しかしこれを防ぐといわれるのが「通気緩衝工法」という方法です。

そこで今回は建物の防水に焦点をあて、通気緩衝工法の施工手順やデメリットについて、分かりやすくご紹介していきます。「効果的な防水対策を考えている」、「イイことばかりじゃなくて、デメリットも知りたい」という方は、ぜひ参考にしてみてください。

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なぜ施工後に膨れた部分が出てくるの?

通気緩衝工法についてご紹介する前に、まずは施工後に防水層が膨れてしまう原因についてみていきましょう。

【防水層が膨れる原因】

建物は長年にわたって雨風にさらされるため、建材には水分が含まれます。水分を含んだ建材の上から防水工事を施すと、施工後に太陽などの熱によって温められた水分が、蒸発しようと出てきます。そのため水分が防水層を下から押し上げる力が働いて、膨れてしまいます。

なおこうした現象は、おもに陸屋根やルーフバルコニーなど面積が広い場所で起きやすく、反対に狭いベランダなどでは発生しにくいという特徴があります。さらに建物の築年数が古いほど、膨れる現象が発生しやすいといわれています。

      なぜ施工後に膨れた部分が出てくるの?

通気緩衝工法はどのような場所に効果的?

それでは通気緩衝工法はどのような場所に施すと効果的なのでしょうか?その方法と場所について確認しておきましょう。

【通気緩衝工法とは】

通気緩衝シートと呼ばれる防水シートを下地に貼り付け、その上からウレタン防水を塗りつけていく工法です。ウレタン防水の下にある通気緩衝シートが、建材に含まれている水分を逃がす役割を担うため、防水層の膨れを防止する効果があります。

さらに通気緩衝工法の防水層は軽量であるため、建物に大きな負担はかかりません。下地の形状が複雑な場合でも施工しやすく、補修が簡単です。そしてつなぎ目がないため、仕上がりの状態が美しく、耐久性にも優れているというメリットがあります。

【通気緩衝工法が効果的な場所】

(1)新築してから全くメンテナンスされていない建物のルーフバルコニーや陸屋根
(2)シート防水を施すのが難しい、複雑な形状をした建物のルーフバルコニーや陸屋根
(3)構造上の理由で横揺れする建物のルーフバルコニーや陸屋根

通気緩衝工法の施工手順

つづいてウレタン防水による通気緩衝工法を例に、おおまかな施工手順をみていきましょう。

【通気緩衝工法の施工手順】

(1)高圧洗浄機を用いて下地の汚れを取り除く
(2)目地のくぼみに埋め込まれている既設のバックアップ材をはがして取り除く
(3)目地のくぼみに新しいバックアップ材を埋め込む
(4)下地にひび割れが発生している場合は、V字型に溝を掘り補修材を充填する(Vカット処理)
(5)プライマーを塗布する
(6)バックアップ材を埋め込んだ目地の上からシール材を充填する
(7)下地に通気シートをはっていく(裏紙を外しながら慎重に)
(8)通気シートが重なり合う部分にジョイントテープを貼る
(9)建材の湿気を放出するための脱気筒を設置する
(10)通気シートの端や複雑な形状との境目などに、シール材を充填して隙間を埋める
(11)ウレタン防水の1層目を上塗りする
(12)ウレタン防水の2層目を上塗りする
(13)仕上げにトップコートを塗って完了

      通気緩衝工法の施工手順

通気緩衝工法にデメリットはある?

ここまで通気緩衝工法に適した場所や施工手順についてご説明してきましたが、最後に通気緩衝工法にはどのようなデメリットがあるのか、みておきましょう。

【通気緩衝工法のデメリット】

(1)通気緩衝工法は難しい工法であるため、防水工事の専門業者しか施工することができない
(2)通気緩衝工法は他の防水工事に比べると、少しコストが高い
(3)通気緩衝工法は各工程において乾燥期間が必要であるため、工事完了までに時間がかかる
(4)通気緩衝工法は施工後にトップコートを塗布するなどの定期的なメンテナンスが必要となる

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まとめ

ここまで建物の防水に焦点をあて、通気緩衝工法の施工手順やデメリットにについてご紹介してきましたがいかがでしたでしょうか?防水工事後によくみられる防水層の膨れは、見た目に美しくないだけでなく、しばしば水漏れの原因にもなるため見過ごすわけにはいきません。

一方、通気緩衝工法なら建材の水分を逃がすための脱気筒が設置されるため、防水層の膨れを防ぐのに効果的です。家は大切な財産ですから、あらかじめこうした防水対策を施しておきましょう。台風やゲリラ豪雨などの自然災害に備えることができるため、安心感が違ってきますね。

もし建物の防水対策を検討しておられる場合は、信頼できる業者に相談することからはじめてみられてはいかがでしょうか?

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