シート防水まるわかり!シート防水の分類・特徴・施工手順

2021.4.30

シート防水まるわかり!シート防水の分類・特徴・施工手順

最近頻発しているゲリラ豪雨や台風などの影響。雨の降る量も多くなり、雨が屋根を打つ強さも強くなっています。そんな雨から大切な住宅を守るためにシート防水というものがあります。よくマンションやアパートのベランダの床部分に貼られているシートがこれです。グレーかかった色をしているもので、一度は見たことがあるという方が多いのではないでしょうか?
今回はそんなシート防水の種類とそのメリット、デメリットをご紹介するとともに施工手順もお伝えします。

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シート防水について【塩ビ樹脂系シート】

塩ビ樹脂系シートは、工事に高度な技術を必要とするため施工できる業者が少ないですが、寿命が長いため使用されています。シートの厚さは1.5mm~2.5mm程度で、寿命は13~15年とされています。

【メリット】

  
太陽の紫外線や熱、オゾンに対して耐久性があり、メンテナンスに優れているので長期的に使用したい場合にぴったりです。今まで使用していたシートの上から被せることで使用できるので施工時間も短時間で済み、コストも掛からずに工事できます。シートの上を歩くこともでき、マンションのベランダなどに使用されています。

【デメリット】

  
素材は樹脂シートなので、敷く部分が平らでないといけません。でこぼこした地面には施工できず、結合部分から剥がれてくる場合があります。そして、剥がれたシートから雨水が裏に入り込んでしまう場合があり、雨漏りの原因となる場合があります。また、燃やすとダイオキシンが発生するため、環境にやさしいとは言えません。

シート防水について【加硫ゴム系シート】

価格が安くて軽く、ゴムなので伸びるシートです。地震の際に亀裂が入ることもないので日本では最適とされて流通されてきましたが、今では塩ビシート防水が主流となっており取り扱っている業者も少ないです。応急処置の際に使用されたりしています。

厚さは1.2mm~2.0mmとなっています。寿命はこちらも13~15年となっていますが、衝撃に弱いので短くなる場合もあります。

【メリット】

  
ゴムの材質なので、伸縮性があります。接着剤と粘着テープで張り付けるだけと施工も簡単で時間もコストも抑えられます。今使用のシートの上からも施工でき、耐久性も長くて木造の建物にも使用できます。

【デメリット】

  
下地のでこぼこに影響しやすく、平らな場所でないと施工できません。シート同士のつなぎ目ができ、シートが薄いので鳥害や衝撃に弱いです。接着剤の質や業者の技術によって違いが出るため、業者選びが大切です。化学物質が入っているので、シックハウスの症状が起こる可能性があります。

シート防水の施工方法

施工方法には2つの方法があり、「密着工法」と「機械式固定法」があります。

密着工法

  
密着工法は、接着剤でシートを張り付ける方法であり、ある程度強度があるのでシートを歩くことは可能です。しかし、接着剤が劣化や雨などで剥がれてきて、雨がシートの中に入り込むことで雨漏りの原因になる場合もあります。下地が乾燥しているかなど確認してから接着しないと、接着能力が変わるので注意が必要です。

マンションやアパートのベランダや屋上に使用されています。一戸建て住宅では、このシートの上から耐久性を高めるためにタイルを上に載せたりしています。
   

機械式固定法は、固定金具を使用して固定する方法です。剥がれにくく、下地の影響を受けずに固定でき、長期間安定して接着します。高層ビルやマンションなど高い建物の屋上や沿岸部の風を受けやすい建物の屋上に適しております。

シート防水の重量や施工手順について

シート防水に使用されるシートの種類ごとの重量

  

ヒートジョイナールーフ
加硫ゴム系シートであり、シートの厚さは1.5mmで重量は35kgです。有機溶剤系の接着剤がついているので、環境に優しいシートです。接着剤が付いているので、貼り付けるだけで施工できます。

ニューブレン
加硫ゴム系シートであり、シートの厚さは1.5mm~2.0mmとあり、重量は32kg~35kgです。強度を通常のものの2倍になっており、機械的固定法でも接着できます。

ネオ・ルーフィングE/ネオ・ルーフィングE(糊付)
40年以上使用されている加硫ゴム系シートであり、紫外線や熱による劣化に強いです。厚さは、1.0mm~2.0mmと種類があり、重さは厚さによって27kg~32kgあります。また、接着のり付のものもあり、厚さ1.2mm~2.0mm。重量は21kg~28kgとなっています。

ロンプルーフエース
下地が固定すればシート上を歩くことができる塩化ビニル樹脂系シートです。厚さは2.0mm~2.5mmであり、重量は31kg~40kgのものがあります。

ニューベストプルーフ
冬でも硬くならずに亀裂を生じない塩化ビニル樹脂系シートです。厚さは1.5mmで、重量は24kgであります。

シート防水の施工手順(機械式固定法)

  
①下地部分を掃除する。でこぼこした部分をヘラで平らにしていきます。

②通気マットを貼ります。湿気を逃す効果のある通気マットを敷き詰めます。

③銅版を隙間に取り付けます。シートの端を剥がれるのを防止するために銅版で囲みます。

④機械式固定法の場合は固定する金属金具のシートを付けます。接着工法の場合は接着剤で貼り付けます。

⑤雨水、雑排水や汚水などを排水するための管や溝を設置する。雨水の流れを確認して、シートに溜まらないようにします。

⑥シートを張る。端は接着剤を付けて固定します。

⑦シートの重なる部分に接着剤を塗り固定します。そうするとシートが一体化していきます。

⑧金属金具シートの上からヒーターを当てて、熱でシートを固定します。

⑨端の部分も接着剤で銅版とシートを固定します。

⑩シートを確認して、接着剤にUシールという特殊溶剤を接合部分に塗って終了です。

改質アスファルトシート防水とは

スチレンやスチレンブタジエン系改質剤をアスファルトに添加して、改良したアスファルトをシート状にしたものを使用する方法です。もともとアスファルト防水というものがあり、合成繊維不織布や有機繊維原紙、ガラス繊維などにアスファルトを染み込ませて作ったルーフィングと呼ばれるシートを何枚も重ねて防水効果を得ていた方法です。それを煙の発生や臭いを防いだものが、改質アスファルトシート防水です。

施工方法には、「熱工法」「トーチ工法」「常温工法」の3つの方法があります。
熱工法は、高温で溶かした改質アスファルトを接着剤として塗ってアスファルトルーフィングと呼ばれる防水シートを張っていく方法です。隙間がなく防水効果に優れています。

トーチ工法は、バーナーであぶり溶かしながらアスファルトルーフィングを貼っていく方法です。臭いや煙もなく、環境にやさしい方法です。

常温工法は、施工が難しい方法であり、熱を使用できない場所で使用されています。また、狭い場所に適しています。ゴゴムアスファルト粘着層をコーティングしたものを重ねて貼っていく改質アスファルトシート防水方法や、エマルジョン系の塗膜防水材とシートを併用して行う改質アスファルト塗膜防水方法があります。
      改質アスファルトシート防水とは
      

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まとめ

いかがでしたか?今回は、シート防水についてご紹介してきました。シート防水にもシートの種類によってメリット・デメリットがあることが分かりました。どこに施工したいのか、どのような状態の場所に施工したいのかをしっかり確認して施工することが、シートを長持ちさせるために重要でしょう。

そのためにも、しっかりどのシートが良いか判断してもらえる業者を選ぶことが大切です。
業者選びに困った際には、当サイトをご活用ください。きっと、ぴったりな業者をご紹介できます。

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依頼できる業者や料金について、詳しくは「生活110番」の「防水工事」をご覧ください。

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