ウレタン防水材は優秀!でも【注意】デメリットは技術のムラに出る

2021.4.30

ウレタン防水材は優秀!でも【注意】デメリットは技術のムラに出る

天井や壁から雨漏りがする。新築のお家や増設したベランダに防水処理を施したい。そんな場合にオススメしたいのが、便利なウレタン防水材です。

短工期で施工ができ、防水処理が可能な範囲が広く、費用も抑えやすいウレタン防水材は非常に優秀ですが、長持ちさせるにはちょっとしたコツと注意が必要です。
日ごろのお手入れやチェックしだいで変わってきます。

本コラムではウレタン防水材の特徴と、施工にあたって気を付けるべき事項について、基礎的な知識をご紹介いたします。

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ウレタン防水材は液体の防水材!その特徴は?

ウレタン防水材とは、液状のウレタン樹脂を複数層にわたって重ね塗りすることで防水塗膜を形成していく防水材です。化学反応によってウレタン樹脂が硬化すると、ゴムのように弾力のあるツルツルとした表面の塗膜ができ上がります。

最大の特徴はペンキのようにコーティングして乾かす施工方式のため、平滑な場所であれば基本的にどんな形状の場所にも使用できる汎用性の高さです。
そのためマンションの屋上や陸屋根(瓦葺きではない平らな屋根)の住宅、あるいはベランダやバルコニーなどでの施工に適していて、広さや複雑な形状の床にも問題なく使用することができます。表面が平坦でさえあれば、別の防水材の上からでも施工できる自由度は大きな魅力です。

ウレタン防水材のメリット

ウレタン防水材の利点としてはさらに以下のものがあげられます。

○一般的な3-4層程度の厚みであれば表面仕上げも含めて一週間ほどで施工が完了できる
○防水材としては重量が軽いため荷重計算をシビアに行わなくてもすむ
○継ぎ目のない綺麗な仕上がりが期待できる
○施工が難しくないため取り扱い業者が多く、費用も抑えやすい

使用に適する場所が多いため、現在では防水処理において主流の方法とされています。
ウレタン防水材は液体の防水材!その特徴は?

ウレタン防水材の工法は2種類あります

ウレタン防水材の施工方法は、材料の塗布の仕方によって2種類の工法に分けられます。
それぞれ適する施工面の環境が異なり、状況に合わせて使い分けることとなります。

■密着工法

下地(床材)にウレタン防水材を直接塗り付ける工法です。

まず下地をウレタン樹脂で覆ったあと、メッシュ生地などの補強布を張り付け、その上から更にウレタン樹脂を重ね塗りして層を形成していきます。
最後に表面仕上げとしてトップコートを塗布すれば完了です。

密着工法の利点は下地からすぐ防水層の形成を始められるため施工完了までが早く、費用も安く済む場合が多いことです。

ただし、施工面が完全に乾燥していない場合、ウレタン防水材で蓋をしてしまうと水分の逃げ場が失われるため、日差しなどで温められた水分が内部で膨張して膨らみや亀裂の原因となることがあります。

工面全体が十分に乾燥しているという条件を満たすうえでは、密着工法が適するのはベランダやバルコニーなどの比較的面積の狭く全面をケアしやすい場所ということになります。

■通気緩衡工法

片面に溝の入った『通気緩衝シート』と呼ばれるシートを下地に張り付けて、その上からウレタン防水材で防水塗膜を形成していく工法です。

シートを設置する分材料と施工費がかさみ、工期も必要になりますが、通気緩衝シートの溝が水分の逃げ道になり、通気口から排出できるため、施工面に水分が残っていても作業が可能という利点があります。

築年数の長く経っている建物や、面積の広い陸屋根などの環境では、施工面から水分を完全に除去することが難しい場合が多いため、通気緩衝工法が適しているとされています。

ウレタン防水材の耐用年数と劣化のチェックポイント、長持ちさせるお手入れ方法

ウレタン防水材は一般的な日差しと雨風の条件下では、10年程度防水性能を維持できるとされています。

ただし、上記の耐久性を十分に発揮するには、5年程度経過した時点でトップコートの塗り直しを行う必要があります。トップコートが劣化して剥がれていると、紫外線や熱射により通常よりも早くウレタン防水材が劣化してしまいます。

ウレタン防水材の劣化チェックポイント

ウレタン防水材が劣化しているかどうかを見分けるチェックポイントとしては下記のような事項があげられます。

・表面が色褪せていないか
・表面に亀裂やひび割れが発生していないか
・ルーフドレン(排水溝)の周辺にゴミが堆積していないか
・雨が上がったあと、一部に水たまりができていないか
・コケや雑草などが生えていないか

また室内に雨漏りが起きていたり、ウレタン防水材の表面が膨れていたらレッドゾーンです。早急に修繕する必要があります。

ウレタン防水材を長持ちされるお手入れについて

ウレタン防水材を長持ちさせるためには、日ごろのお手入れも大切です。
まず前提として防水材の表面を清潔に保つことが重要です。
とくにプランターなどを置いている場合、微生物のたっぷり棲んでいる土はウレタンを劣化させる原因になるため定期的に掃除を行いましょう。

またウレタンは基本的に柔らかい素材のため、重量物をそのまま置くと塗膜を傷つけるおそれがあります。物置や植木鉢などは、ゴムマットなどの緩衝材を敷いてから置くことをおすすめします。落ち葉やゴミなどが排水溝に詰まって、いつまでも排水されない状況も好ましくありません。定期的に詰まりがないかチェックしましょう。
ウレタン防水材の耐用年数と劣化のチェックポイント、長持ちさせるお手入れ方法

注意!ウレタン防水材のデメリットは技術のムラ?信頼できる施工とは

ウレタン防水材が十全な防水能力を発揮するためには、防水塗膜の層が均一に形成されている必要があります。そのため塗りムラなどで塗膜に一部だけ薄い箇所があると、そこから劣化していって穴のあいた状態になり、水が流れ込むことになります。

ウレタン樹脂の塗り付けは基本的に手作業で行われます。塗りムラを抑制する機材も存在しますが、最終的にはやはり施工の仕上がりは担当する業者の技術にかかってきます。

また施工面は仕上げのトップコートを塗ってしまうと外からでは確認することができないので、いくらでも誤魔化しが効いてしまうのです。
品質の良し悪しが分かるのは、防水効果の切れる何年も後の話です。そのため、ウレタン防水材の施工においては信頼できる業者を選ぶことが長期的にも非常に重要なこととなります。

信頼できる施工業者とはすなわち、腕の良い技術者が在籍する実績のある業者です。
工事保証やアフターメンテナンスの充実している業者はそれだけ技術に自信があることの裏付けでもあるため、業者選びの参考になります。
保証期間について詳細な説明をしてくれるかどうかも重要です。
注意!ウレタン防水材のデメリットは技術のムラ?信頼できる施工とは

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まとめ

ここまでウレタン防水材についての基礎的な知識と注意点をご紹介してきました。

・ウレタン防水材は液体樹脂を重ね塗りすることで多層構造の塗膜を形成する防水施工。
・平坦な場所であればどこにでも施工できる自由度が最大の特徴
・施工方法には密着工法と通気緩衝工法があり、施工場所の環境によって使い分ける
・耐用年数は約10年、ただしトップコートの塗り替えは5年ごとに必要
・長持ちさせるには施工面を清潔に保つお手入れが大切
・塗りムラは劣化を早める原因になるため、技術に信頼のある業者選びが重要

ウレタン防水材はさまざまな場所を選ばず施工ができる優秀な防水材ですが、費用を抑えて長持ちさせるには、特徴とお手入れの方法をしっかり把握しておくことが重要です。
大切なお家と財産を雨漏りから守るためにも、最適な防水工事を目指しましょう。

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依頼できる業者や料金について、詳しくは「生活110番」の「防水工事」をご覧ください。

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