急に水が出ない!?焦らず対処を。水道管破裂につながるNG行為とは

2021.4.30

急に水が出ない!?焦らず対処を。水道管破裂につながるNG行為とは

私たちが普段なにげなく使っている「水道」は電気と並んで、生活に欠かすことのできない社会的基盤の一つです。しかし水道の蛇口をひねれば安定的に水が供給されるという環境は、決して当たり前ではありません。

もし突然水道から水が出なくなってしてしまったら、どのように対処すれば良いのでしょうか?
「たくさん蛇口をひねっているのにチョロチョロと少しの水しか出てこない」
このようなトラブルも考えられますね。

そこで今回は水道から水が出なくなった時に考えられる主な原因や、対処方法について、分かりやすくご紹介していきます。「自分で直すやり方が分からなかった」という方は、ぜひ参考にしてみてください。

水が急に出ないとき、どんなトラブルが考えられる?

まずは水が出ない場合の主なトラブルを4つみていきましょう。

(1)断水

自宅近くで水道工事が行われる際などに、一時的に断水が行われることがあります。断水が解除されるまでは、水を使うことはできません。

(2)水道管の凍結

寒い季節に気温がマイナス4度以下になると、蛇口や水道管が凍結し、破裂・損傷するといった事象が起こりやすくなるといわれています。水が出ない理由が水道管の凍結である場合は、氷が溶けるまで水を使うことはできません。

(3)水道管の劣化

水道管の仕様もすこしずつ変化を見せています。住宅環境によってチェックするべき場所が微妙に違っているので注意が必要です。

築年数の古い家の場合

日本水道協会によると昭和50年頃より鉄でできていて錆びやすかった「鋼管」がポリ塩化ビニルなどの「樹脂管」に本格的に移行していった模様です。そのため、築年数の古い家の場合は、おもに「鋼管」を水道管に用いられていることが多いです。

「鋼管」は鉄で作られたパイプなので、経年劣化によりサビが発生する可能性があります。蓄積したサビが水の流れを遮って水が出なくなった場合には、交換修理が必要です。

新しい住宅の場合

近年建てられたばかりの新しい住宅には「樹脂管」が用いられるのが主流となっています。この樹脂管は、経年劣化によってサビが発生する心配はありません。しかしながら樹脂管は熱に弱いという弱点があります。

そのため、浴室や台所の排水溝に、熱湯や熱い油を流し続けると、樹脂管のつなぎ目が劣化する可能性があるのです。また最近流行の高圧洗浄機の使用によっても樹脂管の内側が損傷する可能性があり、修理が必要となります。

いずれにしても、水道管の劣化が原因で水が出ない場合は、修理が完了するまで水を使うことはできません。また、水道管の劣化部分から大量の水が噴き出してくる可能性がありますので、水道メーターボックス内の元栓をひねって「全閉」にし、水を止めておくことをオススメします。

(4)水道代の滞納

ときどき「水は生命にかかわるライフラインなので、料金を滞納しても止められない」などという話を聞くことがありますが、そんなことはありません。
水道料金を何か月も滞納し続ければ、確実に水道は止められます。ちなみに給水停止になる目安は、一概に言えませんが3~4か月の滞納で停止になることが多いようです。

とはいえ、水道料金が未納であったとしても急に止められることはないので安心してください。
まず、1か月間支払いが滞った時点で催促状が届きます。もし、2週間経っても支払われない場合は、次に勧告状が届きます。
それでも水道料金が滞納された場合に限って水停止予告所(給水停止執行通知書)が届くようになっており、これを無視してしまうと水が使えなくなってしまうのです。

水道が止められるまでの日数は、自治体によって異なりますので問い合わせすることが必要でしょう。

その場合、憂慮すべき特別な理由でもない限り、支払いが完了しなければ水を使うことはできません。当然ですが支払いをしていないにもかかわらず、自分で勝手に水道メーターボックス内の元栓をひねって「全開」にし、給水を再開するようなことはしてはいけません。

(5)受水槽の故障(集合住宅)

マンションやアパートなどの集合住宅の場合は、一般的に受水槽が設置されています。この受水槽は、ポンプの力で各部屋に水を供給する役割を担っており、安定的に水を使用する上で非常に重要な設備です。

しかし受水槽やポンプが故障すれば、水は各部屋に行きわたらなくなります。
この場合、受水槽やポンプの修理が完了するまで水を使うことはできません。

水が急に出ないとき、どんなトラブルが考えられる?

水が出ないとき、まずは何を確認するべき?連絡する場所は?

つぎに水が出ないとき確認すべき点や、連絡する場所についてみていきましょう。

(1)断水

まずは家中の蛇口を開けてみて、どこからも水が出ないことを確認します。そして、断水のお知らせ通知を探しましょう。断水する場合は、あらかじめチラシやハガキなどで「断水のお知らせ通知」が届いているはずです。お知らせ通知を見逃していないか、郵便物を確認することも大切です。

また集合住宅の場合は、掲示板に断水のお知らせが張り出されていないか確認したり、他の部屋の人に「水は使えていますか?」と尋ねるのも良いでしょう。どうしても分からないときは、管理組合や管理会社に相談してみましょう。

戸建の場合も同様に、チラシやハガキのお知らせ通知を見逃していないか、郵便物を確認したり、隣近所の人に尋ねるのも良いでしょう。また、外に出て近くで水道工事をしていないか見てみると良いでしょう。

(2)水道管の凍結

冬などの寒い季節に、水道管が凍ったことが原因で水が出ない場合の最善策は、「自然解凍」を待つことです。もしも「お昼頃まで水道が使えなくても大丈夫!」という場合には、とにかく氷が溶けるのを待ちましょう。

夜の間に凍結した水道管も、室内に暖房をかけてあたためたり、日がのぼって気温が上昇したりすることによって、自然と元通りになるはずです。
このような「自然解凍」は、ゆるやかに氷が溶けていくため、凍結した蛇口や水道管への負担が少なく一番安全で確実な直し方です。

(3)水道管の劣化

サビに弱い「鋼管」も、熱に弱い「樹脂管」も、水の流れが悪くなったと感じたときが水道管劣化のサインです。

国税庁の耐用年数表によると、建物附属設備である給排水設備の耐用年数は15年となっています。また、ビニル樹脂系の配水パイプを生産している積水工業株式会社は、鋼管の耐用年数が15~20年、樹脂管の耐用年数が20年~25年と公表しています。水道管の設置から約20年程度経過した住宅の場合は、水道管の交換ができる業者に、工事を依頼しましょう

(4)水道代の滞納

水道局に問い合わせ、何月分をいくら払えば給水を再開してもらえるか確認し、速やかに料金を支払いましょう。

(5)受水槽の故障(集合住宅)

「断水は起きていない・季節的に凍結の可能性もない・築年数も古くない・水道代も滞納していない」という状況にも関わらず、水が出ないのであれば「受水槽」が故障している可能性があります。
管理会社や大家さんに連絡し、対処してもらいましょう。

水が出ないとき、まずは何を確認するべき?連絡する場所は?

「凍結」はどうして起こるの?正しい対処法

続いて冬場に水が出なくなる原因になることが多い「凍結」について、正しい対処法をみていきましょう。

水道管が凍結する原因

気温が氷点下になると、蛇口や水道管が凍結して破裂・損傷する起こりやすくなるといわれています。日本水道協会によると、記録的な寒波の影響を受けて氷点下の気温が続いた平成30年には凍結による漏水被害が52,720件も発生しました。

氷点下の気温が続くなか、水道の蛇口を閉めた状態で水の流れが止まると、水道管の中が凍結する可能性がよりいっそう高くなります。

水道管が凍結した場合の正しい対処方法

凍結した蛇口や水道管に急激な温度変化を与えると、破裂・損傷してしまうおそれがあります。そのため蛇口や水道管が凍結したとき、もっとも安全な直し方は「自然解凍」だといわれています。

しかし私たちの暮らしにおいて、水道が使えないという状態は非常に不便です。そんなとき少しでも早く氷を溶かす手段としては、以下の4つの方法があります。

(1)タオルを巻く

凍結した蛇口や水道管に急激な温度変化を与えると、破裂・損傷してしまうおそれがあります。そのため蛇口や水道管には、あらかじめタオルを巻いておくことであたため、お湯をかけた場合の衝撃もやわらげることができます。

(2)ぬるま湯をかける

くどいようですが、凍結した蛇口や水道管に急激な温度変化を与えると、破裂・損傷してしまうおそれがあります。そのため、絶対に熱湯をかけてはいけません。50度程度のぬるま湯を用意しましょう。そしてタオルの上からゆっくりと「ぬるま湯」をかけ、氷を溶かしていきます。

(3)ドライヤーの温風をあてる

もし水道管が凍結しているために水が出ないなどの理由で、ぬるま湯を用意することができない場合は、ドライヤーを使うのも効果的です。蛇口や水道管の凍結した部分に向かってドライヤーの温風をあて、ゆっくりと氷を溶かしていきます。

(4)使い捨てカイロをあてる

ぬるま湯を用意することができない場合の対処方法として、ドライヤー以外に使い捨てカイロを使うのも効果的です。蛇口や水道管の凍結した部分にカイロをあて、ゆっくりと氷を溶かしていきます。

少しでも早く氷を溶かす手段として「ぬるま湯」や「ドライヤー」を使った上記の方法は効果的ですが、蛇口や水道管を損傷させないよう、急激な温度変化を与えないなど細心の注意を払って行うようにしてください。
「凍結」はどうして起こるの?正しい対処法

気をつけなくてるべきトラブル!間違った対処で起こる水道管破裂とは

それでは最後に水が出ないときの間違った対処方法についてみていきたいと思います。凍結した蛇口や水道管に急激な温度変化を与えると、破裂・損傷するおそれがあることは、本当に気を使わなくてはならないことです。

万が一、凍結している水道管にアツアツの熱湯をかけるなどの間違った対処をしてしまった場合には、その衝撃で水道管が破裂・損傷してしまう可能性があります。

そして水道管が破裂したら、床下などから大量の水があふれ出るなど大惨事になる場合が多いです。

そこで、万が一水道管が破裂した場合どのような対処が必要か、手順を確認しておきましょう。

(1)水道メーターボックスの蓋を開く

(2)水道メーターボックス内にある元栓をひねり「全閉」にし、水を止める

(3)「水漏れ修理業者」もしくは近隣の「指定給水装置工事事業者」に修理を依頼する

※もしも「水道メーターボックスの場所が分からない」とか「雪に埋もれてたどり着けない」といった場合には、破裂・損傷した部分に布やビニールなどをテープで巻きつけるなどして、応急処置を施しましょう。
そして速やかに「水漏れ修理業者」もしくは近隣の「指定給水装置工事事業者」に修理を依頼することをオススメします。

まとめ

ここまで水道の水が出ないときの原因や対処法についてご紹介してきましたが、冬場に多く見られる凍結が原因の場合には「意外と簡単に対処できそうだな」と感じられた方は多いのではないでしょうか?
また、水道の水が出ない原因は凍結以外にも「断水・水道管の劣化・受水槽の故障・水道料金の滞納」など、さまざまなものがあります。
それぞれ状況に応じた対処方法を知っておくことで、いざというとき慌てずに済むと思います。

一方で水道の水が出ないときに、原因を見誤って間違った対処をすると、蛇口や水道管を破損・破裂させてしまうおそれがあります。水道のトラブルは生活に直結するため、現状に違和感がある場合は点検を行うことで大きなトラブルを避けることができるでしょう。

水道管の劣化を放っておくと、凍結しただけで破損にいたる可能性もあります。
寒冷地の住宅で、しばらく水道管のチェックを行っていないなど不安に思われるのであれば、この機会での定期点検がオススメです。

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