水道管が凍結したら?熱湯をかけると破裂の危険!正しい溶かし方
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寒い日が続き、気温が下がると水道管も凍結して水が出なくなってしまいます。水道管が凍結したらどうすればいいのかご存知ですか。
無理に溶かそうとして熱いお湯をかけてしまうと、水道管が破裂してしまうことがあります。そうなれば当然、蛇口を閉めても漏れ出す水を止めることができません。水道代や修理代がどうなるのか不安ですね。
水道管の凍結や破損を早い段階で発見できたとしても、間違った対処方法では、状況を悪化させてしまいかねません。正しい対処方法を理解し、問題が起こったときに冷静に対応しましょう。
凍結したときの対処方法と予防方法など紹介していきます。
目次
水道管が凍結したら?やってはいけない溶かし方
水道管の凍結は、あらかじめ「凍結の防止対策」を行っておくことで防ぐことができます。しかし、大規模な寒波は突然によってくるものです。「凍結の防止対策」をしておらず、水道管を凍結させてしまう場合もあるでしょう。
水道管が凍結していると焦ってしまいますが、以下の行為は絶対に行わないでください。
凍結時にやってはいけないこと
知識がないとやってしまいがちですが、大きなトラブルにつながる絶対やってはいけない行為が以下の2つです。
- 蛇口をひねること
- 水道管に熱湯をかけること
蛇口を無理矢理ひねって水を出そうとすると水量を調整するパッキンが破損して水漏れを起こしてしまうことがあります。また、水道管がヒビ割れを起こす原因にもなりかねません。
「水道管が凍結したら、凍っているものは溶かせばいい」と安易に考え、直接水道管に熱湯をかけてしまうと熱膨張により水道管が破裂する原因となるので絶対にやめましょう。
(参照:岐阜県多治見市)
もし水道管が破裂してしまった場合は、素人では修理することができません。応急処置をして、すぐに業者に連絡しましょう。
水道管の凍結を安全に解決する方法
先ほどの絶対やってはいけないことを踏まえて、正しい解決方法をご紹介します。
水道管が凍結したら、溶けるのを自然に待つ方法が一番安全で安心です。
しかし、自然解凍では時間がかかり過ぎるという点は否めません。冬場の気温が低い新潟県にある上越市ガス水道局の推奨する方法を参考にして、水道管の凍結が自然に溶けるまで待てないときに安全に素早く溶かす方法を簡単にご説明します。
(2)上からぬるま湯(50℃前後)をゆっくりとかけていく。
タオルを巻き付けて、ワンクッション置くことで、急激な温度変化を和らげることができ、破損を防止します。また、水道管全体に巻き付けることで、直接お湯をかけるよりも、少ない量・低めのお湯で全体を溶かすことができます。
その他の方法としては、ドライヤーの温風やカイロなどの低温暖房部材を凍結した部分に当てて使用するのも、急激な温度変化をさせないので安全な方法です。
室内であれば、暖房で部屋全体を暖め、水道管の凍結部分が溶けるのを待つのもいいでしょう。ポイントは、急激に溶かすのではなく「焦らずにゆっくり」とおこなうことです。
正しい溶かし方を知らずに熱湯をすでにかけてしまったという場合には、一見大丈夫そうに見えても水道管の破裂直前であるおそれがあります。速やかに業者へ連絡し点検をしてもらうことをおすすめします。
水道管が凍結する条件とは
水道の凍結トラブルを防ぐには事前の対策が大切です。対策を講じるためにも「水道管の凍結条件」について知っておきましょう。
上越市ガス水道局では、気温が-4℃以下になると水道管の凍結が発生しやすいとしています。寒い日や積雪が続く場合は注意が必要です。
また、公益社団法人日本水道協会が水道事業者におこなった「給水装置等の凍結事故に係わるアンケート調査」よると、凍結被害は屋外に露出した配管部分に多い傾向です。給湯器などの配管がむき出しになっているところは凍結しやすいと考えられます。外気の影響を受けやすいトイレや洗面所など北向きにある水回りも、気温の低い日には注意が必要です。
このように気温と場所の条件が揃うと凍結してしまいます。
水は液体から固体になると体積が増える性質を持っているので、水道管の凍結により破裂してしまうおそれがあり、水道管の破損は業者による工事が必要なので金銭的な負担もかかるのです。
上記のような条件が揃うと予測できた場合は、次章で紹介する「水道管の凍結を防止する方法」を実践してください。
水道管の凍結を防止する方法
寒冷地以外の方には知らない方も多いかもしれませんが、水道管を凍結させないために「水抜き」という作業があります。水道管が凍結するのを防ぐために、事前に地上に出ている水道管の内部に水を溜めておかないようにする対策法です。
水栓器具メーカーのLIXILも気温や室温が0℃以下になる場合は、屋外施設の保温や配管内の水を抜く凍結防止法をおすすめしています。
これから凍結防止法を簡単にご紹介します。
水を抜いて凍結を防止
水抜きの手順は以下の通りです。
①水の元栓を閉めます
②水道の蛇口を開きます
③水道管に残っている水を抜きます
このような手順でやってあげれば凍結を防ぐことができます。
水を出しっぱなしにして凍結を防止
少量の水を蛇口から出しっぱなしにするのも効果的です。
水を出すことによって動いている状態をつくるので氷点下になっても凍結しにくくなります。
しかし、水を出しっぱなしにするため、水道代がかかってしまい、出しっぱなしが難しいトイレは凍結を防ぐことができません。
水道管を保温して凍結を防止
外の水道管は冷やさないようにすることで気温が氷点下になっても凍結を防ぐことが可能です。名古屋市上下水道局でも寒い日が続く際にできる対策をお知らせしています。
おもに凍結しやすい蛇口、水道メーター、給湯器をタオルで巻いて保温します。防寒材や布で巻き、外側をゴミ袋などの水を通しにくい製品で覆ってからテープで巻きます。このときに布が濡れていると逆効果なので注意しましょう。
室内にあるシンクの下の水道管は、扉を開けて暖房の暖かい空気を入り込むようにするだけで保温が可能です。
また、水道凍結防止帯という給水・給湯配管に巻き付けて凍結から配管を守る発熱する帯状ヒーターを使用する方法もあります。水道凍結防止帯を水道管に巻きつけたあと、上からビニールテープで巻きコンセントの電源を入れて保温完了です。
上記にご紹介した方法を、一段と寒くなりそうな朝を迎える前の晩に実践すれば「水道管が凍結したらどうしよう」という不安を抱えることもなくなります。
水道管が凍結…しかも破裂してしまうとどうなる?
万が一水道管が凍結したら、冷静な対処で切り抜けることができることはもうお分かりだと思います。しかし、誤った対処をしなかった場合でも、水道管が凍結するだけで破裂してしまうリスクがあることを知っていることはとても大切です。
身に覚えがない場合でも、水が全く出てこない場合は、業者へすぐに連絡することが大切です。
凍結で破裂してしまうとまったく水が出てこなくなります。
水道管が膨張して破裂している場合は、水道管に亀裂が入り、水が漏れていることが確認でいきますが、水道管が内部に設置されている場合は、目に見えないところが破損している可能性があるのです。このときは、水道メーターで確認します。
ですから、前月と比べて水道代が高くなり、水道使用量が多くなった場合は注意が必要です。
水道管が凍結した時点で対処が必要ですが、業者に依頼すると6000~20000円ほどかかります。水道管を破裂させてしまうと修理費がさらにかかります。
焦らない対処を行ってください。もしわからないことや、対処の仕方に自信がない場合は早めに業者へ連絡しアドバイスをもらいましょう。
破裂した場合はどうやって解決すればいいの?
水道管が凍結したら起こる破損への対処法ですが、水道メーターボックス内にある元栓を全閉しましょう。元栓の種類によって半開きの状態で水が噴き出るタイプがあるので必ず全閉します。
メーターボックスの位置がわからないときは、破損した部分を布かテープ、タオルで巻きつけて応急処置をしましょう。
それでも心配な方は、なるべく早めに業者に相談してみてください。使用年数や状況に合わせた適切な対処方法を教えてもらえるはずです。
まとめ
急に気温が下がり、水道管が凍結しないように事前に予防できる方法があるので日頃から気をつけていきましょう。
水道管が凍結したら放っておいてはいけません。破裂が起きてしまうリスクが高いからです。凍結した時は水が使えなくて焦ってしまうものですが、間違った対処をしてしまうと被害が拡大してしまう可能性もあります。そのようなことが起こる前に予防方法を知っておくだけでも安心ですね。
万が一、水道管が破裂してしまっても焦らず、応急処置をしてから早めに専門の業者に相談することが大切です。
※対応エリアや加盟店によって変わります