知っておきたい洋式トイレの構造。詰まったときはどう対処する?

2021.4.30

知っておきたい洋式トイレの構造。詰まったときはどう対処する?

洋式トイレが詰まったときや、詰まりの対策をしたいときには、まずトイレの構造を理解しておくことが大切です。しかし、具体的に洋式トイレの構造を知っている方は少ないかもしれません。

そこで、以下では洋式トイレの構造についてご説明します。洋式トイレは、タンクのなかにあるさまざまな部品が連動することで排水・給水をおこなっています。洋式トイレの仕組みを知ることで、詰まったときの対処にも役立つでしょう。

洋式トイレの構造①タンクの仕組み

洋式トイレの構造は部品がたくさん入っており、連動して排水・給水できるようになっています。では、タンク内にどのような部品があるのか、以下でご説明します。

トイレタンクはどうして設置されているの?

洋式トイレのタンクが設置されている理由は、災害による停電が起こっても、トイレが利用できるようにするためです。タンク付きトイレは、タンクに溜まった水の圧力だけで水を流すため、電力を必要としません。また、常に一定量の水が貯水されているため、断水が起こった際でも数回トイレを利用できるのです。

さらに、タンクのサイズが小さい「フラッシュタンク式」というトイレもあります。最近では、従来のタイプよりも配管を太くし、水道からの圧力だけで排水できる「タンクレス式」というタイプも登場しているのです。

トイレタンク内にある部品の役割

トイレタンクには、水を流したり、補充したりするための部品が揃っています。部品ごとの役割を理解することで、故障した際の対応にも役立つでしょう。

●フロート弁

フロート弁とは、トイレの便器へと水を流す出口のフタです。水を流すレバーに連動して開閉します。開いたフロート弁が時間をおいて自動的に閉まることで、水が止まる仕組みです。

●浮き球

浮き球とは、トイレタンクのなかに浮かんでいる風船のような球体です。水を流して水位が下がると、浮き球の位置も低くなります。

浮き球は、次で説明する「ボールタップ」という部品につながっています。浮き球の位置が下がることで、給水の役割をもつボールタップが作動するのです。

●ボールタップ

ボールタップは、水道管の栓になる部品です。ボールタップは水の出口についていて、浮き球と連動しています。浮き球の位置が下がると、ボールタップが開く仕組みになっているのです。

ボールタップが外れることで水が出るため、排水して減った分の水を補充することができます。水位が上がることで浮き球の位置も上がるため、自動的に栓も閉まる仕組みです。

●オーバーフロー管

オーバーフロー管とは、トイレタンクの底から上に向かって、真っすぐに伸びているパイプです。設定された水位より、水の位置が上がってきたとき、自動的に排水する役割をもっています。そのため、浮き球やボールタップの誤作動で水の量が増えすぎても、タンクから水漏れをするのを防ぐことができるでしょう。

タンクの水位は計算して設定されている

タンク内の水位は、流すのに必要な水位にまで達するよう計算して設計されています。そのため、タンクレス式やフラッシュタンク式など節水タイプのトイレは、水道からの水圧も加えることで水の量を減らしているのです。

知っておきたい洋式トイレの構造。詰まったときはどう対処する?

洋式トイレの構造②便器のたまり水

洋式トイレの構造は、水を流すためだけでなく、快適にトイレを使うための工夫が施されています。トイレのなかに溜まっている「封水」という水も、快適に使うための機能のひとつです。そこで、以下では「封水」の機能についてご説明します。

なぜトイレの便器には水がたまっているの?

トイレに溜まっている水は「封水(ふうすい)」と呼ばれ、おもに配水管からの腐臭が出てこないようにフタをするための水です。便器の奥はJ字型のパイプになっていることが多く、曲線部分に水を溜めることで、腐臭や排水管のコバエが、トイレに出てくるのを予防できます。

また、水がたまっていることで、排泄物を便器につきにくくする役割もあります。乾燥した状態の便器に汚物がつくと、そのままくっついて取れにくくなるのです。

便器の奥は一度折れ曲がっている

上でも説明したとおり、便器の奥は曲線状に曲がっています。曲線を作ることによって、封水を溜めることができるのです。しかし、折れ曲がっている分、排泄物は流れにくくなります。そのため、曲線部分を超えて流すためには水の勢いが必要なのです。

たまっている水がなくなってしまったら…

封水がなくなってしまった場合、奥に物が詰まっていたり、水の勢いが強すぎたりするなどの原因が考えられます。封水がなくなったときは、新しく水を入れるか、詰まりを解消するなどの方法を試してみましょう。

封水がなくなったときの方法について、『トイレの水がなくなる原因ってなに?放置しておくと悪臭の原因に…』の記事でご説明しています。詳しく知りたいという方は、ぜひご覧になってみてください。

知っておきたい洋式トイレの構造。詰まったときはどう対処する?

もし洋式トイレの水が流れなくなったら?詰まり解消法

洋式トイレの水が流れなくなるおもな原因は「詰まり」です。とくにトイレットペーパーの使いすぎや、水に溶けないものを流すと起こります。このような詰まりを起こす原因を理解することで、適切な対処ができるのです。以下では洋式トイレが詰まったときの解消法をご紹介します。

トイレで詰まりを起こしやすい場所はどこ?

トイレ詰まりが起こりやすいのは、おもに便器の奥にある「せき」という曲線部分や、排水口の出口付近です。洋式トイレの構造では、配水管からの臭いを防ぐため、水を溜める曲線部分があります。しかし、流す水の勢いが足りないと、せきを乗り越えるだけの圧力が足らず、詰まってしまいます。

また、トイレットペーパーの量が多いと、排水口の出口付近で詰まるおそれもあります。そのため、水量不足やトイレットペーパーが原因で詰まったときは、適切な方法で押し流しましょう。方法については、以下でご説明します。

詰まり解消の前に「何が詰まっているか」を把握する

詰まりの解消法を試す前に、まずは、何が原因で詰まっているのかを把握しておきましょう。トイレットペーパーや排泄物などは押し流すことができますが、スマートフォンや生理用品は、押し流すと悪化してしまいます。そのため、水に溶けないものについては、取り除く必要があります。

知っておきたい洋式トイレの構造。詰まったときはどう対処する?

詰まったものを「溶かす」方法

トイレに詰まったものを溶かす場合は、重曹とお酢、お湯を使います。重曹とお酢を混ぜると泡が発生し、詰まったものを柔らかくできるのです。お湯を注ぐことで、より効果的なものになります。そこで、以下では溶かす手順についてご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

1.重曹50グラムと、お酢100グラムをトイレのなかへ入れる
2.40~45度前後のお湯を注ぎ、1時間ほど待つ
3.1時間後、バケツ1杯分の水を用意し、トイレに注ぐ
4.その後、水がしっかりと流れれば完了です

トイレに水を注ぐときは、できるだけ高い位置から水を流すようにしましょう。高い位置から流すことで、より高い水圧で奥に詰まったものを流すことができるのです。

詰まったものを「押し流す」方法

詰まったものを押し流すときは「ラバーカップ」という道具を使います。ラバーカップとは、ラッパ状のゴムに、取手がついたアイテムです。ゴムの部分を便器に押し当て、水や空気を送ることによって、圧力で押し流すことができます。

詰まったものを「取り除く」方法

詰まったものを取り除くときには「ワイヤーブラシ」というアイテムを使います。ワイヤーブラシは、鉄製のヒモの先に、短いブラシがついた道具です。曲線状のパイプを通って、奥まで到達することができるため、異物をひっかけて抜いたり、崩したりできます。

トイレを安心して利用するために

洋式トイレの構造上、大量に紙を使ったり、流れにくいものを流したりしたときに詰まりが起こりやすくなります。また、トイレの部品が劣化することで、不具合が起こる場合もあるのです。そのため、あらかじめ詰まりを予防しておくことで、トイレを安心して利用できるでしょう。以下ではトイレの詰まりや故障を予防するポイントについてご紹介します。

トイレには水に溶けにくいものを流さない

トイレ詰まりを予防するなら、水に溶けにくいものを流さないことが大切です。ティッシュペーパーや猫砂は水に溶けにくく、大量に流すと詰まるおそれがあります。とくに、猫砂の場合は水に流せるタイプであっても、量が多いと詰まりの原因になるのです。

トイレのタンクにペットボトルなどを入れない

トイレの節水のために、ペットボトルを入れる方法がありますが、じつはトイレが詰まる原因になります。ペットボトルを入れると水の量が少なくなるため、洗浄に必要な分の水圧が弱くなるのです。そのため、トイレットペーパーを十分に流せず、詰まってしまいます。

詰まりに対処できる道具を用意しておく

対策をしていても詰まりが起こることはあるので、詰まったときのための道具を用意しておくことも大切です。ラバーカップは押し流すためにしか使えないため、異物を取り出すためのワイヤーブラシなども用意しておくとよいでしょう。

知っておきたい洋式トイレの構造。詰まったときはどう対処する?

各部分の状態を確認しておく

トイレタンク内の部品は、長く使い続けると劣化・故障することがあります。タンクや便器は陶器でできているため劣化しにくいですが、内部の部品は金属やプラスチック製が多いため、劣化しやすいのです。定期的にトイレ内部を調べ、部品に異常が出ていないかを点検しましょう。

まとめ

洋式トイレの構造は、おもにタンク内にある部品が連動し、排水と給水ができるようになっています。タンク内の部品は、水を出すためのフロート弁や、給水のための浮き球、ボールタップなどがあり、それぞれ役割があるのです。

水に溶けにくいティッシュペーパーが流されたり、水の勢いが足りなかったりすると、配水管のなかで詰まることがあります。詰まったときは、ラバーカップやワイヤーブラシを使って詰まりを解消しましょう。

また、タンク内の部品が劣化・故障していると、水が流れなくなったり、流れっぱなしになったりする危険もあります。自力で部品交換をするのが難しいと感じたら、業者に修理を依頼することをおすすめします。専門知識のある業者に任せることで、素早く的確に作業ができるでしょう。

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